この素晴らしい世界に For Honor   作:ZONE中毒者

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 魔王と呼ばれる存在の重鎮、幹部であるベルディアがウォーデンの前へ立ちふさがった。
 未だに状況を呑み込めていないウォーデンだが、彼の信念はベルディアの行いを許さなかった。





1.2 - 騎士の信念

 

 

 

 

 

 私が弱い存在であることは、ここに来て幾度も実感したことだ。

 ましてや、今のように地べたに伏している状態ではもはや否定のしようがない。

 

 では寝ているだけでいいのだろうか。弱者たる私が、後ろにいる冒険者たちを置いて。

 

 いいわけがないだろう。

 

「……ほう、起き上がるか。」

 

 ベルディアの片手にある頭からそんな声が聞こえてくる。

 もう片方の手にある大剣は肩に担がれているが、決して隙にはなりえないだろう。

 全方位から斬りかかった私を含めた冒険者たちの、その全てを避け、一振りで彼らを地に倒したのだ。

 あれを目にすれば私が見ている世界と彼が見ている世界が違うことも分かる。

 それにあの薙ぎを受けたからこそ分かることもあった。

 中途半端に重厚そうなあの鎧でも、それを無視したかのような動きをする。

 私の経験則に当てはめてはいけないような存在なのだ。

 

「瀕死の状態で、なお立ち上がろうとする精神は誉めてやろう。だが貴様は弱い。」

 

 その言葉に反抗する気は起きなかった。

 もっとも今の私に言葉を発せられるほどの体力もなく、剣を支柱代わりに地に突き立てて立とうとするのが精いっぱいであった。

 とうにその支柱を握りしめる手が震え、視界はぼやけている。

 耳に入るのはベルディアの声よりもビチョリビチョリという生々しい音。

 

「……思うに、お前はどこかの騎士だろ? ここの駆け出しはそんな全身鎧など着ないはずだ。」

 

 グラグラと世界が揺れる。いや、私の瞳が震えているのだ。

 

「こう見えても、俺は生前は騎士だった。だからお前が今何をもって立とうとしているかも理解できる。」

 

 まるで赤子のようであるが、震えを何とか抑えながら、私は立った。

 剣の柄を杖のようにし、体軸を真っ直ぐに整えるようにして前を――ベルディアを見据える。

 

「お前にはチャンスをやろう。どうだ、その逞しい精神をもって俺に仕えないか? 俺の側にいればもっと強くなれると思うぞ。」

 

 彼の手に携えられたそのヘルム。その中から覗かせている目は、どこかで見たものに似ていた。

 私は彼の言葉を耳で捉え、頭で反復した。

 

 迷いではなかった。

 ただ、反復して噛み締めていた。

 

 すると怒りが湧いてくる。

 

「お前は……誓いを、立てなかったのか?」

 

「誓い……ああ、立てたとも。だが――」

 

「――なら何故、お前は騎士を語る! 無垢の民を虐殺すると豪語し、死した者まで冒涜するお前がッ!」

 

 

 地に突き立てていた剣を引き抜く。意識するでもなく構えを取っていた。

 身体は衝動で動いていたが、今の私の体はコントロールを効かせられるほどの余裕を残してはいない。

 

「……瀕死の状態にある貴様に、何ができる。」

 

 周りを見渡した。

 ほとんどの者は目の前のケダモノに絶望し、動けていない。

 その顔は到底、訓練を受けた者のそれではなかった。

 

 私は再び視線を奴に戻す。

 

「……いいだろう。もし少しでも俺を足止めできたのなら、周りの冒険者含めてこの街は見逃してやる。」

 

 そう言うと、手にしていた頭を宙へ放り投げた。

 前と同じように、奴の頭は巨大な瞳のような幻影を発して滞空する。

 そして空いた手で、大剣を握りなおした。

 

「せいぜい足掻いてみせろ!」

 

 

 

2

 

