怪獣娘と発情期   作:電王牙

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アンケート結果より今回はブラックスターズ編+αです。

今回の話はEXと銘打っているため、ブラックスターズ全員登場の特殊回となっており、視点が通常と違う形となっております。


そしてアンケート結果(※2週間時点)

pixiv(全9票)
ブラックスターズ 6票
エレキング、ゴモラ、マガバッサー 1票
ガッツ 0票

ハーメルン(全16票)
エレキング 8票
ブラックスターズ 3票
マガバッサー、ガッツ 2票
ゴモラ 1票

総合
ブラックスターズ 9票
エレキング 9票
マガバッサー 3票
ガッツ、ゴモラ 2票


という結果になりました。
pixivではブラックスターズ、ハーメルンではエレキングさんが大人気という結果に。

次回はエレキングさんの回です。


caseEX ブラックスターズ

 

 

都内某所のマンションの一室、その部屋では一人の女性がパソコンの前でキーボードを叩いていた。

 

朝日野ショウカ、怪獣娘保護組織GIRLS東京支部に所属する女医。怪獣娘の体調を預かる専門医と言える存在である。

 

「今日はここまでにするか……」

 

そう呟きながら朝日野は傍らにあるカップを取り、すっかり冷めてしまったコーヒーを啜る。

 

彼女は怪獣娘の持つ固有症状【発情期】についての資料を纏めていた。

 

怪獣娘の存在が認知され、GIRLSが発足してからまだ5年程度しか経過していない。

怪獣娘が持つ【発情期】(厳密には各人の個人差のある体調不良の症状だが、便宜上の名称が必要となり、多くの共通点から仮称がそのまま定着してしまった)に関してはまだまだ研究が必要であり、各地のGIRLSで得られた発情期の症例の報告はGIRLSの医療部門で対応の為に情報が集められている。

 

朝日野はゴキゴキと首を鳴らし、凝り固まったら肩を解す。

 

「……まだまだ分かっていることは少ないな」

 

発情期は未だに研究途中である。GIRLS所属の怪獣娘やGIRLSが認知している怪獣娘達の症例を調べても個人差が大きく、必ずコレという症状が無い。

共通点としては『通常の生理周期に割り込む形で3~4ヶ月に1度程度、1週間ほど発症する』という程度だ。

 

多くの場合は

『倦怠感による体の重さ』

『食欲の増進』

『精神の不安定化』などが発生する。

 

そして個別の症例を挙げれば

『鋭敏な聴覚の更なる鋭敏化とそれに付随する形で発生する頭痛と吐き気』

『体臭が変化し、フェロモンのような香りを放つ』

『逆に体が活性化して興奮状態となり、疲れを感じなくなり倒れるまで止まれなくなる』

などの症状が確認されている。

 

 

 

と思考を向けていると窓からコツコツとノックするような音が聞こえた。

 

「ん……?」

 

ここはマンションの高層階である。普通に考えれば窓をノックされるということはあり得ないだろう。

しかし、朝日野は一切の躊躇いなく窓の方へと歩いていった。

 

窓を開けるとベランダには一人の少女が立っていた。

 

朝日野とあまり変わらない小柄な体型。

褐色の肌に赤いマントと仮面を身に付けた少女、円盤生物ノーバの怪獣娘である。

 

「久しぶりだな、朝日野」

「そうだな。上がっていくか?」

「そうさせて貰おう」

 

朝日野はノーバを部屋に上げテーブルに座らせ、キッチンへと向かった。

ノーバは座るなり携帯ゲーム機を取り出し、プレイし始めた。

 

「砂糖とミルクは?」

「入れてくれ」

「わかった」

 

先程まで使っていた自分のカップと来客(ノーバ)用の赤いカップにコーヒーを注ぎ、ミルクと砂糖を入れかき混ぜる。

朝日野は出来上がったノーバの分のコーヒーを彼女の前に置くと自分のコーヒーを手にノーバの対面の椅子に腰掛けた。

 

「……先日は結構な騒動だったな」

「そうだな」

 

暫く前にノーバの所属しているGIRLS未所属の怪獣娘の集団ブラックスターズがGIRLS内に侵入するという事件があった。

それに続く形で都心にて邪神ガタノゾーアの怪獣娘が暴れるという一件も発生。

原因はブラックスターズだったらしいとのこと。

 

その一件の顛末を聞き、朝日野は頭を抱えたそうな。

 

「なんというか……なんだったんだ?」

「私にもよくわからないな」

「そうか……」

 

朝日野は深くは聞かなかった。先程までの作業での疲れもあったのかもしれない。

ノーバは両手(片方は触手)で持ったカップを傾けてこくこくコーヒーを飲んでいた。

 

「アンジェとキリエは元気か?」

「ん?…………ああ。マグマは相変わらず真面目で硬いし、キリエも元気だよ」

「そうか」

 

マグマ星人の怪獣娘、アンジェリカ・サーヴェリタス。

キリエロイドの怪獣娘、キリエ。

かつて秘密裏に存在していたGIRLSの戦闘部隊にノーバと共に所属していた怪獣娘達である。

 

