僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order 作:小野屋陽一
side立希
「ただいま!ロマニ!!」
「え!?立希君!?何でここに!?病院で休んで「今の状況で寝てられる程図太くない!!」で、でも…君はまだ病み上がり…!」
病室から転移し、カルデアに戻った自分。ロマニの静止を受けずに自分は管制室に入る。そこには多くの職員と、中央の座席にはダ・ヴィンチちゃんが座っていた。
「おや?随分早い帰り……わぉ、凄い形相だね。立希君」
「分かってるでしょ?ダ・ヴィンチちゃん…今、自分は物凄く…ムカついている…!」
自分はそうダ・ヴィンチちゃんに告げる。そんな自分に彼女は言う
「ムカつく…そうだね。分からなくもない。なんせ、君の…いや、私達の家族が危機に陥っている。よかったよ。ただ病室で寝ていたわけじゃないんだね。」
「うん…で、いいかな?いいよね?」
「勿論さ!既に我々カルデア従業員は動いている。勿論、サーヴァント達もいつでも準備万端さ!」
そう言われると、確かに、職員たちが慌てる様に動きまわっていた。自分は一旦深呼吸し、何とか冷静になるよう努める。
「立希君…!」
「自分は戻ったんだよ…ロマニ、自分は行くよ。世界とか人類とか助ける前に―家族を…姉を助ける!」
side轟
「―凍れっ!!」
俺は最初から全力を放つ!奴を『大氷壁』で拘束する!!
『他愛なし―ラァア!!』
「っ!?」
光弾で粉砕…っ!一瞬で―
『―死ね』
「っ!ガッ!!」
俺の所に光弾が放たれる。直ぐにその場から後ろに跳び回避する…が、光弾の威力で吹っ飛ばされた
「―くそっ!」
直ぐに左の『炎』を噴出させ空中で体のバランスを取る。そしてそのまま―
「うぉおお!!!」
『火炎』を放つ!!狙いは目玉だ!!
『っぐおぉ……貴様…貴様ァアアアアア!!!!!』
「弱点むき出しだ。狙えと言ってるようなもんだ―」
行ける。そう思った…が、奴はまだ本気じゃなかった。
『死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇえええええ!!!!!!』
「―ッッッ!!!!」
再度『光弾』が放たれた―が、それは一発ではなく…散弾銃のように、まき散らされた。直ぐに氷を俺の周囲に展開し、防御―
『フハハハハハハハハハハ!!!!我に逆らおうとした罰だ!』
「はぁ……はぁ……く…そっ…っ!」
一発の威力がデケェ光弾の嵐…俺は何とか防いだが…体力が大分持っていかれた…っ
『軟弱め。その程度の力で倒せると思っていたか?』
「何…!」
見れば『炎』を喰らわせた目玉がもう癒え始めていた。
『あの世で後悔しろ』
「っ」
光弾が来る…そう肌で感じ、上を見た時だ―
「un(アン)、deux(ドゥ)!」
『ッガァ!?』
「!お前は…」
―上空から十字の斬撃が奴に直撃し、光弾が放たれずにすんだ。そして更に
「やぁっ!」
『ヅゥ!!?』
「!」
今度は巨大なカギ爪のついた手が奴の体に直撃。奴の装甲を抉った。
「全く、アンタ一人で倒せるわけないでしょ。何なの?バカなの?」
「え、えと…だ、大丈夫…ですか?」
「お前ら…体育祭の時の……魔獣の森の時の…」
俺の前に現れたのは二人の女性。しかも見た事がある人物。体育祭と林間合宿の時いた…そしてこの二人がいるという事は…
「自分が来た!何てね…」
「立希…っ!」
白と黒のラッシュガードの様な服装の立希がいた。
side立希
管制室にアラーム音が響く
「どうした!?」
「強力な魔力反応!映像出します!!」
メインモニターに映るもの。それは『魔神柱』だった。
「!合宿で見たのと……!そこに姉がいる!!ロマニ!!ダ・ヴィンチちゃん!!」
「OK!!行きなさい!!ヒーローではなく、マスターではなく、一人の藤丸立希として!!彼女を救うんだ!!」
「直ぐに転移の準備!体内魔力量は大丈夫かい!?」
「十分!!」
自分は直ぐに管制室から飛び、戦闘服に着替え、魔神柱の所に転移する。転移場所は魔神柱がいる所から少し離れた場所。直ぐに魔神柱の所に走ると、視界の先で『炎』と『氷』が見えた。
「焦凍君…!?まさか戦って…!」
急いで駆け付ける。案の定、そこで焦凍君が魔神柱と戦っていた。しかもトドメ刺される寸前!!やっばい!
