山内くんに転生したのでBADEND回避を目指します!   作:あまざらし

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【1年生】干支試験編 その1

 堀北先生から日本史の教科書を借りたオレは、割り当てられた自分の部屋に戻り、ペラペラと教科書をめくっていた。

 ちなみに豪華客船の同居人は山内くんにとってお馴染み、三バカの2人の池寛治と須藤健である。

 

 堀北先生から教科書を借りる時、

「急にどういう風の吹き回し?」と怪しまれた。

 山内のことだから、教科書の偉人に落書きするとか思われたのだろうか。

 

 ふふふ……。

 その質問はド真ん中ストレートで想定内だぜ堀北先生。

 

「寛治がさ……。特別試験ですごい活躍してただろ。

 だからオレも何かクラスに貢献したくて正直、焦ってるんだ」

 

 それはもう、迫真のシリアスな演技で返答した。

 

 三バカと罵られている一角が、特殊な環境ながらも特別試験で活躍する。

 そんな様子を彼女も見ていたからだろう。

 

「なるほどね。あなたにとってあの試験はプラスだったのかもね」

 堀北先生も違和感なく納得してくれたようだ。

 

(まあ嘘なんですけどね)

(ホントは退学したくないからなんですよね)

 

 そんなこと言えるはずもないので、しばらくはこの回答で真面目な生徒、山内春樹を演じたいところである。

 

 話は変わるが、やはりこの世界の歴史も元の世界と”ほぼ”同じ内容みたいだな。

 端末で歴史について軽く調べていたから大丈夫だと思っていたが、念を入れて確認したかったんだよな。

 

 だが、ほぼ同じということは完全一致ではない。

 具体的には”近代史”が全然異なっていた。

 与党の政党名も違えば、今の総理大臣の名前も一致しなかったのだ。

 

 高度育成高校やホワイトルームが存在しているくらいだし。近代史は覚え直しだな。これは。

 

 もし偉人が全員女性になってました! とか、

 時系列ぐちゃぐちゃです! とか、

 そういう変更されてたら歴史は絶望だったからな……。

 

 それに元の世界と全く同じだとしても細かい知識は抜け落ちている。何れにせよ勉強し直しは必要だろう。

 それでも元々の山内よりはマシな学力だと信じたいところである。

 大丈夫だよな。オレよ……。

 

 そんなことを思いつつ、束の間の休息を楽しむのだった。

 

 

 ◇  ◇  ◇

 

 

 それから数日が経ち。

 

 

 

 酉(鳥)グループ

 Aクラス:清水直樹、島羽茂、中島理子、福山しのぶ

 Bクラス:白波千尋、墨田誠、南方こずえ

 Cクラス:石崎大地、木下美野里、小宮叶吾、椎名ひより

 Dクラス:佐藤摩耶、長谷部波瑠加、山内春樹

 

 

 唐突だが次の特別試験。

 そうだな。特に呼び方は決まってないが干支試験編とでも呼ぼうか。

 それが始まった。

 

 1年Aクラスの担任である真嶋先生が鳥グループDクラスの生徒であるオレたち3人に今回の試験について説明している最中だ。

 最中なのだが……、

 

 今回の説明、非常に申し訳ないがオレは話半分で聞き流している。

 

 なぜなら

 

 ”チートできるから”

 

 今回の試験のカラクリはこうである。

 

 1年生の全生徒を干支ごとにグループ分けする。

 子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥と全12グループに。

 

 そして干支ごとに1人の優待者が存在する。

 これは厳正なる”調整のもと”優待者は決定される。

 

 この試験の攻略法は簡単に言えば、

 優待者以外は優待者を見つけること。

 優待者は優待者以外に見破られないようにすること。

 これを目標に各クラスで駆け引きをするゲームだと考えてもらえばいい。

 

 唐突だが、振り分けられた鳥グループのリストを見て欲しい。

 このリストをクラスを”考慮せず”五十音順に並び替えて欲しい。

 真嶋先生も「今回の試験はクラスの関係性を無視して課題に取り組め」などと意味深な説明をしているところである。

 

 1 いしざき(C組)

 2 きのした(C組)

 3 こみや(C組)

 4 さとう(D組)

 5 しいな(C組)

 6 しみず(A組)

 7 しらなみ(B組)

 8 すみだ(B組)

 9 とば(A組)

 10 なかじま(A組)

 11 はせべ(D組)

 12 ふくやま(A組)

 13 みなかた(B組)

 14 やまうち(D組)

 

 オレたち鳥グループは干支の順番を数えると10番目だよな。

 

 つまり、今回の鳥グループの優待者は、

 10 なかじま(A組)

 ”A組の中島理子さん”というわけなのである。

 

 試験の説明をだいぶ省いて、いきなり答えを出してしまって申し訳ない。

 既に答えを知っている。

 そうこれこそが、

 

 ”チート”なのである。

 

 なんかすみません。

 チートって爽快感あっていいよね。

 

 だが、ここで一つ問題がある。

 

『山内春樹は決してこんな簡単に優待者を当てられる人ではない』

 

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 それにしても担当の教職員の方々って、

 各クラスごと、つまり12セット同じこと説明してるんだよな……。

 お仕事お疲れ様です。本当に。

 

 どうすべきか結論が出なかったので、

 オレはそんなことを考えつつ現実逃避するのであった。




グループメンバーは作者の創作です。
物語の都合上、ある程度有名人もいれてます。
一応原作で確定してたメンバーは除いているはず。
原作から矛盾があった場合はすみません……。
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