機動戦士ガンダムSEED 気づいたらニュータイプ? 作:ボートマン
今年もよろしくお願いします!
というわけで新年初の投稿です。
ヘリオポリス内でザフトをどうにか撃退できたメビウス・ゼロとストライクはアークエンジェルに帰投した。
メビウス・ゼロから降りたネムはストライクの足元に近づく。
コックピットが開き、ワイヤーに足をかけてキラが下りてきた。
「やあ」
「あ……ネム、中尉さん」
ネムに気づいたキラが何故か怖がっていた。
「(え?何でそんな怖がられ………あ~)」
どうしてキラが自分を怖がっているか。
その理由に心当たりがネムにはあった。
「別に出撃したことを怒っているわけじゃないんだ。君のお陰で助かった、ありがとう」
「え?」
まさか礼を言われるとは思わなかったのか、キラは驚いた表情をしていた。
「俺からはそれだけだ。それじゃ」
キラの肩を叩くと、ネムは自分の機体の元に戻った。
ザフトをどうにか撃退できたアークエンジェルはヘリオポリスを脱出した。
「それにしてもよかったんですか、中尉?」
「何がだマードック曹長?」
「あの坊主ですよ。1人で哨戒に行かしたみたいですが」
現在ストライクはアークエンジェルより発進して、ヘリオポリス周辺の哨戒にいっているのだ。
「まだザフトはこの艦を諦めたわけじゃないんだ。出たところを攻撃なんてこともありえる」
「そりゃあそうですけど。それに、こいつもこんなんでいいんですか?」
「これでいいもなにも、こうしなければいけないんだよ」
マードックは自分が今整備している機体を見上げる。
それはネムがモルゲンレーテの工場から回収した機体。
ただしその頭部はジンの頭部であった。
こうなったのには理由がある。
ザフトを撃退した後、モルゲンレーテの工場に他に使えるパーツがあるか回収に向かおうとした。
しかし、モルゲンレーテの工場は戦闘の余波で近づくことができないうえに、そもそも回収に向かう時間がなかったのだ。
そこで撃墜したジンの中で損傷が少なかった頭部を回収して接続したのだ。
「(ダブルゼータのザク頭を思い出すな)」
ダブルゼータでもZガンダムの戦線復帰するためにザクの頭部を接続していた。
その時と同じことが目の前で行われていた。
「頭部はあれでいいとしても、左腕はどうするんですか?」
頭部はジンのパーツで代用できたが、左腕はない状態のままなのだ。
「できればこっちもジンの腕で代用したいところだけど、その腕もないしこのままにするしかないさ」
流石に都合よく使える腕があったというわけにはいかなかった。
「それに……大きな問題が残ってるしな」
その問題に対してネムはどうしたもんかと頭を掻くのであった。
一方、アークエンジェルの艦橋では今後の方針をどうすべきか話し合いが行われていた。
「それで、これからどうするんだ?」
「そうですね、ザフト艦の動きは掴める?」
「難しいですね。外に出た残骸の一部に熱を持つ物があるのか、熱探知とレーダーで上手く観測できるか」
レーダーを確認しながらロメロ・パル伍長は答える。
先程の戦闘でヘリオポリス内の残骸の一部が外へ出てしまったのだろう。
「となれば向こうも同じだと思うがね。それに奴が素直に引くとは思えないね」
「……再度攻撃を受けたら、この艦に勝ち目はありません。追撃してくることを想定して動くべきかと」
「だな。こっちの戦力は虎の子の“ストライク”とネムの“ゼロ”と俺のボロボロの“ゼロ”じゃな。なあ、最大船速で振り切れないか?こいつ、かなりの高速艦だろ?」
マリューに同意したムウはザフト艦を振り切れるか尋ねる。
「向こうにも高速艦のナスカ級がいます。最大船速で振り切れるかどうかわかりません」
データ上ではこのアークエンジェルもかなりの速さを持つが、それでも同じ高速艦であるナスカ級を振り切れるかどうか。
「それじゃあ投降する?」
とんでもないことを軽く言うムウに艦橋にいるクルーはギョッと目を見開く。
「ま、それも一つの手だぜ」
「何!ちょっと待て!誰がそんなことを許可した!………はぁ!?」
「何かあったの、バジルール少尉?」
声をあげたナタルにマリューは何事か尋ねる。
「哨戒に出ていたストライクが帰投しました。ただ、推進部を故障した救命ポッドを1基を抱えてですが」
「え!」
「その上、レイ中尉が勝手に収容許可を出したと」
「ええ!?」
マリューは驚愕の声をあげ、ムウは同僚の勝手な行動に呆れて溜息を吐くのであった。