禁書厨な俺氏、チート勘違い系オリキャラになる -とある科学の物質誘導-   作:村ショウ

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お久しぶりです。
更新できていない間も誤字報告などありがとうございます!
超電磁砲4期、少女共棲アニメ化でとある熱が再加熱中!



15.守りたいあの子達

 

「何だってビール好きで愛煙家の大人な小萌先生のパジャマがインデックスにピッタリ合っちまうんだ? 年齢差、一体いくつなんだか」

 

 昨日はあのまま何もなかったようで、インデックスに小萌先生のパジャマのサイズが合うとか、補修がどうとかの日常的な話で上条さんとインデックスがワイワイとやっているのをカメラ越しに確認した。上条さんには監視してよいか昨日のうちに確認したし、盗撮などにならないだろう。流石に着替えを覗いたらアウトだろうが。

 

 そんなやり取りを微笑ましくモニターで見つつ、部屋に入ってきた専門の配送業者に指示する。

 研究所からうちの寮に一部の機材を運び込んでいるためだ。部屋が狭くなるが、こちらでも那由他ちゃんのメンテナンスなどを行えるようにするために必要なのと、もう一つやりたいことがあって運び込んでいる。床抜けしたりしないように機材は選別したりと制約はありまくりだったけど。

 

 さて、今日はどうするか。

 神裂火織に対してはまだ何の対策もできていない。というより、昨日の今日で世界に20人といない聖人をどうこう出来る方がおかしい。原作では話が進むたびにかませ感が出ていても、聖人は戦略兵器に近い代物なので今まではまだ運が良かっただけで昨日までにやり合えるようになるものではない。アックアみたいな仕事を徹底的にするために非情になれるタイプならもう終わっていた。いや、アックアなら科学側への折り合いが付くダメージに抑えそうだが。

 短期間で未現物質を利用したEqu.Darkmatterを用意できただけでも儲けものなのだ。アレだって、垣根帝督に専用の幻想御手を聞かせて上で、下積みとなる那由他ちゃんと元々あったサイボーグ関連技術、物質誘導による素材加工があってやっとこさ作れたに過ぎない。もちろん、試作品レベルなので改良の余地はあるし、まだまだ性能向上自体は見込める。肉体への応用をした病理おばさんの奴やサンプル・ショゴスに類するものもいずれは作れるだろう。

 課題で言えば、磁性制御モニターも物質誘導がないとまだ再現出来ていない。疑似FiveOverとして使えるように色彩ちゃんや光学君に頼んで、色のパラメータのバランス関しての数値化は成功し調整済みであっても、それを能力抜きで高精度に再現させるモニターはまだ完成していない。

 後、即座に作れそうなFiveOver擬きはガトリングレールガンくらいだろう。あれは単純な科学兵器の域を出ない。駆動鎧の機動性確保が難点ではあるが、解決法は知識としては知っている。

 

 忘れそうになってたけど、木原相似に言ってしまった科学技術の研究も進めなきゃならなくて、正直時間も手も足りなすぎる。

 とはいえ、原作通りなら3日後にインデックスが回復するのを待って、神裂さんたちが襲ってくるはず。監視はするけど、それまで少し時間はある。

 それと、同時並行で起きてる木山春生の幻想御手事件も忘れちゃいけない。那由他ちゃんや置き去りの子たちのためにも重要な事件だ。神裂が襲撃する当日の昼間が、幻想御手編の最終戦なのだから。

 

 


 

ー木山春生 sideー

 

「お久しぶりです、木山先生」

「君は…?」

 

 幻想御手(レベルアッパー)による多重能力を振るう木山春生と、それに立ち向かう超電磁砲。その前に、テレポートでもしたかのように突然現れた一人の青年。

 

「木原…誘導くんか…」

 

 何かを思い出したように暗い表情で、青年の名前を呟く。

 

「あの子たちに関しては僕にも思うところがあるんで、割り込ませてもらいましたよ」

 

