僕のヒーローアカデミア×Fate Grand Order 作:小野屋陽一
side三人称
「フー…フー…」
轟家の近くの電柱に黒い影。その人物は荒い呼吸をしながら轟家を見ていた。
side立希
「―貴様らには早く力をつけてもらう。今後は週末に加え…コマをずらせるなら平日最低2日は働いてもらう。」
「前回、立希達もそんな感じだったな」
「うん。まぁその分予習と復習が大変だよ。」
「期末の予習やらなきゃ…轟君英語今度教えて」
「自分は…姉、国語よろしく」
「えー…じゃあ数学よろ」
「勉強しとけやモブ共!!」
車内にて。自分達の今後の予定を話す。
「って爆豪君窓から顔出し過ぎ!危ないよ!?」
何故か爆豪君が車の窓全開にして顔を外に出していた。
「っせぇ!つかNo.1ならもっとデケェ車用意してくれよ!!」
「だからってその対処?は何…」
確かに運転手合わせて7人。だから車内は少し狭く感じるけど…緑谷君の隣そんなに嫌なの?
「ハイヤーに文句言う高校生かー!!!エンデヴァー!あんたいつからこんなジャリンコ乗せるようになったんだい!!」
運転手がそう大声で文句を言う。アグレッシブな運転手だ…
「頂点に立たされてからだ」
運転手にエンデヴァーさんが静かに答える
「ケェーーーーーー!!立場が人を変えるってェ奴かい!」
「ケェーって何?」
「…ん?前に誰かいない?」
その時、姉が前の方に指をさす。自分らは前を見ると―
『!』
2人の人影。そして舗装された道路の白線が剥がされ、浮き上がって―
「良い家に!!」
「住んでるな!!ええ!?」
「「エンデヴァー!!!!!」」
「「「敵!!」」」
自分、緑谷君、爆豪君は同時に言う。敵は二人。一人は顔が横断歩道の様なメイクになっているスキンヘッドの男。もう一人は体全身にバリケードテープの様なメイクになっているスキンヘッドの男そして人影は二人だけじゃなかった。白線に2人が巻かれていた。
「「夏兄!(夏雄さん!)冬姉!!(冬美さん!!)」」
「「―っ」」
焦凍君のお兄さんとお姉さんが人質として捕縛されていた…
side三人称
「頭ァ!引っ込めろジャリンコ!」
運転手は声を上げ、敵二人から回避するようにドリフト。と同時にエンデヴァーは炎と戦闘衣装を纏い、車から飛び出す
『!?』
緑谷達も出ようとしたが、それよりも早く、『白線』が車の周囲に纏わりつき、出られなくなる。
「彼らを放せ!!」
「「俺らを覚えてるかエンデヴァー!!」」
エンデヴァーが拳を構えるが、二人の敵は捕縛してる夏雄と冬美を盾にしたため動きを止める。
「…………7年前!暴行犯で取り押さえた…!敵名を自称していた。名は…」
「そう!そうだ!」
「すごい!俺達を覚えてた!」
「嬉しい!そうだよ!俺達だよ!」
「『エンディング』」
「『オープニング』」
敵二人―エンディングとオープニングは嬉し涙を流しながら名を名乗し、そして夏雄と冬美を盾にしながら後ろに後退。その際、オープニングは近くの標識―『速度制限標識60』を視認と同時にエンディングを掴んで車並の速さで逃げる
「っ!」
直ぐにエンデヴァーは『炎』で追走する
「すまないエンデヴァー。でも分かってくれ」
「俺達がひっくり返っても手に入れられないものを」
「アンタは沢山持っていた!」
「憧れだったんだ!」
エンディングとオープニングは逃げながら大声で吠える。
「「俺達は何も守るものなんて無い!!」」
「この男を―」
そう言ってエンディングは『白線』の先端を夏雄に向け
「この女を―」
オープニングは手に持っていた標識を冬美の首元に添え
「「殺すからな!!」」
「―」
エンデヴァーは目を見開く
「頼むよエンデヴァー!」
「今度は間違えないでくれ!」
「俺を―」
「俺達を―」
「「殺してくれ」」
敵二人はケタケタを笑い、涎をまき散らしながら吠える
「ヒーローは余程の事でも殺しは選択しねぇ!」
「でもよぉ!あんた脳無殺したろ!?」
「俺達もあの人形と同じさ!生きてんのか死んでんのか曖昧な人生!」
「だから安心して!その眩い炎で俺達を―」
敵の会話が中断される。爆豪の『爆破』で車内から脱出したからだ。
「マテやクソ敵共!!」
そのまま爆豪は『爆破』で空を飛び、
「逃がさねぇ…っ!」
轟は『氷結』で道路の一部を凍らせ滑るように移動する。
「(『投影―』)」
「(『降霊―』)」
立希と立香も動く。立希は『アタランテ』、立香は『ロムルス=クィリヌス』と憑依し爆豪、焦凍と共に接近する。
「忘れ物だぞ!」
運転手がレバーを引いて後部座席から5人の戦闘衣装が入ったアタッシュケースを射出。