 

 

 ベルディアが足を踏み込んだと思った瞬間、その巨体は私の前にあった。

 その手は既に振り上げられており、私の脳は先の記憶を反射的に呼び起こした。

 

 やはり、その振り降ろしは早かった。

 

「ふっ……」

 

 その肩辺りを目掛けて剣を突き出す。

 私は彼の剣をはじこうと試みたのだ。

 

 そして剣が互いのぶつかり合うと、甲高い音が耳を通り過ぎて行った。

 

 大剣ということを考慮しなくとも、その重さはいままで感じたことのあるものの中でも随一で、投石器から投げ出された岩をはじいているかのような感覚であった。

 無論、私の体は意図せずに後方へ投げ出される。

 

 幸い、はじかれた私の剣は地に向いていたために、それを支えに体勢を整えられた。

 

 が、彼は待ってはくれない。

 

 宙にはじかれたはずの大剣も関係なく、私より早く体勢を直した。

 私より早く動き出し、私より早く横に振りかぶった。

 

 それをどうにか避けようと、バックステップする。

 

「……!」

 

 二度下がったところで、大剣が空気を割って振り払われた。

 空振りだ。

 

 そこに食らいつくように、私は体軸を斜め前に傾けて突撃(タックル)する。

 

 その巨体は想定よりも重かったが、ロウブリンガーを始めとした重量級に比べればまだ軽いものである。

 ベルディアが体勢を崩したところを尻目に、すぐに構えを取る。

 息をする間も置かず、小ぶりで斜めに一撃、また一撃と加える。

 そのまま体軸を前に出し、回転して大振りを一撃――

 

 ――加えようとしたところで、空気が揺らいだ。

 

 すぐさま体勢を直し、()()ローリングする。

 

 ローリングはスタミナを多く消費するため不得手なものだった。

 すぐさま構えなおして後ろを振り返ると、やはり、私のいた場所は大剣の軌道があった。

 

 ほとんど本能に従った反射的な回避であったが、奴はそれでないと感知できないような斬撃をする。

 

 まさに今のように、瞬き一つする間にもう大剣を構え切っているのだ。

 

「ぬあっ!」

 

 ベルディアは斜め下から振りかざしていた。

 直感的に振り上げられると分かると、体が反射的に横へステップした。

 直後、真横から風が起こり、剣を振り上げ切った彼の姿が映る。

 だがその目はしっかりと私を捉えていた。

 

 あれはもう一撃くる。

 

 振り上げ切った奴に反撃を加えることなく、もう一度横へステップする――

 

 ――と、後ろへローリングした。

 縮こまった私の上を、風が横薙ぎに突っ切る。

 

 ローリングにより視界から奴を外したが、なお追撃がくるものだと容易に想像がついたため、予め少し前へ剣を突き出しておく。

 彼を再び視界に収める前の、予測的な行動であった。

 

 何かを視認する暇もなく、肩に痛みが走った。

 

「うあ”ぁっ……!」

 

 眼前は奴の黒いばかりの胴が見えるだけである。

 突き出したその剣には手ごたえがあるが、どうにも距離が遠かった。

 

 肩に長く厚い異物が刺さっている。

 

 頭が理解するや否や、片足で黒い鎧を蹴り出す。

 ベルディアも引き抜こうとしていたようで、必然的に投げ出されるようにして体が宙へ放たれた。

 少しの間、いや一瞬かもしれない。その間、私は投げ出され、そして地面へと叩きつけられる。

 

 ただ、熱かった。肩から胴に広がるように、熱かった。

 鎧の重さに流される形でゴロゴロと草を潰しながら地を転がる。

 妙に落ち着いていたのか、私自身が力なく転がっていることはよく理解できた。

 

 そして止まった。

 地面に伏しているだけで、まるで動かない。

 身体が石像のように重く、というよりも自分の体でないような感じだ。

 

