禁書厨な俺氏、チート勘違い系オリキャラになる -とある科学の物質誘導-   作:村ショウ

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感想ありがとうございます!!
やっと原作開始になります。ここから色々とプロットを考えているのでドンドン書いていきたいです。
筆がのってサクサクと書いてしまった分、誤字とかあったらすみません()



11.夏休み初日①

 

 

 上条さんの様に小萌先生からのラブコールもなく、夏休み初日の朝を迎えた。

 

 昨日は垣根帝督を解放した後、那由他ちゃんの体のパーツを弄って調整していた。もちろん、変な意味ではない。

 実は昨日の垣根帝督との戦闘では那由他ちゃんに幻想御手(レベルアッパー)と一方通行の演算補助チョーカーの技術を応用した脳波変換装置を取り付けていた。そのデータの回収も出来たので、早く解析してさらなる調整も加えたいところだ。

 

 因みに、この脳波関連である幻想御手(レベルアッパー)の応用技術は木原誘導としての脳波関連の知識と、木山先生が用意したサイトからダウンロードした音楽ファイルの解析から得られたものである。

 この応用技術で何か出来るかというと、昏睡を起こさずに使える幻想御手(レベルアッパー)の開発といったところだ。ネットワーク内の人間を昏睡状態にするのは流石に使いづらい。

 だが、幻想御手の使用者が何故昏睡状態になるのか考えたことがあるだろうか。

 

 それは幻想御手による異なる脳波に無理やり合わせることにより、脳に負荷が生じている為だ。

 逆に、一方通行は妹達に演算を任せているが昏睡していないし、実際に同様の負荷は発生していない。それは何故か。

 

 あの演算補助チョーカーで送受信する脳波を変換しているからに他ならない。

 それなら、同じ方法論を取れば昏睡しない幻想御手(レベルアッパー)も作れる。

 那由他ちゃんに脳波を変換する装置をつけて、幻想御手の要領で那由他ちゃんを核としてネットワークを構築すれば良い。

 那由他ちゃんの場合はサイボーグなので、電源となるバッテリーも大きく、変換装置の処理性能もより良いものを使うことが可能だ。

 それでも変換するために能力者の脳波を登録しなければならない関係上、幻想御手ほど簡単にネットワークを作れる訳では無いが。

 

 昨日の垣根帝督戦では俺の能力と接続されており、那由他ちゃんの空間演算能力や物理的干渉力を高めることで、より簡単にAIM拡散力場への干渉を可能としていた。また、ネットワークへの接続時に限られるが、俺もAIM拡散力場の視認という能力を獲得することが出来た。

 ただ、常時そんな接続を行う能力使用モードとなると、一方通行の演算補助のチョーカーがそうであったように、電池消費が激しく、今の技術では不可能に近いのが欠点だ。

 一方通行のチョーカーの場合、通常モードは48時間、能力使用モードが15分~30分という効率の悪さだ。いくら那由他ちゃんのバッテリーが生命維持に必要なパーツと兵装部分の電源回路を別にしているとはいえ、そんなものを常時稼働させる余裕はない。

 それでも脳波データさえあれば、一時的に他人の能力を扱えるのは大きい。

 

 この脳波変換式幻想御手(レベルアッパー)に加えて、おあつらえ向きに垣根帝督との交渉に成功し、協力を得られた。

 つまり、これにより未元物質を利用した様々なことが可能になった訳だ。

 しかし、これは実を言うと垣根帝督を一度捕縛出来てさえいれば、交渉に失敗しても何とかなっていた可能性が高い。

 そもそも、搬送中に垣根帝督の脳波データ、DNA情報、AIM拡散力場の観測などを行っていた。そして、この脳波データを那由他ちゃんに取り付けた脳波変換装置に入力することで、幻想御手(レベルアッパー)に近い形で未元物質を利用可能に出来るからだ。

 それでも垣根帝督との協力を行ったのは、変換装置利用のカモフラージュに気づかれた場合に、垣根帝督やその他組織に叩かれる可能性を消したかったが大きい。

 また、円周ちゃんあたりを使っても円周ちゃんの癖が混じる関係上、垣根帝督の思考や戦い方までは完全にトレース出来る訳では無いので、垣根帝督自身による進化や理論をこちらで得やすくする為でもあった。

