機動戦士ガンダムSEED 気づいたらニュータイプ? 作:ボートマン
ヘリオポリスの港から飛び出した赤いメビウス・ゼロ。
「見つけた。ジン5機か、いくぞ!」
すでにヘリオポリスから発進したMA“ミストラル”がジンを迎撃している。
しかし、ミストラルの機関砲の弾丸はジンにかすりもせず、逆に反撃されて撃墜されている。
ネムはジンを捉えると、ゼロにだけ装備されている4基の円筒状の兵装“ガンバレル”を展開して弾幕を張る。
5機のジンは弾幕を回避すると、散開し始める。
3機はネムのゼロに向けて、突撃銃の銃口を向けて発砲する。
「そう簡単にはいかないか!」
ガンバレルを回収して、ジンの攻撃を回避する。
そして、ネムが3機のジンに気を取られている間にもう2機はヘリオポリス内に侵入した。
「くそ!侵入を許したか!」
出来ることなら侵入されることは防ぎたかったが、メビウス・ゼロ1機ではそれも難しかった。
「今は目の前のことに集中しないと!」
「待たせたな、ネム!」
そこへムウのメビウス・ゼロと2機の2機のメビウスが合流する。
「すまない。コロニーに2機のジンに侵入された」
「何?やっぱりこの戦力じゃ抑えきれないか」
ジンを倒すのにメビウスが5機でやっとの中で、ゼロ1機だけでジン5機を抑えるのは難しい。
「クソ!コロニーの方に向かおうにも!」
ただでさえ戦力が限られている中で、自分が抜けるのはムウたちへの負担が大きすぎる。
すでにヘリオポリスから発進したミストラルの殆どは壊滅している。
「今はこいつらをどうにかするぞ、ネム!」
「了解!ルークとゲイルは大尉の援護に入れ!こっちは問題ない!」
メビウスのパイロットに指示をすると、赤いゼロはスラスターをジンに接近する。
ジンは突撃銃で射撃するが、紙一重で回避する。
そして、ジンの横を通り抜けると同時にガンバレルを展開。
ジンは背中を見せた赤いゼロを突撃銃を撃ちながら追撃する。
「ガラ空きだ!」
そこへ展開したガンバレルの死角からの十字砲火を受けてジンは撃墜される。
「まずは1機!他は!」
戦況を確認すると、すでにメビウスはジンに撃墜されていた。
その上、戦闘に参戦したマルセイユ三世級も別の1機によってスラスターを破壊されてしまった。
操舵不能になったマルセイユ三世級はヘリオポリスの外壁に衝突してしまい爆散した。
「艦長!ちくしょう!」
短い間とはいえ世話になった艦長たち。
しかし、今は戦闘中で悲しんでいる暇はない。
ムウもガンバレルを展開して、ジンへ掃射すると突撃銃に命中して破壊した。
対するジンは腰の重斬刀を抜いて接近するも、ガンバレルの掃射が肩に被弾して右腕が破壊された。
武装を失ったジンは後退し始める。
「ベリル機、シグナルロスト!オロール機、大破!緊急帰投!」
現在ヘリオポリスに接近しているザフト艦。
ナスカ級“ヴェサリウス”とローラシア級“ガモフ”。
「ベリルがやられたのか!?それにオロールも大破だと?こんな戦闘で?」
そのヴェサリウスの艦橋でオペレーターの報告に、艦長のアデスは意外そうに声をあげる。
ここにいるのはザフトの中でも選りすぐりのエースパイロットだ。
そんなパイロットがヘリオポリスの防衛部隊にやられるとは思えない。
「ふむ……どうやら五月蠅い蠅が1匹、いや2匹飛んでいるようだ」
そう呟く人物は白の軍服に身を包み、素顔を銀色のマスクで隠す人物“ラウ・ル・クルーゼ”。
「は?」
「私も出よう」
ラウはそう告げると立ち上がる。
「残るは1機か……大尉、俺はコロニー入る!そちらは任せた!」
「わかった!中はどうなっているかわからんから気をつけろよ!」
「そっちこそ!」
残るジンをムウに任せると、ネムはヘリオポリス内に突入する。
「あれは……イージスか!」
複雑な内部を進む中、紅い装甲のMSとすれ違った。
それはX303“イージス”。
MA形態への変形を可能とするMS。
そして、これに乗っているパイロットをネムは当然知っている。
「やっぱり原作通りか……」
イージスが奪取されたならほかの3機も奪取されているはず。
「取り返せるなら取り返したいけどな……」
イージスとすれ違うも互いに攻撃しない。
こっちは攻撃してもイージスには
向こうも奪った機体を持ち帰ることを優先しているためか攻撃してこない。
そして、内部をどんどん進んでいくと出口が見え始める。
「中の状況は………こいつは酷いな」
出口を抜けて見ればヘリオポリスの街並みは戦闘によって、ボロボロに破壊されて酷い有様だった。
「戦闘は終わっている。ということは……いた!」
周辺を見渡していると、休憩所と思われる場所に鎮座するMS、X105“ストライク”を発見する。
接触しようと機体を近づけようとすると、2機の機体がシャフトを破壊してヘリオポリス内に侵入する。
片方はムウのメビウス・ゼロ。
もう片方はジンよりすっきりした白っぽいボディのMS“シグー”。
「ええい!何処から出てきてるんだ!」
シャフトはコロニーを支える重要な柱だ。
そこが破壊されるようなことになれば、コロニーが崩壊し兼ねない。
そんな状況の中、突如鉱山の岩盤が爆散する。
もうもうと立ち込める爆煙をかき分けるように現れたのは、白亜の巨大な戦艦だった。
「あれが……アークエンジェル」