機動戦士ガンダムSEED 気づいたらニュータイプ?   作:ボートマン

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第8話

『だ~か~ら!勝手に収容許可を出したのは悪いとわかってるよ!』

 

「わかっているのなら何故許可したんですか!アークエンジェルは現在戦闘中なんですよ!」

 

『それを彼に言って彼がはいそうですかと納得するわけないだろ!彼は軍人ではなく善意で協力してもらっている民間人なんだ』

 

「ですが、今のアークエンジェルに避難民を受け入れる余裕はないんですよ!」

 

「(どうしたもんかね……)」

 

ナタルと言い合っている自分の部下の行動に呆れながらも、ムウは今回は仕方ないと考えていた。

 

ネムの言う通り、キラにポッドの収容を認められないと言って、あの少年が納得するとは思えない。

 

しかしナタルの言う通り、現在人手不足のアークエンジェルに避難民を受け入れる余裕はないのだ。

 

「はぁ……そこまでよ!二人共」

 

「艦長……」

 

『…………』

 

「今の私達にここで時間を無駄にする余裕はありません。ポッドの件はこれ以上は話しません」

 

「……わかりました、艦長」

 

『ありがとうございます、艦長』

 

「ネム中尉、今回は認めますが今後勝手に許可を出すのは慎んでください」

 

『……了解』

 

「(これはまた勝手にやるな)」

 

長い付き合いからこういう時のネムはまた同じことをやるとムウにはわかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁ……」

 

艦橋との通信を切ったネムは大きく溜息を吐いた。

 

「やっちゃったな……」

 

つい熱くなってナタルと言い合ったことに壁にもたれながら反省していた。

 

ナタルの言い分も理解できるため、熱くなって強く言ったことに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

 

「あの、すいません。僕が勝手なことしたから」

 

そんなネムの様子にキラは申し訳なさそうに謝ってきた。

 

「ああ、キラ君は気にしなくていいよ。元々の原因はこっちにあるみたいなもんだからさ」

 

中立コロニーでMSの開発をしたせいで避難民は巻き込まれたのだ。

 

コロニーのことを考えずに攻撃したザフトにも非はあるが、地球軍にも当然非はあるのだ。

 

「ああ~それとさ、色々と手伝ってもらっているのにすまないけど」

 

ネムは頭を掻きながらキラを見る。

 

「すまん!OSの書き換えを手伝ってくれ!」

 

「ええ!?」

 

そう言ってネムはキラに頭を下げる。

 

そして、キラは突然頭を下げて頼んでくるネムに戸惑いの声をあげる。

 

「急に頼み込んですまない。実はな……」

 

ネムはどうしてOSの頼み込んだ理由を話す。

 

「でも、それならストライクのOSを書き換えればいいんじゃないんですか?」

 

キラとしては先の戦闘は非常事態で戦っていたため、ネムがストライクに乗れば問題ないと思っていた。

 

「う~ん……それがそういうわけにいかないんだよ」

 

「え?どういうことですか?」

 

「現状このアークエンジェルの戦力はストライクとメビウス・ゼロ2機と未完成のMS1機だけだ。進路が何処へ向かうかはわからないが道中戦闘がないという保証がないんだ」

 

これだけでキラはネムの言いたいことを理解した。

 

「また、僕にMSに乗れってことですか?」

 

「情けない話だけど、こちらも余裕がないんだ」

 

この先のことを知るネムにとっては戦力を出し惜しむわけにはいかなかった。

 

「そんな……」

 

「こんな言い方は卑怯かもしれないが、君の友人達を守るためにどうか力を貸してほしい」

 

「………わかりましたよ」

 

渋々ながらも了承してくれたキラに心苦しく思いながらも、現状を打破するために出来ることをしないといけないのだ。

 

それからキラと共にMSのOSの書き換え作業を行う。

 

「ネム、ちょっといいか?」

 

黙々と作業をする中、ムウがネムを尋ねて格納庫に来ていた。

 

「わかりました、キラ君少し休憩にしよう」

 

「………はい」

 

作業を中断し、キラは格納庫から去っていく。

 

「何かあったの?」

 

キラの様子に訝しんで尋ねられ、ネムは気まずそうにしていた。

 

「実は……」

 

キラと話したことをムウに話す。

 

「なるほどね、だからあんな暗かったのか」

 

「はい、俺が無理に頼んだせいです」

 

「はぁ……今更くよくよしても仕方ないだろ。それでこいつは使えそうなのか?」

 

ムウは未完成MSを指さしながら尋ねる。

 

「どうにかって感じですね。彼のおかげでOSの書き換えは順調ですから」

 

ネムも近くで見ていたが、キーボードを素早く入力して瞬く間にOSの書き換えていた。

 

「そっか。それで、こいつは何て名前なんだ?」

 

「名前か………パッチワークって所ですね」

 

「パッチワーク?」

 

「ええ、ツギハギという意味でこいつにピッタリなんですよ」

 

何しろ頭部にジンのパーツで代用しているのだ。

 

その上、腕の方もジンのパーツで代用するつもりでいる。

 

「確かにピッタリな感じだな」

 

「でしょ。それで大尉は何か用があったんでしょ?」

 

「そうだった。これからのことでな」

 

「というと進路が決まったんですか?」

 

「ああ。“アルテミス”に向かうことになった」

 

“アルテミス”

 

現在アークエンジェルのいる宙域から近い場所にあるユーラシアノ軍事要塞だ。

 

アークエンジェルの所属する大西洋連邦とは同盟関係である。

 

「アルテミスねえ………」

 

「お前はアルテミスに行くのは反対か?」

 

「だって向こうが俺達を歓迎するとは思えませんよ。するとしてもこの艦とMSだけですよ」

 

大西洋連邦とユーラシアは同盟関係ではあるが、仲がいいというわけではない。

 

向こうからしたら新造艦と貴重なMSを運んできたと見るはずだ。

 

「だとしても、うちはただでさえ物資に余裕がないんだ。藁にもすがる思いでいくしかないさ」

 

「まあ行く前に戦闘にはなると思いますがね」

 

「……やっぱりお前もそう思うか?」

 

「はい。あのクルーゼが諦めると思わないし、デコイに引っかかるとも思いません」

 

正直他の指揮官はわからないが、クルーゼなら宙域図とこっちの動きだけで気づくはずだ。

 

「だよなあ~本当に嫌になるぜ」

 

「本当ですよ。しつこいにもほどがありますよ」

 

二人は自分達を追撃するクルーゼに心底嫌そうに同意していた。

 

「お前は奴がどう動くと思うんだ?」

 

「俺なら……奪ったGを使いますね」

 

「やっぱり使ってくるか」

 

「というか俺だったら絶対投入しますよ」

 

なにせ性能はジンを軽く凌駕するほど優れているのだ。

 

OSという問題がなく、簡単に操縦できていたら苦労はしない。

 

「お前もそう思うか。色々と聞けて助かった、この事は俺から艦長に話しとくよ」

 

「頼みます。俺も出来ることをしますよ」

 

この先生き残るために、ネムは行動に移るのであった。

 

 

 

 

 

 

 




というわけでジン頭のMSの機体名はパッチワークに決めました。
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