僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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FGO。推しはマルタです。


第3話

side立希

登校二日目。いくら雄英と言えど国立高校だ。午前中の授業は至って普通の一般的な科目、英語や現代文なのである。教科書も特段変わった様子はない。

「―はい、次の問題わかるやつ、プチャヘンザアップ!!」

先生たちは皆ヒーロー。今日もプレゼント・マイク先生の声は実に賑やかだ。

 

午前の授業を終えてお昼。だいたいの生徒は学食を利用するだろう。なにせ『ランチラッシュ』という有名なヒーローの料理を安価で食べれるのだ。

「立希!一緒に食べようぜ!」

「ん。いいよ」

鋭児郎君に誘われ、弁当を持って移動する。姉もクラスの女子に誘われていたから大丈夫だろう。

「誘ったのは自分だけ?」

「ん?立希以外にも誘ったぜ!」

「お!藤丸弟も呼んだのか!こっちだこっちー!」

「既に飯と席は確保しておいたぜー!」

ひょろりとした体つきの男子と稲妻形の黒メッシュが入った金髪の男子がいた。たしか、瀬呂君と上鳴君だ。さっそく4人集まり、自分は弁当箱を取り出す

「お?立希は弁当持ってきたのか!」

「おいおい、弁当よりぜってーここの食堂の飯のほうが美味いぜ!」

瀬呂君と上鳴君は自分の弁当箱を見てそう言ってくる。

「そうかな?自分としては家の弁当は一番美味しいって思うよ。」

そう反論。だってこれはタマモキャットが作ってくれた弁当だ。絶対美味しい事に間違いないのだから。弁当の箱を開けると…

「「「うぉお!?」」」

「…力込めすぎ…」

弁当の具材が輝いていた。そして匂いも良く、胃に空腹感を訴えてくる。他の3人も自分と同じような感じだった。上鳴君と鋭児郎君は涎を垂らして見てくる。

「こ、こりゃ確かに…」

「う、美味そうだ…ゴクリ…」

「な、なぁ藤丸!よかった少し交換してくれねぇか!?」

そんな瀬呂君からの願い。

「どうしようかなーさっき自分の弁当を否定してたしなー…」

「うぐ…」

意地悪しすぎた。自分は弁当のおかずを少し弁当箱の蓋にのせ、3人の前に出す。

「…冗談だよ。はい交換。」

「おぉ!サンキュー!」

数秒後、3人から「美味ぇ!!」と言う褒め言葉が来た。ほら、やっぱり美味しい。自分もいただきます…うん。美味い。

 

 

side立香

午後。午前が一般的な科目ならば、午後はヒーロー基礎学。この授業はヒーローとしての素地を鍛えるための授業。先生はあの超有名なオールマイト。なんと豪勢な。さすが雄英だなぁ…

「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!」

「オールマイトだ!」

「すげぇ!本物だ!」

「銀時代(シルバーエイジ) のコスチュームだ!」

「(いつ見ても画風が違うなー…)」

そんな事思っていると、早速授業が始まる。テーマは…『戦闘訓練』だった。そしてそれに伴い、入学前に各々要望した『戦闘衣装(ヒーロースーツ)』に着替え、グラウンドβに集まる。

 

「あ!立香ちゃん!」

集合場所に向かう通路で麗日ちゃんと出会う。

「麗日ちゃん…うわ、すごいね。その戦闘衣装」

「要望ちゃんと書けばよかったよ…スーツパツパツで…」

宇宙服をイメージした衣装の麗日ちゃんを見て少し驚く。

「立香ちゃんの衣装…無駄が無くてかっこいい!」

キラキラと目を輝かして私の戦闘衣装姿の感想を言ってくる。私は頬をかきながら感謝する。

「そう?ありがとう。」

『魔術礼装・カルデア』を元にした戦闘衣装。元って言ったけどそのままだ。

「あ!デク君!」

「!う、麗日さ―うぉお!?」

「あ、姉」

麗日ちゃんと話していると、そこに立希と…声からして…緑谷君だろう。何かオールマイトをリスペクトした緑の戦闘衣装を着てやって来た。そして緑谷君は案の定、麗日ちゃんのコスチュームを見て顔を赤くしていた。そんな二人を他所に立希が私の所に来る。

「衣装、似合ってる」

「そっちこそ似合ってるじゃん」

立希の衣装は『魔術礼装・極地用カルデア制服』を元にした…というかあっちもそのままの戦闘衣装。まぁ変えなくてもカッコイイしね。

「二人の衣装って…もしかして同じコスチューム会社?」

私と立希の衣装を見た緑谷君はそう聞いて来た。

「そうだよ。名前は『CDF』」

「ええ!あの有名な!?」

立希がそう答えると緑谷君が突然大声で驚く。もしかして知ってるの?

