魔法生物使い、ホグワーツ魔法魔術学校にて 作:Mr.メトロノーム・改
思ったよりアクセス数が多くて驚いた今日このごろ
サブタイで察せられるとおりストーリー自体の進みは結構遅いです
「いやぁ、ひどい目にあったぜ。 …なぁ、お前の姉ちゃん、本当に秘密は守るんだよな?」
ハグリッドが心配そうに聞いてくる。どうやら、姉さんの熱意に負けて色々と話してしまったらしい。
「大丈夫ですよ。レリア姉さんはそういうところ、しっかりしてますから」
「…そうか、なら良かった。色々話したことが学校に知れたら俺の立場が危ないからな」
「あと、レリア姉さんは俺の姉じゃないですよ。あの人は俺を引き取って、育ててくれた人です。単純に年が割と近いから姉さんって呼んでるだけで。」
「そうだったの? 僕、てっきりお姉ちゃんかと思ってた」
「まぁ、よく勘違いされるな」
現在俺は、ハグリッド、そしてハリー――もといハリエットと共にグリンゴッツ魔法銀行に向かうべく、ダイアゴン横丁を進んでいる。なんでも、ハリエットの両親、そしてカイニス叔父さんが俺たちのための諸々の資金を銀行に預けておいたのだとか。
しばらく歩き続けると、向こうの方にそれらしき建物が見えてきた。
「あれがグリンゴッツ魔法銀行だ。こんな安全なとこはねぇぞ、ホグワーツ以外ではな」
とハグリッド。ホグワーツに次ぐ安全性なら、それはきっとすごいのだろう。あいにく、ホグワーツの警備の程度を俺は知らないのだが。
中は豪華な装飾やシャンデリアに包まれており、とても銀行とは思えないくらいの内装だった――がそれよりも、そこで作業している明らかに人間ではない何者かの方に俺は興味を持っていかれた。
「…あれ、何なんですか?」
小声でハグリッドに質問する。
「
「…要するに、愛想を捨てて知能を上げたと?」
「ま、そんなところだな」
そんな事を話しているうちに、受付まで来ていた。
「んんっ…ハリエット・ポッターさんとレイ・ライビアードさんの金庫を開けたいんだが」
すると何かを書いていた小鬼は、ゆっくりと顔を上げ身を乗り出した。
「…あぁ… ハリエット・ポッターさん、それにレイ・ライビアードさん、鍵はお持ちですかな?」
「…鍵なら、これですかね?」
ポケットから例の鍵を出し、見せてみる。小鬼はそれをじっと見つめたが、5秒も経たないうちに
「いや…それではありませんな」
と口にした。するとハグリッドがポケットを探り、
「待ってくれ、どっかにあったはずだ。……ほれ」
鍵を2つ出してみせた。
「…そうだ、もう1つ用がある。ダンブルドア教授からだ」
そう言うとハグリッドは何かを取り出し、その小鬼に渡した。
「例の金庫に入ってる…例の、
「…では…」
二人が目配せしあっているが、一体何の話をしているのだろうか。ハリエットの方も、困惑しているような眼差しでハグリッドを見ている。
その後、結局何の話をしているのかわからぬまま、俺たちは金庫に案内されることとなった。
◇ ◇ ◇ ◇
トロッコに乗って鍾乳洞の中を進み、細道の1つでトロッコが停車した。
「レイ・ライビアード様は、こちらの道でございます」
「俺は例の物を取りに行くから、一旦お前とは別れるな。足元に気をつけろよ」
「ええ、転ばないよう気を付けておきます」
「おう、じゃあな」
トロッコが更に進み、ハグリッド達の姿が見えなくなった所で、小鬼と一緒に通路を進む。足元に気をつけろとは言われたものの、結構整備されており、よっぽどのことが無い限り転ばないだろう。
しばらく歩き続けると、一つの扉の前で小鬼が立ち止まった。
「では、鍵を」
小鬼のランタンを持って代わりに鍵を渡す。子鬼は、何か操作をしたあと、鍵を回して扉を開けた。
「…ウッソだろ、おい」
中には、かなりの数の金貨が山積みになっていた。いくら有名な学者で魔法使いと言っても、こんなにも金貨を集められるものなのか。
「これ、全部、叔父さんが俺に残してくれたの?」
「左様でございます」
「はぁ…現実味わかねぇな、色々と唐突すぎて」
