粘土になった僕は、スライムと共に生きていくことにしたよ!〜転生したら粘土だった件〜   作:白零

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※『粘土細工(クレープレジャー)』→『粘土細工(クレーマニア)』に変更しました。


2話 能力

 俺が転スラ世界に転生してから一年以上の時が経過した。

 あれから俺は粘土を作り続けて、スキルの使い方を学び、たまに散策をしたりしていた。粘土の量もだいぶ増えてきた。たくさん作っているが、まだ使うかもしれない。

 

 粘土は一日かからないで作り終えることができるようになった。だとしても、タイムリミットは刻々と近づいてくる。誰かもう一人いれば楽になるのになー⋯⋯ 猫の手も借りたいくらいだよ。

 

《告。主人(マスター)のスキル、『分裂』が使用可能です》

 

 『分裂』? そういえば『伝達者(ツタエルモノ)』や『粘土細工(クレーマニア)』のユニークスキルや『魔力感知』は結構な頻度で使ってるけど、固有スキルは使ったことなかったな。『分裂』ってどういうスキル何だろう。

 

《解。『分裂』とは対象に備わる性質を別のモノとして分裂させることができます》

(うーん?なんか分かりそうだったけど分からなかったな 伝達者(ツタエルモノ)、もう少し分かりやすく教えてくれ)

《⋯⋯解。主人(マスター)に粘土がある限り、身体を増やすことができます》

(なるほどなるほど、そういう事か。流石!! 伝達者(ツタエルモノ)

 

 よし!じゃあ、スキル『分裂』を使ってみるか⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯あ、そういえば、俺このスキルの使い方を知らなかったな。

 

《⋯⋯》

(ちょっと伝達者(ツタエルモノ)さん?今呆れてたでしょ!!)

《否。そのようなことは決してありません》

(いや、絶対に呆れてたって)

《否。》

(まぁいいか。それじゃ伝達者(ツタエルモノ)、分裂する方法を教えてくれ)

《解。主人(マスター)がダメージを受けるたびに分裂することができ、ある一定の数になると、分裂ができなくなり、消滅してしまいます》

(じゃあ、消滅しないように数を調整しなきゃな。ありがとね、伝達者(ツタエルモノ)

 

 じゃあ、早速分裂してみるか。ダメージを受けるためにはどうすればいいかな? そうだ! 土塊魔(ソイルマン)は水が苦手なんだから、水を浴びれば、ダメージ負って、分裂できるんじゃね?

 

《解。そのやり方は推奨できません》

(どこがおすすめできないの?伝達者(ツタエルモノ)?)

《解。土塊魔(ソイルマン)は水を浴びると、身体を維持することが困難になり、スキル『分裂』が使えなくなります》

 

 伝達者(ツタエルモノ)さん、まじで超ファインプレー!! 危なく、土塊魔(ソイルマン)としての生涯を終えるところだったよ!

 

(うーん?じゃあ、どうすればいいかな?)

《解。方法として、『無限牢獄』に体当たりすることを推奨します》

(なるほど、簡単でかつ消滅の心配もなく、ダメージを負うことができるって訳か⋯⋯いいな!それ、採用!)

 

 ということで、ヴェルドラが入っている『無限牢獄』に体当たりを始めた。そして、五回くらい体当たりしたら、身体が割れそうになってきて、十回くらい体当たりしたら、俺の身体が二つに割れた。

 

(ふむ、お主が二人に増えたぞ⋯⋯ それが土塊魔(ソイルマン)の固有スキル『分裂』だな。実に面白いな! クァーハハハハ⋯⋯!)

(え!? もしかしてヴェルドラって土塊魔(ソイルマン)見たことないの?)

(うん?それは違うぞ。我は土塊魔(ソイルマン)ではなく、土粘魔(クレタマン)の『分裂』しか見たことが無いということだな)

(へぇーってことは結局は土塊魔(ソイルマン)を見たことがないってことだよね?)

(そ、そうとも言えるな⋯⋯)

 

 まあいいか、土塊魔(ソイルマン)以外にも、土粘魔(クレタマン)という種族がいるのか⋯⋯なあ伝達者(ツタエルモノ)土粘魔(クレタマン)について教えてくれ。

 

《解。土粘魔(クレタマン)とは身体を粘土で形成している魔物です。土塊魔(ソイルマン)の上位種であり、固有スキル『分裂』を所有しています。また水に耐性を持っている魔物です》

 

 弱点の水が消えて、土の代わりに粘土で形成している魔物ってことか⋯⋯⋯⋯

 

(まあいいか。身体を分裂させることが出来たから、これでやっと作業効率が上がる!)

 

 

 

 

 ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

 

 スキル『分裂』のおかげでスキマ時間が生じたので、それからは土集めに集中せずに、スキル練習にも時間を使うことが出来るようになった!