「『アルターエゴ』!そして令呪を持って命ずる!『焦凍君を守れ』!!」
「―今度は返さないわよね!!」
「―い、行きます!!」
『メルトリリス』『パッションリップ』を呼び出しそのまま令呪の力で二人を焦凍君の元まで飛ばす。何とか魔神柱からの攻撃を防ぎ、自分は焦凍君の前に現れる。
「自分が来た!何てね…」
「立希…っ!」
驚いてる焦凍君。
「何だその恰好…」
「これ?…まぁ戦闘衣装とでも言えばいいかな?」
魔術礼装・カルデア戦闘服。白と黒の二色で作られたボディスーツ。
「それより…アレ相手に一人は無茶過ぎるよ…」
「…あのデカいのに立香が取り込まれた……」
「何だって!?」
簡潔に教えてもらう。この魔神柱は合宿で自分を撃った敵、束が敵の一人に強制的に個性を発動させられ、『真の魔神柱』となったと…
「そっか…なら……姉を助けるために…焦凍君、手伝って。あの魔神柱から姉を取り出す!!」
「!ああ。足りめぇだ…」
自分と焦凍君は目の前にいる魔神柱を見据える。
『コロスコロスコロスゥ!!!全てだ!我に歯向かうものは全て潰してくれるわぁあああ!!』
「まとめてゼリーにしてあげる」
「飛んで火に入る……いえ、なんでも!」
戦闘―いや、救助開始だ。
side三人称
『ウォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!』
「―ってヤバイなぁ!!」
「立希!俺の後ろにいろっ!防御は俺がやる!」
「分かった!なら攻撃は―メルト!リップ!」
「やればいいんでしょ?」
「はいっ!」
光弾の嵐が降り注がれる。轟は『氷壁』で自身と立希の身を守る。光弾を防ぐと氷壁が粉砕される―と、同時にメルトリリスとパッションリップが前へ出る。
「やぁっ!」
「trente(トラント)!」
「はっ!」
「un(アン)、deux(ドゥ)!」
「潰れて!」
「お生憎様!」
「もう逃がしません!」
「un(アン)、deux(ドゥ)、trois(トロワ)!ワルツ・エトワール!」
『オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!?!?』
剣と巨大なカギ爪。二人の猛攻に魔神柱の装甲を斬り、削り、目玉を抉る。流石に魔神柱もかなり応えたようだ。だが、それはまだトドメとなる攻撃ではなかった。否、トドメを刺せなかった
『―クク…クハハハハハ!!!我をここまで押すとはな!!しかしまだだ!まだ我はやられん!!』
「立希…このまま奴を倒しても立香は…」
「分かってるよ…クソ…」
魔神柱の中には立香がいる。仮に魔神柱をこのまま倒したら立香も消えてしまう可能性があると考え、うかつに手は出せなかった。
「ちょっとマスター!このままやってもじり貧よ!」
「ま、マスターさん!」
「分かってる…分かってるよ二人ともっ!(どうやって姉を魔神柱から取り除く…でも何処に魔神柱の体内の何処に姉がいるんだ…っ)」
会話をしながらもメルトリリスとパッションリップは光弾を避けつつも攻撃を止めない。しかし降り注がれる光弾を全て躱す事は出来ず、少しずつ削られる…
「くそ…」
轟も『氷壁』を展開し光弾を防ぐが、体に霜が出来、維持が難しくなりつつあった。
『慈悲も無く。潰れて死ね―』
side立香
「―スター、マスター。ご無事で?」
「―ぷはぁ!ゲホッ!ゴホッ!…な、何とか…今度は何処―「『魔神柱擬き』の腹の中です」うっそでしょ!?」
レフ―じゃない。束が“個性”を発動させて私とキアラさんを取り込んだ。そしたらこんな黒い液体だらけで、何か―魔神柱の体内にいる状態だ。
「…って、私を取り込んだのに『擬き』?」
「ええ、私とマスターを取り込んだとしても『魔神柱』にはなりません…が、あの夜の『擬き』よりかは厄介なモノにはなりましたね…」
「そっか…っ!!」
突如、轟音。そして衝撃が来る。
『オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!?!?!?!?!?』
「っ…これって…誰かが魔神柱と戦ってるの?…もしかして立希が―うぐっ…」
今度は私自身に異常が来た。この感覚は…魔力消費!?
