僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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サクサク進みます。


第5話

side立希

今日のヒーロー基礎学は『人命救助訓練』。実際にレスキュー活動はヒーローの本分とも言える役割で数多のヒーローが活躍している分野だ。と言っても個性に依存する場面が多く、どこまで臨機応変に対応できるのかが重要だ。

「(…って言っても基本呼べば大体何とかなるし、大丈夫かな?)」

先生の話を聞いてそう思う自分。回復系だと……玉藻と天の衣さんかな……姉は…マーリン呼ぶだろうな。

 

という事で授業開始。訓練場は少し離れた場所にあるため、バス移動。どれだけ校内が広いかがよく分かる。飯田君の指示でバスに座る。そして移動中は皆と会話をしていた。

「―あなたの“個性”オールマイトに似てるわ」

「!?」

バスの中で梅雨さんが緑谷君に言った。そう言われると似ている部分がある。というか緑谷君は殴る時にオールマイトと同じ『スマッシュ!』って言ってたし、リスペクトかな?

「待てよ梅雨ちゃん。オールマイトは怪我しねぇし似て非なるアレだぜ。つっても、増強型のシンプルな個性はいいな!派手で出来る事が多い!」

鋭児郎君が梅雨さんの意見を否定し、増強型の個性を褒めた。

「俺の『硬化』は対人じゃ強ぇけどいかんせん地味なんだよなー」

「そうかな?自分は鋭児郎君の個性はすごくカッコイイと思うよ?」

不満顔になる鋭児郎君を自分はフォローする。鋭児郎君の“個性”は盾にも矛にもなれるし、いいと思う。

「そうか?ははっ!ありがとな立希!そう褒めてくれっと嬉しいぜ!」

少し元気になった鋭児郎君。そしてそこに青山君が割って入って来た。

「僕の『ネビルレーザー』は派手さも強さもプロ並み☆」

「でもお腹壊すのはヨクナイよね!」

そんな青山君が言った事をバッサリと三奈さんが言い切る。フォローは…無理かな。

「というか派手っていったら藤丸姉弟だってそうじゃん!右手の甲に書かれてるシンボルとか、召喚する時に光り輝いてカッコイイじゃん!」

「あはは、ありがと」

興奮気味の三奈さんに褒められ、自分は頬をかきながら感謝する。女子に褒められるのは嬉しいけど恥ずかしい。

「召喚はいいんだけど、一日3回しか今の所出せないんだよね。」

「え?そうなの?それ以上召喚したら?」

少し自分の個性について捕捉を咥える。

「姉も自分も、ぶっ倒れるだけだよ。」

「やっぱどの個性も長所と短所はあるかー」

そんな会話を三奈さんと鋭児郎君としつつ、目的地にたどり着いた。

 

 

side立香

たどり着いた場所は、ドーム状の建物。そこに私達が入る。建物の中は…

「すっげーUSJかよ!!」

力強い滝や渦潮が見える『水害ゾーン』や燃えている建物が見える『火災ゾーン』。それ以外にも様々な場面を想定したと思われるゾーンがいくつかあった。確かにこれなら人命救助訓練には最適の場所と言える。他に何があるか地図で確認していると、宇宙服のようなものに身を包んだヒーロー。本日の講師である『13号』先生が施設の紹介をしてくれた。

「水難事故、土砂災害、火事・・・etc.あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名も・・・U(ウソの)、S(災害や)、J(事故ルーム)!」

『(USJだった!!)』

私含め、全員心の中でツッコんだ。大丈夫?本家に怒られない?13号先生はそのまま話しを続ける。

「えー、訓練を始める前に、お小言を一つ二つ…三つ……四つ……」

「(増える増える…)」

13号先生の増えていく小言の数に困惑しつつも私達は彼の話に耳を傾ける。先生の個性は『ブラックホール』。なんでも吸い込みチリにしてしまう個性。でもその個性で災害から人を救い上げている。それと同時に簡単に人を殺せる力でもあると先生は言う。そして今の超人社会は一見成り立っているように見えるが、一歩間違えれば容易に人が殺せるような状況にある。そのような個性を個々が持っている事を忘れないように。と皆に訴え、この授業では心機一転して人命救助の為に個性の扱い方を学んでいこう。と、13号先生は朗らかに言うのだった。

「―君たちの力は人を傷つける為にあるのでは無い。助ける為にあるのだと思って下さい。以上、ご静聴ありがとうございました」

「ステキー!」

「ブラボー!!」

13号先生が自身の胸に右手を添えて恭しく、どこかコミカルに頭を下げると、麗日ちゃん、飯田君を始めとしたクラスメイトの多くが拍手で答えた。話を静聴していた相澤先生が授業の方に移ろうと語り出す。

「それじゃ、まず……」

そんな時だった…

 

―ゾワ―

 

「「っ!」」

嫌な予感が来た。人類救出中で何回も感じた、『憎悪』と『殺意』。それは立希も感じていた。同時に、相澤先生より後ろの噴水広場の中央。黒い何か、渦のようなものが見えた。ぐるぐると形を変え、ズズッと不気味な音を立てて拡大していく。

