僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order 作:小野屋陽一
side三人称
「そろそろだなー!ソワソワしてきた!」
A.M.8:45。A組の寮にて、全員準備万端だった。
「明鏡止水。落ち着きましょう、上鳴さん。」
「明鏡止水」
「つか爆豪Tシャツ着なよ。つくったんだから」
「るっせぇ!俺が何着ようがカンケーねーだろ!」
バンド隊。爆豪以外はソワソワしだしてる。
「ダンスの衣装バッチシー!」
「既製品に手加えただけだけど」
「エロけりゃいい!!」
「というか藤丸弟が裁縫得意だったのが意外なんだけど…」
「ミシンぐらい、余裕で使える。」
ダンス隊。衣装チェック。男子は長袖、長ズボン、ネクタイといったスーツ。女子は中に青服を着た長袖とゆるふわスカート。
「…緑谷いねぇな。」
「ロープを買いに行ったさ☆」
「こんな時間まで何してんだあいつ…」
「姉がいない…え、どこ行ったの?スマホ…出ないし…えぇ…」
文化祭スタートまであと15分
side立香
「―お爺さんそれじゃあ!体に気を付けて!」
「おお。ありがとなー!」
お爺さんを避難させ、私は直ぐに飛び緑谷君がいる所に戻る。
「緑谷君は……いた!!」
工事現場の少し離れた場所…というか山の中にいた。この山を越えたら雄英……
「―女の子も抵抗しないで!もう諦めてくれ!!」
緑谷君の所に着地すると、既に緑谷君はジェントルとラブラバの上に乗り、拘束していた…けど一人足りない。アラネアの姿が見えない。
「緑谷君、アラネアは?」
「…分からない。この森に入った時には彼女の姿は…取り敢えずこの二人を警察に引き渡す。これからすぐに―」
「『愛してるわ』」
「ありがとう…ラブラバ」
ジェントルとラブラバが何か囁いていた瞬間、私は―吹き飛ばされた。
「っ!?」
直ぐに受け身を取って着地する。一体何が……
「―ラブラバがジェントルに“個性”使ったわ。ジェントルの本気の本気よ」
「アラネア…!!」
上からアラネアの声が聞こえた。上を見ればさっきいなかったアラネアの姿…そして―
「森の中は…私のフィールドよ。」
―木々に大量の蜘蛛の巣がはられていた。
「貴方の相手は私。蝶のように飛びなさい。そして私の蜘蛛の巣に引っかかりなさい。私の麻痺毒で動けなくしてあげるわ」
蜘蛛の巣を張り巡らせたフィールド。ワルキューレの飛行能力を奪われた…
「(なら…)『解除』!『降霊:エミヤ・オルタ』」
―せいぜいうまく使え―
「姿が…変わった…?」
今度はエミヤ・オルタに憑依する。双剣を魔改造した白と黒のガンブレード。肌がオルタみたいに少し黒くなり、髪も白くなる。
「なら…飛ばなければいい。」
「っ…食らいなさい!!『繭玉』!!」
アラネアがバレーボールぐらいの大きさの繭の玉を放ってきた。直ぐに避ける。繭玉は地面に着弾するとそこに生えていた草が少し溶けていた。
「安心しなさい!肌が少しかぶれる程度よ!!」
「そもそも当たりたくもない!ふっ!!」
私は双銃を使って降り注がれる繭玉を撃ち飛ばして防ぐ。それと同時に早撃ちでアラネアにも弾丸を放つ。
「っ!フッ!」
口から毒を飛ばし、弾丸を溶かし防いでくる。そして蜘蛛の巣を使い縦横無尽に木々へ移動する。
「ホント…っ…蜘蛛みたいに動く…!」
「ええそうよ!私は蜘蛛!忌み嫌われた存在!それが私!アラネアなのよ!!『糸牢獄』!」
私の周囲に蜘蛛の巣状糸が包囲してくる。
「!シッ!!」
双銃の塚部分を連結させ双頭剣に変化させ、回転し、切り刻む。
「フフ…『糸籠目』…!」
「これは―」
今度はドーム状に取り囲んできた。しかも…徐々に狭まって来る。
「ふふ…今までの糸は粘着性だったけど…この糸は粘着性より鋭利性を与えたわ…触れたら…斬れるわよ?」
「っ……………」
一発撃つ。アラネアの言う通り、弾丸は真っ二つに斬れた。糸はどんどん増え、私を包み込んでくる―
「『解除』―」
side三人称
