【妄想小説】劇場版ポケットモンスターXY&Z ~異世界の扉と冥界の灯火《ゼノ・ジーヴァ》~ 作:睦月透火
皆さんはもうお分かりですよね?
あれから1時間ほどで目的地となる【幽玄の森】にたどり着いたサトシ達。
「……んー、アイツはもう森の探索に出たかな……」
ミラの言葉に、サトシは自分達も早く探索に出たい様子……しかし。
「サトシ、早く行きたいのは分かるけど……皆にゴハンあげないと」
「おおっと、そうだった……みんな、出てこい!」
サトシの合図で、セレナ達も手持ちのボールを全て投げ、同行ポケモンを全員外に出す。
サトシの手持ちポケモンは、先ほどミラを助けた「オンバーン」と「ゲッコウガ」「ファイアロー」「ルチャブル」「ヌメルゴン」そして「ピカチュウ」。
セレナの手持ちは「テールナー」「ヤンチャム」「ニンフィア」。
シトロンは「ホルビー」「ハリマロン」「ルクシオ」が手持ちだ。
ユリーカはトレーナーではないが、キープとして兄のシトロンに「デデンネ」を確保して貰っており、更に……
「プニちゃんもゴハンにしよ!」
『♪~』
いつの間にかポシェットを定位置にしている
アニポケ恒例のお食事シーンはご想像にお任せして、取り敢えずココでの描写はカット……
スミマセン、XY&Zをそんなに見てないので想像力不足です……
(*´・ω・)ショボーン
「……さて、飯も食ったし」
サトシが帽子を被り直し……
「いよいよ、森の探索ですね!」
シトロンも降ろしていたリュックを背負い直す。
「アナタ達も手伝ってくれる?」
『
セレナの声に、手持ちのポケモン達は声を揃えて了承した。
「小さい子達なのに頼もしいねぇ」
しみじみとミラが感想を溢す……こうして、サトシ達も【幽玄の森】の探索に出発するのだった。
その頃、森の何処か……
《……ッ……、…………! …………》
少し前にハガネールとバンギラスを相手にしていた銀色のドラゴンポケモン……よく見れば全身は傷だらけであり、口端からも赤い血が垂れている。
深く抉れた崖の辺りまでゆっくりと歩いてきたが、ついに崩れ落ち……その瞳も力を失って閉じられてしまう。
しかし、力尽きても死んだ訳ではなく……辛うじて呼吸する動きだけは続いており、恐らくは意識を失ったのであろう。
……その数分後、直上の木の枝の上に赤いフードの男が現れた。
「……ようやく見つけた……さて、どうやって向こうまで運ぶか……ムッ?!」
下に気配を感じ、姿を隠す赤いフードの男……草むらの中から現れたのは。
『
オレンジ色の小さなネズミポケモン、デデンネだった。
「……ふん、この世界の原生種か……」
「デデンネ~? どこ~?」
「チッ、人間まで……この世界では姉上の位置が掴めん、一応監視だけはするか……」
そっと姿を消し、赤いフードの男の気配が消えたと同時にデデンネを探す声の主がデデンネの姿を発見した。
「なぁんだこんな所に居たんだ~」
『
声の主はユリーカだった……デデンネの声とジェスチャーに、崖下に横たわっている銀色のドラゴンポケモンに気付き、ユリーカは助けを求めるべく同行者達の名を叫んだ。
「お兄ちゃん! みんな! こっち来てぇッ!!」
・
・
・
ユリーカの声に全員がドラゴンポケモンの前に集まる……その体躯は白銀一色であり、正しくおとぎ話のドラゴンそのもの、といった姿で……翼の端や、尾の先端からは炎のようにゆらゆらと揺らめく薄い幕のようなモノがある。
頭には瞳以外にも、2個づつオレンジ色をした丸い宝石のようなものが目尻から規則的に並んでおり……その延長線上には同じ方向に向かって角が伸びていた。
「大きい……それに凄くカッコいい!」
「このポケモン、よく見たら全身傷だらけだ……早く手当てしないと!」
「最寄りでもポケモンセンターまでは遠いし、手持ちの薬で足りるかな……?」
「……良かった……取り敢えず無事だったんだね」
サトシは見た目の感想、シトロンとセレナは謎のポケモンの状態を見て慌てたが、ミラだけは良かった……と安堵した。
「ミラ、このポケモン知ってるの?」
「え? ええ、知ってるというか……私の知り合いというか……」
「「「「???」」」」
しどろもどろになるミラの姿に、疑問しか湧かないサトシ達……
「……この子はシオンって言うの、私の知り合いよ」
しょうがないか……といった感じで、ミラは謎のポケモンの事を「知り合いのポケモン」として話した。
「アレ? 図鑑が反応しない……?」
「シオン、かぁ……種族は何なんだろ……」
