ガンダムSEED ELPIS   作:明日希

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明日へ花を

 

「それではただ今より、終戦記念祭を始めさせていただきます。皆様どうぞお楽しみくださいませ」

 

 深々と頭を下げた三国の代表が笑顔で手を取り合う。報道陣のカメラが一斉に光を放った。後世に伝わる一枚を撮ろうという熱意がこっちにまで伝わってくるようだ。目を細めながら怪しい奴が居ないか警戒する。ひとまず安全だと息をついた先、はるか後方にずっと会いたかった顔を見つけた。話したいけど任務中だしな。残念に思ったのと同時にイザークからの無線が鳴った。

 

「おい、ディアッカ。前方は安全だ。後ろ側を見てきてくれ。見知った顔と話をするぐらいは構わんが、警戒を怠るなよ」

 

 もしかして気づいたんだろうか。思わず目を丸くしまえば早く行け! と促される。笑って礼を返せば微かな笑い声と共に無線が切れた。怪しい人物が居ないか見ながら歩みを進める。暑さで先程まで重かった足がすっかり軽くなったようだった。

 

 

「よ、ミリィ! あっちは撮らないのか?」

 

 記念のバルーンを持った親子の写真を撮り終わった彼女に声をかける。明るくお礼を言って見送ってから振り返ってくれた。ため息の後に久しぶりの声が鼓膜を揺さぶる。

 

「あっちは大勢いるじゃない。それより私はこっちを撮りたいの。今を頑張って生きている普通の人達。戦争が終わって本当に良かったわ。ほら、ここに来てから撮った写真、みんな笑顔なの」

 

 機械越しじゃない声が凛とした声を発する。聴き入っていると嬉しそうにカメラの画面を見せられた。彼女の言葉通り、誰も彼もが良い笑みを浮かべて留まっていた。ログを眺める彼女の顔も幸福そうだ。そっちに嬉しくなっているのを気取られないように返事をした。

 

「撮った奴の腕も良いんだろ。ま、そんなに楽しんでもらえてるなら準備とか頑張った甲斐があったよ」

 

 ザクで設営をやったのは中々楽しかった思い出だ。周囲に目をやりつつ話すと楽しそうな笑い声が耳を揺らす。ひとしきり笑ったミリィが辺りを見回して感心したように呟いた。

 

「凄いわよね……世界各地からアーティストが集まる音楽祭。ステージも複数用意されてる。文字通りお祭りって感じ。それに、プラントからの出演者にも驚いたわ。てっきりあの子一人だけかと思ったけど、大勢居るじゃない」

 

 バッグに入れられていたパンフレットを改めて見た彼女が見開き数ページにわたる出演アーティストを眺めて目を丸くしている。肩をすくめながら事情をざっくりと伝えた。

 

「だいたいはミーア嬢の友人らしいぜ? そこから知り合いに声かけてって参加者がどんどん増えたってさ。しっかし、全員良い声してるな……今まで聞けなかったのが惜しい」

 

 プラントからの参加者が多いのは今の歌姫の要望だそうだ。議長いわく、もしかしたら今回がきっかけで人々は各々のラクス・クラインを見つけられるかもしれないという事だった。要は期待と負担の分散だ。

 先日護送した歌姫を発端とする勢力の暴走は彼女に期待し過ぎてしまったのも原因の一つだ。彼女以外にも心の拠り所を作っておくことであの悲劇の再来を防ぐつもりだろう。俺より歳下の女の子一人に全部背負わせるなんて事を繰り返す訳にはいかない。

 魅力的な音につられて各ステージを渡り歩く聴衆達を眺める。今のところ目論見は上手くいっていそうだ。

 

 メインステージではオープニングを終わらせた連合からの客人が赤い髪の美女とハイタッチした。ディゼンベル出身だと言う彼女が力強くロックを歌い始める。遠く離れたステージからは穏やかなハープの音色がかすかに聞こえてきた。熱狂する観客をカメラに納めた恋人が笑って身体をあちら側へと向ける。