「(勝った!)」
藤丸を繭のように包めることが出来たアラネアは内心喜ぶ。後は麻痺毒を注ぐだけ…そう思い藤丸に近づく―
「!?」
突如、繭が解かれる。アラネアの『糸籠目』が斬られたのだった。
「―『降霊:両儀式』」
―いいぜ、やればいいんだろ?―
再び藤丸の姿が変わる。赤のパーカーを羽織り、手にはナイフを持っている。漆黒な髪に……光る水色の瞳がアラネアを写す。
「嘘…『糸籠目』の糸が切断できるわけが…」
「…『死』を見ただけ。『糸の死』を見て、それに沿って私は斬っただけ…」
今、藤丸の瞳は『直死の魔眼』となっている。その瞳はありとあらゆる事象の視覚化に特化し、『死』を見る事が可能。藤丸は『糸籠目』の『死』を見て、切断し、脱出したのだった。
「っ……ふざけるな…どうして…何で私達の邪魔をするのよ!!」
アラネアは癇癪を起こし、『繭玉』を放ちまくる。藤丸は落ち着いて対処。ナイフで繭玉を潰さないように切り落とし、防ぎながら一歩ずつアラネアに近づく。
「…大人しく投降して」
「っ…嫌よ!まだ!私は…私達は負けてない!『螺旋糸』!!」
最大硬度で練り上げた糸を編み上げ、回転させながらアラネアは放つ―
「そう…でもここで終わり。アラネア」
藤丸は『直死の魔眼』によって『死』を見て再度糸を斬り落とし―
「因果応報。貴女達がこれを正義だと言っても、世間から見ればこれは悪…法の下でしっかり裁かれて…」
「―っぁ」
―アラネアの鳩尾をナイフの塚で殴り、気絶させる。
side立香
「…ふぅ…何とか勝てた…『解除』」
森の張り巡らされた蜘蛛の糸を切り落とし、気絶させたアラネアを担いで緑谷君がいるだろう場所に向かう。
「はぁ…汗だらけに、泥だらけ……本番前にシャワー浴びたい……」
「―これまで戦ってきた誰より、戦い辛かったよ。ジェントル」
緑谷君の所に辿り着くと、戦いが終わっていた。地面に倒れたジェントルに緑谷君が乗って拘束する。
「緑谷君」
「藤丸さん…アラネア…よかった。勝ったんだね」
「ん。強かった。雄英に入ろうとしただけはある。」
「―ジェントル…アラネア…嫌…やめてよ…放して…!!」
「「!」」
近くの茂みからラブラバが現れた。彼女が持っていたパソコンを落とし、泣きながら近づいて来た。
「ジェントルとアラネアを放して!放して!嫌よ!ジェントルが心に決めた企画なの!大好きなティーブレイクも忘れて準備してきたの!アラネアも私もジェントルの為に頑張って来たの!放せ!何が明るい未来よ!!」
気絶したアラネアをその場に寝かせる。ラブラバは緑谷君を叩き、泣きじゃくりながら訴えてくる。
「私の!私達の光はジェントルだけよ!!ジェントルが!私達の全てよ!ジェントルを奪わないでよ!!」
side三人称
「―――――」
体力限界のジェントルは考える。そして思い出す。
―お手伝いはダメだ!犯罪に加担させる事になる―
―罪ならすでにハッキング犯してるわ!―
―私なんて家出する為に両親を糸で束縛したわよ―
―いいのジェントル。貴方といれるなら―
―…何処でも私達は幸せよ―
「ジェントルと…アラネアと…二人と離れるぐらいなら死ぬ!!」
「(ラブラバ…アラネア……私も…幸せだったよ!!)」
ジェントルは遠くから何かが近づいてくるのに気付く。それがプロヒーローだと分かる。
「(彼女達に罪はない!このままヒーローに捕まればラブラバも、アラネアも戦いに加担したとすぐバレる!ならばせめて……) っ!!」
「!?」
「この戦いは無かった事に…」
ジェントルは拘束されていた手で緑谷を『弾性』で飛ばす。
「緑谷く―「君もだ」っ!?」
更に、不意をついて藤丸も『弾性』で緑谷を飛ばした方向に飛ばす。
「そのまま失せたまえ…(少しでも、罪を軽く…) 彼女達の為に、彼女達の明るい未来の為に…」
「ジェントル…」
ジェントルはラブラバと気絶したアラネアを抱きしめる。その時―プロヒーロー達が現れる。
「路傍の礫に躓いてしまってね……雄英、『自首』がしたい。」