僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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無駄話


第63話

side立希

文化祭が終わり、振替休日が来た。今自分は……

「はい、自分達の勝ち」

「やったー!!!」

「だぁーーー!負けたぁーーー!!!」

「勝てねぇーーー!!」

瀬呂君、電気君、三奈とロビーのテレビを拝借してちょっとしたゲーム大会を開いていた。タッグ戦にて“自分&三奈”対“瀬呂君&電気君”だ。3人とも初心者だから基本操作を十分に教えて対戦してるが……始めて連勝している。

「立希の使うキャラの動きがわけわからん…何でそんな動きするんだ…」

「つか使い分けが難しい……よく芦戸はついていけるよな……」

「私も初めてだけど…結構楽しいじゃん!ゲーム事態全然知らないけど!」

「三奈がもう慣れてるのに驚いた…自分も慣れるのにかなり時間かかったのに…何か悔しいな……」

「今度はお前ら二人が対戦してみろよ!俺ら観戦って事で」

「いいね!負けないぞー!」

「自分も負けたくはないかな…」

更に白熱。疲れたから休憩する。

「やっぱ負けちゃったかー」

「つーか立希、最後ほぼネタに走ってたな」

「勝つとか負けるの前に、やっぱり楽しまないと」

ソファに座って談笑する。のんびりとした時間は本当に久しぶりだ…こうして英霊達とわちゃわちゃしたのんびりとした生活が……

「カルデア思い出すなぁ……」

「何か言ったか?」

「ん、実家思い出すなぁって、こう、のんびりとした感じなんだよ。実家にいる英霊達と遊んだり談笑したり」

「へぇー…あ!私、立希が召喚する人達知りたーい!」

唐突に三奈が手を上げて言って来た

「お、それいいな!俺も気になるぜ!またマブい姉ちゃん呼んでくれよ!」

「上鳴…直球すぎんぞ……まぁ俺も気にならないって言うと嘘なんだが……」

電気君、瀬呂君も賛同して来た。自分は悩む。

「えぇ…いきなりそう言われても…これでも数えきれないぐらい英霊と過ごしてるけど……うーん……」

誰を紹介するか……

「どんな人物を知りたいの?」

「うーん…じゃあ立希が一番苦労した人物!!」

取り敢えず絞ってもらう。

「苦労?…苦労かぁ…大体の英霊は苦労したなぁ……あーその中で一番苦労した英霊がいたなぁ…」

「お、誰だ?」

「『清姫』」

自分は3人に思い出話を語る―

 

清姫。クラスはバーサーカー。『安珍清姫伝説』に登場する童女。熊野詣途中に一夜の宿を求めた美形の僧、安珍に一目惚れ。けど、夜更けに安珍の下を訪れた清姫は拒絶される。それでも安珍は、熊野詣の帰りにまた会おうという約束を交わす。でも清姫を恐れた安珍は約束を破って清姫に会うことなく逃げる。そのことに気付いた清姫は裏切られたことに絶望、悲嘆、憤怒して…そして竜にその身を変えて、彼を追いかけ、追いついた先の寺で鐘に隠れていた安珍を焼き殺した。安珍を焼き殺した清姫は彼の後を追い入水。自ら命を絶った…と云う伝承を持ったお姫様。

「生前がすごい身分だったから、基本的には物腰柔らかで気品のある女性。だけどその本性は激情家で、好きになった相手が関わると非常に嫉妬深いんだ」

安珍に裏切られた経験から『嘘』を蛇蝎の如く嫌って、嘘をつくことを絶対に許さない。 例えそれが自分を気遣う嘘や、優しさからの方便でも許さないという筋金入り。

「まだ彼女と会って間もない頃―」

 

―「…えーと、だから、自分は安珍じゃないよ?」―

シミュレーションルームにて、自分の横について来る清姫にそう言う。

―「ふふ、旦那様はおかしな事をおっしゃるのですね?あなた様は間違いなく安珍様の生まれ変わりですわ」―

しかし、清姫は自分の言葉を聞き流し、微笑みと共に答える。その答えに自分は苦笑すらできなかった。

―「うーん……前世は安珍じゃないと思うけど…自分を通して別の人を見ている清姫には悪いけど……応えれることは出来ないです。」―

あの頃の清姫は…生前の過去に囚われまくって、自分を安珍だと勘違いしていた。どんなに否定しても、それを彼女が否定する。

―「………どうして、どうしてそんな事を言うのです?また……私から逃げるつもりなのですかっ…………」―

―「…逃げてないよ。清姫は『嘘』が嫌いだよね?だから正直に自分は言う。『自分は、清姫が求める、安珍じゃない。』」―

ハッキリと、彼女に分かるようにそう言った。

―「嘘、嘘、嘘、うそうそうそうそうそうそうそうそ……嘘ッ!!あなたは安珍様です!!私の旦那安珍様ですっ!!」―

―「やべっ―」―

刹那、彼女の周囲が燃え上がった

 

「いやぁ…あの時は本当に死ぬんじゃないかって思った。まだ使役してる英霊が少ない時だったからもう姉と英霊達と清姫を宥めるのが……蛇化して実家が火の海になったし……」

「「こっわ!?」」

「ひぇ…『恋は盲目』って言うけど…」

3人とも顔を青くする。

「そ、それからどうなったの!?」

「いやまぁ無事に何とか鎮静させたよ。英霊でも、一人に対して数人で対応すればいいだけだったし…まぁこっちからは手を出さないで気の済むまで暴れさせた。それはもう……家の一画が半壊するぐらいまで…まぁ当然こっぴどく怒られたけど。」

「「「うわぁ…」」」

 