「デク君知ってるの?」

麗日ちゃんがそう緑谷君に聞くと、緑谷君は鼻息を荒くしながら早口で答える。

「正式名称、『カルデア・ダヴィンチ・ファクトリー』!戦闘衣装は勿論!様々なサポートアイテムの製作にて、世界中の科学者の度肝を抜く技術力を持った大手企業だよ!」

普段見る緑谷君とは違く、勢いがあったのか、私と立希はたじろぐ。

「う、うん…知り合いがそこに務めてたからそれで注文した」

「お、同じく」

知り合いというかそこの社長とは家族並みの信頼関係。というかダ・ヴィンチちゃんから「どんな衣装がいいかな!?」って興奮気味に迫られた。因みにこの戦闘衣装、防御力が高い。確か…『防弾防刃防水耐電耐熱性』だったはず。ダ・ヴィンチちゃんェ…

「えっと…緑谷君。そろそろ集合場所に遅れるから早く行こう?」

麗日ちゃんが勢いのある緑谷君を制しながらそう言うと、緑谷君はハッとなり顔を赤くしがら謝ってくる。

「!ご、ごめんなさい!ぼ、僕こういうのにすごく興味があって…」

「(あー…いわゆるヒーローオタクかぁ…その気持ちすっごく分かる。気になるよねぇ…)」

そんな事がありつつ、私達はグラウンドβに向かう。

 

「始めようか有精卵共!!戦闘訓練のお時間だ!!!」

クラス全員が集まり終え、オールマイトの言葉に全員の顔が引き締まる。訓練内容は屋内での対人戦闘訓練。敵退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪敵の出現率は高いらしい。そういうわけで『敵組』と『ヒーロー組』に分かれて、2対2の屋内戦を行うのだった。

「(うーん…それだと私や立希とペア組むと結構有利になるよね、そのチーム…)」

説明を聞き終え、ふとそんな考えが出てくる。私と立希は最大3人呼べる。2対5は鬼畜。そしてペアが立希となら2対8ってエグイ。

「…姉、どうする?」

立希も、私と同じ考えだった。

「…立希も同じ考え?」

「うん。姉と同じ…個性の関係上、仕方が無いけど…流石に相手が可哀そうだ。アンボニとかワルキューレ3人召喚したら尚人数差がつくよ…」

あー確かに…なら…

「…オールマイト先生」

私は手を上げ、発言する。

「何かね?藤丸少女」

「私と立希は個性の関係上、ペア組むと相手が不利になるので…私達は一人チームとしてくれませんか?」

「ええ!?」

「大丈夫なのかよ!?」

そんな提案に近くにいた切島君と三奈ちゃんが驚いた。オールマイトは少し考える素振りをする。

「成程…因みに藤丸少年の意見も同じかい?」

「あ、はい。問題ありません。」

オールマイトが立希にそう聞き、立希は肯定。それを見たオールマイトも頷く。

「…よし分かった!良いだろう!個性把握も大事だ!!」

「「ありがとうございます。」」

これで解決。そしてペア決め入る。ペア決めはくじ引きだった。結果は以下の通り。

A:[緑谷 出久&麗日 お茶子

B:[轟 焦凍&障子 目蔵]

C:[八百万 百&峰田 実]

D:[爆豪 勝己&飯田 天哉]

E:[芦戸 三奈&青山 優雅]

F:[砂藤 力道&口田 甲司]

G:[上鳴 電気&耳郎 響香]

H:[常闇 踏陰&蛙吹 梅雨]

I:[白尾 猿夫&葉隠 透]

J:[切島 鋭児郎&瀬呂 範太]

K:[藤丸 立香]

L:[藤丸 立希]