 

 『分裂』について纏めると、分裂体を生み出すためには自分の身体の粘土を使うことになり、分裂体を沢山生むことができる。しかし、自我が無くなり、単純な命令をこなすだけになり、スキルは使うことができない。しかし、分裂体一人だけなら、意識をリンクすることが出来て、具体的な命令をこなすことも出来るようになる。しかも、分裂体一人だけならばエクストラスキルを使うことが出来る。

 このスキルめっちゃ使い勝手が良いんだけど!すごくね!?

 

 そういえば、俺が生んだ分裂体はもう一人の自分なのに、呼び名が無いのはなんか嫌だな。

 何か呼び方決めるか⋯⋯ そうだなー⋯⋯ 何の特徴もない、ただの土塊魔(ソイルマン)⋯⋯ うーんそうだなー⋯⋯ ただの⋯⋯⋯⋯

 よし!決めた!これからは『分裂』によって出た分裂体を”凡土(ボンド)”と呼ぶことにしよう!

 

 それから、俺と凡土(ボンド)は作業を分担してやることにした。俺はスキル練習をして、凡土(ボンド)には土集めを任せた。ときどき、一緒に粘土を作ったりしていた。

 

(じゃあ凡土(ボンド)、土集めよろしくね! よし、じゃあ早速はじめますか!)

 

 この前、粘土を使って何か出来ることはないか考えていたら、俺は閃いた⋯⋯ 粘土を使って人間の身体作って『粘土細工(クレーマニア)』で動かせばいいんじゃね? リムルは『擬態』を持っているからいいけど、俺は『擬態』を持ってないから、粘土で身体を作れば、俺人間形態になれるんじゃね!?

 

  よし!早速始めますか!まず、頭の中でどんな形か、イメージを作る。そして身体を作るのにヘラがあったら役に立つだろうと考えて、粘土を使いヘラを作った。次に顔を作っていこうとしたが、ヴェルドラの方を見ると、ヴェルドラがこっちを見て、ウズウズしていた。大方予想ついたが、一応聞いてみることにした。

 

(こっち見て、ウズウズしてるけど、どうかした?)

(⋯⋯)

(どうしたの?ヴェルドラ、生憎、俺は新しい身体を作るのに忙しいんだよね)

(う、うむ。そ、それはだな⋯⋯)

(もしかして、俺の手伝いをしてくれるの?)

(馬鹿、我はそんな事言っておらぬぞ!!)

(いやなら大丈夫だけど⋯⋯)

(誰も嫌だとは言っておらぬだろうが!!)

(分かった。作業を手伝ってくれるんだね)

 

 ヴェルドラは手伝ってくれると言ったとおり、顔のパーツについてアドバイスをしてくれた。顔は左右対称にやるのだとか、目はパッチリにするのだとか、目尻をもう少し下げるのだとかなど細かい場所までアドバイスを貰い、ヴェルドラのアドバイスどおり調整していった。

 まあ俺が作ろうとしていた顔とほとんど変わらなかったから、特に何も考えていなかった。そして次にヘラと『粘土細工(クレーマニア)』を駆使して手足を作りあげた。

 

 最後に体を作っていく。デコボコやムラがあったら、それを直して表面を滑らかにしていく。そしてあらかじめ作っておいた顔と手足を体と合わせていく。この作業が意外と大変で『伝達者(ツタエルモノ)』と協力して終わらせることができた。

 

 そして、人間としての形が出来上がったので最後に色を付けていく。実はそれも『粘土細工(クレーマニア)』でできるようだ。本当に『粘土細工(クレーマニア)』が有能すぎる。色は適当に合う色を選んで着色をした。

 

 

 こうして約五日かかり、粘土で作った身体が完成した。これを『粘土細工(クレーマニア)』に保存しておいた。

 そして、自身と保存してる粘土で作成した身体を合体させていく。遂に⋯⋯⋯⋯

 

(やったよ!ヴェルドラ!すごいでしょ!)

(クァーハハハハ⋯⋯!素晴らしい出来具合いである)

(ヴェルドラのおかげだよ!たくさんアドバイスしてくれてありがとね!!)

 

 これで俺は念願の人間形態を獲得することができた。だけど、これはただ粘土で形を作っただけにすぎないので、人間としての五感はなく、まだ『魔力感知』に頼っている。

 よし!あとはリムルが来る時まで、この作った身体を自然に動かせるように練習をしていこう!

 





名前:志水真土(シミズマサト)
種族:土塊魔(ソイルマン)
加護:なし
称号:なし
魔法:なし
固有スキル:『分裂』
ユニークスキル:『伝達者(ツタエルモノ)』『粘土細工(クレーーマニア)
エクストラスキル:『魔力感知』
コモンスキル『念話』
耐性:痛覚無効 物理攻撃耐性

土塊魔(ソイルマン)は自我も無く、本能のままに行動する低位モンスター。サイズは様々であり、確認されているのは最大30cm。しかし、『分裂』で身体が小さくなってしまうので、土塊魔(ソイルマン)の本当のサイズはまだ判明していない。固有スキルは『分裂』。
雨を少しでも浴びれば、分裂ができなくなりかなり弱体化する。

 次回から原作に入ります。


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