「ふむ……二人の小話でもするか?」

「いや、いい。いつものを貰いに来ただけだからな」

「そうか」

 

その言葉を聞き、朝日野は引き出しから処方箋の紙袋を取り出した。

 

「中、軽度のを合わせて3ヶ月分といった所だ」

「助かる」

「……私が勝手に作った品だ。気にするな」

「ああ」

 

ノーバは紙袋を受け取り窓の方に歩いていった。

 

「……たまにはマグマやキリエにも顔を見せてやれ」

「……善処する。ごちそうさまでした」

「ああ」

 

ノーバはベランダから飛び立ち、ビルの明かりが煌めく夜空へと消えていった。

 

「……」

 

ノーバの使ったカップを片付けながら、朝日野は僅かな寂しさを覚えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

─────────

 

 

 

 

 

 

数日後、ブラックスターズの拠点のアパートにて。

 

ペガッサ星人の怪獣娘、平賀サツキが学校を終えブラックスターズの集まりにやってきた。

 

「こんにちは、皆さん」

「よく来たな、ペガッサ」

 

組んだ腕に豊かな胸を乗せながら、ブラック指令はペガッサを迎えた。

 

「やっほーペガちゃん」

「…………」

 

シルバーブルーメはポップコーンを食べていた。

ノーバは気にせずゲームを続けていた。

 

「さて、今日は侵略活動の前にこれの説明をしなければならない」

 

そう言うと指令はカプセル型の錠剤を取り出した。

 

「なんですか、そのお薬?」

「ノーバが裏ルートで仕入れてきた薬だ」

「う、裏ルートの薬……!?」

 

裏ルートから仕入れてきた薬……そう聞いてサツキは冷や汗をかいた。

まさか如何わしい薬なのではという不安が出てきた。

 

「あ、だいじょーぶだよペガちゃん。これ発情期の薬だから」

「はい?」

 

発情期といつ単語にサツキは面食らった。

 

「怪獣娘には発情期と呼ばれる症状があるのだ」

「発情期……って……ええ!?」

 

サツキは顔を赤くした。

 

「発情期と言っても、そこまで大きなものじゃない。体調不良各種や生理由来の症状に近い」

 

ノーバはゲームをしながら説明した。

 

「そーそー。普段よりお腹空いたりとか体がダルくなったりとか程度だよー」

「うむ。そしてそれらの症状を抑えるのがこの薬というわけだ」

「な、なるほど……。でもそんな薬だったら普通に売ってたりは……」

 

サツキは浮かんだ疑問を投げ掛けた。

 

「い~や。これは本来GIRLSでしか取り扱っていない薬なのだ」

「え、そうなんですか」

「うんうん。怪獣娘にしか効果無いから売ってないんだってさ」

「だからこそ、GIRLSに所属していない怪獣娘でも頼らざるを得ないという訳だ。我々はノーバの裏ルートのツテを利用して入手しているがな」

 

この裏ルートが朝日野から入手しているということはノーバしか知らないのだった。

 

「ノーバさん……すごい……」

「これからサツキ君にも症状が出るだろうから説明しておこうと思ってな」

「な、なるほど……でも、お薬足りるんですか?」

「あー、ブラックちゃんとか症状だいぶ緩くなってるからへーきへーき」

「そうだな。私はもう年に2回程度だ」

「え、そんなに少ないんですか?」

 

ノーバがゲームをセーブしながら答えた。

 

「発情期の症状は年齢と共に発生頻度下がっていくんだ。普通は年3~4回、多くても6回前後といった所らしい」

「へぇ……」

「そして20歳をボーダーに少しずつ頻度が減っていくというわけだ」

 

ゲームの電源を落としてノーバはサツキに向き合った。

 

「怪獣娘として覚醒した以上はこれからも長い付き合いになる症状だ。覚悟はしておくといい」

「は、はい」

「ちなみにこの薬は非正規品だ」

 

GIRLSで支給されている本来の発情期抑制薬は錠剤型だが、朝日野謹製のは自作ゆえに粉末をカプセルに詰めた形状をしている。

 

「ちょ、それかなり不安なんですけど!?」

「問題ない。ノープロブレムだ」

 

不安がるサツキにノーバはサムズアップをするのだった。

 

「まー、無いと大変だからねー……」

「だな……」

 

遠い目をしたシルバーブルーメとブラック指令を見てサツキは恐る恐る尋ねた。

 

「な、何があったんですか……」

「前に薬が足りなくなったときに○○や△△の家に行った時に耐えきれずにオナn」

「わー!ノーバちゃんストップ!」

「まて、それは言うなノーバ!!」

 

ブラック指令とシルバーブルーメは二人でノーバがこれ以上喋らないように口を塞ぐのだった。

「ま、まぁ……なんだ。そのような悲惨な自体を迎えない為にもこの薬は必須という訳だ……」

「は……はい」

 

そしてサツキは思った。そんな痴態は絶対に晒したくない……と。

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