 学園都市第三位を意に介さず、木山春生と一対一で話すように振る舞う青年。

 

「擬似複合Five_Over OS.Modelcase_Rensa 起動、対象:木山春生、捕縛」

 

「そこのアンタ、何勝手に動いてんのよ!」

 

 戦いのさなか気が立っているのか、電撃を迸らせる御坂美琴。しかし、動きはわずかに遅れた。複数の生物を組み合わせたキメラのような駆動鎧が動き出し、有人型なら操縦席があるはずの部分が青白く光り、不気味さを増す。

 

「と言われてもね、こっちはこっちで訳ありなんでね。Gatling_Railgun 掃射開始」

 

 暴力的なまでの弾丸の嵐が木山春生に襲いかかるが、多重能力で簡単に防がれる。

 

「まぁ、未完成ならその程度はといった所か」

 

 お返しと言わんばかりにアルミ缶が投げ返される。

 

「続けていこうか、Equ.Darkmatter始動」

 

 青年は防がれたことさえ想定済みのように意に介さず、淡々と対応する。

 すると宙を舞うアルミ缶が潰れ、量子変速による爆発が瞬時に発生。死にはしないまでも大ダメージは確実な爆発だった。

 土埃が晴れると、青年と隣の駆動鎧は姿を消していた。消し飛んだわけじゃない。あの量子変速に跡形もなく消えるほどの威力はないはずだからだ。

 

「MentalOut解除、捕縛」

 

 再び突如現れた青年と機体に合わせ、白いきしめんのような羽が木山春生を捕らえる。

 

「クッ…ウッ…」

 

 捕獲の衝撃か、木山春生が突然悶え始める。

 

「やはり、始まったか。能力の暴走が…」

 

 青年は予測していたように呟く。そして──

 

「Five_Over OS.Modelcase_Rensa、AIMモード起動」

 青く光っていた機体が真っ赤に染まり、6翼3対の巨大な白翼が展開される。

 

「まさか、その駆動鎧の中にいるのは那由他君なのか…」

 

 木山春生は悶えながら、研究過程で置き去りの子たちと仲良くしていた少女を思い出す。

 

「さすが木山先生。那由他ちゃんが操縦してるってよく分かりましたね」

 

 少女を実験に巻き込んでいるらしい青年は、それをまるで気にしていないように語る。

 

 その言葉を聞いた木山春生は力尽きたようにその場に倒れる。その瞬間、さらに異変が起きた。

 胎児のような姿ながら異形の不気味さを放つ怪物が現れたのだ。

 

「あれが…AIM拡散力場が集合することによって形を得たもの。言うなれば、幻想猛獣(AIMバースト)…。予想通り、ここまではパーフェクト…!」

 

 誘導は木山春生から現れた胎児のような怪物を見据え、余裕たっぷりに語る。

 

「実験体には調度良い。幻想猛獣(AIMバースト)、特定の指向性を持った思考を縛る鎖を逆手に取ってガイドと為し、我が目的を完遂せよ」

 

 FiveOverと呼ばれた駆動鎧から生えたアンテナのような翼が、バランスを崩しそうなほど拡大する。全長100mを優に超える巨大な翼だ。

 

「破wfs…壊」

 

 アンテナによりAIM拡散力場の乱れによるものか空間が軋むような音がこだまする。そして、幻想猛獣(AIMバースト)が暴れ出し、胎児のような体の一部が膨らんで破裂する。

 

「実験失敗か…。やっぱりぶっつけ本番だとパラメータが足りないな。今回は出力過多ってところか?」

 

「那由他ちゃん、アレを」

 

 さらに、目に見えない何かが歪む──

 

「何なのよあれ、あの化け物が自壊した…!?」

 

 突然現れた怪物に唖然としていた御坂美琴だが、自壊した状況を認識する。

 

「そんな難しい話じゃないよ。能力者が発するAIM拡散力場の集合で形作られたものなら、集合を崩せばいい。ノイズキャンセリングイヤホンとか知ってるかな?」

 

「アレはノイズに逆位相の音を当てて打ち消すけど、AIM拡散力場にも同じ理論が使えるって考えられないか?」

 

「とはいえ、核…力の根源である幻想御手使用者をどうにかしないと一時凌ぎにしかならないけど」

 

 怪しげな青年は落ち着いて推測を語る。

 

 


 

ー誘導sideー

 

 はいはい、割り込ませていただきました! 