屋内戦闘訓練第一回戦目はヒーロー組が緑谷君と麗日ちゃん。敵組が爆豪君と飯田君だった。緑谷君と爆豪君は幼馴染であるが、どうやら確執があるらしく、執拗に緑谷君を狙っていた。その結果フリーになっていた麗日ちゃんと飯田君による一騎打ち。そして冷静さを失っていなかった緑谷君と麗日ちゃんの連携プレー?によってヒーロー組が勝利した。個性の反動で倒れた緑谷君は保健室、個性の副作用で吐いてる麗日ちゃん。どちらが勝ったかわからないような結果だったけど勝利は勝利である。その後、八百万さんからの講評。なんかオールマイト先生が「思ってたより言われた…っ」という小声が聞こえたのは気のせいとしておこう…うん。

 

続いて第二回戦目、ヒーロー組は轟君と障子君、敵組が尾白君と葉隠ちゃん。障子君による索敵、轟君の個性による凍結により、敵組がまとめて無力化。ヒーロー組の勝利。轟君の”個性”『半冷半熱』の凄まじさを私達A組全員目の当たりにした。さすがは推薦入試の一人だよ。

「強ぇえ!」

派手な個性。上鳴君がそう感嘆する

「仲間を巻き込まず、核兵器にもダメージを与えず、尚且つ敵を弱体化!!」

轟君の個性でモニター室が冷え、体を震わせながらも解説するオールマイト。

「最強じゃねぇか!!」

切島君含め、皆それぞれ口々に感想を言い合っていた。

「あの氷結…アナスタシアさん思い出すなぁ…」

立希は…何か外れた事言っていた…まぁ分かるけど…

 

そして第三戦目。オールマイトがクジの入った箱の中身を漁し、取り出す。

「ヒーロー組は……K!」

「あ、私だ」

私だった。呼ばれて少し緊張する。続けて…

「そして敵組は…J!」

「うっしゃあ!やってやらぁ!」

「うっし!頑張るとすっかぁ!」

敵組は切島君と瀬呂君…二人の個性は知らないから少し不利かな?

「(さてさて、誰を呼ぼうかな?)」

 

 

side立希

姉がヒーロー…言っちゃあ何だけど姉って性格的に敵っぽいんだよなぁ…

「なぁ藤丸!どっちが勝つんだろうな!」

上鳴がそう聞いてきた。自分は自信を持って答える。

「姉だよ。正確に言えば姉が召喚する人物によって勝利が決まる。」

「即答かよ!」

「今度は誰来るんだろ?」

「少し楽しみだよね!」

三奈さん。麗日さんなどのクラスメイト数人がワクワクしていた

「早く美女呼べよ!うへへ…」

ブドウ頭…峰田君。一回レオニダスブートキャンプに参加させようかな…割とマジで

「(どうせ姉の事だから…脳筋殺法だろうなぁ…)」

姉は最初は色々考えるけど、段々面倒くさくなって最終的に力ずく…ってなる事が多い。

『訓練スタート!』

試合が始まった。映像では音声は無い。映し出されたのは、敵組がいる建物の前で召喚している姉の姿。召喚された人物は中華風の衣装を着た派手な幼女。

「カワイイ!!」

三奈さんがそう言う

「あの子も偉人さんかしら?」

疑問に思うカエルっぽい女子、蛙吹さん。

「幼女には興味ねーよ」

本当に興味を無くしている峰田君。お前ぇ…

「立希!あの子は誰なんだ!?」

切島君が聞いて来た。自分は答える。

「『不夜城のアサシン』。真名は『武則天』だよ。」

そして、次に姉がした行動を見て、やっぱり脳筋殺法だったとわかり、溜息をついた。

 

 