「かっちゃん!ショート君!マギ!メイジ!」
最後に車から出た緑谷が『フルカウル』で身体強化し、4人にアタッシュケースを投げ渡し、4人は受け止め、5人は取り付けれる戦闘衣装を装備する。
「夏雄兄さん!冬美姉さん!!」
「インターン生……」
「俺達の邪魔をしやがって…」
「俺達の死を仕切り直すぞ!」
「エンデヴァー(マイホープ)!!」
再びエンディングとオープニングは逃走を始める。そこをエンデヴァーは反応する
「(体勢を崩した!チャンスだ!今なら奴より速く―)」
動こうとしたエンデヴァー。その時、夏雄と冬美と目が合う。冬美は涙を流し、助けてくれと願う視線と表情。しかし夏雄は…恐れているような表情
「―」
エンデヴァーは動きを止めてしまう。
『!!』
そんなエンデヴァーの背後から5人が現れ、敵二人を追いかける。
「俺達の希望の炎よ!!」
「息子娘の命じゃあまだヒーローやれちゃうみたいだなぁ!!」
涙をまき散らしながら、エンディングは『白線』、オープニングは背中にあった『落石注意』の標識を構える。エンディングは道路にある『白線』を、オープニングは空中から現れた『岩石』を、大量に放つ。
「夏兄…冬姉を…―」
大量の『白線』に対し、轟は『炎』を足と腕に溜め、一気に放出。『白線』のほとんどを焼き払う。
「―返せ!!」
「仕留める!!」
同時に、降ってくる『岩石』は立希が『天穹の弓』で素早く矢を数本同時につがえて射出。空中で岩石を連続で貫き破壊する。
「まだぁ!!」
更に立希は矢をつがえ、今度は敵二人に向けて放つ。
「「!」」
エンディングとオープニングは避けるが、左右に別れ分断される。エンディングは一瞬歯痒い表情をしては、『白線』を動かす
「早く俺達を…殺さねぇから!!」
『っ!』
周囲に止まっていた車数台を『白線』で掴み、5人の方に放り投げる。更に、エンディングは夏雄と冬美を対向車側に移動させる。
「死人が増えるんだ」
オープニングはそう言うと同時、対向車側から車が来る。夏雄と冬美に車がぶつかる―
「させない!!」
「増えねンだよ!!」
―寸前。爆豪は凝縮した『爆破』、そして立香は地面に触れると同時に赤いエネルギーで象った槍を伸ばし放ち、一気に加速。夏雄と冬美が車にぶつかる前に移動。そのまま瞬時に爆豪は夏雄、立香は冬美を敵から奪い去るように、抱きかかえ救出する。
「『エア・フォース』!」
放り投げられた車。緑谷は空気の弾を地面に放ち、上空へ飛翔。そして
「―増えない、増やさないっ!お前らの望みは何1つ叶わない!!」
腕から最近発生した新たな個性、『黒鞭』を伸ばし、車に括りつけ空中キャッチ。壊すことなく地上に着地させる。
「ふざけ―「終わりだ!!」―違うぅぅぅ!!お前じゃあぁぁ…」
エンディングは動こうとしたが先に動いた轟の『氷結』によって拘束される。
「っ―」
それをみたオープニングは逃走。
「立希!」
「逃がすか!!」
「お前らじゃねぇええええ!!!!」
一早く反応した立香と立希。立希は矢を撃ち放つ。オープニングは近くにあった『方向指定標識』を視認し、自身に来る矢の方向を上に変えて直撃を回避する。
「なら…『解除』!『降霊:清姫』!」
―焦がします―
「!」
先程と同様に一気に加速して接近した立香は瞬時に切り替えて『清姫』と憑依。緑髪、黄の瞳となり竜の角が生え、白拍子を羽織る。
「シャアア!!」
そして手に持った鉄扇を大きく振るうと同時、扇型の炎がオープニングを襲う。
「アチィイイイ!?!?!?」
矢と違い、炎には形が無いためオープニングは方向を変える事は出来ずに食らってしまう
「くんなぁああああ!!!!」
「っ!?」
オープニングは『一時停止』標識を立香に翳す。すると立香の動きが急に止まり、これ以上攻撃が出来なくなる。がしかし、立香は慌てる事なく、むしろ笑みを浮かべていた。
「ナイス姉!『解除』『投影:子ギル』!」
―頑張ります!―
「なぁ!?」
立香の背後から立希が飛び出し、切り替えるように『子ギル』と憑依。金髪、赤い瞳となり、腰に金の部分甲冑、赤い腰マントを纏う。そして手をオープニングがいる方に翳し、握り潰すように動かす。
「『天の鎖(エルキドゥ)』!!」
「お前じゃなぁあああああい―ッッッ!!!!」
オープニングがいる空間から鎖―『天の鎖』が展開。そのままオープニングを拘束するように雁字搦めに纏わりつく。オープニングは解こうと動くが全くビクともせず、諦めたのか項垂れるのだった。
「敵捕縛!…戦闘終了……ふぅー…」
「夏雄さんと冬美さん…無事でよかったぁ…」
side立香