「先生!!」

私は相澤先生を呼ぶ。ここが『危険』になるという意味を込めて。

「!立香ちゃん?大声出してどうし―「ッ!!分かっている!!全員一かたまりになって動くな!13号!生徒を守れ!」え!?」

困惑した麗日ちゃんを他所に、相澤先生はゴーグルをかけ捕縛布を装備する。纏っている雰囲気が緊迫したものに変わっていくのに気がつかない皆が間抜けな声を上げる。

「何だアリャ?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」

「違うよ、鋭児郎君…あれは―」

切島君の隣にいた立希が冷や汗をかきながら答える。

「―敵だ」

 

 

side立希

突然の事態。敵は次々と黒い渦のようなものから湧いてくる。脳を剥き出しにした大男、身体中に手を身につけた痩身の男など…敵数は多く、自分たちを含めたこちらの人数を上回る大所帯だ。

「敵!?バカだろ!?」

一番に慌てる峰田君

「ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」

それにつられる瀬呂君

「先生、対侵入者用センサーは!」

何とか対応しようと案を出す飯田君。

「もちろん、ありますが……!」

13号先生が答えるが…反応から望みは薄そうだ。

「現れたのはここだけか学校全体か……何にせよセンサーが反応しないなら向こうにそういうことができる“個性”がいるってことだ」

冷静に分析をする轟君。それでようやく全員に緊張が伝わり、今度は恐怖が伝わる。

「13号、避難開始!センサーの対策も頭にある敵だ…上鳴、お前も"個性"で連絡試せ!」

しかしそんな中、相澤先生が活発に動き、指示を出す。上鳴君は反射的に頷いた。

「っス!」

「先生は!?1人で戦うんですか!?あの数じゃいくら"個性"を消すっていっても!!イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は……」

緑谷君が相澤先生を心配する。ヒーローオタクであり、色んなヒーローの情報を知っている彼だからこその意見。けどそんな緑谷君の意見を相澤先生は否定する。

「一芸だけじゃヒーローは務まらん」

緑谷君の真っ当な意見。そして不安を飛ばすように一言そういう相澤先生先生は13号先生に任せ、階段から飛び降り、戦闘へと臨んだ。相澤先生-『イレイザーヘッド』は“個性”『抹消』と装備した『捕縛布』用いて敵達の連携を断ちながら近接戦闘を続けていた。

「すごい…多対一こそ先生の得意分野だったんだ」

感嘆する緑谷君。自分も相澤先生の動きを見てそう思った。これがヒーロー…

「分析している場合じゃない!早く避難を!!藤丸君も速く!」

「う、うん!」

飯田君に声をかけられ全員で出口へと急ぐ。しかし…

「―させませんよ」

『!!』

黒い靄のような敵が行く手を阻むようにこちらに向かってくる。転移、ワープ系の“個性”だ。明らかに強個性。今回の騒動で中枢にいると思われる人物は語る。

「初めまして、我々は『敵(ヴィラン)連合』。僭越ながら……この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは―平和の象徴オールマイトに、息絶えて頂きたいと思っての事でして」

『!』

黒い靄の説明に自分達は驚く

「本来ならば、ここにオールマイトがいらっしゃるハズ……ですが、何か変更あったのでしょうか?まぁ……それとは関係なく……」

オールマイトの殺害。つまりは平和の象徴を殺害する宣言に生徒が息を呑む中、自己主張を続ける黒いモヤの敵。

「させない!」

13号が右人差し指の先の蓋を外し、攻撃態勢に入る……けどその前に爆豪君、鋭児郎君の二人が接近戦を試みたのだった

「その前に俺たちにやられることは、考えてなかったか!?」

『爆破』と『硬化』された腕が迫る。恐怖にも負けずに勇猛に動いた二人。しかし敵は無傷だった。

「危ない、危ない……。そう生徒といえど優秀な金の卵」

「ダメだ!どきなさい二人とも!!」

ゆらりと再度攻撃をすり抜けた黒い靄は揺らめく。警戒心を強めた13号先生は叫び、二人が振り返るがもう遅い。靄が広がり、避難のために一塊になっていた自分らを一瞬で囲い込んだ。

「散らして―」

「姉!」

「っ!」

先ほどとは数段速く靄が広がる。得体の知れないそれに嫌な予感がした自分はすぐに姉に手を伸ばす。

「嬲り―」

しかしその手が掴むよりも先に暗い靄が辺りを覆い、生徒たちを分断するように蠢く。障子君や飯田君など体格の良い生徒が周囲の生徒を靄からかばうように動く

「―殺す」

「皆!!!」

完全に闇に覆われる前、13号先生の声が聞こえるが…そこで途切れた。

 

 

side立香

「―っ!ここは……ってあっつ!!?」

敵の狙いがオールマイトと知り、そして黒い靄に覆われた……と思ったらさっきいた場所じゃない所に転移された。私の周りは火事だらけ、確かUSJ内マップで見た、『火災ゾーン』。正に、倒壊してる街が炎で覆われている場所だった。熱波がスゴイ。