side立香

『訓練スタート!』

「出てきて!『アサシン』!」

スタート合図と同時に『英霊召喚』。右手の甲に刻まれた令呪が光る。

「―全く。妾を使役しようとするなど……不遜過ぎて逆に興味が湧いてくるぞ?マスターよ」

「あはは、ごめんね、ふーやーちゃん」

アサシン、『武則天』。唐の二代皇帝太宗の後宮、妾の一人。出てくると不服そうな表情をしていた。

「後で飴あげるから協力してくれないかな?」

「…どれ、それなら仕方がないの。甘露は美味な物じゃ。」

ちょろ―こほん。やる気になってくれたふーやーちゃん。早速働いてもらう。

「それじゃあ…この建物に『宝具』をお願い。あ、中にいるクラスメイトは殺さないでね?毒もすっごく弱めで」

「なんじゃつまらん。折角新しい毒を使えるかと思うたのに…麻痺毒程度かの…」

やれやれといった顔でふーやーちゃんは動き始める

「あっぶな…因みにどんな毒で?」

「青酸カリと蠱毒をミックスし、そしt「あ、それ以上は聞きたくないです。」そかそか。」

会話を止めてもらって、早速『宝具』を発動させてもらった。

「憎むべきはそなたならず。そなたの中の罪。妾の法は、その罪の全てを痛苦の腕(かいな)で引きずり出す!とくと味わうが良いぞ。―」

瞬間。私の前に建てられていたビルの真下から巨大な毒壺が現れ、ビルはその毒壺に入る。そして容赦なくふーやーちゃんは蓋を閉め、その上に乗った。

「―『告密羅職経』にぱっ☆本日の拷問、これにて終了!」

可愛らしい笑顔での死刑宣告。(死んでない) さっすが容赦ない!

「さて、中に入りますか~ふーやーちゃん。」

「うむ。しかしまだ毒は張り付いておるから気を付け―お主には関係無いの。」

話しながら建物内に侵入。さて核がある部屋を見に行くとそこには…

「うぎぎ…う、動けねぇ…」

「か、体全体が…痺れて…」

死んだアルパカのような姿で倒れている切島君と瀬呂君がいた。

「うむ。解毒しない限りは今日ずっと動けんぞ。かかか♪」

「!だ、誰……だ…」

動こうにも動けない二人。実際、視線を少し移動するぐらいしか出来ないだろう…それぐらいふーやーちゃんの毒は効果覿面なのだ。私は微笑みながら二人の前を通る。

「どもども~びっくりした?ごめんね?まぁ麻痺毒だから死なないよ。それじゃあ。」

『ヒーローチーム!WI―――――N!!』

核に触れて、訓練終了だ。

 

さて、講習の時間。正直楽だった私は微笑みながら。負けてしまった瀬呂君と切島君は項垂れながら皆のいる場所に戻る。

「今戦のMVPは藤丸少女だ!何故だか分かる人!」

オールマイトがそう皆に聞くと、案の定、ポニーテールの女子、八百万さんが挙手する。

「はい。藤丸さんは建物事、毒で覆い敵のみを無力化。核に損害を与えず、誰も怪我せず終える事が出来ました。」

「妾の毒は千差万別。生から死を意のままに操れるものぞ。」

『うわぁ…』

胸張って話すふーやーちゃんの言葉に皆引いた。因みに切島君たちは解毒剤を飲ませ回復している。

「訓練始まったら紫色の液体が建物の流れて来た時はマジでビビった…折角のテープも流されちまったし…」

「くそ…悔しいぜ…」

二人は悔しそうにしていた。そんな二人にオールマイトは肩を叩いて励ます。

「今回はこういう結果になったが、まだまだ挽回は出来る!しっかり反省して次に生かそう!!」

そんな感じで私の戦闘訓練が終わった。

 

 

side立希

無事、第三試合が終わって…次は第四試合。

「ヒーロー組は……E!」

「僕の番だね☆」

「がんばるぞー!」

オールマイトが引いたクジの結果、ヒーロー側は三奈さんと、金髪の男子、青山君。

「そして敵組は……L!」

「あ、はい!」

そして敵側は自分だった。三奈さんと青山君。三奈さんの個性は確か『酸』って言ってた。で、青山君は『ネビルレーザー』。自慢するように説明してた。だから情報無しでの戦闘じゃない。勿論向こうも同じだ。

「頑張れ」

不意に姉から一言だけの応援。それだけで十分気合が入る。シスコン?知ってる。

「ん。姉が勝てたなら、自分も勝ちたいさ。」

さて、頑張ろう。

 

 

side立香

立希達を見送った後、後ろから八百万さんに声を掛けられた

「藤丸さん。先の試合、見事でしたわ」

「八百万さん。いやいや、勝てたのはふーやーちゃんのおかげですよ。」

「そうじゃよ!だからはよ甘露よこせ!マスター!」

癇癪上げるふーやーちゃんに私は飴玉を上げる。

「あ、そうだった。ありがとー」

「むふふ♪美味美味♪」

『(カワイイ…)』

嬉しそうに飴玉を食すふーやーちゃんに思わずほっこり。

「その…この方は何という名前で?」

「なんじゃ。興味あるのか?妾の名は武則天!唐の二代皇帝太宗の後宮、妾の一人じゃ!」

「え!?そうなのですか!?」

ふーやーちゃんの自己紹介に八百万さんは目を輝かす。

「八百万さん知ってるの?」

「確か…武氏はその子を殺した犯人として王皇后を追求し、寵姫・蕭氏とともに失脚させ、自らが高宗の皇后の座についたと言われて、その際、武氏は二人の手足を切り取った上で酒壺に投げ込み処刑したとか…この流れから、武氏が自ら子を殺して皇后に罪をなすりつけたのではないかと考える者も……真実は知りませんが…」

