禁書厨な俺氏、チート勘違い系オリキャラになる -とある科学の物質誘導-   作:村ショウ

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各章というかタイトルの終わりごとくらいに、木原を出したくなります。



20.とある自販機の存在証明④

 

 好戦的な那由他ちゃんと御坂美琴に振り回され、不幸な目に遭っている俺──木原誘導は、超能力者たちの“本気一歩手前”とはいえ、かなりガチなバトルへ巻き込まれかけていた。

 上条さんならまだしも、俺は無謀なチャレンジやヒーロー気取りの人助けをするつもりなんてないんだけどなぁ。

 

 よし、全力全開で逃げよう!

 御坂美琴と削板軍覇の全力を見るためか、能力暴発を使おうとしていた那由他ちゃんを小脇に抱えてダッシュする。

 

「ちょっ、アンタ何逃げてんのよ!?」

 

「逃げるが勝ちってね。というか、超能力者(レベル5)のガチバトルはムリっ!!」

 

「おいおい、逃げるやつに追撃するなんて根性ない真似はさせないぜ!」

 

 削板軍覇の能力どころか行動パターンすら未知数だったが、どうやらこちら寄りなのはラッキーだ。いや、追いかけてくる可能性のほうも想定していたんだけど。とにかく、早く逃げなきゃ。

 

「御坂、そこで何をしている!」

 

 退路の前方から、女性の怒鳴り声が響く

 その声の主は、謎の近接格闘能力があり、猟犬部隊(ハウンドドッグ)を退けたという、武術サイドな常盤台の寮監…!!

 そういえば原作では、那由他ちゃんが義体に深刻なダメージを負い、彼女に介抱されていたんだったか。

 

「君たちはどうした?」

 

「助けてください。風紀委員の那由他ちゃんが超電磁砲に自販機強盗で事情を聞いたら、抵抗されたようで俺はなんとか那由他ちゃんを救出したところです!」

 

俺は勢いよく助けを求める。

 

「ほう、確か職員会議で近隣自販機の入金計算がおかしいと話題になっていたな。ちなみに寮則の前提として法令遵守があるのは知っているな」

 

 これで寮監+削板という最強フィジカルメンツが味方になった!これで勝つる!

 

「これから何をされるか、分かるな?」

 

 寮監が眼鏡を光らせて、凄んでいく。

 

「お姉さん…誰? 猟犬部隊の人?」

 

「なんだそれは?そんな部隊は知らないぞ。木原那由他」

 

「……!なんで私の名前を……!」

 

「私が手伝いをしている養護施設に『木原』名義の寄付があれば警戒して調べたくもなる。まぁ、君のことを調べて安心したが」

 

 大変だねぇ、那由他ちゃん。

 なにはともあれ、寮監は謎武力と調査力もあるぽいので、誤解なく味方になってくれそうだ。

 

「だが、貴様は別だ。木原誘導…!!」

 

 な、なんで──。

 待て、ほんとに心当たりがない。

 

「木原那由他を調べていた時、貴様の名前が頻繁に出てきて気になって調べさせてもらった。先ほどは白々しく助けてなどと言っていたが、ただの一般人と言うまいな? ヒーローと保護対象を利用した誘導実験。心当たりがあるんじゃないのか。私も内容は詳しくは知らない。だが、貴様がうちの生徒や養護施設の子ども達を巻き込んでもそれをなそうとするなら…。いくら統括理事会から多額の資金を得ているようなものであっても許されることではない。もしや、今の状況すらその実験じゃあるまいな?」

 

「なるほど…。その実験の話ですか。そこにたどり着かれるとは。あれはうちがメインじゃないんですが、うちの研究所も資金提供は受けてますからね。だけど、あれは上手くやれば助けを求める者に適切な手を配分することすら、可能な夢の実験なんですよ。とはいえ、木原というものが御立派な理想を掲げて、破滅的な結果をもたらす存在なのは否定しませんが」

 

 なにやら調べられている以上、否定するのも不信感を増すだけだから素直に話す。

 

「肝に銘じてくれればいい。だが、少しでも不審な手が伸びるようなことがあれば」

 

「おー、怖い怖い。那由他ちゃんを(・・・・・・・)悲しませるつもりはありませんから、ご安心を」

 

「そうか。とりあえず、場を収めさせてもらおう。潔白を証明したいならせめて手伝ってもらおうか」

 

「はいはい、分かりましたよっと。Equ.DarkMatter、全翼を展開せよ。6翼3対の翼を広げ、AIM拡散力場を誘導する10の球体と22の小径を持って、虚数学区五行機関と繋がりを再び確立せよ」

 

 全長100mの6翼3対の翼が絡まり合い、10の球体(セフィラ)とそれらを繋げる22の小径(パス)を形作る。

 近代西洋魔術に通じている者がその場にいたら、間違いなく反応を示したであろう不思議な形状の翼へ、その場の全員の視線が集まった。

 

「木山先生の実験データから得た能力者のパラメータを記号化し、その系統別に球体と小径へ割り当てることで、逆位相の力を容易に叩き込める──それが対能力者駆動鎧の真髄。まだn数が足りなくて完璧ではないが、電撃系能力者のようなシンプルな出力なら現状でも対応可能だろう。そっちの第七位とは相性が最悪だけどね」

 

 n数が足りないとは言ったものの、その場で能力の記号化パターンさえ作れれば、学園都市の能力者が形成した虚数学区五行機関に数価を入力すれば、必要な逆位相を引き出せる。もっとも、言った通り説明不能な能力の第七位とは結局相性が最悪だが。

 

「能力がうまく出せない…!?」

 

 学園都市第三位クラスの演算能力と出力があれば、フェイントのような動きを交えてこちらが逆位相を取るより早く能力行使に移れる場合もある。だが、初見でそこまでは無理だろう。

