粘土になった僕は、スライムと共に生きていくことにしたよ!〜転生したら粘土だった件〜   作:白零

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1話 転生

(おい)

 

僕はこの一言で意識が覚醒した

 

ん…⋯? 何だろう? ここ、どこなんだ?

 

(聞こえているか そこにいる小さき者よ)

 

小さき者?…… 誰のことだろう?

 

(気がついているのだろう 我を無視をするではない)

 

 うるさい! 静かにして!と文句を言おうとしたんだけど

 あれ? 喋ろうとしても声が出せないんだけど!? 目を開けようとしても開けれないし、手も足も反応しないし、一体どうなってんだよ!?

 

(⋯⋯え?)

(ようやく目を覚ましたか!我はお主と話をしてみたかったのだ)

(あのー…⋯ すみません?)

(何だ?どうした?)

(どちら様でしょうか?)

(何だと!! 貴様、我のことを知らぬのか!?)

(ち、違いますよ 俺、目が見えない状態でして、あなたの姿が見えないんですよ)

(なるほど、そういうことだったのか。ならば見えるようにしてやろう。)

(本当ですか! ありがとうございます!)

(ただし、条件があるが)

(条件ですか?)

(そうだ。見えるようになったからと言って、我に怯えずに、話をすることだ。どうだ? 簡単だろう?)

 

 そんなことでいいのか? 予想してたことより遥かにに簡単だったんだけど、こんな好条件の取引受けるしかないだろ。

 

(分かりました。その条件で問題ありません!!)

(良かろう。『魔力感知』というスキルを持っているか?)

(いいえ、持ってません)

(そのスキルは周囲の魔素を感知するものだ。体外の魔素の動きを感じるだけで獲得で出来る。これで視たり、聞いたりすることが出来る。さあ、やってみろ)

 

 そんな簡単に言われたら困るんだよなー やってみろと言われも……… うーーん? こんな感じでいいのかな?

 

《告。エクストラスキル『魔力感知』を獲得可能です。エクストラスキル『魔力感知』を獲得しますか?》

 

 !? 

 おお! 今のは何だ?⋯⋯じゃあYESで!

 

《確認しました。エクストラスキル『魔力感知』を獲得…成功しました》

《『魔力感知』を使用しますか?》

 

 勿論YESだ!

 

 エクストラスキル『魔力感知』を使用した瞬間、人間の視界と同じように視界が広がっていった。そして俺はあることに気がついた。

 

(ふむ、やっと我の姿が見えるようになったのか、我は4体しか存在しない"竜種"が一体、"暴風竜"ヴェルドラである。歓迎するぞ、小さき者よ)

(えっ……?)

 

 嘘!!あの転スラのヴェルドラが目の前にいるんだけど!?

 じゃあ、ここは転スラの世界なの!? えっ?俺死んじゃってたの!? じゃあ俺はリムルみたいに転生しちゃったのか?

 突然のできごとに俺の頭はパニックになっていた。

 えっと⋯⋯俺、確か高校生だったよな⋯⋯いつの間に死んじゃったのか⋯⋯そうか、短い人生だったな。

 

(そうか……俺………死んだのか………)

(どうしたのだ? 我はお主に話し相手になってもらいたいだけなのだぞ)

(ん?あれ!?俺の視点めっちゃ低くないですか!? え?俺もしかしてスライムに転生しちゃったの!? だったら俺は何に生まれ変わったんだ!?)

(落ち着いて我の話を聞け!!)

 

 ヴェルドラからのお叱りを受けて、なんとか俺は落ち着くことができた。

 

(えっと…、取り乱してしまってすいませんでした)

(ふむ、どうやら落ち着いたようだな)

(転生した、と言ったな。もしやお主は転生者か?)

(多分そうです。前世の人間だった頃の記憶があるので⋯⋯)

(ふむ。お主、ものすごく稀な生まれ方をしたな。そうか、お主は我の魔素溜まりから生まれたということか)

(ふむふむ。なるほどなるほど)

 

 うん? そういえば俺、何に転生したんだ? もしかしてスライムになっちゃったのか!?

 

《否。主人(マスター)の種族は土塊魔(ソイルマン)‪です》

 

 !?

 おお、さっきも聞いた声だ。そうか、この声は『大賢者』みたいなスキルかな?

 今の声は何のユニークスキルなんだ?