 

 もし、あの場で幻想御手(レベルアッパー)の仕組みを利用した能力制限など失敗して、垣根帝督に暴れられた場合は光学君や色彩ちゃんに作ってもらった磁性制御モニターによっての逃走か、俺が無様に負けるような形に誘導して那由他ちゃんだけでも逃がして上で、倉庫に設置した爆発物による死んだフリや誘導による命乞いに掛けるしか無かったが。最悪はゲス野郎を演じて、一方通行の時とは逆に那由他ちゃんや円周ちゃんは無関係だと装うつもりだった。

 垣根帝督は取るに足らない存在を見逃す傾向にある、誘導次第ではどうにかなると考えた。

 

 垣根帝督の話はこの辺りしよう。今日は原作の始まりの日なのだ。そろそろ準備をしなくてはならない。

 とはいえ、徹夜での作業が祟ってか睡魔が襲ってきているので、対魔術師への準備をして一眠りしたいところだ。

 那由他ちゃんメインで垣根帝督に勝利することで箔付けをしたとはいえ、何処からか情報が漏れた場合、あれだけの重要装置を付けた那由他ちゃんが暗部に襲われないとは限らない。そこで戦闘能力強化として、物質誘導で加工したアレの試作品を1日で作って取り付けたが、流石に無理があった。

 脳や体だけでなく交渉による疲れでメンタルもそれなりに限界だ。

 つい、気絶する様に部屋のベッドで倒れ混んでしまった。

 

 本来するはずだった準備が出来ずに、意識が飛んだ──

 

 

 次に目を覚ました時には、俺の視覚に違和感があった。というより、この奇妙な感覚により目覚めたと言っても良い。

 それは昨日確かめた那由他ちゃんの能力による、AIM拡散力場の視認が今できているからである。

 これは俺が那由他ちゃんのネットワークに接続されている事を意味し、俺が寝ぼけて接続をしていなければ、那由他ちゃんがネットワークをフルで演算能力を使わなければならない状態になっている事が推測できる。

 今になって、那由他ちゃんが能力を使用した場合にでもなる警報装置でも付けておくべきだったと後悔した。

 正直、昨日の今日で襲撃者が現れるなど考えもしていなかった。

 昨日のうちに那由他ちゃんに()()を取り付けたのは、俺が原作の事件に巻き込まれて入院状態などになった場合に那由他ちゃんの改造が長期間出来なくなる可能性を危惧してのものだったが、アレだけで何とか対処出来ていることを祈るしかない。

 とりあえず、俺は研究用端末を開いて那由他ちゃんに取り付していた発信機の位置を探す。

 その位置は俺が今いる学生寮だった。とてつもなく、嫌な予感がした。研究用端末の角に表示されている時計は夕刻を表している。

 

 慌ててドアを開ける。流石にドアの前には誰もいなかったが、上条さんの部屋がある1つ上のフロアの共用廊下から、空気を切るような物音が聞こえた。

 俺は咄嗟に物質誘導を自身に掛けて、浮遊を行い柵から飛び出した。そして、上の階へと急行する。

 

 そこで見たのは聖人の神裂火織と那由他ちゃん、そして切り伏せられた魔導書図書館のインデックスだった──。

 

 俺は何かを見逃していたのだろうか──。

 

 

 ──那由他 side──

 

 

 私なりに幻想御手(レベルアッパー)を調べた結果、とあるサイトに辿り着いた。あれは誘導お兄ちゃんがバラ巻いたものなのだろうか。

 もし、そうなら私は誘導お兄ちゃんを止めなければならない。話を聞くために誘導お兄ちゃんの学生寮まで向かう。

 学生寮の前まで着いたそんな時だった。AIM拡散力場の歪みを感じたのは──

 私はその歪みに似たような感覚を以前に経験した事があった。それは誘導お兄ちゃんが昨日言っていた学園都市の外の力だ。

 歪みの正体を探るように、その中心のほうを見る。中心となっていたのは誘導お兄ちゃんの部屋の真上の部屋がある場所だった。

 誘導お兄ちゃんが関わっている可能性も高い。だからこそ、気になった。7階ではあるけど音などで気づかれないように、エレベーターを使わずに階段を出来るだけ高速に駆け上がった。

 

「な、なぜ歩く教会が…」

 

