禁書厨な俺氏、チート勘違い系オリキャラになる -とある科学の物質誘導- 作:村ショウ
お待たせしました。感想、誤字報告ありがとうございます!!
そろそろ本編キャラと絡ませていきたい…。
それは
学園都市第2位、垣根帝督は不自然なほど静寂な夜道を歩いていた。いかに、垣根であれどこの時はまだ学校には通っている。帰宅途中の何気ない時間だった。
前方から来た
事が起きたのは、垣根帝督がそんな少女達など気にせず通り過ぎたすぐ後だった。
「うんうん、誘導お兄ちゃんならこうするんだよね!」
そんなお団子ヘアの少女の声と共に猛烈な閃光が発生した。
咄嗟に、それに反応して未元物質による防御を行う。
伊達に学園都市第2位をやっている訳では無い。第1位ほどではないとしても、その地位に目が眩んだ馬鹿どもは「1位より弱い2位ならやれんじゃね」と言う浅はかな思考で襲ってくる。垣根帝督はいつもの様にあしらえば良い、とそんな風には考えていた。
「どこの馬鹿か知らねぇが、一般人に手を出すつもりはねぇが、俺はガキだろうが敵には容赦しねぇーぞ」
しかし、それは能力を展開したすぐの事だった。
激しい頭痛と目眩が発生し、未元物質が本来ありえない方向に現出し、暴発した。
「指向性スピーカー。高出力が必要な対能力者用音波を低出力で実現したコレはどうだろうか」
今までいなかった筈の男が突如として出現する。透明化能力か空間移動系能力かは分からないが、垣根帝督はその男が纏う雰囲気から闇側の人間であることを理解した。
「そんなもんで俺の未元物質を潰せるとでも思ってやがんのか、気取りクソ野郎」
普通の能力者なら暴走による自滅をしたかも知れない。だが、学園都市第2位の頭脳は瞬時にその
そのはずだった。再び能力が暴発しそうになる。2度目であることもあり、今度は演算を中止することで暴発を回避した。
「流石に音だけでは無理だと思っていますよ。だからこその指向性を持たせた強化版AIMジャマーな訳ですが。これには第2位はどう対応します?」
男がそんな台詞を言っている間に、その隙をついて金髪ランドセル少女の回し蹴りが、明らかに人体の速さを超えて飛んでくる。
「たったその程度で勝った気になってやがるのか。教えてやるよ、俺の未元物質には常識が通用しないって事をな」
今度は6翼3対の翼の展開に成功する。暴発はしない。未元物質の圧倒的威圧感がその場を支配した。
さらに、垣根は目の前の男がいった『指向性』という言葉から、逆算を行い音とAIMジャマーの発生源を探り当てた。そして、未元物質の翼を発生源の方角に展開し、あっさりと破壊する。
それと同時に、金髪ランドセル少女の蹴りも翼でガードし、防ごうとした。
しかし、少女の足は未元物質で出来た翼に当たることはなかった。
「ッッッ!!」
垣根は思わず声を零す。
蹴りに対して未元物質は磁力の反発にあったかのようにねじ曲がり、歪んだ。そして、蹴りが垣根帝督の顔面に直撃する。
咄嗟に跳躍し、反対側に飛んだことで蹴りの衝撃を抑えることに成功したが、口の中は血の味になっていた。
「うんうん、垣根帝督ならそうするんだよね」
お団子ヘアの少女がそんな言葉を呟くと、再び猛烈な閃光と共に2人の少女が消失した。
だが、それで諦める垣根では無い。男の方に翼を槍のようにし、真っ直ぐ伸ばして攻撃する。
「誘導お兄ちゃん、危ない!!」
垣根帝督には姿は見えないが、金髪の少女の声だけが聞こえた。
そして、そのままに誘導という男の体に未元物質の翼が突き刺さると思われた。
だが、翼は僅かではあるがグニャリと曲がり、男は回避することに成功する。
「チッ、またAIMジャマーの類か」
垣根は思わずそんな言葉を口にしたが、腑に落ちないところがあった。明らかに先程までのノイズによる暴発を狙うAIMジャマーとは違い、もっと能力の根幹に触り暴発させてくるような何かがあったように感じたからだ。
それを解析するために翼をもう一度伸ばす。
「チェックメイト、おしまいといった所かな」
予め定められたかのように男がそういった瞬間、垣根帝督の視界は暗転した。
「酸欠。もっとも警戒される可能性があったので、賭けでしたが。後、先程の那由他ちゃんの蹴りの時にも、微量でも効果を発揮する筋弛緩薬を入れさせて貰いました。よし、これで未元物質確保完了っと」
男は垣根帝督にヘッドフォンと手錠をつけ、偽装したものと思われる救急車に運び込んだ。
──誘導 side──
