僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order 作:小野屋陽一
side立希
その後、自分と焦凍君はプロヒーロー達がいる所に向かう。案の定、何故ここにいるやら何をしていたやらと根掘り葉掘りと警察と共に怒られながら事情聴取された。いやもう怖かった。内心泣きながら少しだけ魔神柱の事を濁しながら説明し、姉を助けた事を話す。姉はそのまま病院に搬送される…救急車に乗っていた人員がカルデアで見た事ある人達だったからロマニ達が色々手回したんだなと自分は理解する…そして今、やっと事情聴取が終わった自分と焦凍君は自宅に帰る事にした。
「それじゃあ…自分は帰るよ。焦凍君は?」
「緑谷達と合流して、多分俺達も家に戻る。」
「そっか。姉を助けてくれてありがとう。」
「…ああ」
それと、自分が魔神柱と戦っている間にも、色々と事が進んでいた。一夜明けると報道で『オールマイトのヒーロー活動引退』を表明していた。しかも、彼の姿は今までの『筋骨隆々のマッチョボディ』ではなく、『痩せ細った骸骨』の姿だった。それがオールマイトの本当の姿であり、体力の限界という事だった。神野区での戦い。敵連合のボス、確か、オール・フォー・ワンだっけ?その敵との激戦で最後の力を振り絞ったというわけだ。そして、魔神柱の事だが…なんと奇跡的に何も言われなかった。皆オールマイトの戦闘に釘付けだった…?一応、ダ・ヴィンチちゃんに聞いてみると…
「魔神柱の事かい?安心したまえ。アレはタブーみたいなものだからね。映像関連はBBに昨夜の内に全て抹消してもらったのさ。一応記憶云々もキャスタークラスの英霊達の魔術で抹消済みさ」
「何それ怖い」
流石です。取り敢えずは一安心。自分は姉のお見舞いに行く…因みに、姉を取り込み、魔神柱となった敵―束は自分がカルデアに転送した後、監獄へと搬送される事になった…搬送前になんかサーヴァント達が色々したらしいけど…怖いから聞かない事にした。うん。知らない方がいい事もあるよね。
side三人称
それは、とある一室で起こった出来事…
「~~~~~!!~~~~~~!!」
その人物は猿轡され、椅子に拘束されていた。顔からは涙、鼻水、汗を大量に流し、拘束されてるが恐怖によって全身を震わせていた。猿轡されているが全力で叫びを上げている。目の前にいる存在を、心底拒絶していた。
「あらあらあら…どうして泣くのですか?貴方が欲していた本物の『魔神柱』ですよ?」
「うふふふふふ…この境界の眺めを楽しんで?あなたならきっと……耐えられるわ♪」
「ふんぐるいふんぐるい……ふふ、こいつがますたぁ殿にひでぇことしやがったんだなぁ?全く、反吐がでるってありゃしねぇ」
「こーんな可愛い邪神系後輩と会えるなんて人生に一度あるかないかですよ~全身全霊を持って、感謝してくださいねぇ~?ンフ、ンフフッ。ンフフフフッ」
「うふふ、僥倖に存じます。あまりに深々と覗き込むと。その瞳を焼いてしまいますよ?うふふ……」
「ウッヘヘヘ!エッへヘへ!タノシイ!」
「今宵はサバト。まぁ死にはしないから…けど死ぬ程恐ろしい事はするだろうけど…ねぇ…?」
人なのに、人では無いナニか。名状しがたい存在を視認した人物は絶望する…そして己が何に手を出したかを、今更ながら後悔した…
side立香
「やっほ。姉。元気になった?」
「ん。まぁね。」
次に目が覚めたら、病室だった。そこは日本支部のCDFが請け負っている病院。寝ているベッドの隣に立希がいて、私が目覚めた事に歓喜して抱き着いてこようとしたから殴ったのは謝る。で、体は何処も怪我とか、後遺症は何もないという医師の診断。魔力も無事回復して、今は安静している。個性も無事に血清にて回復。後は警察と事情聴取された…個性について話したらなんか空気が変わったけど…何かあるのだろうか……
「立香ちゃんも立希君も無事でよかったよ…」
「ロマニも来てたんだ!」
「うん。立希君とお見舞いの食べ物なんだけど…」
苦笑するロマニの後ろから、紙袋を持っている立希が出してきたものは…
「マック買って来た。チーズバーガーでいいよね?」
「分かってるじゃん」
弟にしては気がきく。病院食って量少ないからお腹が空いて…
「う、うーん…医師の経験がある僕としては…いやでもそれで立香ちゃんが元気になるなら…」
ブツブツいうロマニを無視して私は立希から渡されたチーズバーガーを食べようとした時…
「病人が何マック食ってんだ…」
「ハハハ、元気そうだね。」
「「「!」」」
相澤先生と、オールマイトが入って来た。
「(へぇーテレビで見たけどホントにガイコツみたいで細い体してる…)」
「えー…病室なのでそう長い話は出来ませんので」
「はい。すみません。本当なら支部でゆっくり話せばいいんですが…」