 刀を携えた痴女の様な格好をした女の人が、横たわり切られたであろう少女の前に棒立ちしていた。

 

風紀委員(ジャッジメント)だよ。そこのお姉さん」

 

 咄嗟に私は刀を携え呆然としてたお姉さんの前に立つ。このような現場を見て、黙っていられる訳がなかった。

 

「そこの女の子の怪我はお姉さんがやったって事で良いのかな」

 

 私が目の前に立っても焦燥している様子で反応がなかったので、事情を聞こうと話しかける。

 

「確かにこの子は私が傷つけてしまいました。ですが、学園都市の治安維持機関には捕まる訳にはいきませんので、失礼します」

 

 お姉さんは私が声を掛けた事で冷静さを取り戻したのか、自白のような供述をした。しかし、その後直ぐに人間のものとは思えない程の速さで迫ってきた。

 AIM拡散力場の微かな歪みを見逃していれば、サイボーグの体である筈の私ですら反応出来ていなっかただろう。

 そして、お姉さんが刀の鞘の部分を使って的確に気絶するような場所に攻撃しようとする。殺してしまわないように手加減しているのか、刀を振るう速度は突っ込んできた速度に比べれば遅かった。

 

「そうはさせないよ。お姉さん」

 

 振り下ろす速度が遅かったお陰で、昨日誘導お兄ちゃんに追加してもらった兵装の展開に成功した。

 私の肩口に取り付けられた兵装の本体部分の『Equ.DarkMatter』という文字が怪しげに光る。

 そして、白く伸びたきしめんの様な翼がお姉さんの刀の鞘を防ぐ事に成功した。

 

「っ、流石は学園都市といったところでしょうか。あまり傷つけたくはないのですが、『七閃』」

 

 お姉さんがそう呟いた瞬間、空間に広がるAIM拡散力場を押しのける7本のワイヤーの様な物が見えた。しかも、回避が難しい速度で迫ってくる。

 

 だけど、この『Equ.DarkMatter』であれば問題ない。極細に翼を伸ばして刀のような形状でワイヤーを切断するように、可能な限りの高速で振りかざす。あの未元物質が利用されているらしいこれなら、既存の物質の範囲内の硬度なら切断する事も容易い。

 しかし、切断には至らなかった。ワイヤーにかかる力の流れを寸分たがわず調整して受け流されたように感じた。だけど、未元物質で出来た『Equ.DarkMatter』にもまだ傷はついていない。

 

「これでも防がれてしまいますか。仕方ありません。『救われぬ者に救いの手を(Salvare000)』」

 

 向こうのお姉さんも急いでいるようだった。こちらも女の子を早く病院に運びたいのは同じだ。勝負をそろそろ決めなければ不味い。

 私は誘導お兄ちゃんから緊急用に教えられていた脳波変換装置を起動する。誘導お兄ちゃんの能力である『物質誘導』を発動するために。

 空間を掌握し、お姉さんの体を地面に誘導、更にワイヤーも一箇所に絡むように誘導する。

 

「その程度の力では私には勝てませんよ」

 

 ワイヤーが何かオカルトの様な幾何学的な形を作り出す。信じられないけど、単純な腕力で物質誘導に抗っているようだった。お姉さんの体を押さえつけている誘導は出力全開ではないけど、全開にしても勝てない様な気さえする。

 そして、何かは分からないけどワイヤーで形作られた幾何学模様を中心に、空間のAIM拡散力場が再び歪む。第六感が確実な敗北を伝えるような気がした。

 

 しかし、突如として小規模な粉塵爆発が起きる──

 

 

「『横紙破り(ULエクスプローダー)』、うちの那由他ちゃんに何をしているのかなぁ。戦争でも起こすつもりかな、魔術師さん」

 

 

 

 





 一応、滝壺なんかも魔術的なものに反応していたりするので、魔術も学園都市を漂うAIM拡散力場を歪めたりしている想定です。
 というよりも、空間にもAIM拡散力場は漂っているので、それが遮られたりすることで反応している形が近いかもです。実際、人払いの術式で御坂美琴の能力の制御が乱れたりしてますし。
 後、タイミングを誘導、見計らったかの様に現れる誘導君です。じゃんじゃん幼女のピンチを助けるスタイル。
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