垣根帝督襲撃計画などという大それたものを行ったわけだが、正直目の前まで未元物質の翼が来た時は死ぬかと思った。普通に二度とやりたくない。
こんな事になったのも元々いえば、あの科学狂いの爺の性だ。
那由他ちゃんがいた研究所で木原幻生とあった時のことを覚えているだろうか。そう、あの俺が未元物質くれれば協力すると言った時の事だ。
未元物質のサンプルはちゃんと送られてきた。送られてはきてはいたのだが、余りにも極小だった。元々、それくらいしか保管されていなかったのが、幻生が出し渋ったのかは分からない。
だが、避雷針や安全装置を作ると言ったり、未元物質を利用すると公言した以上は何らかの行動を取らなければ怪しまれてしまう。いずれは敵対するつもりでも、今あの木原幻生とやり合うのは分が悪い。というよりも、奪ってこいという揶揄している様に思える。
それにどうせやるならチマチマした行動よりも派手に、それでいて最大限の利益を得られるものにしたかった。
そうと決まれば早かった。今出来るだけの最大限の準備をして、学園都市第2位に挑むだけなのだから。
まずは、簡易版ではあるが光学くんと色彩ちゃんに作ってもらった
加えて、第二の手札として指向性を持たせて複数方向からの束ねることで誘導し、効果を高めたキャパシティダウンとAIMジャマーだ。指向性の為、自分を含めて那由他ちゃんにも影響が起きないようにもしている。
もちろん、これだけでは垣根帝督を止められないのは分かりきっていたが、これ自体は見せ札に過ぎない。
これの対処を垣根帝督が行っているうちに、那由他ちゃんによる筋弛緩薬と物質誘導で酸素を奪うのが本命だ。逆にこれを分かりやすい位置に置くことで、装置の破壊を優先するように誘導していた。
さらに、今回はバックアップ要因としてゲストを呼んでいた。木原円周、新約4巻で登場した様々な木原や人間のエミュレートを得意とする木原だ。
彼女は隔離されて育てられたが故に、善悪や人間の機微には疎いが、木原唯一や病理の頼みも聞いていたし、木原かつそれなりに友好的な関係なら協力してくれると踏んでいた。木原一族の何人かが写った写真なんてものを持ち歩いてた訳だし。
その彼女に垣根帝督をエミュレートとして貰い、戦う前に取りうる行動を予測していた。
「ふんふんふーん、何に使うか分からないけど、誘導お兄ちゃん未元物質の確保成功だね」
そんな事を考えていると、鼻歌交じりに意気揚々と円周ちゃんが話しかけてきた。
「円周ちゃんもありがとう。『木原』が協力すれば解決で出来ない問題はないからね。出来れば、今後も頼むよ」
加群の評価では
しかし、今回の襲撃でも課題はいくつもあった。
まずもって、那由他ちゃんを全面に出している点だ。これは他にもやりようがあったが、上層部や他の暗部から那由他ちゃんを
加えて、問題点は未元物質を解析しきる程には時間も演算能力も無かった点だ。極小のサンプルから他の物質と混ざりあっていない純粋な未元物質に対しては、物質誘導が機能するようには出来ていた。それが出来たが為に、那由他ちゃんの脚を起点にして、未元物質が反発するように設定していた。
他にも、垣根の最後の一撃がとある科学の未元物質に登場した装備を無視して人体のみに害を加えるような攻撃になっていたのかは分からないが、純粋な未元物質ではなかった。
当たっていればかなり不味かっただろう。というよりも、円周ちゃんのエミュレートで、本来はそれが出る前に決着が着くはずだった。やはり、学園都市第2位は侮れない。
そういう意味では那由他ちゃんはMVPだ。アレがあったとは言え、咄嗟にAIM拡散力場を触れて暴発させることに成功したのだから。木山先生のアレを改良した甲斐があった。
急ごしらえではあったが、那由他ちゃんに施した実験も成功といっても良いだろう。
帰ったら、施した実験のデータの確認や姿を隠しの為に利用した
だが、まずは確保した垣根帝督との交渉といこう。
少女達に戦わせて後ろにいる鬼畜系主人公…。
円周ちゃんのエミュレートと誘導はかなり相性が良い感じですね。
次回は今回訳あって喋っていない那由他ちゃん視点からいきたいと思います。
因みに、垣根帝督が暗部活動を本格化したのは学校に行かなくなったと思われる夏休み後だとは思いますが、本作では夏休み前も弓箭の様に学校に通いながら暗部ではあった扱いです。
ここで木原誘導の能力である
物質という意味だけなら、
もちろん、単純にこのふたつを合わせて本質や実体を誘導する様な意味も込められています。