その後は、必要な量だけ金貨を取り出し、例の物を取ってきたらしいハグリッドたちと合流して、地上へと戻った。
◇ ◇ ◇ ◇
「んで、あと必要なものは…杖だけか」
「杖? 杖ならオリバンダーの店が一番だ」
何店か回って必要なものを一式揃え、残りは杖だけとなった。ハグリッド曰く、オリバンダーという人物の店がいいらしい。
看板を見ると、紀元前382年創業とのこと。割とぶっ飛んでる老舗だが、正直今日は驚きすぎてもう反応する余力も無い。何せ、見えるものほとんど全てが新しいのだ。
「先に行って待っててくれ、俺は他の用事を済ませてくる」
とのことなので、ハリエットと共に店内に入る。鈴の音が静かな店内だとよく聞こえた。
「えらく静かだね」
「ああ、これひょっとしてお留守じゃないよな?」
俺がそういうのとほぼ同時に、店の奥から滑らかにスライドして白髪の人物が現れた。まさかそんな勢いよく出てくるとは思ってなかったので、二人揃ってちょっとビクッとした。
「いつ会えるかと思っていましたよ、ポッターさん。それにライビアードさんも」
そう微笑みながら言って白髪の人物――恐らくオリバンダーさんであろう人は、降りて杖を探し始めた。
「ポッターさんのご両親やライビアードさんの叔父さんがここで初めて杖を買っていったのが、つい昨日の事のようじゃ」
そう呟きつつオリバンダーさんは、2つ杖を取り出した。
「これはどうかな?」
差し出された杖を受け取り、軽く降ってみる。すると、一瞬光ったと同時にふっと気流が発生した。
「ほう、ライビアードさんはそれが合ったようじゃな。ポッターさんはどうかね?」
続いてハリエットが杖を降る。が、どうも合わなかったらしく、杖の先にあった積み上げられた箱を盛大に散らかしてしまった。
「合わんようじゃの…」
その後オリバンダーさんはもう一本杖を持ってきてくれたが、どうもそれも合わないようだった。
「…なかなか合わないね」
「まぁ、こればっかりは個人差なんじゃないか?」
そんなことをハリエットと話していると、オリバンダーさんが神妙な面持ちで1つの杖を持ってきた。ハリエットはそれを受け取り、箱の中から取り出す。すると、強烈な光とともに俺のときとは比べ物にならない風が吹き始めた。
「うわぁ…」
「…すげぇな、おい」
二人して杖から放たれる光に見惚れる。30秒ほどしたあと、光と風は収まった。
「不思議じゃ! なんとも不思議じゃ…」
「何が不思議なんですか?」
「わしは、売った杖はすべて覚えておる。この杖に使われている不死鳥の尾羽、その不死鳥の尾羽を使って作られた杖が一つだけある。この世にもう一本だけじゃ。運命とは不思議じゃ。あなたがこの杖を持つとは…兄弟羽の杖がその傷を負わせた。」
「不死鳥の尾羽…?」
さらっととんでもない素材を使っていることを伝えられたが、魔法界では割と普通に不死鳥が飛んでいるのだろうか。いや、もう一本だけなら割と貴重な素材なのだろう。
「杖の持ち主は誰ですか?」
「おぉ、その名は口に出せん。杖は持ち主の魔法使いを選ぶ。その理由は定かではないが。だが、間違いなくあなたは何か偉大なことを成し遂げるだろう。ある意味では『名前を言ってはいけないあの人』も偉大なことをした。恐ろしい、だが、偉大なことを。」
「……」
(……確実にヴォルデモートじゃねぇか、それ)
ヴォルデモート卿は流石にハリポタ未視聴の俺でも知っているし、ハリーの杖がなにか特殊なものであることは知っていたが、まさかその2つがつながるとは。
雰囲気的に何も言葉が出ず、二人して黙っていると、入口の方のドアが鈴の音とともに空いた。
「ハリエット、ハリエット! ハッピーバースデー!」
入り口にいたのはハグリッドだった。どうやら、用事というのは例のシロフクロウを調達しに行くことだったらしい。
「あ、そっち今日誕生日だったの?」
「うん、11歳のね」
「なるほど、じゃあ昨日までは俺が年上だったってわけだな」
◇ ◇ ◇ ◇
「……」
「どうした、ハリエット? 黙りこくって」