「冬美さん!大丈夫ですか!?怪我は…」
「…大丈夫…だよ。助けてくれてありがと。立香ちゃん」
敵一人の拘束を立希に任せ、私は冬美さんの元に行く。冬美さんを敵から助けたあと直ぐに別の敵を追うため歩道に置いてしまったけど…
「すみません…敵を追いかけるためとはいえ…地面に寝かせてしまい…」
「ううん!全然!大丈夫だよ!…敵はどうなったの…?」
「今は弟が拘束しています。」
私は立希がいるほうを見る
「ちがぁぁぁう!おまえじゃなぁあああい…ダメだぁああああ…」
「暴れても神性の鎖を断ち切ることは出来ませんよ…」
敵は拘束されても泣きわめいて暴れようとしていた。
「もう一人の敵は…?」
「もう一人は…焦凍君が捕まえていますよ」
別のところで、焦凍君は『氷結』でもう一人の敵は拘束していた。もう一人の敵は泣きわめいていた。
「夏雄さんも爆豪君が助けましたよ」
「夏雄…」
道路の真ん中にて、エンデヴァーは夏雄さんと話をしていた。私は冬美さんを引き連れ、彼らの元に近づく。
「-俺を許さなくてもいい。」
静かに、エンデヴァーは夏雄さんに言った。これを聞いた冬美さんは目を大きく開いていた。
「許してほしいんじゃない。償いたいんだ。」
「…体の良いこと言うなよ…!」
それを聞いた夏雄さんは涙を流しながら言う
「姉ちゃんすごく嬉しそうでさぁ…!でもっ……!あんたの顔を見ると思い出しちまう…」
「夏雄…」
冬美さんは今にも泣きそうになっていた。
「何でこっちが能動的に変わらなきゃいけねんだよ!償うってあんたに何ができるんだよ!」
「考えてる事がある―「「ああああああああやめろォオオオオ!!エンデヴァアアア」」」
「!おい」
「うるさっ!」
いきなり敵二人が吠える。
「何だその姿はぁああああやめてくれぇ!」
「猛々しく傲慢な火!!眩い光!」
「俺たちの希望がぁあやめろぉ」
「「消えちまうぅ違うやめろぉおお!!」」
そんな泣き叫びが町中に響いたとき、遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた。やっと警察が来る…
「希望…ね…そんなの希望なんてじゃない…」
私は泣き叫んでいる敵二人を見ながら、小声で言う
「ただ縋ってるだけだよ。」
side立希
「はぁー…まさか今日が終わる頃に敵が来るなんて…緑谷君お疲れ。爆豪君も」
泣き喚く敵二人を何とか警察に身柄を渡し、後処理を任せる
「うん。藤丸君もお疲れ。すごかったよ!藤丸さんとの連携!」
「まぁね。連携をとることがインターンの課題だったし…緑谷君だってすごかったよ。あの黒い鞭。B組戦と違ってコントロールできてたじゃん。」
「うん…まだ改善の余地あるけど…使えるようになったかも!」
そう言って緑谷君は手をぐっぱっぐぱ動かし、嬉しそうに笑みをこぼす。
「爆豪君も、さっきの爆破移動、すっごく速かったよ。」
「ったりめぇだろ!」
「かっちゃんインターンの課題クリアしたんだ!やっぱり要領は『徹甲弾-「るっせぇぞ!何で要領知ってんだよクソデク!」ご、ごめん…」
少し騒いでると、姉と焦凍君、そして夏雄さんと冬美さんが来る。
「姉、お疲れ。連携上手く行ったよね?」
「ん。まぁね。まぁこの連携具合をゴールドさんが見てないから本当に上手くいったかは分かってないけど…」
「またやればいいだけだよ。焦凍君お疲れ。敵の拘束大丈夫だった?」
「おう。立希もお疲れ…爆豪、立香。夏兄と冬姉を助けてくれてありがとな…」
「けっ」
「ううん。ヒーローとして当たり前のことしただけだよ。」
そして、冬美さんと夏雄さんが自分たちに深くお辞儀する。
「皆ありがと!」
「…ありがとう。」
その後、自分らは学校へと戻る。後日、姉経由で聞いたことだけど、轟家は別の場所に家を新しく建て、引っ越すことになったそうだ…けど、エンデヴァーは今まで住んでいた家に残るのだった…
side三人称
学校に戻る前…
「えっと…立香…ちゃんでいいかな?」
「え、あはい。何ですか?」
立香は夏雄に呼び止められる。何かあったのか立香は近づくと、夏雄は立香にしか聞こえないように小声で話す
「(焦凍の事、よろしく頼むよ。あいつ、結構君の事気に入ってるから…アイツの言ってた婚約抜きで仲良くなってほしい)」
「…っ!?え、ちょ、」
突然の事に立香は一瞬呆けたが、理解すると顔が真っ赤になる。それを見た夏雄は少し微笑む
「よろしくな」
「友達としてですよね!?はいわかりました!」
しばらく学校に戻る間、焦凍の顔が見れない立香であった…
敵の個性は『標識』。視認、触れた標識を扱う事が出来る。