 頭すら動かず、時間が止まったようにも感じられる。

 ヘルムの先、外の景色も良く見えなかった。

 

 だが、近くに転がっている剣だけは見えた。

 先端にどす黒い液体の付いている、己の剣が。

 

「この俺を、傷つけた……!?」

 

 ()()()()()()

 

 途端に私の身体は熱が溢れ、意識するまでもなく駆けだす。

 大股で数歩、剣をすぐに回収し、足を動かす。とにかく動かす。

 

 私の身体は、かつてないほどに熱かった。

 燃え上がるように、疲労感もなにもないくらいだった。

 この視界に映るのは、頭を手に携えている敵だけだ。

 

 まるで長く思える時間も、一瞬であった。

 

「貴様――ぐッ!」

 

 片手で剣の柄、片手で剣の先端を掴み、剣の腹を奴に叩きつける。

 怯んだ彼を捉え、そのまま私は剣を頭上に振り上げた。

 

 上段からの振り降ろし。

 

 その異様な硬さを誇る鎧は貫けないが、覆われていないところからは確かな手ごたえが感じられた。

 

「舐めるなアアアァァァァァ!!」

 

 再び頭を投げ上げ、ベルディアは剣を後ろに回す。このまま横に払うのだろう。

 

 しかし、それが私の予想する速度では迫ってこなかった。

 どういうわけか、振るわれた剣の早さは私でも十分に反応できるものだった。

 

 その払いが奴の背中から真横まで振るわれた辺りで、それを相殺するように、彼の手首目掛けて振り出した。

 

 剣を途端に認識できるようになったのがいけなかったのだと思う。

 

 この世界に降り立つ前のような、敵の攻撃をはじく感覚で体を動かしてしまった。

 

 私のそれは相殺してはじくどころか、そのまま押し払われた。

 

 剣の耐久力も、もう限界であったのだろう。

 

 奴の剣はそこでとどまらず、私の剣を折って、この顔へと迫った。

 

 眼前に迫るおかしな色をした大剣に、ヘルムのひしゃげる音。

 そして最期に、私の耳に一つ。

 

「いい死合だったぞ。」

 

 ベルディアの一言だけが、沈みゆく意識に残った。

 

 

 

3

 

 

 

「……っはぁ、はぁ」

 

 再び目を覚ました時、私は青い空を見上げていた。

 澄んだ空であった。狼煙も戦闘音もなく。

 

 ふと、濡れていることに気付いた。

 ぼんやりする頭で直近の記憶を掘り起こすと、思い出されるのは件の記憶。

 ではこの濡れは血によるものか、と思い手で掬ってみたが、視界に映るのは無色透明のただの水であった。

 

 周りの状況が気になりだし、重い体を起こした。

 ベルディアの初撃を喰らってからの体よりも俄然動きやすく、頭もよく回っているようだった。

 その目で辺りを見渡すが、どうにも辺り全体が水を帯びているようで、陽光に照り輝いている。

 また散り散りではあるが冒険者の姿も見て取れ、全員が目立った傷もなく満身である。

 

 手に握られていた折れた直剣や壊れた防具を見て、確かに斬り伏せられた記憶がある私は困惑していたが、周囲の地形が変わっていたり少し遠くにあった街の壁が崩れていたりと、記憶の途切れた時点から大分状況が変わっていたために、時間が経っているのだろうと見切りをつけた。

 ではベルディアはどうなったのか。撃退できたのか。

 そう疑問を抱いたために、もう一度周りを見渡す。

 

 すると、身に覚えのある顔を見つけた。

 冒険者のガリルにサトウカズマ、それと恐らくは一行と思われる少女たちだ。

 金髪の見習い騎士にあっては、ガリル含めた冒険者三人を前にして赤面しているいて、それをサトウカズマがからかっている様子である。その冒険者たちはベルディアに斬られた面々であり、てっきりこと切れたかと思っていた私は驚きを隠せなかった。

