ご主人様とお気楽ペット 作:ちゃっぱ
ヒロアカの世界とはどんなものなのか。
ある日、とある赤ん坊が光輝く事件が発生したことから始まる。そこから人は個性と言う名の超能力に似た力を身につけていったのだ。
もちろん無個性も存在するけれど、今の時代個性を持たない人はほとんどいない。
そして力を身につけてしまった人々は個性を使って悪さをするヴィラン。悪者をやっつけるヒーローという分類ができた。
そんなアメコミみたいなとってもすごいヒーロー社会の人気ナンバーワンが私のご主人様たるオールマイトである。
そんな彼に拾われた私は今、とても大きなリビングにある柔らかいクッションに座り、ご主人様と真正面から見つめ合っている状態だ。
「ぶい!」
「うん、まずは挨拶からだね。初めまして。私は八木 俊典。ヒーロー名はオールマイトだ」
言葉が通じない動物相手にすごい丁寧に挨拶してくれるねご主人様。
ただの家畜と見てないようで嬉しいけどご主人様ってちょっと天然入ってる?
「君は……うーんと、兎と仮定しよう。個性で溢れる世界だからね。君は卵の時に何かの個性を浴びて新種になったかもしれない」
「ぶい?」
あーなるほど?
私は知識を持ってるからイーブイに生まれ変わったんだなぁで済むけど、オールマイトはそうはいかないのか。
根津校長の例もあるしね。あの人……いや、人?
雄英高校の校長だけど人間じゃなくて見た目がネズミの動物。なんの動物かは分からないだったはず。
実験されるのはいやだけど、私の存在が人間に悪影響を及ぼす可能性とかあったら危ないもんね。ヴィランによる手先かもって思われるよりはマシだけど。
そう思いながら首を傾けると、思うように身体が動かずコロンと横に一回転してしまった。それに苦笑するオールマイトがそっと私を抱き上げて優しく撫でてくれる。
今のご主人様は痩せた状態のままなのでその手はとても細く、弱々しいと感じてしまった。
「難しい話をしてごめんよ。つまり君はもしかしたら個性事故の被害者かもしれないということだ。もちろん君のことは私が責任をもって育てるからね。安心してくれ」
「ぶい!」
それはとっても嬉しいですねご主人様!
ついでに美味しいご飯と寝床を用意してくれたら最高ですよ!
「さて、病院にいっていろいろと検査をして、君のことを調べなきゃいけないけれど……その前に」
「ぶぅ?」
「君の名前を決めようか」
優しく微笑んだご主人様が悩み始める。
「ウサギ、ラビット……いや、犬かもしれないなら……」
「ぶい! いっぶい!」
「うん? どうしたんだい?」
「いっぶい!」
私の名前はイーブイですよー!
まあ種族名だけど、それでも一応教える必要あるかなって。
「ブイ?」
「ぶいぶい!」
「なるほど、よし。今日から君の名前はブイ君だ」
「ぶ、ぶい?」
「よろしくねブイ君」
うーんなんか違うけどまあいいか!
変な名前じゃないだけマシってことで!
それでご主人様。お腹空いたからなんか食べたいな!
「ぶぅーい!」
「ご飯かい? そうだなぁ……生まれたばかりだからミルクかな。でも普通の牛乳は駄目なはず。……ねこまんまならいけるかな?」
「ぶぅ!」
はい大歓迎ですお願いします!!
あっ、いや調べなくても大丈夫だよご主人様!
電話しなくていいから! あの、獣医さんに連絡とっていろいろと相談してくれるのは嬉しいけど……。あっ、卵から孵ったって聞いて困惑してるな?
大丈夫だよご主人様。へんな食べ物じゃなければ食べれるよ私ポケモンだし。
電話をするご主人様の足元を彷徨いてると、しゃがみこんだ彼が背中を撫でてくれた。気持ちいい感触に思わず溶けたイーブイになってしまう。
……あっ、さっそく作ってくれるのね。よかったー!!
おいしく作ってくれた出来立てをお皿に入れて床に置いたオールマイト。
その前で尻尾をふりふりし、皿が置かれた瞬間がぶりついた。
「ふふっ……美味しいかい、ブイ君?」
「ぶぃー!」
ご主人様大好きありがとう!
あーもうほんと私、オールマイトに拾われてよかったー!!
時間軸としてはまだイレイザーが雄英の教師ではない頃。もちろんオールマイトもそうです。
一応原作のサイドストーリーたるヴィジランテの序盤ぐらいの時期をイメージしてます。よろしくお願い致します。