 木原誘導です!今回は木山先生vs御坂美琴! 

 

 と、ふざけるのもこれくらいにしてシリアスモードといこう。

 

 この世界に俺がいることが不安点とはいえ、木山先生は御坂美琴に任せれば万事解決する可能性は高かった。

 そう、わざわざ派手に登場したのには理由がある。

 AIM拡散力場の集合である幻想猛獣(AIMバースト)のパラメータ入手と、幻想御手の解除音源への細工が目的だ。

 そもそも、まっとうに進めばあの子たちは救われる前提で考えているけど、那由他ちゃんに関しては俺が方向性を歪めてしまった可能性がある。

 新約4巻で那由他ちゃんに関して、その善性を指して「木原の可能性」と木原病理は言及していた。だが、今の方向性はあまりそちらではないだろう。

 というか、最強の存在にすると約束した以上、浜面仕上が滝壺を学園個人に導いたような可能性を那由他ちゃんにも出すには、イレギュラーな経験値を増やす必要がある。禁書世界じゃ、上条当麻の前兆感知、一方通行の絶対能力進化、トールの経験値稼ぎみたいに、戦闘経験を増やすことが単純な科学技術じゃ届かない強化に繋がる。

 だから難易度的には聖人と比べれば圧倒的に低い木山先生を選んだ。

 暴走した幻想猛獣(AIMバースト)ならともかく、木山先生に関しては那由他ちゃんを殺そうとはしないという安心感もある。

 生徒を守るために生徒を殺すほど木山先生は壊れてない。加群先生すら飲まれた木原だったならそこまでやりかねないが。

 

 これに関しては俺自身他人事じゃなく、実験のせいか自分の中の「木原」が出てしまいそうだった。なんとか誘導して気をそらしたけど。

 考え事はこれくらいにして、あとは幻想猛獣(AIMバースト)の核をどうにかすればいい。さて、警備員の車両に潜り込むか。

 

「きゃっ…!」

 

 逆位相の力場により幻想猛獣(AIMバースト)を抑えているとはいえ、階段の脆くなった部分が壊れ、初春飾利が転んでいた。

 

「大丈夫かな?」

 

 ちょうどいいタイミングなので助けに入る。物質誘導で崩れた陸橋を支え、幻想御手解除用音源が入ったUSBを手に拾う。

 本来ならこのUSBが警備員の手に渡った後にこっそり書き換えるつもりだったけど、このタイミングで手に入ったなら、能力を使ってすり替えておこう。

 

「いえ、大丈夫です」

 

 手を貸そうとしたけど、そのまま立ち上がって返事をされた。なんか嫌われてる感じがして少しショック…。普通に考えれば、変なタイミングで現れた不審者だから仕方ないか。木山先生とも知り合いなのは見られてたろうし。

 

「それならよかった。これ、なんか大切なものなんだろう」

 

 すり替えたUSBを渡す。事前にアニメで出たUSBと似た色のものを何種類か用意しておいたおかげで、同じ製品とすり替えるのに成功した。

 

「ありがとう…ございます…」

 

 これで一件落着といこうか。

 不安があるとすれば、仕込んだ小細工が上手くいくかくらいだ。一応、その時の保険として完全解除用の保険も用意している。

 

 

 





いつも感想ありがとうございます!
木山先生と打ち込んでいると、頭では分かっているのに予測変換で木原と打ちすぎて誤変換してしまいます…。
名前といえば、春上さん、初春、春暖、木山春美など超電磁砲は季節が入ったキャラ多いですよね。作者の冬川先生の時点で名前入ってから、意図的なのかも知れませんが。
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