現在、全てを用意できたので3人で食事している。まぁ、あんな話を聞いたあとだと黙るのも無理はない。
「そいつがパパとママを殺したんだ。この傷をつけたやつが」
「おい、ハリエット…」
「そいつを知ってるね? 知ってるんだね?」
「……はぁ」
ハグリッドは一つため息をつくと、真剣な表情で話し始めた。
「いいか?肝に銘じとけ。魔法使いってのは、いい奴ばかりとは限らねぇ。悪い奴もいる。昔、ある魔法使いが悪の道に走ってな。そいつの名はヴォ……そいつの名は……」
どうも、ヴォルデモートの名前は衆人環境の中で堂々と言えるものではないらしい。まぁ、「例のあの人」なんて呼び方が生まれるぐらいだし、禁忌みたいな扱いをされているのだろう。
「紙に名前を書けば?」
「綴りがわからない。言うぞ…ヴォルデモート」
「ヴォルデモート?」
「しーっ! …暗黒の時代があったんだ。ヴォルデモートが魔法使い達を暗黒の道に引きずり込んだ。立ち向かった者はみな殺された。お前の両親も戦ったが、奴に命を狙われて助かった者はおらん。……ただ一人、お前さんを除いてはな」
「……いや、確かに有名だとは思ったけど、とんでもない重要人物じゃねぇかお前」
ダイアゴン横丁に来る前、「漏れ鍋」というパブに寄ったのだが、ハグリッドがハリエットが来たことを知らせた瞬間に周囲が急に喜び始めたのだ。故に結構な有名人だとは思っていたが、そこまで重要人物だったとは。まぁ主人公なので、当然といえば当然か。
「いや、お前のおじさんも負けず劣らず有名だけどな。それこそ、ヴォルデモートが戦争を起こした際に大活躍したし」
「マジで? …すげぇな叔父さん」
「それで、その額の傷もただの切り傷じゃねぇ。ハリエット、それは呪いをかけられてできる傷だ。邪悪な呪いをな」
「ヴォル…例のあの人はどうなったの?」
「あぁ…、死んだって聞くが…とんでもねぇこった。奴は、今もどこかで生きている…弱ってるだけで。だが、これだけは言える。お前さんの何かが奴を追い払ったんだ。だから魔法族で、お前さんの名前を知らない者はおらんのだ。生き残った女の子だからな。」
◇ ◇ ◇ ◇
「――さて、どうしたものか」
食事を済ませた後、俺達はキングスクロス駅へと向かった。そしてハグリッドから切符を渡されたはいいのだが――
「『9と4分の3番線』ってなんだよ…」
そこには、『9と4分の3番線』なる奇怪なワードが書いてあったのだ。
「駅員さんに聞いてみたけど、知らないみたい」
近くの駅員に聞きに行ったハリエットが帰ってきた。まぁ、ここの駅の関係者が皆魔法界のことを知っているわけではないだろうし、そもそも知っているような面子はこの場にいないだろう。
「…時間もヤバいな。本格的にどうしようか…」
「……毎年毎年マグルだらけねぇ、ここは」
「……ん?」
ふと、聞き慣れないワードが聞こえてきた。マグル――確か魔法族でない人間のことをそう呼んだはずだ。
「マグル……?」
ハリエットにも聞こえたらしく、首を傾げている。
「ホグワーツの関係者かもしれん、聞いてみようぜ」
「だね」
声のした方に向かってみると、そこには一組の家族連れがいた。持っている大量の荷物から察するに、恐らくホグワーツに行く人たちだろう。
「すみません、9と4分の3番線ってご存知ですか?」
「9と4分の3番線? ああ、心配ないわよ。うちのロンも今年からホグワーツに入るの。行き方はね、9番線と10番線の間の壁に向かって歩いていくの。怖かったら小走りで行きなさい。」
「あぁ、9と4分の3って物理的な意味ね…」
「二人とも、頑張って」
家族連れの一人である小さな女の子が応援してくれた。確か、ジニー・ウィーズリーだったはずだ。
「ありがとう。……よし、じゃ行ってくるか!」
少し後ろに下がったあと、助走をつけて壁へ突っ込む。一瞬すり抜ける感覚がしたあと、広い駅に出た。
「……マジかよ、すげぇな魔法界」
◇ ◇ ◇ ◇
「ねぇ、そこ座っていい? 他に空いて無くて」
「ん、別に構わんけど」
