僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order   作:小野屋陽一

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第76話

side立希

「ふぅー…今日も疲れたぁ…姉、お疲れさん」

「そっちもお疲れ」

インターン最終日。何事も無く無事に全過程が終わる。今日は活動中に緑谷君、爆豪君、焦凍君の3人に出会った。休憩時に少し話したけど…エンデヴァーから『1回でも早くエンデヴァーより敵を退治する』という課題が出されて躍起になってるとの事。3人も立派なヒーローになる為頑張っている。戦闘衣装がボロボロになるぐらいそれぐらい一生懸命に…そんな3人を見て、自分と姉も今まで以上に張り切ってしまった。ちょっと疲労がいつもより多い…

「お疲れさん。藤丸君、藤丸ちゃん。後は自分らが対応するからゆっくり休みなさい。」

「はい…」

自分と姉は支部に帰ろうと立ち上がった時、姉のスマホから着信が来た。

「…?焦凍君からだ…はい、もしもし………え、あー…いやいや、大丈夫。特に問題無いけど…うん…うん…じゃあ…立希も誘うから…うん。それじゃあ…」

焦凍君からの電話だったらしいが…どうにも浮かない顔をする姉。というか誘うって?

「何かあったの?」

「んー…焦凍君が…詳しく言えば焦凍君のお姉さんから夕飯を食べに来ないかって招待された。」

 

 

side立香

焦凍君から…冬美さんから招待された。折角招待されたし、立希と一緒に行く事にした。ゴールドさんに許可貰って、早速向かう。

「…あれ、そう言えば何で姉は焦凍君の家の場所知ってるの?」

「…さっき住所教えてもらったから。」

一回来た事あるなんて言えるか…今の場所からそれほど遠くないから直ぐに制服に着替えて歩いて向かい焦凍君の家に辿り着く

「でっかぁ…和風の豪邸だ…」

焦凍の家の大きさに驚いてる立希を他所に、着いた事を連絡しようとした時、黒い車が目の前で止まる。

「む。貴様らは…」

そして助手席からエンデヴァーが出てくる。

「…こんばんは…お誘い…ありがとうございます…」

「…ああ。ゆっくりしていくと…いい…」

…我ながら、ギクシャクとした挨拶…まぁ今までの事振り返ると当然の結果だよね…

「(やっぱり…苦手だなぁ…この人は…)「立香」あ、焦凍君。今夜は誘ってくれてありがと」

「ああ…冬姉も喜ぶ。」

「そ、そうかなぁ…?」

「でかー…」

「だよね。デカいよね…」

後ろの座席から焦凍君達が出てくる。緑谷君は家の広さに驚いてて立希がそれに共感してて…

「何でだ!?」

爆豪君は何か怒ってる…?この事言われなかったのかな?

「友達を紹介してほしいって」

「今からでも行って来いやっぱ友達じゃなかったってよ!!」

「かっちゃん…」

「まーまー落ち着こうよ。というか人の家の前で騒ぐのはマナー違反だよ?」

「っ………っ………」

立希からのごもっともな意見に歯ぎしりしながら黙りこくる爆豪君。偶に正論言うんだよね。この弟は…

「……………」

エンデヴァーは…只何も言わずに前に進む。なんか……

「どうかしたか?」

「ううん。何でも無いよ。」

気にしないように、私達は焦凍君の家にあがる。玄関には冬美さんが出迎えてくれた。

「ただいま。姉さん」

「お帰り!そして忙しい中お越しくださってありがとうございます。初めまして。焦凍がお世話になってます。姉の冬美です!」

「「お邪魔します!」」

「…お邪魔する」

「お邪魔します。」

「!藤丸ちゃんお久しぶり!元気にしてた?」

「あ、はい。あはは…」

私と目が合うと、冬美さんが笑顔で向かい入れてくれた。

「突然ごめんねぇ、今日は私のわがまま聞いてもらっちゃって…ふふ、(焦凍と仲良くしてくれてありがとね)」

「っ…」

「「「「?」」」」

冬美さんから小声でそう言われ、私は動揺する。落ち着け。落ち着け私…

「(あの子、あまり顔に出ないけど、藤丸ちゃんと会話すると少しだけ嬉しい顔してるんだよ?後クリスマスプレゼントもすごく嬉しかったって。家に来る手紙で書かれたよ。)」

「っ!?」

ちょ!?まっ!?焦凍君事細かに教えないでくれませんか!?恥ずか死ぬから!!

