僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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第59話

side三人称

「そろそろだなー!ソワソワしてきた!」

A.M.8:45。A組の寮にて、全員準備万端だった。

「明鏡止水。落ち着きましょう、上鳴さん。」

「明鏡止水」

「つか爆豪Tシャツ着なよ。つくったんだから」

「るっせぇ!俺が何着ようがカンケーねーだろ!」

バンド隊。爆豪以外はソワソワしだしてる。

「ダンスの衣装バッチシー!」

「既製品に手加えただけだけど」

「エロけりゃいい!!」

「というか藤丸弟が裁縫得意だったのが意外なんだけど…」

「ミシンぐらい、余裕で使える。」

ダンス隊。衣装チェック。男子は長袖、長ズボン、ネクタイといったスーツ。女子は中に青服を着た長袖とゆるふわスカート。

「…緑谷いねぇな。」

「ロープを買いに行ったさ☆」

「こんな時間まで何してんだあいつ…」

「姉がいない…え、どこ行ったの?スマホ…出ないし…えぇ…」

文化祭スタートまであと15分

 

 

side立香

「―お爺さんそれじゃあ!体に気を付けて!」

「おお。ありがとなー!」

お爺さんを避難させ、私は直ぐに飛び緑谷君がいる所に戻る。

「緑谷君は……いた!!」

工事現場の少し離れた場所…というか山の中にいた。この山を越えたら雄英……

「―女の子も抵抗しないで!もう諦めてくれ!!」

緑谷君の所に着地すると、既に緑谷君はジェントルとラブラバの上に乗り、拘束していた…けど一人足りない。アラネアの姿が見えない。

「緑谷君、アラネアは?」

「…分からない。この森に入った時には彼女の姿は…取り敢えずこの二人を警察に引き渡す。これからすぐに―」

「『愛してるわ』」

「ありがとう…ラブラバ」

ジェントルとラブラバが何か囁いていた瞬間、私は―吹き飛ばされた。

「っ!?」

直ぐに受け身を取って着地する。一体何が……

「―ラブラバがジェントルに“個性”使ったわ。ジェントルの本気の本気よ」

「アラネア…!!」

上からアラネアの声が聞こえた。上を見ればさっきいなかったアラネアの姿…そして―

「森の中は…私のフィールドよ。」

―木々に大量の蜘蛛の巣がはられていた。

「貴方の相手は私。蝶のように飛びなさい。そして私の蜘蛛の巣に引っかかりなさい。私の麻痺毒で動けなくしてあげるわ」

蜘蛛の巣を張り巡らせたフィールド。ワルキューレの飛行能力を奪われた…

「(なら…)『解除』!『降霊:エミヤ・オルタ』」

―せいぜいうまく使え―

「姿が…変わった…?」

今度はエミヤ・オルタに憑依する。双剣を魔改造した白と黒のガンブレード。肌がオルタみたいに少し黒くなり、髪も白くなる。

「なら…飛ばなければいい。」

「っ…食らいなさい!!『繭玉』!!」

アラネアがバレーボールぐらいの大きさの繭の玉を放ってきた。直ぐに避ける。繭玉は地面に着弾するとそこに生えていた草が少し溶けていた。

「安心しなさい!肌が少しかぶれる程度よ!!」

「そもそも当たりたくもない!ふっ!!」

私は双銃を使って降り注がれる繭玉を撃ち飛ばして防ぐ。それと同時に早撃ちでアラネアにも弾丸を放つ。

「っ!フッ!」

口から毒を飛ばし、弾丸を溶かし防いでくる。そして蜘蛛の巣を使い縦横無尽に木々へ移動する。

「ホント…っ…蜘蛛みたいに動く…!」

「ええそうよ!私は蜘蛛!忌み嫌われた存在!それが私!アラネアなのよ!!『糸牢獄』!」

私の周囲に蜘蛛の巣状糸が包囲してくる。

「!シッ!!」

双銃の塚部分を連結させ双頭剣に変化させ、回転し、切り刻む。

「フフ…『糸籠目』…!」

「これは―」

今度はドーム状に取り囲んできた。しかも…徐々に狭まって来る。

「ふふ…今までの糸は粘着性だったけど…この糸は粘着性より鋭利性を与えたわ…触れたら…斬れるわよ?」

「っ……………」

一発撃つ。アラネアの言う通り、弾丸は真っ二つに斬れた。糸はどんどん増え、私を包み込んでくる―

「『解除』―」

 

