僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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無駄話その2


第64話

side立香

体育祭が終わり、今は振替休日……そして私が今いる場所は……

「わぁ……」

目の前にある建物―和風の豪邸。表札には『轟』と在る……遠い目で私は眺め、呆けた声が出る

「?どうかしたのか?」

隣にいた焦凍君が首を傾げた。

「……ううん。何でも無いよ(えっと…どうしてこうなったんだっけ?)」

和風の豪邸…そう、焦凍君の家に招待された。その経緯を私は振り返る―

 

時は戻って…そう、私はヤオモモとお出掛けを満喫してた。外出許可証をだして、近くのショッピングを楽しんだ。一緒にコーディネートして、カフェでお茶して、優雅な一時を楽しんだ。

「ヤオモモ、そろそろ時間じゃない?」

「そうですわ…立香とこうしてお出掛けするのは楽しいですわ。楽しい時間はあっという間になくなって少し残念です…」

この後ヤオモモは両親に呼ばれ、実家に戻る。近況報告をするとか…別れて私は寮に戻ろうとした時―

「「あ」」

その帰路にバッタリ焦凍君と出会った。

「っ…」

「立香?」

文化祭で“少しだけ自覚”した私は一瞬目を反らしてしまった。一旦落ち着いて、改めて焦凍君を見て言葉を交わす。

「ぐ、偶然だね?焦凍君もお出掛け?」

「いや、これから実家に戻るつもりで、何か土産を買った方がいいなと思ってな……立香こそ、どうしてここにいるんだ?」

「さっきまでヤオモモと遊んでたの。折角の休日だからのんびりしたくてね…で、ヤオモモが実家に戻ってるから私は帰ろうかと…」

「そうか…………なぁ立香」

「何?焦凍君?」

「もしよかったら…遊びに来ねぇか?」

「……………はい?」

 

で、今に至る。

「―只今」

「あ、焦凍おかえ…り…」

「お、お邪魔します……」

焦凍君の家族が出迎えて来た。赤が入り混じった白髪と、眼鏡をかけた女性…見た感じお姉さん?

「立香、俺の姉さん。」

「ふ、藤丸立香です。えっと今日は焦凍君に遊びに誘われて来ました。」

一礼して経緯を話す。

「…え、あ、そ、そうなの!ふふ、いらっしゃい。焦凍の姉の冬美です。今日帰ってくるって知ってたけど…まさか友達呼んでくるなんて姉さんビックリしたわ」

「ごめん」

「ううん。気にしないで。さ、上がって上がって」

「は、はい」

居間に案内され、焦凍君と対面に座る

「はい二人とも、温かいお茶よ。外は寒かったでしょ?」

「ありがと」

「い、いただきます。」

さっきから緊張しっぱなしだ。お茶を飲んで落ち着こう…落ち着け…

「(えっと…藤丸ちゃんでいいかな?)」

「あ、はい何でしょうか?」

お盆を壁として冬美さんが小声で話しかけて来た。

「(ここに来た理由って…もしかしてお父さんが言ってた『許嫁』の事―)「ゲホッ!コフッ!」藤丸ちゃん!?」

「大丈夫か?」

爆弾発言して来た冬美さん。思わず咽た。

「だ、大丈夫……(冬美さん!?な、何でそんな事知ってるんですか!?)」

「(…お父さんが最近、焦凍にそう言ってたの聞いちゃって…驚いたわよ…)」

何言ってんのエンデヴァー!?や、やめて!外堀から攻めてこないで!?

「焦凍君!ちょっとお姉さん借ります!」

「?ああ」

強引だけど冬美さんを連れて、居間を出る。

 

「えっとですね。そ、その件は…私は拒否したというか無かった事にして欲しいというか…その…い、許嫁の件で来たわけじゃないです!焦凍君に純粋に誘われて来ました……」

「そうだったのね…そっかぁ…焦凍に友達…フフ、姉さん嬉しいな。こうしてお友達を家に連れてくるなんて…」

廊下で経緯を話す。冬美さんは微笑みながらも納得してくれて、ホッと一息付く。

「…学校にいる焦凍君はクラスと上手く関わってますよ。表情は…そんな変わってないですけど楽しそうですよ」

「フフ…焦凍の事、よく見てるのね?」

「っ!?えと、そ、そういうわけじゃ…うぅ…」

さっきから顔が熱い。それを見て冬美さんは笑っている。は、恥ずかしい…

「…焦凍の事は知ってるのかしら?」

「えと…本人から聞かされました……過去の事も…」

「そっかぁ…世間から見て、私達の家族はややこしくて、お父さんとの関係は正直言って悪い…でもね、最近変わってきている気がするの。」

「………」

「私は、お父さんの手で焦凍と距離を置かされて…何もしてあげられなかった…でも…今、焦凍は変わり始めている。多分、藤丸ちゃんのおかげじゃないかなって思うんだけど?」

「わ、私!?身に覚えが…」

「そうかしら?寮生活になる前、焦凍と学校の事を聞くと藤丸ちゃんの名前を聞くけど?」

「!?」

え!?何話してるの焦凍君!?