 

「実験成功。学園都市統括理事会も超能力者(レベル5)を恐れて似たような対策を用意しているけど、今のところはこっちの研究の方が一歩リードかな」

 

「統括理事会の超能力者(レベル5)への対策…? なによ、それ」

 

「そっちのほうが気になる? 学園都市の闇にはまぁ色んな技術があるんだよね。AIM拡散力場関連だけでもそれなりに。教えてもいいけど、こんなところで言うわけにはいかないしね」

 

 バトルどころではない情報を出して気を散らす。

 

「御坂、よそ見は厳禁だぞ」

 

 そうしている隙に、寮監が背後から御坂美琴の襟首を掴んでいた。首からゴギャッと鈍い音を立て、そのまま膝をつかせる。

 

「終わりかな。虚数学区五行機関との接続を解除」

 

 寮監が御坂美琴を引っ張っていくのを横目に、駆動鎧へ解除命令を下す。

 

「ううむ、根性では負けたつもりはないが、まさか気合いで圧されるとは。あの眼鏡の女は鬼子母神の生まれ変わりなんじゃないだろうか」

 

 削板軍覇もそう言って引き下がるほどの寮監、やっぱり強いな。

 

「那由他ちゃん、一件落着ぽいし帰ろっか」

 

「そうだね、誘導お兄ちゃん。あんなすごい無能力者もいるんだね」

 

 那由他ちゃん若干引きながらも、無能力者の新たな可能性を知り複雑ながらも前向きな顔をしていた。

 

 

 そんな帰り道のことだった。

 ピリリリッ──電話の着信音が鳴る。発信元には見覚えのある名前が表示されていた。木原 唯一

 

「誘導くん、常盤台関係に何かようがある感じですか?」

 

 み、見られてる…。

 怖いよ。明らかにどこからか今の現場を見られてるじゃん。

 

「唯一姉さんこそ、わざわざ行動を監視して口出しとは穏やかじゃないですね」

 

「誘導くんがあちら側に手を出しているって話があって、あの変態統括理事長から監視を頼まれたんですよねぇ。先生は別件対応中ですし。監視だけなら猟犬部隊(ハウンドドッグ)でも使えばいいのに」

 

 同感だけど、酷い言われようだな、アレイスター。

 

「まぁ、猟犬部隊(ハウンドドッグ)では相性が悪いと思われたんでしょうね」

 

「それよりー、誘導くん面白いことしてましたね。未現物質に、AIM拡散力場の制御、何か先取りされたような感覚ですけど」

 

 唯一姉さんは未現物質の件も知っているようで、日常会話のような声色なのに背筋が寒くなる。

 

「それは唯一姉さんと俺の研究が元々は近いのもありますからね。同じようなものに行き着くのありえる話では」

 

「そうですねぇ。でも、誘導くんは明確なパクリもありますよね。横紙破り(ULエクスプローラー)、統括理事長の監視を振り切るいい策なのに、勝手に使われるなんて思わなかったですよ。それでぇ、今回は警告です。暫く大人しくしてもらえると余計な仕事が増えなくて助かります」

 

 パクリ、先取りで力をつけようとしてたのもバレてる…。

 

「わざわざ、釘を差しに来たという訳ですか」

 

「何も全てがダメとは言ってませんよ? 学園都市外の力への深い介入が粛清対象というだけです。パクリについては薬味久子を介した実験で手伝ってもらってますし、不問とします」

 

 助かったけど、魔術に関わると唯一姉さんや脳幹先生が来るとかやっぱ恐ろしい。

 

「分かりました。唯一姉さんの手を煩わせる訳にはいきませんしね」

 

「分かってくれるならいいんですよ。誘導くんの成果楽しみにしておきますね」

 

 生きた心地はしなかったが、電話が切れたのを確認して深呼吸し、ため息を吐いて落ち着く

 

「思ったより早くバレたなぁ…」

 

「誘導お兄ちゃん、唯一お姉ちゃんが言ってた薬味久子さんって統括理事会のメンバーだよね。実験ってどういうものなのかな?」

 

「うーん、これについては那由他ちゃんにも話せないかなぁ。いずれ話せる時がきたら、話すよ」

 

 那由他ちゃんには学園都市の闇側にはあまり触れてもらいたくない──そんな思いからか、つい秘密を作ってしまう、

 

「じゃあ、誘導お兄ちゃんはこれから何をするつもり?」

 

「そうだなぁ…。ちょっと、友達の手伝いをするつもりだよ」

 

 こっちも口を濁すしかない。まだ唯一姉さんに聞かれている可能性もあるし、上条さんが俺が関わったことで失敗してしまう可能性もある。普通は問題ないが、蜜蟻みたいに偶然が重なれば失敗し得る。それに備える必要があるので、結局スタンバイしておかないといけない。

 

「唯一お姉ちゃんに釘を刺されてたことに関係ある?」

 

いや(・・)ないよ(・・・)。だけど、今回は危ないから那由他ちゃんにはついてきてほしくないかな」

 

「そっか。分かったよ、誘導お兄ちゃん」

 

 少し顔を曇らせたように見えたが、それでも魔術に関わるのはまだ早い。それにアレイスターに目をつけられている以上、安全を確保できるまで那由他ちゃんを関わらせるのはまずい。

 

 とりあえず、インデックスと自動書記(ヨハネのペン)対策を始めようか。

 





ツインテール女子曇らせ良い…。
最近だとブルアカのシュポガキこと、ヒカリノゾミ姉妹のヒカリを優遇してノゾミを曇らせる概念良い。一番好きなのは遺書概念も好きなコユキ。しかし、最後は晴らせる方が好ましい。
だから、那由他ちゃんも曇らせるね…。
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