 

side三人称

「(勝った!)」

藤丸を繭のように包めることが出来たアラネアは内心喜ぶ。後は麻痺毒を注ぐだけ…そう思い藤丸に近づく―

「!?」

突如、繭が解かれる。アラネアの『糸籠目』が斬られたのだった。

「―『降霊:両儀式』」

―いいぜ、やればいいんだろ?―

再び藤丸の姿が変わる。赤のパーカーを羽織り、手にはナイフを持っている。漆黒な髪に……光る水色の瞳がアラネアを写す。

「嘘…『糸籠目』の糸が切断できるわけが…」

「…『死』を見ただけ。『糸の死』を見て、それに沿って私は斬っただけ…」

今、藤丸の瞳は『直死の魔眼』となっている。その瞳はありとあらゆる事象の視覚化に特化し、『死』を見る事が可能。藤丸は『糸籠目』の『死』を見て、切断し、脱出したのだった。

「っ……ふざけるな…どうして…何で私達の邪魔をするのよ!!」

アラネアは癇癪を起こし、『繭玉』を放ちまくる。藤丸は落ち着いて対処。ナイフで繭玉を潰さないように切り落とし、防ぎながら一歩ずつアラネアに近づく。

「…大人しく投降して」

「っ…嫌よ!まだ!私は…私達は負けてない!『螺旋糸』!!」

最大硬度で練り上げた糸を編み上げ、回転させながらアラネアは放つ―

「そう…でもここで終わり。アラネア」

藤丸は『直死の魔眼』によって『死』を見て再度糸を斬り落とし―

「因果応報。貴女達がこれを正義だと言っても、世間から見ればこれは悪…法の下でしっかり裁かれて…」

「―っぁ」

―アラネアの鳩尾をナイフの塚で殴り、気絶させる。

 

 

side立香

「…ふぅ…何とか勝てた…『解除』」

森の張り巡らされた蜘蛛の糸を切り落とし、気絶させたアラネアを担いで緑谷君がいるだろう場所に向かう。

「はぁ…汗だらけに、泥だらけ……本番前にシャワー浴びたい……」

 

「―これまで戦ってきた誰より、戦い辛かったよ。ジェントル」

緑谷君の所に辿り着くと、戦いが終わっていた。地面に倒れたジェントルに緑谷君が乗って拘束する。

「緑谷君」

「藤丸さん…アラネア…よかった。勝ったんだね」

「ん。強かった。雄英に入ろうとしただけはある。」

「―ジェントル…アラネア…嫌…やめてよ…放して…!!」

「「!」」

近くの茂みからラブラバが現れた。彼女が持っていたパソコンを落とし、泣きながら近づいて来た。

「ジェントルとアラネアを放して!放して!嫌よ!ジェントルが心に決めた企画なの!大好きなティーブレイクも忘れて準備してきたの!アラネアも私もジェントルの為に頑張って来たの!放せ!何が明るい未来よ!!」

気絶したアラネアをその場に寝かせる。ラブラバは緑谷君を叩き、泣きじゃくりながら訴えてくる。

「私の!私達の光はジェントルだけよ!!ジェントルが!私達の全てよ!ジェントルを奪わないでよ!!」

 

 

side三人称

「―――――」

体力限界のジェントルは考える。そして思い出す。

―お手伝いはダメだ!犯罪に加担させる事になる―

―罪ならすでにハッキング犯してるわ!―

―私なんて家出する為に両親を糸で束縛したわよ―

―いいのジェントル。貴方といれるなら―

―…何処でも私達は幸せよ―

「ジェントルと…アラネアと…二人と離れるぐらいなら死ぬ!!」

「(ラブラバ…アラネア……私も…幸せだったよ!!)」

ジェントルは遠くから何かが近づいてくるのに気付く。それがプロヒーローだと分かる。

「(彼女達に罪はない!このままヒーローに捕まればラブラバも、アラネアも戦いに加担したとすぐバレる!ならばせめて……) っ!!」

「!?」

「この戦いは無かった事に…」

ジェントルは拘束されていた手で緑谷を『弾性』で飛ばす。

「緑谷く―「君もだ」っ!?」

更に、不意をついて藤丸も『弾性』で緑谷を飛ばした方向に飛ばす。

「そのまま失せたまえ…(少しでも、罪を軽く…) 彼女達の為に、彼女達の明るい未来の為に…」

「ジェントル…」

ジェントルはラブラバと気絶したアラネアを抱きしめる。その時―プロヒーロー達が現れる。

「路傍の礫に躓いてしまってね……雄英、『自首』がしたい。」

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