禁書厨な俺氏、チート勘違い系オリキャラになる -とある科学の物質誘導- 作:村ショウ
小萌先生の家の前、原作に近い形で上条さんがインデックスを背負っている。違うのはわざわざ片手で上条さんがチャイムを鳴らさずとも俺がいるくらいか。上条さんに色んな意味で背負わせるだけ背負わせて、俺はこれくらいしかしてないが本当に大丈夫か心配になってくる。
インデックスからしたら、俺は本当に知らない男である。好感度とか恩を売る以前に、一応は上条さんの知り合いぽい素性の知れない不審者である。
基本的に自動書記時の記憶は曖昧だったはずだし、どうにか魔術を見られるような特等席には居たい。
ちなみに、那由他ちゃんには魔術的要素にあまり関わり過ぎて欲しくないため、風紀委員御用達の止血剤などが入った医療キットを取りに行って貰っている。今はまだだが。というか、普通に自動書記相手などはリスクが大きすぎる。
「はいはいはーい、今開けますよー」
うん、こんな時とはいえ中身はともかく小萌先生は可愛いな…。ロリコンでは無いからYesロリNOタッチだが。そもそも、成人しているなら合法では?
いや、許可なくはアウトなのだが…。ダメだ、授業中はなんとも思わなかったが、リアル小萌先生の家に突撃とかいうイベントの性で変な思考に誘導されてしまった。
「上条ちゃんと木原ちゃん、新聞配達のバイトでも始めたのです?」
「流石にバイトでも2人で一緒に回るなんて非効率な事しないとは思いますが…。特に上条なんかシスター抱えているんですよ。とりあえず、入れて貰えないですか」
少しでもインデックスからの覚えを良くしてもらう為に積極的に会話を進める。覚えてもらうだけなら完全記憶能力なので既に覚えられている筈だが。
「はわわ、こんな状況で言うのもなんですけど、上条ちゃんは煙草を吸う女の人って嫌いなんです?」
お構い無しに入り込んでいく上条、流石だ。小萌先生にそこまで思われているのは羨ましいが…。
ここは原作改変して小萌先生の魔術使用の失敗などあってはいけないので、小萌先生に宗教やなんだのでインデックスのことを誤魔化しながら説明して、原作通りにインデックスの指示に従って上条さんと一緒に外に出るとしよう。
恩を売る…? 正直、今は魔術関連では厳しいから一緒にいたという状況を作るだけで十分だ。自動書記中はあやふやだろうし。
上条さんの右手がインデックスの魔術に影響しない程度に建物から離れて、何も無いことを祈って夜空を眺める。
「なぁ、誘導。魔術に関して何か知っているんじゃないか」
外で待機していると上条さんが話しかけきた。
「あぁ、魔術というか非科学に関して多少は知っている。さっきあの場にいた親戚の那由他ちゃんという子の関連でちょっとな…」
「ちょっと…? それって何なんだよ」
普段の上条さんならここまでズケズケとは来なかったかも知れないが、今はインデックスや魔術に関する情報はいくらでも欲しいのだろう。
「かつて、学園都市では魔術と言われる非科学と超能力を組み合わせる実験をいくらか行っていた。そのひとつの被験者が那由他ちゃんだっただけさ」
口では軽く話せているが、何故か俺の握り拳には力がこもっていた。
「誘導、インデックスが超能力者は魔術を使えないと言っていたが、その実験はどうなったんだ?」
「厳密には超能力者であっても魔術は使える。ただ、異なる力により、神経や血管にダメージを受ける。最悪、運が悪ければ1度使うだけで死ぬ可能性さえある。那由他ちゃんもその実験の性で7割が義体になっている」
「お前はそれを知っていたのかよ」
「知っていたら、そんな実験に参加させると思うか」
上条さんも流石に聞きすぎたと思ったのか口を噤んだ。上条さんから敵に思われるのは、今はまだ不味い。那由他ちゃんを託すような状況なら吝かでもないが。
「おっ、どうやら治療の方は終わったようだぞ。上条」
那由他ちゃんのAIM拡散力場を見る力を使って、魔術による力場の歪みを観測していたので、話を切りあげるために歪みが戻ったことを告げる。そして、2人で急いで小萌先生の家に帰る。
とはいえ、これからは原作通りの進んで貰えた方が都合が良い。上条さんからしてもこちらを巻き込みたくないと思っているであろうし、回復するまで寝ることになるインデックスの看病は上条さんに任せてトンズラするとしよう。
「上条、俺は再び非科学に関わった那由他ちゃんが心配だし一度帰ろうと思う。お前や小萌先生が巻き込まれないか、カメラで追跡はさせてもらうけどな」
「そうか、ありがとうな」
「そっちはこれからどうするんだ? 入り用なものがあれば持ってくるが」
「誘導、お前に頼り過ぎるのも悪いし、特にねぇーよ」
俺は風紀委員の医療キットを持ってきてもらっていた那由他ちゃんと一旦合流して、上条さん&インデックスのペアがいる小萌先生の家から出る。那由他ちゃんは神裂さんとも戦闘した訳だし、義体の調整を行った方が良いのは間違いない。
「誘導お兄ちゃん、あれは何だったの?」
おっと、いきなり那由他ちゃんから答えづらい質問が飛んできた。アレがどこまでを指すのか。どう答えるのが正解か。
「非科学、魔術でインデックスという少女はかなりの重要な者であることは間違いない。相手もそれを取り扱う組織で、こちらでいう所の暗部だろうね。だが、アレに関わりすぎると科学と魔術の双方で問題になりそうだし、どうするべきか迷うかな」
那由他ちゃんの反応を伺いながら、魔術に関する知識を推測として話す。