 

《解。ユニークスキル『伝達者(ツタエルモノ)』の効果です 》

 

 なるほどね。じゃあ『伝達者(ツタエルモノ)』、土塊魔(ソイルマン)について教えてくれ。

 

《解。土塊魔(ソイルマン)とはこの世の土を使い、身体を形成して活動する魔物です。種族固有スキル『分裂』を所有しており、水を苦手とする魔物です》

 

 うん? 聞き間違いかな? 固有スキル『分裂』?

 聞いただけでも分かる。このスキル、絶対強いでしょ。

 

(おい、1人で考え込んでいたが大丈夫か?)

(あ、はい、とりあえず自分のことについて分かりました)

(そうか、これで我と話ができるな)

 

 ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

 

 あれから数ヶ月経った。

 たくさんあった時間はヴェルドラと話したり、散歩したり、スキル練習したりするのに使った。特にそれ以外にすることも無かったので、ひたすらヴェルドラとのトークや散策、スキル練習をして日々を過ごしていた。その頃にはヴェルドラとは仲良くなっていた。

 

(じゃあ、土と水を集めに行ってくるよ)

(うむ。だが、この辺の土と水が少なくなってきたからと言って、危ない場所に行くのではないぞ。お主はよくどこかに行ってしまうからな、あまり遠い場所に行くのではないぞ。せめて、我から見えるような場所でな)

(う…⋯うん、ありがとねヴェルドラ。じゃあ行ってきます)

 

 最近、ヴェルドラが俺に対して過保護になってる気がするんだよなー、俺は危ない場所にも遠い場所にも行っていないのにね。そして俺は今土と水を集めている。

 土を集めるのは分かるが、どうして水を集めているのか?と聞かれそうだから言っておくが、それは俺は今現在ただの土の塊に過ぎないからだ。この世界ではリムルやヴェルドラのような規格外なチートキャラが沢山いる。土だけだとやることが限られてしまうから、この洞窟内で水を集めることにした。

 そして土と水を使って出来ることはなにか無いかと考えた結果、土と水を使って粘土を生成することにした。

 

 実は俺、ユニークスキルをもう一つ持っていたみたいで、それがユニークスキル『粘土細工(クレーマニア)』だ!

 『粘土細工(クレーマニア)』は俺が回収した土と水を使って、自身の武器となる粘土を作ることができる。

 『伝達者(ツタエルモノ)』が教えてくれた粘土の作り方として、まず、小石などを取り除いて、集めた土を乾燥させる。次に水を加えてかき混ぜてを繰り返す。その後、数日放置して、水を切る。土をよく捏ねて、適当な柔らかさになるように水分を調整する。そして、一週間から一年かけて、寝かせたら出来上がり!

 

 ……何だけど、流石に長すぎるんだよなー⋯⋯ 一年って何だよ!?

 困っていたけど、俺のユニークスキル『粘土細工(クレーマニア)』を使えば、何と一日で粘土を作り終えることができるのだ!『粘土細工(クレーマニア)』があるからめっちゃ助かるよ。だけど、どうしても、粘土はあったら嬉しいから、作るために時間が割かれてしまう。まあ、一回このことは置いておこう。

 

(ふむ、粘土集めは順調なようだな。お主のユニークスキルを上手く使っていっぱい集めれたな)

(ああ、しかも『粘土細工(クレーマニア)』は俺が作った粘土を仕舞うことができるから、本当に良いスキルを獲得したよ)

 

 粘土をどうやって作るか、悩んでいたときに『伝達者(ツタエルモノ)』から『粘土細工(クレーマニア)』を使うことをお勧めされたから、『粘土細工(クレーマニア)』について知ることができたから、本当に良かったよ。

 

(そういえばヴェルドラって勇者に封印されてからだいたい何年くらいたったの?)

(我が封印されてから三百年経つところであるな)

 

 三百年ってことはもうそろそろリムルが来るってことか……よし、そうと決まればリムルが来るまで頑張っていきますか!

 





名前:志水真土(シミズマサト)
種族:土塊魔(ソイルマン)
加護:なし
称号:なし
魔法:なし
固有スキル:『分裂』
ユニークスキル:『伝達者(ツタエルモノ)』『粘土細工(クレーーマニア)
エクストラスキル:『魔力感知』
コモンスキル『念話』
耐性:痛覚無効 物理攻撃耐性


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