「ふむ…確かに、大方当たっておるが……真相は言わぬぞ…言わない方が、良い事もある…」

「そ、そうですか…」

ちょっと怖いふーやーちゃんが現れた。そういうのタブーだっけね。ちょっと空気が悪くなったからすぐに話題を切りかえる。

「それにしても八百万さんはスカサハ師匠の事と言い、博識だね。偉人に興味があるの?」

「はい!個性でありとあらゆる知識が必要でして、その一環で偉人にも詳しいのです。」

嬉しそうに話す八百万さん。私はそんな彼女に興味を持った。

「へぇ~私も結構詳しいから、聞きたい時は是非聞いて。」

「まぁ!でしたら後で紅茶とお菓子を用意しますわ!」

あ、この人ブルジョアだ。見た目や口調からそれっぽいなぁ…って思ってたけどさ…

「…そういえば、次の訓練。どちらが勝つと思いで?」

「んーまぁ、弟だと思うよ。」

不意の八百万さんから質問。私はあっさりと答える。余程のヘマをしなければ負けるはずがない。なんせこっちには英霊という強い味方がいるからだ。

『訓練スタート!』

「始まりましたわ!」

映像を見ると、早速立希は召喚していた。呼び出した英霊を見た私は…

「え、その子出すんだ…いや、まぁいいと思うけど…」

多分、敵っぽい英霊を出したかったんだろう。形から入るタイプだし。弟は

 

 

side立希

核の部屋にたどり着いた自分は誰を出すか考えた。敵っぽく、尚且つ対人戦となると……あの子か?

『訓練スタート!』

「出てきて『アサシン』!」

右手の甲の令呪が光り、『英霊召喚』。出てきたのは…

「―はい。マスター…すべて、すべて、貴方の御心のままに。私はすべてを捧げます。この体も。この心も、すべて……」

「うん………でも自分の体は大事にね?」

アサシン、『静謐のハサン』。暗殺教団の教主「山の翁」を務めた歴代のハサン・サッバーハの1人。先の姉の試合を見て、毒は有効だと思い、彼女を呼んだ。彼女はかなり忠誠心が高い。姉と自分は彼女の毒に触れても大丈夫で、結構気に入られてる…はずなんだけど何故か姉より自分の方が忠誠心高い……何でかなぁ?今も手を握って来て微笑んでるし…カワイイから許すけどさ!っと、切り替え切り替え。

「それじゃあせっちゃん。早速お願いしていいかな?」

「…はい。何なりと…」

せっちゃんは自分の手を放し一歩後退。そのまま頭を垂れ、膝を付く。

「この建物に、男女二人が侵入してるから、その二人を無力化にして欲しい。殺すのは駄目。毒も限りなく弱くしてくれないかな?で、無力化したらこの『捕縛テープ』で拘束して。」

「はい……参ります」

そう命令…お願いをすると、ハサンの仮面をかぶったせっちゃんは音も無く、自分の前から消えた。そして1分後…

「…終わりました」

さっきお願いを聞いていた状態で現れる。そのせっちゃんの隣には捕縛された三奈さんと青山君がいるのだった。

「「ムグー!!」」

ご丁寧に口まで封じている…容赦無い…

「早…さすがせっちゃん…ありがとう。」

お礼に頭を撫でたらせっちゃんは体を預けてくれる。うーんカワイイ。

『敵チーム!WI―――――N!!』

あっさり勝って試合終了。

 

さて、講習の為戻って来たのだが……

「うぎぎぎぎ……藤丸のヤロォ……羨ましいぜぇえええ……」

「くそぉ……所詮男は顔かよぉ……」

「………………」

「あはは…」

上鳴君と峰田君から嫉妬の目で睨まれる。何故か。せっちゃんが俺の手を握って背中にピッタリとくっついているからだ。この子、自分と姉、カルデアの皆以外だと人見知り(?) が発動するんだよね。