「あの子たちみたいに巻き込まれたのなら、助けられないのかな。勿論、それが難しいことだってことは私も分かっているけど…」
那由他ちゃんは顔を曇らせながらも、淡い期待を込めたようにこちらに問いかけてくる。
「もちろん救いたいけど、同じような境遇だったとしてもそれを全員救い上げられる程の力は
より一層、項垂れたように那由他ちゃんの顔が下に向く。
「だけど、なにも方法は自分達で救い上げるだけじゃない。そもそも、何故学園都市にそんな向こうの暗部レベルの存在がいるのか。情報次第ではいくらでも覆せる」
那由他ちゃんの顔が少し上がったのを確認して、俺自身も少しほっとする。
「まずは情報収集、メンテナンス、そして向こうが持っている主導権奪取といこうか」
那由他ちゃんの前なのでちょっと格好をつけて道を示すようにオーバーに話す。まずは、対神裂をどうにか出来る位を目指さないとな。
対魔術に関する思考を巡らせていると、ピリリとポケットから音が鳴る。すぐに携帯を取り出して、那由他ちゃんから少し離れて電話を取ると、ある男の声が聞こえてきた。
「誘導くん。やってくれますねー。まさか、先に未元物質に手を出されちゃうなんて」
「相似さん、お久しぶりです。この前の研究交流会の時以来ですかね。相似さんもまさか未元物質を狙っているとは知りませんでした。こっちでサンプルを手配しましょうか」
木原相似、とある科学の未元物質に登場する木原であり、タイトルにあるように学園都市第二位の垣根帝督のスピンオフで色々とやっていた人だ。
とは言え、木原らしく負の方法性で落ちていく前は元々医療用サイボーグによる身体の代替などを目指していたし、今はヤバい感じの代替を主としていているが、技術的にはこちらも仲良しておきたい存在ではある。まだ、那由他ちゃんの強化に使える可能性もある。
「それについては、今回は別にいいんですけどー。ただですね、君が急に動き出した理由の方が気になってます。数多さんも不思議がっていましたよ。まだ、君のあの研究と研究所はどう見ても準備段階だったはずなのに、何故今動いたのかとね。自分も同じ考えなんですよね。君が医療用サイボーグ技術研究に協力してくれた時の方法論からしても」
未元物質を要求されるなら色々と手立てはあるが、そちらではなく研究に関する疑問を投げかけられるとは解答は慎重にしなければならない。今から木原数多や相似と敵対するのはかなりキツイ。
「そこで考えたんですよ。今まで足りなかったパーツを代替できる何かが見つかったんじゃないかなーと、どうです?」
「流石は相似さんですね。見つけましたよ。代替出来るような素晴らしい実験とその対象を」
「未元物質を囮に使うほどの実験体ですかぁ。それは興味深いですねぇ。解析したくてたまりませんよ」
最初に未元物質を見せ札にした時点で、それを超える何かがあると考えるのは想定内ではある。
「それじゃあ、以前のお礼に君の研究所に入ってあげましょうか。誘導君」
「相似さんにお手伝い頂く程の事でもありませんよ。それに、今行っているのは相似さんの考えているそれとはまた別の実験ですし」
「へぇ、益々気になってきますねぇ。じゃあ、今度の集まりにでも何か
「それまでのお時間を頂ければ、面白いものをお見せ出来るかと」
何とか次の機会までは襲いかかってきたり、横入りされたりするようなことは無さそうだ。
とはいえ、何も監視がないとは限らない。昨日の今日で未現物質の一件の情報が入っているのだから。いや、情報源は先ほど名前が出た学園都市統括理事長アレイスター・クロウリー直属の部隊 猟犬部隊を率いていた木原数多あたりの可能性が高い。スピンオフでもそこそこ仲が良さそうな描写もあったはずだ。
話を切り上げて、木原相似との電話を切る。
というか、那由他ちゃんから少し離れていたとはいえ、サイボーグ部分の集音機能なら聞き取れるし、こんな話をしてしまったが大丈夫だろうか。だが、暗部や研究所で話した木原幻生の話もあるし、これくらいなら大丈夫と思っておくことにするしかない。まずは那由他ちゃんの生存性を高めなければ──
ー必要悪の協会 sideー
「アレがただの喧嘩早い学生とされているのも妙だが、やつの方はどうだった神裂」
「そちらについてはいくらか情報が出てきました。木原 誘導、彼は科学側では有名な一族の1人のようで、研究所をいくつか持っている高位の能力者のようです」
魔女狩りの王を倒した少年に対して、こちらはあっさりと情報が出てきて拍子抜けしてしまうが、がっつりと科学側に入り込んでいる人間に対しての行動は慎重にならざるを追えない。
「そっちの方はちゃんと情報が出てくるか。ただ、彼を殺してしまったりするのは不味そうだね。手を引いてくれれば良いんだけど」
そうもいかないだろうと確信めいた思いを胸に、どうやってインデックスを奪還するか考えていた。
「ステイル。ただ、不可解な事がひとつありました。昨日の少女のように彼の周りの人物との不意な遭遇を避けるために、身辺についても調べて貰っていたのですが、周りについては上辺程度でほんとど情報が取れなかったようです。研究所の所長よりそのメンバーの方がセキュリティが高いのは不自然過ぎる。そちらについても警戒すべきでしょう」
「どっちにせよ、僕たちのやる事は変わらない。彼女を救うにはこうするしか無いわけだからね」
前話での誤字報告、感想ありがとうございます!
更新を望んでいる方がいると思うだけでモチベーションが上がりました。