「だから…ありがとう。ウチの弟と仲良くなってくれて…」

そう言って深くお辞儀して来た。これには驚いた

「あ、頭上げて下さい!そ、それに私以外にも力になってくれた人がいますので私だけのおかげじゃないです!」

「それでも…こうして感謝の気持ちを形にするのは大事な事なの。受け取ってくれないかしら?」

「…はい。受け取ります…」

「これからも弟と仲良くして欲しいわ。もっと仲良くなってもいいのよ?」

「え、ええ!?」

 

「姉さんと何話してたんだ?」

「えっと…世間話を…少々…」

冬美さんの最後の言葉が耳に残る……思い出す度に体が熱くなる。今だって気を利かせてくれたのか別室にいるし…

「えと…これから何する!?」

「そうだな……こうして呼んだがいいが何をすればいいんだ?」

「え、えぇ…焦凍君はこうして人を誘った事は?」

「無い…な…俺は…」

「あ、ご、ゴメン…」

スンとした顔で訴えて来た。うんそうだよね…過去が過去だったし…

「えと…立希だったらよくゲームしたりするけど…」

「…夏兄と冬姉が昔遊んでたゲームがあった気がするな…」

「じゃあそれで遊ぶ?」

「…やり方が分からねぇ」

「説明書あればそれ見ながら遊べばいいよ。それにお互い初心者だし…」

それから、焦凍君は冬美さん呼んで一昔前のテレビゲームを接続してもらう。まさかの〇リオパーティー…

「本当に遊ぶのねぇ…」

「姉さん?」

「アハハ……」

焦凍君を見てため息を吐く冬美さん。私は苦笑いするしかない。そのまま冬美さんを入れて遊ぶ事にした。始めて遊ぶけどこういうパーティーゲームは多分得意な方…

「久しぶりに遊ぶけど…焦凍って結構強いのね…」

「そうなのか?」

「(そういえばゲーセンで格闘ゲーム強かったなぁ…)」

一通り遊び終えた時…

「たっだいま~!焦凍帰って来た……か……」

白髪で、どことなく焦凍君に似た顔付きの男性が元気よく居間に入って来た…もしかしてお兄さん?

「夏兄。立香、俺の兄さん」

「お邪魔してます…藤丸立香です」

「……………」

「夏?どうしたの?固まって…」

「…はっ!……なっ…」

私と焦凍君を交互に見て―

「しょ、焦凍が女の子連れて来ただと!?俺がまだしてない事を!?」

「へ!?」

姉兄共にとんでもない事いいますね!?

「弟に先越された……「ち、違います!!」え、そうなのか!?いやでも…藤丸って……あいつが言ってた許―「違います!!」」

轟家全員に伝わってるの!?

「ほら、夏、自己紹介。」

「あ、ああそうだな姉ちゃん…焦凍の兄の夏雄だ。よろしくな!」

「は、はい」

冬美さんに促され、夏雄さんと握手する。夏雄さんは嬉しそうに笑う。

「いやぁ…こうして弟が友達を家に連れて来るなんて感激だよ…是非これからも弟と仲良くして欲しい…」

「えっと。勿論です。私も焦凍君と一緒の学校生活はとっても楽しいので、本人が望むなら仲良くしていきたいです。」

「…俺は嫌わねぇぞ?」

ハッキリと言われ、自然と顔が、体が熱く、赤くなる。そんな私の反応を見た夏雄さんからジト目で見られる…

「…………ホントに付き合ってないの?」

「してません!!」

何で疑うの?

 

この後、夕食を振舞われそうになったが、私の外出許可の時間が終わりそうだったから早めに寮に戻る事に。焦凍君はもう少し後で寮に戻るらしい…というかもう身が持たない…

「はぁ~~~……緊張したぁ……」

 

まさか再び轟家に行くことになるが…私はまだ知る由もなかった…

 

side三人称

轟家にて

「姉ちゃん。焦凍と藤丸ちゃん、本当に付き合ってないの?」

「本人が否定してるけど…気があるのは見ていて分かるわね」

「だよなぁ…何か愛い愛いしくてもどかしい……アレで付き合ってないとか俺彼女と付き合ってないって言われてるような気分だ…」

「冬姉?夏兄?…俺を見てどうしたんだ?」

「何でもないぞ」

「ふふ、焦凍にも春が来たんだねって話」

「春…?今の季節は冬に入るが…」

「「焦凍……」」




次から5期。
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