 ともあれ生きていたことには良かったので、挨拶代わりに状況を聞こうと足を運ぶ。

 

「ガリル。」

 

「おお、アンタも無事で――ってかなり手痛くやられたようだな。そっちも蘇生した感じか?」

 

 ガリルは健在のようで、横にいた冒険者たちも特に異常があるようには見えない。

 蘇生という言葉を聞くに、これも魔法による効力なのかと思案する。

 爆発を起こす魔法といいこれといい、あまりに勝手が過ぎるようにも思えた。

 彼らが実際に斬られたにも関わらず何とも思っていない顔をしているのは、魔法故なのかそれとも私のように戦場に慣れているが故なのか。

 

「そこの騎士っぽい人は蘇生じゃないわ。」

 

「え、あれで生きてたのかよ!? 思いっきり頭潰されてるように見えたんだけど……。」

 

「ほとんど死体も同然だったわよ。まぁそれも私がちょちょいと綺麗に治したの!」

 

 視界の端から青い髪の少女とサトウカズマが話に入ってくる。それを片耳に挟んだところ、どうやら私は彼女に蘇生されたらしい。

 未だに魔法という摩訶不思議な術を信じ切れてこそいないが、こうして五体満足でいられるのもきっと彼女のおかげなのだろう。

 

「すると、あなたが私を治療してくれたのですか。」

 

「? ええそうよ。どうよ、違和感とか全くないでしょ? 私くらいになると完璧にこなせるんだから!」

 

「ありがとうございます。おかげで私はまだ剣を振ることができそうだ。」

 

 青い髪の少女に感謝を述べると、彼女は素っ頓狂な顔をしてサトウカズマの袖をグイグイと引いた。

 何か粗相でもあったかと顔色を窺っていると。

 

「ねぇカズマさん。私、こっちに来てからまともに感謝されたの、これが初めてだと思うの。」

 

「そりゃ目立って役に立つこともしてないからな。」

 

「はぁ!? ベルディアの討伐だって結構貢献したんですけど!? もっと褒めて、敬ってよ!!」

 

 言い争いを始めてしまった。

 

「ベルディアは無事に討伐できたんだな」

 

 私の問いかけに、ガリルは明るい声色で。

 

「ああ、俺も蘇生してもらったばかりだからあんまわかんないけど、まぁ上手くいったらしいな!」

 

 と自慢するように言う。

 すると向こうから付け加えるように冒険者が声を飛ばしてきた。

 

「そこの青いプリーストの嬢ちゃんたちがやったんだ!」

 

「幹部の討伐だからな、俺たちにもたくさん報酬が入るぜ! 飲みたい放題だな!」

 

 まるで波紋のように様々なところから声が出てくる。

 この場にいる冒険者全員が歓喜に満ちているようであった。

 

 彼らはぽつりぽつりと半壊した壁を越え、街の方へと帰って行っている。

 その流れでだんだんと留まる人もまばらになっていき、喝采は街の方から漏れ出てくるようになっていった。

 命の恩人である青い少女とサトウカズマも他の仲間を連れて行って、とうに場の向こうにいる。

 

「おいウォーデンどうした? そっちも酒場には行かないのか……ってそういえばアンタ、傭兵だもんな。雇い主でも待ってるのか。」

 

「……いや、私は流れの傭兵だ。ちょうど騒動が起こった辺りでここに着いた。だから雇い主どころか拠点すらない。」

 

 私にあるのは、先の問題であった。

 天より降り立ったのが壁の上であるだけで、あの街に入れる権利があるわけではない。

 ともなると、休息を取る拠点もなく稼ぎ所もない、私はただの放浪人である。

 

 街に向かっていく人の流れを遠目に見ていた私は、長いまばたきを挟み隣のガリルへと視線を移した。

 彼の面はどういうわけかのぞき穴すらなく、その表情は微塵も窺えない。

 だが彼はリアクションが強く出るため、ただ静観しているだけの彼に私は信頼を抱いていた。

 