―「―……ハァ……ハァ、ハァ、ハァ…………」―

―「ふぅ……やっと落ち着いた……」―

結局、体力の限界がきた清姫が姿を戻しその場でへたり込んだことで戦いは終わった。

―「姉ありがと…助かった」―

―「何やってんの…ほら、行け」―

―「はぁーい……大丈夫?清姫、立てる?」―

―「っ………」―

自分は怖がらせないように、笑顔で彼女を迎える。すると清姫は涙を流し、訴えて来た

―「どうして……どうして……そんな顔ができるんですかっ、私は…あなたを…殺そうとしたのにっ…!」―

―「…確かに怖かったよ?…けどまぁ…それでも放って置く事なんて無理だし…自分、姉と違って上手く話せないし、だから不器用なりに頑張って接している…のかな?」―

自分は清姫の頬に流れている涙を拭きとる。

―「安珍にはなれない。けどさ、過去を引きずるより、今を楽しもうよ。勿論、清姫が良ければ、自分と仲良くしてくから。」―

そう言うと、清姫は目を見開き…そして笑みを浮かべた。

―「……あぁ…………あぁっ……私がどんなに攻撃しても決して逃げずに全てを受け止めてくれる器の大きさ、それでもなおこちらを気遣ってくれる優しさ。……だんな……さまっ……!」―

なにか流れが変わった。

―「……うん?」―

―「あぁ、この方は私が安珍様を……昔の男の人を引きずってるのを嫉妬してくださってるのですね。自分だけを見て欲しいと他の男の事など考えないで欲しいと……なんて独占欲に満ちてっ、なんて愛おしい方なのかしらっ!この人なら私から逃げずにいないでくれるっ……私の愛に応えてくれるっ!」―

―「えーと…?」―

―「不満など、あるわけがありませんわ……!どうか、どうか……この私にあなた様に……初めからきちんと恋をさせてください……」―

―「え…あ、その………友達からで?」―

なんか曲解過ぎない?

 

「(自分の都合の良いように考えてしまうのはバーサーカーたる所以…でもまぁ彼女自身もちゃんと自分を…マスターの事を見ようと決心するきっかけにもなったので結果オーライなのかもしれない。その結果がなぁ……)…とまぁ、そんな感じで、無事?仲良くなれたかな?」

ヤンデレよりの思考になっちゃってるけど…

「「なんじゃそりゃ……」」

「むー………」

清姫の事を粗方話終えると、瀬呂君と上鳴君は苦笑して、三奈は不満そうな顔をする。え、反応悪……

「え、それ大丈夫…なのか?」

「完全にヤンデレじゃねぇか……よく今まで生きてこれたなお前…」

「いや、いい子だよ?英霊達(玉藻とか静謐) とメル友になって、情緒不安定な事は無くなって…まぁたまに自分のベッドの下にいたりするけど…」

後バレンタインかな…『プレゼントは私です♡』は心臓に悪い……

「こっわ!?ストーカーじゃねぇか!?」

「―ストーカーではありません。『隠密的にすら見える献身的な後方警備』です。」

「「「「うわぁあ!!?」」」」

いつの間に、自分の隣に良い笑顔と共に座っていた。角を生やし、青緑の着物を着た女性―清姫がいた。全く気付かなかった。思わず飛びのいた。

「うふ、うふふふ…何とも懐かしい出来事……愛しくて、恋しくて、愛しくて、恋しくて、裏切られて、悲しくて、悲しくて、悲しくて悲しくて悲しくて、憎くて憎くて憎くて憎くて憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎―だから焼き殺しました。」

「「「………………………」」」

顔を真っ青に、3人は自分を見てくる。見るな…そんな目で自分を見るな!!

「えっと…きよひー?自分は呼んでないんだけど…」

「はい♡旦那様(ますたぁ) が私の事を話してると感じ取り、ここへ馳せ参じました♡ふふ…うふふ…お願いですから、今も、これからも、私に嘘はつかないでくださいね。食べちゃいたくなりますから……ふふふふっ」

「逆にきよひーに嘘吐く相手見てみたいわ。」

そんな会話をすると

「…あら?貴女…」

「!ひゃ、ひゃい!!」

ギラン!といった擬音が出るほどの鋭い睨みで三奈を見る清姫。完全に蛇に睨まれた蛙だ。

「うふ…うふふふ…貴女…成程…成程……うふふ、見て分かりますわ。話さなくても分かりますわ…気になっているという事を……」

「え!?その!?わ、私はべ、別に―「三奈!」!」

自分は慌てて首を横に振る。清姫に嘘を付いてはダメだ。内容は分からないけど誤魔化すと後がマズイ。

「あら?何かしら?別に……の後は?」

「え、えと…その…「こらきよひー、自分のクラスメイトを虐めないで」り、立希…!」

「あら旦那様?私は別にいじめてませんよ♪」

頭を撫で、自分の方に注意を向けさせ、危機を回避させる。これが今のところの有効打だ。

「どうだか……正月には戻るからそれまではカルデアは頼むよ?」

「はい、私、旦那様に忠実に仕えますわ。嘘をつかなければ、ですけれど…ふふ…うふふ…―」

そう言って消えた。

「「「「はぁ~~~~~……」」」」

どっと疲れる…思わず自分達4人はソファに埋もれる。

「めっちゃ美人だけど…俺には無理だぜ……」

「同感…」

「ねぇ…他にもあんな子いるの?」

「いないけど……類は友を呼ぶんだよねぇ……聞く?毒っ娘なんだけど」

「「「嫌だ!!」」」

この後めちゃくちゃゲームで遊び倒した。さっきの出来事を忘れる為に…

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