「藤丸少女と藤丸少年同伴での説明ですので、そう長く時間はとりません」
病室でまさかの家庭訪問。私が寝ているベッドの隣で立希とロマニ。相澤先生とオールマイトが対面して座っていた。内容は、『全寮制導入』についてだった。一応、ロマニが私達の親代わり。どう決断するのか―
「あ、はい。よろしくお願いします」
「「そんなあっさり!?」」
つい私達はツッコミをしてしまった。
「本当によろしいので?」
少し目を見開いて、またいつもの顔に戻る相澤先生が聞いて来た。ロマニはいつもの笑みを浮かべながら答える。
「ええ。というか僕は二人の親代わり。というわけですが、二人を縛ることなんてしません。寧ろ二人は自由に今後の人生を謳歌して欲しいです。」
「「…………」」
「僕らは二人のおかげで救われた事があります。かなり危機的だった状況から…二人は僕ら助けてくれた。率先してして動いてくれた。だから…今度は僕らが二人にそのお礼をしたいのです。」
「「ロマニ…」」
私と立希はロマニを見る。ロマニは少し照れ臭そうに頬をかく。そして、教師二人に深くお辞儀した。私と立希も遅れてお辞儀をする。
「よろしくお願いいたします。」
「「お願いします」」
「寮生活かー…皆と私生活…色々とありそうだ」
「そうだね。というか荷物纏めないと。というかカルデアの皆、この事知ってるの?」
「…多分知らない…うーんきよひーあたりが色々言ってきそうで怖い…」
「ガンバ」
「人の事いえないでしょ姉…円卓メンツとか…とうか一旦戻ってサーヴァント達宥めてよ。皆もの凄い殺気放ってて気が気じゃないんだし。五体満足な所みせて安心させて。」
「…そだね。」
家庭訪問が終わり、ロマニも先に帰った後、私は立希とおしゃべりしていると、また誰か入って来た。
「…入るぞ」
「え」
「お」
「見舞いに来た。」
「しょ、焦凍君!?」
まさかの焦凍君だった。片手には数本の黄色い花を持っていた。
「ふーん…それじゃあ、自分は帰るとしようかな」
「ちょ―「(ガンバ!)」」
「いいのか?」
「大丈夫だ。問題無い(キリッ」
キリッじゃない!!私が大丈夫じゃない!!!というか絶対勘違いされてる!!阻止しようと立希に手を伸ばすがさっさと退室してしまった。
「………………」
「えーと……こ、この通り元気になりました。アハハ」
「ああ…花。ここに飾る」
「あ、うん。ありがとう。」
この病室には私と焦凍君だけ。なんか変に意識してしまう。
「えっと、その花どうしたの?」
「手ぶらで来るのも失礼だろ…近くの花屋で適当に見繕った…」
「へー、そうなんだ。」
一言二言の会話。ベッドの隣にある机の上に飾り、そのまま椅子に座る焦凍君。何か会話…そういえばまだお礼言って無かった…!
「ありがとう。助けてくれて。」
「ああ…覚えてるのか?」
「うーん…全然。意識朦朧で全く覚えて無い。けどなんか誰かに呼びかけられてさ、担がれて運ばれてるなーって感じかな?」
事の詳細は立希から聞いた。まさか焦凍君が助けに来てくれるだなんて王子か!?王子様なのか!?
「立希との約束で…立香を助けるって守ったから」
「そ、そっか。何度も言うけどありがとう。」
「ああ」
ど、どうしよう…会話が続かない…
「…本当は」
「?」
「本当は合宿ん時、助けるハズだった…なのに出来なかった。すげぇ悔しかった…」
「焦凍君…」
本当に悔しそうに拳を強く握って言って来た。そんな焦凍君に、私は―
「えい」
「!」
軽く叩いたこう、頭をポンって感じで
「もう過ぎた事だから気にしないでよ。こうして私が無事なんだし。感謝だって何度もした。」
「だが「うじうじ男らしくない!私がいいって言ったならそれで終わり。以上!」あ、ああ」
ぎこちない焦凍君。少しおかしくて私は微笑む。
「…フフ、本当にありがとう。焦凍君」
「……………ぁぁ」
「?」
何か顔伏せたけどどうしたの?
「そういえば、全寮制になるけど、焦凍君は?」
「ああ。許可取った。だから俺も寮暮らしになる。立香達もか?」
「うん。退院したらすぐ戻って荷作りしないとね」
「ああ。そうだな」
「これからもよろしくね?焦凍君」
「…わかった」
「はぁー…あードキドキしたぁ…」
面会時間が過ぎ、既に焦凍君は退出した。今は少量の夕飯を食べている。
「うーん…少ないなぁ…」
ふと、私は机にある花を見る。焦凍君から送られた花。なんていう花なんだろ?
「…調べてみよ…」
スマホで適当に特徴を打ち込んで調べ、検索で出た画像から似た花を探す。
「あ、あった…―っ」
顔が赤くなる。ホント、イケメンはズルイ。偶然だけどこれはズルイ…
「ああもう…落ち着け私の心臓…っ」
花言葉は『大切なあなた』だった。
SAN値がもうヤバいっすね。1D100で済まないかも…