「んー……確認だが、身分を証明するものもないんだよな。」

 

 ガリルは私を観察するようにしながら、そう投げかけてきた。

 身なりや所持品を見ている辺り、おおよそ彼の中で結論はついたのだろう。

 

「そうだ。今は鎧も剣もなく持ち金もない、放浪人と変わりない。」

 

 私の応えに、彼はしばし唸った。

 それ以上口を出してしまうと判断の余地をなくして、考えを増やしてしまうだけだった。

 そうなると色々追及されるのは目に見えている。

 

 私は静かに彼の判断を待つだけであった。

 

「……この後はどうするつもりなんだ?」

 

「さあどうしようか。私は魔王を討つためにこの地に来たから、可能ならばその対処にあたっている組織にでも所属したいところだが。」

 

 魔王の幹部の出現に冒険者が呼ばれているところを鑑みるに、その組織が冒険者の集まるところだと、私は思っていた。

 しかし、やはり確実な情報がない以上は、そのように判断して行動するのはリスクがあった。

 

「はぁ……どっちにしろギルドの奴らがアンタを見逃すはずもないだろうしな。まぁアンタの身元は俺が保証してやるよ。ほら、街を案内するから行くぞ。」

 

 ウォーデンは外交能力も必要である。

 私がそれを遺憾なく発揮することは、同時にウォーデンであることを再認識させるのだった。

 

 

 

4

 

 

 

 賑やかな酒場を背に、私は建物から外へ出た。

 その建物は『ギルド』と呼ばれる組織の拠点らしく、冒険者たちが依頼を受けたりその結果報告を行う場であるらしい。また酒場も併設されており、よく依頼を終えた冒険者が羽を休めているそうだ。

 

 私はここで叱責を受けていた。

 冒険者が正門に集合していた、その危険地帯に冒険者でない私が足を踏み込んだからだった。

 部外者が関わられると被害を負った時にギルドにかかる責任や負担が大きくなるそうで、ギルドの職員の口から漏れるその愚痴をよく言い聞かせられた。

 

 しかしギルドの職員も悪人ではない。

 私が放浪人と変わらない立場にいること、鎧や剣を修繕したい旨を伝えると、この街にある様々な情報を伝授してくれたのだ。

 具体的には冒険者になるには手数料が必要なことと、稼ぎ口のいくつか、街の工房やルールなんかを。

 街の壁の一部、正門辺りの壁が崩壊したため、その修理に人手が必要らしく話を通せばすぐにでも雇ってくれるだろう、とのことだった。ギルドとしても口実上だけならば身元を保証してくれるらしいから、ありがたいところだ。

 

 と、しばらく街の大通りを歩いていると、崩壊した正門が見えてくる。

 既に木造の骨組みが完成しており、その下で男たちがせっせと作業をしていた。

 

「そこの方、少しいいでしょうか。」

 

 男たちの中で、指示を出すように動いていたアフロの男に話をかけた。

 

「あん? なんだ、お前? ってかなんでそんなボロっちい鎧着てんだ?」

 

 彼は私を見て素っ頓狂な顔をした。

 敗残兵のようなボロボロの鎧は当然不審に思えるようで、しかし私にはこれ以外着れるものもなく鎧を置く場所もない。着用する他はなかった。

 

「私はウォーデンという者です。ここには冒険者ギルドの紹介で来ました。なんでもここを直すのに人手が必要だと。」

 

「おお、そうなんだよ。今は人手が足りなくてな。いつもより過労働になるが、日給一万エリスでいいならどんな奴でも歓迎するぜ。」

 

 アフロの男がニカッと笑みを浮かべてそう言った。

 日給一万エリスがどのくらいを指すのかは分からないが、給金以上に身元を問わないところが魅力的だろう。

 

 私は喜んで彼の提案を受けることにした。

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