「マスター!…これは……っ!」
「き、キアラさん…腕が…」
キアラさんにも異常が起きた。彼女の腕が薄くなり、透過していた。よくみたら腕以外にも、彼女全体が若干透明になっている。
「成程…この魔神柱は…マスターの『魔力』を『動力源』として動いているようですね…そしてその魔力は私を『召喚』した分の魔力も使って…このままだと本当に私たちはこの魔神柱に取り込まれてしまいますわ…」
「何とか……はぁ……しないと…っ…はぁ……はぁ………っ!」
どんどん魔力が消費されている。立ち上がろうにも足が動けない。
「キ…アラ……さん……っ!」
「あらあら…マスターを運ぼうにも透過していく私は担ぐことすらできません…ここは『賭け』にでましょう」
「………?」
「胎蔵界、理拳印」
印を踏み、キアラさんは細く白い手が何本も周囲の壁に触れた。するとそこからひび割れ始める。
「何……を…?」
「外にいる者に私達がここにいる事を知らせ、救出させてもらいましょう…かなり厚い装甲ですので人が出入りできるぐらいの穴は作れませんが…この手の大きさ程度なら貫通は出来ます。」
「…っ……(お願い……気付いて…っ!!)」
視界が霞んで来た。
side三人称
『―ぐぁああ!!!?』
「「!」」
「今度は何!?」
「マスターさん!アレ!!」
「…んん!?」
光弾の嵐が突如として止み、魔神柱が苦しみだした。何事かと同様した4人。そしてパッションリップが指さす所に―細く白い手が何本か生えていた。
「アレ…って!あいつの白い手じゃない!!」
メルトが叫ぶ。確かにあの白い手はキアラさんの能力で現れる手だ!
「あそこに立香がいるのかっ!」
「だろうね…でも…場所高い!」
高層ビルぐらいの高さの所から白い手が生えているのを立希は確認した。
「どうするの!?マスター!!」
「決まってる!あそこに行くよ!」
「けどどうするんだ?あそこまで俺の『氷柱』で伸ばしてもあの光弾で壊されちまう」
「大丈夫!!あそこに行く算段は既に思いついてる!メルト!リップ!『全体強化』!」
「「!」」
立希は『魔術礼装・カルデア戦闘服』に魔力を注ぎ、礼装に備えられた『魔術』を発動。一時的にメルトリリスとパッションリップの身体を強化する。
「メルト!白い手のところまで跳べる!?」
「愚問ね、マスター!やればいいんでしょ?」
『ちょこまかと……鬱陶しいハエめぇぇええええ!!!!!!!』
「あら、怖い怖い」
スキル、『クライム・バレエ』によりメルトリリスは降り注がれる光弾を全て回避。そして壁蹴りの要領で魔神柱を蹴り一気に白い手が生えている場所までたどり着く。
「ブチぬいてあげる!」
『グゥウウウウウ!!!』
そしてメルトリリスはそのまま脚の剣で一点を貫いた。
「よし!リップ!焦凍君をしっかりつかんで!焦凍君もしっかりリップにつかまって!」
「は、はい!」
「わかった!」
パッションリップの掌に轟は乗り、爪に掴まる。
『己己己オノレオノレオノレエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛!!!!!!』
立希達が行動をしている間に魔神柱はメルトリリスに向けて光弾を放とうとした。だけどそれはさせない!!