「?」

焦凍君をほんの少しだけ睨んだ。けど全然意味が無く、首を傾げるだけ…

「姉どしたの?顔真っ赤だけど…」

「な、何でも…無い…うん…」

「夏兄も来てるんだ。靴あった」

「うん。家族で焦凍たちの話を聞きたくて…」

冬美さんの案内で私達は居間に入り、そして夕飯をご馳走になる。どれも美味しそうだなも思った。隣に座っている立希にいたっては目を輝かしてる…風に見えた。家主のエンデヴァー―炎司さんが奥に座り、右回りで冬美さん、夏雄さん、立希、私、焦凍君、緑谷君、爆豪君の順に座る。

『いただきます!』

「食べられないものあったら無理しないでね」

「どれもめちゃくちゃ美味しいです!この竜田揚げ、味がしっかり染み込んでるのに衣はサクサクで仕込みの丁寧さに舌が―」

「飯まで分析すんな!!てめーの喋りで麻婆の味が落ちる!!」

緑谷君の分析じみた食レポに爆豪君が怒りつつ止めさせ

「うまい!うまい!うまい!とても美味しいです!ご飯が進みます!実家の厨房班といい勝負しますよ!」

「他所ん家の食事にそんな勢いよくがっつくな。」

私も私で立希の早食いを止めさせる。美味しいのは十分わかってるからそんな勢いよく食うな。こっちが恥ずかしい。

「ふふ、喜んでもらえて良かった」

そんな皆の様子を見て冬美さんは嬉しそうに微笑む。

「そらそうだよ。お手伝いさんが腰やっちゃって引退してからずっと姉ちゃんがつくってたんだから」

夏雄さんが食べながらそう言う。

「「成程」」

緑谷君と立希が満足そうに頷く

「料理かー…自分と姉も作れるけど最近全然作れてない…3人は料理する?つくれる?」

「つくれるわ!林間の時野菜刻んでたただろ!!」

「僕もそれなりに…一応入学前の体力作りの一環で一時期作った事があるけど…こうした料理はないかな?」

キレ気味に爆豪君が、爆豪君を宥めながら緑谷君が答える

「焦凍君は?」

「…そばなら」

「「「作れるの!?」」」

私、立希、緑谷君がハもった

「…がんばった」

やる事が違うなぁ…

「藤丸君と藤丸さんは?」

「自分の得意料理はオムライス!フワトロに作れるよ。三日月型にした卵をナイフで裂いてトロってかけるアレ」

「え、すごい!」

「私は…あんまりしないというか…強いて炒飯?」

「姉の炒飯はご飯がすっごいパラパラで味が染みてて美味しい。」

「へー!」

冬美さんに聞かれ立希と私は答える。すると、焦凍君が

「いつか食ってみたい。立香の炒飯」

そう言いこぼす。さっきの言葉何度も頭に再生され顔が赤くなる。

「い、いい、いつかね!うん!」

「おう」

「(ニコニコ」

すっごい満面の笑みだ…冬美さんが…

「料理は夏もつくってたじゃん。かわりばんこで」

「あー…どうだろ。俺のは味濃かったから…エンデヴァーが止めてたかもな…」

「………」

夏雄さんの発言に空気が変わった。さっきまで明るく、和気あいあいとした空気が一気に冷めた。

「…し、焦凍は学校でどんなの食べてるの?」

「学食で―「気付きもしなかった今度…」―「ムッ…」」

炎司さんと焦凍君の言葉が被る。

「……ごめん姉ちゃん。やっぱり無理だ」

「夏…」

雰囲気が悪くなった。夏雄さんはそう言って居間から出て行く。私達はただそれを見る事しか出来なかった。

 

 

side立希

居たたまれない雰囲気のまま、夕食が終わった。取り敢えずご馳走になったから食器洗い等の片付けをする。さっきまで笑顔だった焦凍君のお姉さんは浮かない顔になって、居間を出て行った焦凍君のお兄さんは何とも言えない表情をしていた。

「(色々過去が重いなぁ…)」

一応、焦凍君の過去については姉経由でざっくりと知ってる。こういうのってあんまり触れない方がいい…よね?