 

「これからたっぷり聞いたら良いじゃない。平和じゃないとエンタメは発展しないって言うしね。ここ以外も良いのが撮れそうだし他も回ってくるわ。またね」

 

 気をつけろよ、と声をかけて見回りに戻る。さっきの写真の中でも怪しい奴はいなかった。今日のこんな平和が明日も続くようにと思えば気合いが入る。イザークに後方も無事だと伝えれば他も回ってくるよう頼まれる。あちらは来賓の警護に移るようだ。了解しつつ彼女の後を追って進んだ。

 

 

 

 

「アスハ代表。此処よりは私がご一緒させていただきます。よろしくお願いします」

 

 敬礼をしてきた生真面目そうな女性に頭を下げる。目線の先に昔アイツが着ていたのと同じ色の服が目に入った。思わず動きを止めてしまう。心配そうな声に慌てて顔をあげながら別の事を考える。

 

 結局、私もアスランもお互いを一番大切にする事が出来なかった。私はオーブを何よりも大切に思っているし、アイツは世界全部が平和になるように頑張っていた。どちらが悪いという話ではない。どちらも間違いではない。ただ、お互いに相手の手を離してしまった。それだけだ。

 

 きっと、私の方が先なんだろう。ユウナとの婚約を受け入れてしまった。あの時はそれが国のためだと信じ込まされてしまっていた。

 それに加えてクレタ沖での事も大きい。親友で幼馴染のキラに撃たれてアイツは悲しかったに決まっている。うんと辛かったはずだ。でも、私はアイツよりオーブを優先した。そんな昔があるから私からアイツに手を伸ばす事はできない。そして、私が行けない間に泣いていただろうアスランの手は他の誰かが握ってしまった。

 

 モニターからラクスと同じはずなのに明るく感じられる声が流れる。友人とは違う色の髪が画面の中を鮮やかに踊った。終戦しばらくして染め直した黒髪の歌姫は今日の大トリを務めるらしい。ミーア・キャンベル。アスランとの仲睦まじい様子も流れてきて目を細める。

 彼女を恨む気持ちは無い。ただ、アイツを幸せにしてやってほしいと祈るばかりだ。

 

 護衛の方に体調が悪いのか恐る恐る尋ねられた。随分と立ち止まっていたようだ。大丈夫だと礼を言えば微かに息がつかれた。

 意を決したような顔で懐から細長いケースを差し出される。緊張した声音で言葉が紡がれた。

 

「ザラ隊長から貴女に渡してほしいと伝言と共に預かっております。『直接返せなくてすまない。今まで助けられた。もう充分だからこれからは君が守ってもらえ』との事です。お分かりですか?」

 

 頷いて蓋を開ける。予想通りハウメアの護り石だった。傷一つ付いていない事からアイツが大切に扱ってくれていたのが伺い知れる。首にかければ恐る恐るお似合いですと褒め言葉がかけられる。礼を言いつつ心の中で初恋に別れを告げた。これからは国が恋人だ。もしかしたら今までもそうだったのかもしれない。 私もこの世界の平和を願っている。アイツと願いは同じだ。それだけは確かな事だった。

 

 深呼吸して前を向けば希望を尋ねられた。今歌い終えた方に良かったと感想を述べたい旨と他のステージも観たいと要望を告げてみる。快く頷いてくれた彼女にダメ元でもう一つお願いをしてみた。

 

「すまない、可能であればシン・アスカと話せるだろうか? 彼は先のセイラン家の横暴の折に我が民を守ってくれた。そのお礼が言いたいんだ」

 

 あの日の国民の行動で思い知らされた。国を創るのは理念ではなく人だ。その事に気づけたのは彼と出会ったおかげもある。今なら落ち着いて話せる気がした。頼んだ先の彼女が申し訳なさそうに述べてくる。

 

「すいません。後輩達は現場の応対に追われておりまして……伝えてみますが、時間がかかると思われます」

 

