「今日はこの辺で切り上げるて、フウさんのところへ向かうか」
あれから二年の月日が流れ、年を得ても双子は全く大きくなっていなかった。未だに赤子より少し大きいくらいで、カムメはその事を興奮しながらレポートに書いていた。題名は”異種族サイヤの記録“である。この状態のカムメはなんか怖いとダンは近づかないが、イコは恐怖より好奇心の方が優っているのかあまり気にしていない。
そんな事は置いといて、今日は二人がこの星に来た日なのである。フウとカムメがこの日を誕生日代わりに祝ったので、一緒にケーキを食べる日になった。
去年はサプライズでお祝いされたが、それに驚いた拍子にエネルギー弾をイコが打ってしまい、てんやわんやになったので事前に連絡が入ったのが今日である。
いつも以上にウキウキしているダンたちは、配達員制服として去年にプレゼントされた物を身に纏ったまま空を飛びながら向かっていた。
だが目的地に迫るにつれ、強い気配が向こうからやってくる。
「ダン!止まれ!」 ゾワリと悪寒を感じたイコが叫ぶと、ダンは急停止し、警戒を始める。
すると長身でハリネズミのような髪型をした男が、同じく空を飛びながら目の前で止まった。腰の回りに巻いてあるのはサイヤ人の尻尾だろうか?
兎に角威圧感が凄まじく、相手に挑んだら確実に人生を終了させられてしまうことがわかるほど強さが全身から滲み出ていた。
「ほう…貴様らがあの原住民が言っていたサイヤ人のガキだな?」
「お前、フウさんに何をした!」
声を荒げてダンが尋ねる。
「何、貴様らを探そうとすると後ろから打とうとしてきたのでな…弾丸をお返ししてやっただけだ」
男に飛びかかりそうになったダンをイコは必死に抑える。
「ダン!あいつには私たちでは勝てない!まずはフウさんのことを気にしておけ!」
そう言われて一旦攻撃体制を解除する。
「それで、なんであんたは我々の前に現れた」
「ただの確認だ。貴様らの父親の名はカカロットかどうかのな」
カカロットという言葉は初めて聞くイコは、父親の名は別に知っていたので答えた。
「違う。父親なぞ見たことないが名前はカカロットではない」
男はそうか、と呟き左耳につけている機械のスイッチをいれ、二人を見る。
「戦闘力318と390か、まぁまぁだな。」
一瞬男が気を抜いたのをわかったイコは叫ぶ。
「ダン!今のうちに逃げろ!」
イコが目眩しにエネルギー弾を顔に投げた後、ダンは言われたとうりに男が来た方へ逃げていった。
「戦闘力たったの318で俺に叶うとでも思っているのか?バカめ」
「そんなわけないだろう。私はあいつを死なせたくない。少しでも生きる可能性があるのならば、死ぬまであんたと戦うさ」
それが私のエゴであっても奴を足止めするとイコは誓い、男に向き合った。
「はぁあああぁああ!」
体の中のエネルギーを練り、男にもう一発顔にエネルギー弾を投げる。
当然避けられるが、その間に向こう脛を全力で蹴る。蹴られた痛みに一瞬怯むとメテオスマッシュを繰り出した。
しかし…
「これで終わりか?一つ前の攻撃の方がまだ痛かったぞ…そんな物技とは言えんな。オレがお手本を見せてやろう」
そう言い男は両手を前に出しエネルギーを出す。イコはそれに気づき避けようと右にとんだ。それを嘲笑うように男は技名を叫んだ。
「ダブルサンデー!」
「うッ…グアァアアア!!!」
ビームがvの字に分かれて放たれる。イコは避けきれず当たり、意識が飛びかけている。
「これで死なず、気絶していないとはな…よく鍛えればオレまでとはいかないが、それなりに使えるようになるな。連れていくか」
そういい男はイコを横に抱え、別の場所へ飛び立った。