「あっつ…「ひゃっはー!!いたぜぇ!!」っ!!」

「俺達の獲物だぁああ!!」

「わっ!!」

さっそく敵が襲い掛かって来た。バックステップで直ぐに回避する。

「逃げんなゴラァ!!」

「大人しく殺されろ!」

「女だぜ!ヒヒ!」

「悪趣味……っ」

気付けば私の周囲には異形型、発動型、変形型とありとあらゆる敵がいた。

「残念だけど…ここでやられるわけには行かない!!『アーチャー』!」

危機的状況。けど私は一呼吸し、冷静さを取り戻す。そして『英霊召喚』を発動させる。

「―はっ、この程度で俺を呼ぶなんてな…無能どもが雁首揃えて…」

「んだとぉ!?」

「ぶっ殺されてぇかテメェら!!」

私が呼んだのは、アーチャー、『エミヤ・オルタ』。開口で敵達を煽る煽る。

「それで?命令は何だ?マスター」

銃に弾丸を込めながら聞いてくるオルタ。私は命令を下す。

「殺さない程度にここにいる敵を倒して!」

「はぁ…面倒だがまぁ、いいだろう…」

面倒くさそうな態度をするが、それでも了承してくれる。オルタは私より一歩前に出る。

「何ごちゃごちゃ言ってんだ!!」

「この数相手に挑もうってのか!?バカめ!!」

「そいつは……どうかなっ!!」

瞬間、オルタは早抜きのように双剣銃を構え、敵の数体を射撃した。

「ガッ!?」

「うぎゃあ!!」

「なっ…「ふっ!」ぐぁ!!」

『!!』

早くも数名の敵が気絶。オルタの早業にこの場にいた敵達は驚愕した。

「どうした?こないのか?やれやれ…頭が悪いのか、それとも性根が悪いのか…」

ここでオルタは更に挑発。これには敵達も黙っていられず…

「っ!!!全員で掛かれぇ!!」

『ウオオオオオオオオオ!!!!!』

敵全員がオルタ目がけて襲い掛かる。

「マスター、頭を下げていろ」

「う、うん!」

オルタの言う通り、私は頭を守るように下げる。そこからはオルタの無双が始まった。

「ふっ!」

オルタは敵に向け、双銃乱射。放った一発一発の弾丸が敵の体の節々に着弾し、行動不能にする。弾丸が通らなかった敵には接近し、銃についている刃で応戦。完全に装甲を削り取り、敵をダウンさせる。

「な、なんだこいつは…ぐあぁ!!」

「は、はえぇってもんじゃね―ギャア!」

「つまらん!」

ようやく敵達が不利だという事を理解した時には既に遅く、ほぼ全滅していた。そして最後の一人。

「ひ、ひぃ!た、助け「人生終了、ご苦労様」うあぁ…」

銃声が鳴り響き、終わった。ドサリ。と襲って来た最後の敵が倒れた。私はゆっくり立ち上がり、オルタに話しかける。

「殺してないよね?」

「…命令通り、急所は外している。さっきの奴も『空砲』で撃った。騙されて無様だな………」

これで終わり…かと思ったらまだオルタは銃を収めなかった。

「どうしたの?」

「…まだいるな…」

「え?」

そう言って一発撃った。

「うわぁ!!あ、あっぶな…って藤丸!?」

オルタが撃った場所には、白く太い尾を持った男子がいた。確か…

「……あ!え、え~~と……尾白君、だった!うん!」

「え、えぇ…俺そんなに存在薄いかな……って藤丸の隣に立ってるのは敵か!?」

クラスメイトの尾白君と合流。ごめんね?ちょっと顔を覚えるの苦手だから…というかオルタが敵じゃない事を教えないと!

「ちがうちがう!!確かに悪っぽい顔だけど味方だから!!」

「お前も大概失礼だな。」

やれやれと言ったため息をつくオルタ。そして偶然にも私と同じ火災ゾーンに飛ばされた尾白君。彼はヒット&アウェイ戦法でここまで来れたらしい。

「…それで、これからどうすればいいかな?」

真剣な顔付きで尾白君が聞いてくる。オルタが一早く答える。

「ここから出ればいいだけのこった…」

確かにそうだ。だけど…

「ううん。ここを出てもどうせ敵だらけ…だったら、尾白君を追いかけていた敵達をここで倒せばいい。まだ先だけどプロヒーローが来るのを待とうよ」

と、提案する。こっちには英霊がいる。仮にオルタだけで対応しきれなくなっても。再び別の英霊を呼べば何とかなる…はずだ。

「だ、大丈夫なのその作戦…自信無いなぁ…」

「オルタがいるんだから大丈夫だよ!頼りにしてるよ」

「アンタは雇い主だ。報酬がある限り、オレはアンタを信用するよ…」

不安そうな尾白君を鼓舞しつつ、私達は動き出す。一先ず、何とかなりそうだ。

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