 それなら構わないと笑って取り下げる。頭を下げる彼女にこちらこそすまないと返した。お互い生きているのだ。いつか伝えられる日も来るだろうと信じたい。まずは今しがた素晴らしい歌を披露してくれた方へ感謝を伝えに足を進めた。

 

 

 

 

「にーちゃん、良いのかよ? 赤い服着てるんなら偉い人なんだろ? やらなきゃいけない事とかあるんじゃねぇの? マキと俺なら大丈夫だからさ」

 

「何言ってるんだよ。目の前で困ってる人を放っておけないだろ? ちょうど暇してたから大丈夫。ほら、テント見えてきた。もう少しでお父さんとお母さんに会えるよ」

 

 少し赤くなった目元でこっちを心配してきてくれた。泣いてる子を放っとくなんてできるもんか。そう言ってもうすぐ再会できると伝えたら顔が明るくなった。僕の頭の上で肩車してるマキちゃんも嬉しそうに足をバタバタさせる。二人の嬉しそうな様子に抱える腕が軽くなった。

 いろんなところで音楽が鳴り響く会場で泣いてたこの子達を見つけた。歌に夢中になってたらはぐれちゃったらしい。おまけにお兄ちゃんは転んだらしくて膝から血が出ていた。スティングが念のためにくれてた絆創膏をもらって手当してからレイに繋げてみた。ちょうど子供達とはぐれた人が来ていたらしくて待っててもらってる。

 

 建物の外に居たご夫婦が大きく手を振ってきた。しゃがんでから二人を降ろせば一目散に走っていく。また転ばないかハラハラしているとお母さんとお父さんが無事に受け止めてくれていた。昔の僕らと似ている四人家族を羨ましい目で見てしまうと男の子が振り向いた。少し鼻を鳴らしながら辺りの歌に負けない大きな声が響いてくる。

 

「赤いお兄ちゃん! 助けてくれてありがとう! 本物のヒーローみたいで、かっこよかった!」

 

 手を振り返してから背を向けた。嬉しい言葉に勇気がりんと湧いてくる。やっぱり、困った誰かが目の前に居たら助けたい。レイにもう少し見回りしてくる事を伝えて勢い良く走り出した。

 

 

 

 

「レイ! 諸々の対応完了したよ! どうしたの? なにか良いことあった?」

 

 全体の状況をモニターで確認しているとメイリンが報告に来た。手招きして窓の下を指さす。迷子を送り届けたシンが元気よく人助けに走り回っていた。親友の明るい様子に思わず口元が緩んでしまう。流石というべきだろうか。

 

 先日手元に届いたデスティニープランの結果書を思い出す。上機嫌だったシンにどうしたのか問うとレスキュー隊の適性が一位だったと嬉しそうに教えてくれた。良かったなと返しながら以前聞いた話と違うと目を見開いてしまった。慌ててギルに電話したら笑いながら説明された。

 

「今運用しているのは彼を見い出した時からアップデートを果たしてね。戦闘職に関する要素を学ばせていない。今はまだ安定しきってはいないが将来を見据えての措置だ。真に平和な世界に武力は要らないだろう? 現在も帰還兵の再就職に役立っているようでね。提唱者として何よりの成果だよ」

 

 嬉しそうなギルにこちらの頬も緩んだことを思い出す。定期健診の際にフィル医師も先の大戦後と比べて楽になったと笑っていた。働き口が見つからずに心を病んだ人も以前は大勢訪ねてきたらしい。プランのおかげで暇が出来たと救護テントで生き生きとしていた彼女の顔が脳裏に浮かぶ。

 俺もどの道を進むか決めるべきなのだろう。終わったらかけがえの無い友人達に相談してみても良いだろうか。これからの事を考えると視界に映った空高く昇る雲のように気分が上昇していった。

 

 

 

「あのね、ルナ。ステラ、迷ってるの……」

 