これまで様々なポケモンを旅を通じて見てきたサトシでも、シトロンが手ずから改良を重ねているポケモン図鑑でも該当の情報は出ない……ミラも「私も、この子についてはあまり良く知らないし、さすがにそこまでは……」と答えた。
《……ぅ……っ……、ぁ……ココは……?》
その時だ、周囲の気配に気付いて銀色のドラゴンが目を覚ます……
「お兄ちゃん! この子、目が覚めたよ!!」
薄ぼんやりと見えた何人かの人影……徐々に視界がクリアになっていき、ハッキリと見えたのと同時に、懐かしい感覚を発する相手を見つけて安堵の溜め息を吐いた。
《……ッ?! ぁ……アナタは……良かった……でも、何故この様な場所に?》
「……テレパシー、ですね」
「あぁ、ゼルネアス達と同じ感じがする……」
耳からではない、頭に直接響く声……サトシ達は何度かこういう感じの会話を行うポケモンに出会った事があるのか、意外と動じなかった。
「やれやれね、アナタを連れ戻しに来たのよ……アイツにも苦言を言われたしね」
《……? アイツ……?》
ミラは髪を掻き上げ「それは後で教えるわよ」と追及を切った。
《……人間……ですか……ごめんなさい、アナタ達を驚かせてしまいましたね……》
「いえいえ、とんでもない?! むしろ噂のポケモンに出会えて光栄ですよ!」
「だな!」「そうね!」
「うんっ♪」『ピィカァ!』
「私もこの子達に助けて貰ってね……コレで借りが2つになったわ」
「ミラが突然、空から落ちてきたのよ? サトシのオンバーンがそれを助けて、私達もミラもこの森に行く用事があって、それじゃ一緒に行こうってなって、今に至るって訳よ」
「そうなのよー(急に人間の姿にされて飛べなくなったのよ、アンタももしかしたら……気を付けなさい)」
《えっ? そんな事が……》
笑い話にしようと必死に繕うミラの言葉の裏に隠された情報を受け取り、困惑するシオンであった……
・
・
・
「……ところでシオン、ずいぶん傷だらけだけど、動ける?」
傷だらけの身体を見て、ミラは動けるかと問い掛けた……だがシオンは。
《……明日まで休めれば、少しは歩けるかと……でも……》
シオンが見上げると、陽気な日光は既に遮られ始めており、今にもどしゃ降りに晒されそうな感じである。
《この辺りは、雨宿りも期待できません……足に力が入らなくて、左の翼もまだ……》
シオンの言葉に、難しい顔をするミラ……シオンの体格は一般的なポケモンよりもはるかに大きく、ざっと見ても体長は10mを優に超える巨体だ。
「ねぇ、サトシ……モンスターボールならどう?」
セレナの言葉に、全員がハッとする……未知の存在とはいえ、ポケモンならボールで運搬可能だ……シオンがポケモンなのかは怪しい処だが、ボールが使えるのなら最も手軽で最良の選択である。
「それですよ!? ボールに入れば、重さも大きさも関係ありません!」
「えっ? 何? そんなモノで運べるの!?」
シトロンは言葉と共にリュックから空のモンスターボールを取り出し、スイッチを操作してサイズ変更……数センチ程度しかない格納モードから、軟式野球のボールくらいの大きさ……いわゆる捕獲・展開モードへ変化させる。
ミラは初めて見たモンスターボールとその
「このボールの中に入れば、どんなポケモンでも簡単に連れて行けるんだ……シオンをコレでポケモンセンターまで運べば、すぐに良くなるよ!」
《それは、本当……ですか……?》
「ああ! オレ達ポケモントレーナーや、さポケモンを持つ人達はみんなお世話になってるんだ……ココで雨に濡れたまま朝を待つよりずっと楽だし、こんな怪我だってすぐに治してくれるぜ?」
自分達にとっては未知の機械……ミラはあまり乗り気では無いが、シオンの判断に委ねるつもりだった……当のシオンは、少しの間考え込み……そして。
《……分かりました、危険は無いというアナタ方の言葉を信用して……よろしくお願い致します》
「はい! では、シオンの運搬は僕がやりますね」
「頼むぜ、シトロン?」
「任せたわよ?」
「……この子をお願いね?」
トレーナーを含め、1人の人間が持ち歩けるポケモン入りのボールは最大6個までと決められている為、手持ちが埋まっているサトシとセレナはシオンを運べない……その為、手持ち枠が空いているシトロンが運搬役となり、ミラを含めたサトシ一向は森を出て、最寄りのポケモンセンターへと向かう事になったのである。
未知の生き物すら、この世界では否応なくポケモン扱いw
そうでもしないとこの森が戦場及び地獄と化すのでやむを得ないのです……