ハリエットとホグワーツ行き特急の中で談笑していると、先程見た男の子が相席の許可を求めてきた。ハリポタを見たことがない俺でも知っている、ロン・ウィーズリーだ。
「僕、ロンって言うんだ。ロン・ウィーズリー」
「あぁ、さっきの。俺はレイ・ライビアード」
「僕はハリエット。ハリエット・ポッター」
「ハリエット・ポッター!? それにライビアードってことは、あのカイニス・ライビアードの家族かい? すごいや、超有名人が二人も揃ってる!」
「そんな驚くことか? ポッターはまだしも、俺の叔父さんってそんな有名なの? いや、これまで魔法界とは縁なかったからさ、実感わかなくて」
「カイニス・ライビアードって言えば、魔法戦争の時に活躍した大英雄だよ! 多数の魔法生物を従えて、自身も自作の武器で闇の軍勢に真っ向から立ち向かって行って…」
「お、おう。なるほど、確かにそいつはすごいな」
ほっとくと30分ぐらい語り続けそうな気がしたので、制止しておく。しかし、自分の親戚がそんな大英雄だったとは、聞いてみても実感がわかない。
「すごいんだね、ライビアードの叔父さん」
「らしいな、聞いてみても全然実感わかないけど」
「そういえば、そっちはハリエット・ポッターなんだよね? それじゃあ、本当にあるの、あれ?」
「あれ?」
「……傷跡」
「あぁ、ほら」
そう言ってハリエットは、前髪を上げて傷を見せる。その額には、確かに稲妻型の傷が刻まれていた。
「すっげえ…」
「魔法の傷ってこんなふうになるんだなぁ…」
俺もしっかり見たことはなかったので、ロンと二人してじっくりと眺める。恥ずかしくなったのか、ハリエットはすぐに髪を下ろした。
「坊ちゃんたち、何かいかが?」
ちょうどそこに、車内販売の人が現れる。
「僕はいいや、自分のがあるし」
「……じゃあ、全部ちょうだい!」
そう楽しそうに言って、ハリエットは大量の貨幣を取り出す。まぁ、あれだけのお金を持っているとなれば、豪勢に使いたくもなるだろう。
◇ ◇ ◇ ◇
「『パ―ティーポッツの百味ビーンズ』?」
「いろんな味があるんだ。チョコにペパーミントだろ。えっと、それから…ほうれん草、レバー、臓物味」
「…うぇ」
「レバーと臓物は同じでは…?」
現在、ハリエットが注文した大量のお菓子を3人で消費している。もっとも、結局金額が足りなかったので全種類をちょっとずつ買っていたのだが。話に聞いていた百味ビーンズを始め、様々な見たことのないお菓子が盛り沢山だ。
「これ、本物のカエルじゃないよね?」
ハリエットがチョコを指して質問する。
「魔法だよ。カードのおまけがついてるんだ。有名な魔女や魔法使いのカード。僕500枚も集めたよ」
「500枚!? よくそんな集めたな…」
俺が驚いたとほぼ同時に、カエルの形をしたチョコが窓から逃げ出していった。
「あ~ぁ、ついてないね。あいつらすぐに跳んで行っちゃうから」
「……チョコが逃げ出すってのもどうかと思うけどな」
「そういえばさ、君カイニスさんの家族なんだよね?」
「家族じゃなくて甥だけどな、会ったこともないから話は出来んぞ」
「そっちじゃないよ、まぁ話を聞けないのは少し残念だけど。僕が聞きたいのは魔法生物についてさ」
なるほど、そっちの話か。確かにこの年頃の男の子なら、「魔法生物」という響きには惹かれるだろう。
「あぁ、そっちのことね。俺もその存在を知ったのはつい最近のことだから、そんなに詳しくは話せないけど」
「全然構わないよ。それで、どの魔法生物を見たことがあるの? 『黒狼』は? 『岩鎧龍』は?」
『黒狼』は獣域ウルブズ、『岩鎧龍』はヴィシャップのことだろう。どうも、叔父さんが従えた魔法生物達は本来の名前とは別の名称で呼ばれているらしい。
「一応、一通りは見たことがあるけど。姿が見たいんなら、実際に出してみせようか?」
「えっ、出せるの!?」
「あぁ、一応な。ただ、列車内で生物を出していいのかは知らんけど…」
「それなら大丈夫だよ。ほら、僕も連れてきてるし」