「(緑谷君達も知ってたんだ)」

「(え、うん。体育祭の時に教えてもらって…ていうかかっちゃんも知ってたんだ)」

「(は?俺のいるところでてめーらが話してたんだよ。)」

「(聞いてたの!?)」

「(それ盗み聞きじゃない?)」

「(るっせぇ!つーかよ~~~~~……)」

居間にまだある食器を取りに、入ろうとした時、冬美さんと焦凍君の話声が聞こえた。

「手伝わせちゃってわるいなぁ…」

「手伝わせない方が緑谷君達に悪い。」

「私だって夏みたいな気持ちが無いわけじゃないんだ…でも…チャンスが訪れてるんだよ…」

さっきの事についてだ。

「…焦凍はお父さんの事、どう思ってるの?」

「……………この火傷は父親から受けたものだと思ってる……お母さんは堪えて堪えて…あふれてしまったんだ。お母さんを蝕んだあいつをそう簡単に許せない……」

「(焦凍君…)」

「でもさ、お母さん自身が今乗り越えようとしてるんだ。正直…自分でもわからない。親父をどう思えばいいのかまだ…何も見えちゃいない」

色々、焦凍君も悩んで―

「客招くならセンシティブなとこ見せんなや!!」

「爆豪君!?」

ここで爆豪君乱入。空気を読まないで…いや読まない方がいいのか?ここは…

「まだ洗いもんあんだろが!」

「ああ!いけない!ごめんなさいつい…」

「あ、あの!僕達轟君から事情は伺ってます…!」

慌てる冬美さんを緑谷君が宥める。爆豪君はイラつきながら食器を片付けに動く

「晩飯とか言われたら感じ良いかと思うわフツー!四川麻婆が台無しだっつの!」

「えーと…ごめんなさい。聞こえてしまいました…」

自分らはいそいそと食器を片付けに動く。

「姉?どしたの?」

「…………焦凍君はさ」

「?」

「多分、許せるように準備をしてるんじゃないかな…?」

「え」

食器を片付けながら姉がそう言う。思わぬ答えに焦凍君は目を見開く

「本当にお父さんの事が嫌いなら、今みたいに悩まないと思うよ。『許せない』なら許さなくてもいいと、私は思う。でも、今、『許したい』って考えてる…うーん、待ってるって感じかな?」

「…何でそう、立香は思ったんだ?」

その問い、姉は微笑んで答える

「だって焦凍君、優しいから。ちゃんと許せるように待ってる。今はそういう…時間じゃないかな?」

「(待ってる…か…)」

少しだけ、ぎすぎすした空気が緩和した気がする…

 

 

side立香

食器を片付けた後、夏雄さんは早々に実家から出て行く。私達は居間で冬美さんと焦凍君から話を聞く。焦凍君達のもう一人のお兄さん―『轟燈矢』について。既に亡き存在だった。

「お兄さんが…」

「それは話してないんだ」

「率先して話すもんじゃねぇだろ」

緑谷君が言いこぼし、冬美さん、焦凍君が答える

「夏は…燈矢兄ととても仲良しでね…よく一緒に遊んでいた。お母さんが入院してまもなく頃だった…お母さんが更に具合悪くなっちゃって焦凍にも会わせられなくて…でも乗り越えたの。焦凍も面会に来てくれて…家が前向きになってきて…でも…」

「…夏雄さんだけがそうじゃない?」

「…お父さんが殺したって思ってる」

立希の問いに冬美さんが静かに肯定する。

「だからあんな面してたんか」

「……」

爆豪君の言った通り、食器を片付けてる時、夏雄さんとすれ違った。その時の顔は…何かを許せないといった表情だった。そんな暗い過去を聞いた私は…

「(………重い…重いよこの家族…どんだけ闇抱えてるの轟家…)」

一人で静かに沈んでいた。何も言えない状態になった時、炎司さんから学校に送る時間だと告げられた。

 

「ごちそうさまでした!」

「美味しかったです」

「四川麻婆のレシピ教えろや」

「竜田揚げの作り方知りたいです!美味しかったからエミヤ達に作らせる!」

「俺のラインで送ってもらうよ」

「学校のお話きくつもりだったのにごめんなさいね」

各々、私達は冬美さんにご馳走になったお礼を言う。既に家の前に車が止まって待機していた。それに私達は乗ろうとした時

「藤丸立香。」

「ぇ?あ、はい!?」

いきなり目の前に炎司さんが現れる。静かな視線で見てくる。

「……すまなかった。あの時、貴様の言葉を聞かずに勝手な行動をした。」

そう言って頭を下げて来た。

「えっと…あの時ってもしかして……」

「…焦凍と婚約しろ言った事だ」

「あ゛?」

「あ…」

「あ」

「あー」

「あー…あー…」

爆豪君、緑谷君、焦凍君、立希、冬美さんの順の反応。対して私は何も言えなく、顔が、体全身が熱くなる錯覚をする。

「…………あの…その…件は…忘れて…欲しい……です……ので……もう掘り返さないでくださいお願いします…」

何とか早くなる鼓動を落ち着かせながら話す。最後の方は小声で早口になったけど…というかこんな皆がいる所で話さないでほしいんですけど!?

「…俺を許してくれるのか?」

「許る、許さない問題じゃないです…もう過ぎた話です。というか私自身、本気でその話を受け取ってないので…ぶっちゃけ過ぎた話です。」

「……そうか。わかった……これからも焦凍と仲良くしてくれ」

「それもうとっくに言われてます。」

「…そうか」

そう言って車の助手席に座る炎司さん。さて……

「「「「……………」」」」

私を見ないでくれませんか?男子4人…というか焦凍君のその表情は何?悲しいのか怒ってるのかよく分からない顔なんだけど…緑谷君は顔を赤くしないで。爆豪君は興味無いねありがとう。立希はニヤつくな。後で殴る」

「自分だけ理不尽!?」

「あれ?声に出てた?まぁいいや。後で覚悟してて」

「理不尽な姉には逃れられなかった…」

「ふふ…♪(本当にこれからも焦凍の事よろしくね?)」

冬美さんは私に何させたいのですかねぇ!?ちょっと!?

「ケェーーーー!!!青春してねぇで早く乗れ!高校生共!」

「してません!!」

独特な雄叫びを上げるハイヤーさんに注意され、私達は車に乗って学校へと戻る…

 

 

side三人称

「フー…フー……い、いい、行く…かぁああ…」

皆を乗せた車が轟家から立ち去る所を見た何者。その人物の片手には注射器があった…

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