なお時間の割に短い模様。
こりゃ駄目だ。
ちっとも飛行機の話題が上がらない。
いや、確実に例の動画は拡散したはずなのだ。実際、新たなる中古パソコンで少し探したら確認できた。つまり、探さなければ見れないのだ。はてまた、見つけたページすらも再読み込みがきかなくなっていく。
トップニュースとかに上がる気配が微塵もない。
完全に、あの頭のイカれた組織の妨害ですね………
完全勝利と思いきや、まんまとやられたようだ。
一年も掛けたのに!
いくら拡散しようが潰される。そりゃ飛行機なんて流行りませんわ。最初は盛り上がり掛けたと思ったのに、今や知る人ぞ知る情報になってしまった。
まあ、あんなサイトにアップしたから、当たり前といえば当たり前なんだがな。匿名性向上のためとはいえ、やりすぎたかもしれない。
てか、もう個人では限界が来ている。というより家の自室でやるのは限界と言うべきか。
現世の親父と母さんは、工作のことなんてからっきしだった。だから飛行機作りを船作りと誤魔化せた。しかし、工作を自分が始めたことに興味を持ったのか、自分たちで船の模型を作り始めたのだ。しかも結構うまい。工作が最近の話の種になっているのだ。
そのおかげで船以外も作っていたことがバレそうになった。多分、またなにか作り始めたら、速攻でバレる。
いい親に恵まれたと思う。正直うれしい。だが今回ばかりは自重して欲しかった……
もう協力を仰ぐしかない。
丁度いい人なら目星をつけているのだ。
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インターネットや電子メールが普及した現代において、知らない個人から手紙が届くことは、滅多にないだろう。
謹啓
突然お手紙を差し上げる失礼をお許し下さい。以前より鳥類学者の三倉先生のご高名はーーーーーーー
………生物学者ではなく、鳥類学者と来たか。
生物学者の間では、昔から噂というか、暗黙のルールというか、とにかく何故か分からない事が囁かれている。
『むやみに鳥には手を出すな』
鳥類や羽の生えた虫を研究しようとすると、何故か予算が下りなくなるのだ。
更には大学や研究所から圧力が加わって、いつの間に立場が不安定になってくる。慌てて撤回しようも、しばらくは冷たく振る舞われるのだ。
それを知ってか知らずか、俺を鳥類学者とよぶとは。
昔からの憧れだった
昔、カモメに夢中になった。空を鳴きながら舞う姿に、魅了された。何故かはわからないが、とても『イイ』と感じたのだ。
以後、カモメを知るために学者になった。先輩の声を振り切り、カモメの研究を始めた。別の研究の片手間に自費でやり、書き上げた論文を発表した。
その後のことは、あまり思い出したくない。
まあ、そのせいで大学や研究所を転々とした。今思えば、研究職をやめなかったのは意地だったのだろう。
そんな頑固者だから、婚期を逃したのかもしれない……
それはともかく、普段名乗っている生物学者の肩書きではなく、鳥類学者という言葉を使ったからには、こちらのことを相当調べたのだろう。イタズラに見合う労力ではあるまい。
同封されていたSDカードを読み込む。スタンドアローン状態の端末で読み込めと書かれていて、それはもう怪しさ満点だったが、勢いで読み込む。どうせ古臭いパソコンだ。壊れたら買い替える。
それは昔日の夢のようだった。
羽ばたいてはいなかったが、確かに宙を舞っていた。
こうしちゃおれん。
三倉は急いで便箋を探し始めた。
出来れば高評価、コメントおねがいします。