そう言ってロンは、一匹のネズミを出した。
「スキャバーズっていうんだ。かっこ悪いだろ」
「…ちょっぴりね」
とハリエット。
「わりかし直球に罵倒したな…まぁ否定はしないけど」
「それで、どの魔法生物を出してくれるの?」
「いや、そっちの好きなやつでいいぜ。もっとも、大概でかい奴らばかりだから種類は絞られちまうけどな」
「じゃあ…」
ロンが名前を言おうとしたその時、入り口に一人の女の子――ハーマイオニー・グレンジャーが姿を現した。
「ヒキガエルを見なかった? ネビルのカエルが逃げたの」
「いや、それらしきものは。チョコのカエルならさっき窓から逃げていったが」
「カエルチョコレートを逃したの? それは残念。まぁ、また車内販売で買えば? 割とお金は持ってそうだし」
「褒めてんのか皮肉なのかどっちだよ、それ。まぁそれはそうと、カエルが逃げたんなら探すの手伝おうか?」
「いや、いいわ。でもお気遣いどうも。名前は?」
「俺はレイ・ライビアード。んでそこの二人がロン・ウィーズリーとハリエット・ポッター」
ハリエットの名前を聞いた瞬間、ハーマイオニーは露骨に目を輝かせた。
「ハリエット・ポッター!? あの伝説の!?」
「えへへ…」
「相変わらず人気者だねぇ…」
「だって、あの生き残った女の子よ!それに…」
「OK、分かったから落ち着け。……ハリエット、お前眼鏡壊れてないか?」
「…あっ、そういえば」
「私が直してあげる。オキュラス・レパロ!」
ハーマイオニーがそう唱えると、杖の先から何かが発射されてメガネに当たった。
「どう? 直ったでしょ?」
メガネを取ったハリエットの反応を見る限り、本当に直っているらしい。しかしこうして見ると、この世界の魔法っていうのはかなり不思議だ。
「そういや、間近で魔法を見たのはこれが始めてか」
「そうなの? ならもっと見せてあげ――って言いたかったんだけど、もう時間ね。ローブを着たほうがいいわ、3人とも」
そう残してハーマイオニーは立ち去ろうとした――が、途中で振り返った。
「鼻の横に泥が付いてるわよ、知ってた? ここ」
そう言って鼻の横を指す。どうも、ロンの鼻に泥がついていたらしかった。
「……泥遊びでもしてたのか、お前?」
その後、5分もしないうちに列車が止まった。人とぶつからないように気をつけながら列車から降りると、ハグリッドが待っていた。
「よく来た、一年生! こっちだぞ! ほらグズグズせんと、急いだ急いだ、ほら。」
案内役を任されたらしく、新入生を誘導していた。俺たちが近づくと、こちらに気づいたようで声をかけてきた。
「よお、ハリエット! それにレイも!」
「ハグリッド!」
「…うわぁ」
ロンがハグリッドのデカさに驚いている。まぁ、驚くのも無理はない。出会った当初の俺もびっくりしたし。
「さぁさぁ、あっちでボートに乗るぞ、ついてこい!」
どうやらホグワーツに向かうには池か何かを超えないといけないらしい。
「んじゃ、行きますか」
ハリエットとロンといっしょにボートに乗る。前方を見ると、ホグワーツが見えてきた。
「すげぇな…」
月夜なのも相まって、やたらと神秘的に見える。これからここで学ぶと思うと、なんだか興奮してきた。
しばらくすると、ボートがホグワーツに着いた。
「…さて、到着か」
未来の学校生活に思いを馳せつつ、俺はホグワーツの地へ足を踏み入れた。
前回に引き続きキャラの補足
・ハリエット・ポッター
性別以外はほぼ原作通り。ただ性別が変わった影響で若干情緒不安定さが増している。あと僕っ娘。
・ロン・ウィーズリー
カイニス大好きマン。彼に憧れており、彼が戦闘で使っていた魔法生物や武器なんかは全部覚えている。しかしカイニスがスリザリン寮生であったことは知らない。というかその事実を知っている人のほうが少ない。
・ハーマイオニー・グレンジャー
ご存知スーパーハイスペックマグル。こちらもカイニスのことは知ってはいるものの、ロンほど憧れを抱いてはいない。
因みにレイとの相性はあんまりよろしくない。