 屋台を制覇していくお兄さん達の声を背に可愛い子が真剣な声をこぼしてきた。辺りを見回していた私の足も思わず止まる。真っ赤なりんご飴を手にしたステラは力なく視線を地面に落としていた。

 

「ステラね、シンの側に居たい。シンを守りたい。でもね、ステラが戦うとシン痛そうなの。ステラ、シンが悲しそうなのはイヤ。どうしたら良いの?」

 

 ステラが自分の心臓が痛むみたいにギュッと服を掴んでいる。シワになるわよと手を差し出せば痛いぐらいに握られた。思いもよらない相談に頭を悩ませる。頭をよぎるのはレクイエム攻略戦前の光景だ。

 

 シンはステラに何かあったらととても怯えていた。いきなり家族を失ってしまった経験もあるのだろう。私はステラがやりたいようにさせてあげたい。でも迷っているなら戦場から降りてもらいたい気持ちもあった。

 どうしようかと考えてハッとする。戦場に出ないで大好きな人の心を守っている、尊敬できる友人の顔が浮かんできた。今ならまだスケジュールに余裕があるはずだ。不安そうに解かれていた小さな手を握り返して笑いかけた。

 

「ステラ! ミーアにお話聞きに行きましょ! きっと良いアドバイスをくれるわ」

 

 顔が明るくなったステラが頷いて走り出す。慌てて私も速度を上げて横並びに笑いながら人混みの中を駆けていった。

 

 

 

 

「うぅん……私はアスランに特別な事してないのよ。毎日話をして、大好きよって言うだけで。やりたいからやってる事だし。本当はお出迎えも毎日したいけど仕事があって出来ない時もあるし。でもね、アスランは嬉しいって笑ってくれるの。そしたら私それだけで幸せ。だから、ステラはシン君が嬉しくなる事をしてあげたら良いんじゃないかな?」

 

「シンの、喜ぶこと……」

 

 楽屋で休憩中だった所に訪ねてきた友達二人が考え込む。私もあんまり詳しくないのよね。いい子なのは知ってるし何回か話した事はある。けど長い間一緒にいたらアスランがヤキモチ焼いちゃうし。不器用な彼にこっそりとお願いを送ってみる。私に何かあったらいけないと鬼気迫る勢いで護衛を申し出てくれた彼は辺りの見回りに行っている。即座に返事が来た事に口元が上がりながらレオを抱え直していると、ステージから歓声が上がった。

 オーブから来てくれたダンスチームが大技を決めている。ダンスが好きだって前に話してくれたステラの眼が輝く。今日は皆がいろんな音楽に触れられた日だ。中には私じゃ出来ないものもあった。みんながそれぞれの平和の歌を見つけられるきっかけになったら良いなぁ。そんな事を考えながらルナと顔を見合わせて笑っていると、ドアがノックされる。日差し避けにサングラスをつけたアスランがシン君を引っ張りながら扉を閉めた。

 

「ミーア、連れて来たぞ。ステラにルナマリア……そういう事か。外に出た方がいいのか?」

 

 首を傾げたアスランにどう返事しようか考える。二人はとっても仲が良いけど、シン君の答え次第じゃケンカになっちゃうかもしれない。仲裁役は多い方が良いだろう。迷っているとシン君に駆け寄ったステラが勢い良く声をあげた。

 

「シン! ステラね、シンのために何かしたいの。でも何したらシンが嬉しいのか分からない……お願い、教えて? シン、ステラに何してほしい?」

 

 顔を近づけた子に頬を染めた男の子が赤い眼を丸くして瞬きする。走り回って汗をかいた彼から小さな呟きがこぼれた。

 

「かぞく……僕と新しい家族になって、家に帰ってきたらお帰りって言ってほしい……」

 

 想像の斜め上の告白にルナと揃って歓声をあげてしまう。我に返ったシン君がさっきより真っ赤になった。悲鳴のような声が上がる。

 

「待って! 今のなし! ちゃんとした所でもう一回やり直させて!」

 

「シン、ステラと一緒のお家、嫌? ステラ、うれしい……」

 