「いやぁ、まさか静謐ちゃん出すなんて、てっきり両儀式さん出すかと」

姉がそう言う。確かにそれもアリだった。だけど…

「んーでも敵っぽいってなるとハサンの方がいいかなって。」

「藤丸、今度のその人は何者?」

耳たぶがイヤホンジャックの女子、耳郎さんが聞いて来た。自分は答える。

「簡単に言えば、暗殺者メンバーの一人。けどまぁ見た通り、人見知りでね…」

「静謐ちゃんやっほ」

「マスターの姉様……お久しぶりです…」

姉がヒラヒラとせっちゃんに手を振ると、せっちゃんは自分にくっつきながらも挨拶する。

「そんな事はいいんだよぉ!!藤丸ぅう!手ぇ繋いでる理由を言えゴラァ!」

血の涙を流して訴えてくる峰田君を見て軽く引く。せっちゃんを見て理由を言うかどうか聞いて見ると、軽く頷き、説明しても良いと分かる

「彼女は…毒の娘…つまり彼女の体液は猛毒なんだ。触れたら……死から逃れられない。」

「ケロ…私は少し毒に対抗はあるわ」

蛙吹さんがそう言うが、自分は首を振って否定する。

「そこらへんにある毒と彼女の毒と比べても意味無いよ。そのくらいレベルが違うから。で、唯一自分と姉だけ大丈夫なんだよね。」

せっちゃんを見ながら言うと、せっちゃんは肯定してくる。

「はい…マスターのおかげで……私は今幸福を感じてます……だから……貴方にすべてを……捧げます…」

ちょっとその発言はアウト…ほら峰田君が発狂しだした…

「クソォオオ!!!」

「峰田うるせぇ…」

「女に飢えすぎだぞあいつ…」

瀬呂君と上鳴君が引いてた。勿論峰田君の周りにいたクラスメイトも…ちょっと表に出し過ぎだ。

「無駄話はそこまでだ!今は講評だぞ、諸君!とはいっても藤丸少年がMVPだがな!」

そうオールマイトが言って本題へと戻る。

「「気づいたら意識無かった……」」

どんよりと落ち込んでいる青山君と三奈さん。リプレイ映像を見ると、二人の前に突然現れたせっちゃん。直ぐに『ネビルレーザー』で攻撃する青山君だったがせっちゃんは簡単に避け、攻撃―捕縛する。驚く三奈さんだけど切り替えて『酸』をまき散らし、せっちゃんに攻撃と青山君に巻かれた『捕縛テープ』を溶かして解こうとしが、せっちゃんは苦無を投げ、飛び散った酸を相殺。そして青山君同様、あっという間に捕縛したのだった。うん。速過ぎてごめんね?

「そうですわ。立香さん同様に、ヒーロー組を瞬時に鎮圧したのは素晴らしいですわ」

八百万さんがそう褒め称えてくれる。

「だってさ。よかったねせっちゃん。褒められてるよ」

「……ありがとうございます。」

そう小声でせっちゃんはお礼を言った。

「かかか♪終わったのなら帰るとしようかの!」

「うん。ふーやーちゃんもお疲れ様」

「マスター…お呼びなら即参ります…」

「うん。お疲れ様」

自分と姉は武則天と静謐のハサンに礼を言って返す…と同時にどっと疲労が来た。やっぱり慣れないなぁ…姉も疲れる顔をするのだった…

 

その後の訓練も皆で観戦、講評しあって無事終了。放課後は皆で訓練の反省会をして学校が終わった。

「皆個性が面白いね」

「そうだね。私達ももっと頑張らないと」

「…これ以上きつくしないで欲しい…」

「それは…同感」

そうぼやきながら、自分と姉はカルデアに戻るのだった…




CDF (カルデア・ダヴィンチ・ファクトリー)
レオナルド・ダ・ヴィンチとロマニ・アーキマンを含め総勢100程度の会社。主に戦闘衣装やサポートアイテムの製作・発注が基本だが、世界中度肝を抜く技術力があってかなりの大企業。因みにセキュリティはBBが遊び半分で作り上げ、尋常ではない強固さをもっている。
※本部がカルデアにあり、世界各国に支部があるイメージ。
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