「リップ!!」
「はぁっ!」
『ヌ゛!!』
パッションリップのスキル『被虐体質』により魔神柱の注視をメルトリリスからパッションリップに変え、メルトに放った光弾の軌道を反らした。
「そして…『オーダーチェンジ』!」
「「!」」
「っ―成程ね!」
一瞬にしてメルトリリスがいた場所に轟とパッションリップが転移し、逆にメルトリリスはパッションリップと轟がいた場所に転移した。
「いけ!リップ!焦凍君!!」
「はい!!」
『全体強化』に『被虐体質』のスキルで身体強化されたリップは巨大なカギ爪をメルトが貫いた所に突き刺し、カギ爪を引っかけ、強引に引き裂いた。
「更に!『ガンド』!!」
『ぬぅっ!?』
立希は魔神柱を『スタン』させ、動きを封じた。
「さぁ行け!焦凍君!長くは維持できない!だから君の手で姉を救って!!」
「!ああ!!わかった!!!」
「行ってください!」
「ああっ!」
パッションリップが引き裂いた場所から轟が入る。
「マスター…彼、大丈夫なのかしら?」
「大丈夫さ。焦凍君なら…!」
side轟
「立香!そこにいるのか!!」
俺は『氷結』で動く壁を固定しながら、伸びている白い手を頼りに奥へ進む。そして目の前に現れたのは―
「ぅ…………ぅ…………」
「ようやく………ですね……」
「!立香!!」
黒い液体に少し浸かってその場に倒れている立香の姿があった。
「あぁ…私ともあろうものが、なんて……あとは任せました…マスターのご友人―」
魔獣の森で見た女はそう言って消えた。さっきの白い手も消えた。成程…あの女のおかげでここまでこれたのか…
「立香!しっかりしろ!」
立香の上半身を起こし、意識があるか揺すって確認する。息は…してある…が、体力の消耗が激しい…っ
「ぅ………だ………れ………?」
「!立香!俺だ!」
「しょ……ぅ……と………君?」
「ああ!ここから脱出するぞ!」
俺は立香を横抱きで担ぎ、入った穴から出る。
「マスターのお友達さん!早く!!そろそろマスターの魔術の効果が消えます!!」
「っ!」
俺は自分の後ろに『氷結』を放ち、俺自身を押す。そして―
『オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!!!?!?』
「立希!約束を…守ったぞっ!」
勢いよく体内から飛び出る。遂に、立香の救出に成功出来た。
side立希
「よっしゃあ!!っと、リップ!」
「は、はい!」
「!」
宙に飛び出た姉を担いだ焦凍君をリップがキャッチし、無事自分の所まで運んだ。
「姉は!?」
「ぅ……………」
「気絶してるだけだ…けどこのままにしておくのはマズイ…」
焦凍君の言った通り、姉は気を失っていた。けど生きている。少し緊張が解けた。
「(魔力がほぼ無くなっている……本当にギリギリだった……)…ありがとう焦凍君…!」
「ああ…だが、まだアイツが…「いや、もう心配は無いと思うよ」何…?」
自分は魔神柱を見る。
『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!力…力ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!?!!?!!?』
魔神柱の全身にヒビが入る。そして水分が無くなるようにどんどん干からび始めた。
「焦凍君は姉を連れて下がって、後は自分が倒す。」
「出来るのか…?」
「勿論。まぁ自分の力じゃないけどね。」
自分の言葉に焦凍君は姉を背負って後ろに移動。それと同時、メルトとリップが自分も前に移動する。自分は干からびている魔神柱を見る。
「成程…姉の魔力を動力源として動いてたのか…で、魔力が無くなったから魔神柱の姿を維持できなくなっている…って事か…でもその前にお前を倒す。メルト、リップ。『合体宝具』!!」
「―行くわよ!」
「―う、うん!」
自分は二人に魔力を流し込む。リップの巨大なカギ爪―『トラッシュ&クラッシュ』の上に乗るメルト。そして空間圧縮を射出装置とし、流体変化により全身を宝具と成したメルトを撃ち出す。超遠距離狙撃宝具!
「合わせなさい!リップ!」
「うん!」
「「せーのっ!!―」」
パッションリップという『弓』で、メルトリリスという『矢』を撃ち放つ!!
「「『その愛楽は流星のように(ヴァージンレイザー・パラディオン)』!!」」
『――――――――――』
光速でメルトリリスは魔神柱の装甲を貫き、大口径の風穴を作り上げた。魔神柱は声すら上げず、崩壊する。
「これで終わり、ですか……?」
「これで終わり?出直して」
「これで…ようやく終わりだ……」
魔神柱がいた場所に、白目で泡を吹いて無様に倒れている敵…束を見つける。自分は近づく。
「で、こいつ。どうすんの?」
「そりゃ勿論…回収して…ねぇ?」
「はわわ…マスターさんの顔が怖いです…」
自分はそいつをカルデアに転送させ、ダ・ヴィンチちゃん達に任せる。今は姉の方が最優先だ。自分らは焦凍君と姉の所に戻ると、焦凍君は驚いていた。
「…スゲェな…一撃で倒すなんてな…」
「まぁね。自分の家族はすっごく強いんだから!」
「…ふん」
「えへへ…」
自分らの戦闘が終わった時、遠くから途轍もない衝撃と轟音。そして竜巻のようなものが現れる。その数秒後、大歓声が聞こえた。
「…どうやら、オールマイトの方も終わったみてぇだな。」
「(…そういや、ここに来るまで周囲で何が起きてたのか知らんかった…)そ、そっか…それじゃあ、自分らもそっちに行こうか。確か、緑谷君達がいるんでしょ?」
「ああ…立香がいるし、プロヒーロー達に会うしかねぇ…」
「あー…そう…だよねー……」
今更ながら、自分らがした事がかなりヤバい事に気付いた