 ギュッと抱きつかれて可愛らしく尋ねられる。とうとうゆでダコになったシン君がフルフルと首を振った。周りを囲んでおめでとう! と祝福をする。レイにも連絡を入れなくっちゃ。予想していなかった事にテンションが上がる。今日は、本当に良い日! 抑えきれない笑顔を我慢しないでいると、私の顔を見たアスランが心の底から幸せそうに笑った。

 

 

 

「ミーア、出番よ! 準備良い?!」

 

「はーい! それじゃあ、アスラン。行ってくるわ。ちゃんと見ててね?」

 

 俺に手を振ってくれたミーアが満面の笑みでステージへと駆けていく。彼女が飛び出した瞬間、大きな歓声があがった。お馴染みとなったラクスのカバー曲が流れ始める。約束どおりに彼女から目を離さないまま項垂れている後輩の肩を叩く。

 

「ほら、顔をあげろ。ずっと言いたいってこぼしてたじゃないか」

 

「そうなんですけど……もっとちゃんとした所で言いたかったんです……この熱気で頭が回らなくて本音がつい……さっき昔の僕と似た親子連れと会ったのもあって……アスランさん、リベンジする時は力貸してください」

 

 落ち込み切っていたシンが真剣な声で頼み事をしてきた。本音を伝えられたなら良いんじゃないかと思うんだが。口を開こうとした瞬間、レイが言葉を被せてシンを励ました。

 

「気にするな、シン。ステラは喜んでいた。ならそれで良いだろう? 本当におめでとう。さて、話は変わりますがアスラン。貴方が例の新組織に参加するとは本当ですか?」

 

 ミーアの曲がレイが作曲を手伝ったという歌に変わった。今日はいろんな歌手を見たが俺には彼女が一番魅力的だ。視線を外さないまま頷きを返す。ルナマリアが不服そうに声をあげた。

 

「何でですか? アスランさんは辛い思いをたくさんしたんです。少しぐらいはゆっくりしても良いんじゃないですか?」

 

 気遣ってくれる後輩に笑みがこぼれる。ミーアに話したのと同じ言葉を返した。

 

「以前俺達がそうしたせいでまた戦争になっただろう? 終わらせるだけじゃ駄目だったんだ。アレはただ大地に種をまいただけなのと変わらない。平和を根付かせるためにはきちんと水をやって世話をして花が咲くまで守ってやらなきゃいけなかった。そのために出来る事をしたい。それが俺の戦いだ」

 

 平和のためにならこの力を使いたい。静まり返った辺りにミーアの優しい歌声が響く。一拍置いて勢い良く背が叩かれた。慌てて振り返ってしまった先で後輩達が頼もしい笑みを浮かべていた。

 

「嫌々じゃないなら良かったです。私達も協力しますよ。あんな戦争が起きない方が良いのは私達も一緒ですから」

 

「そうですね。平和が定着した世界。それが何よりのはずです。ギルも……きっとラウもそんな世界を望んでいた。二人の願いを叶える事が俺の夢です」

 

「アンタに言われるまでもないです。誰かの帰る家が無くなるのは悲しいですから。これからも一緒に頑張りましょうね!」

 

 いつの間にか大きくなっていたシンの手が差し出される。目頭が熱くなるのを堪えながら礼を言えば軽く背中をさすられた。

 

 振り向き直して彼女の勇姿を見つめる。高らかに最後の一音を歌い終えたミーアがマイクを外してありのままの声を届けた。

 

「みなさん! 今日は本当にありがとうございました! またいつか、いつか必ず元気でお会いしましょうね!」

 

 彼女の言葉の直後、終幕を告げる音が鳴り響いた。テープや花びらが舞い踊る中で誰も彼もが笑顔だ。手が痛くなる程の拍手を送りながら空を見上げる。どこまでも澄み渡る青空に花吹雪が広がっていった。







これにて運命本編は終了となります。
よろしければ感想などいただけると有り難いです。
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