「これから、超重要会議を行う」
ホワイトボードを取り出し、顔が暗いままペンで議題について書いていく。内容は食費についての事。何が問題かと首を傾げているダンは早速彼女に尋ねた。
「食費って議題に出すまで重要な事なの?」
「私たちサイヤ人にとっては重要だ。地球人より何倍も食うからな。以前、我々が稼いだ金額で補えない食物はフウさんに、負担してもらっていた。あれでも少々足りなかった」
今フウさん一家は西の都に一時的に住んでいる。その間畑はイコが管理、既存の値段で販売しているが、彼女はその金を使うつもりはない。
そして二人は自分達の一番の収入源である配達業を、一時中止している。プラマイではなくマイナスに転がり続けている財布は悲惨な運命を物語っていた。
「このままでは食料を買い溜めることすら出来なくなる!だから死ぬ気で働くぞ貴様ら!!」
イコがエネルギーを昂らせながら、ダンとラディッツを怒鳴る。その勢いに負け、ラディッツは近くの都で日給アルバイト。ダンは配達ギンガを再開し、同時に賞金稼ぎを始めた。その間イコはホイポイカプセル近くに畑を耕しながら、チチという女性の頼み事を聞きに行っていた。
彼女とは彼女の息子である孫悟飯を、家に送り返してから知り合い連絡を取っている仲だ。旦那の孫悟空があの世で修行しないと殺されてしまう程、とてつもなく強い奴がやってくると聞き、彼女は悟飯を生き残れるよう鍛えていた。
しかし、休憩が終わっても戻ってこずの1日探しても見つからない悟飯が、また誘拐されたのではないかと不安になった。故にこの星の地理を知り尽くしていると自称するイコに探してくれと頼み込んだ。
(こ、断りにくいな…)
必死な表情をするものだから、断れば食べるのも忘れて探してしまいそうな雰囲気だった。放っては置けずその頼み事を受け入れた少女は、パオズ山から徒歩で一ヶ月かかる場所にあるサバナ地域に向かった。
もしかすると、空を飛べる奴が彼をそこに連れていったのかもしれない。頭の中には緑色のヒトが思い浮かばれていた。この非常時に戦力を増やすためにやりそうな人物でもあったからだ。
強いエネルギーの波をそこから感じるので確認すると、少年が恐竜に追いかけられて……
追い回していた。その様子にさすがサイヤ人の血族だと感心していた。当の本人は泣いていたが、ラディッツと同じくらいの強さを無自覚に放っていた。
「しかし、発見できてよかった。後はチチさんの所に…」
「何をする気だ小娘」 「!」
隣に気配が現れて、ピッコロ大魔王の存在を認識する。それに驚き距離を取る。どうやらこちらの企みを阻止するつもりのようだ。
「…彼を母親の元へ帰すつもりだよ」
「それを小僧が望んでいなかったとしてもか?」
言った後彼は少し語った。少年が強くなりたいと見ていた己に頼み込んだ事。どんな修行でもやり遂げる事を約束した事を。
この話を聞いて少女は頭を悩ませた。悩みに悩んだ結果、少年の望みをチチさんに告げる事にした。何も知らない方が酷く虚しくて、苦しいからとイコは判断した。
大魔王に帰る趣旨を伝えて、イコはチチさんに伝えた。
「…という事があった。彼は本格的に強くなりたいそうだ」
「そうなんか…」
奴れた表情だったが、その中に少しの希望があった。それを確認してホッとした少女は自分達が寝泊まりしているカプセルハウスへ戻った。
「イコ、おかえりぃ…」
疲れた顔でダンが腹を鳴らしていた。ラディッツはバイトが終わってないのか、まだ帰ってきていなかった。しかしこれ以上は、彼が待てなさそうだったので昼ごはんをイコは作り始めた。
ジュウジュウと肉が焼ける音が響く。二人は無言だ。
「なぁ、この後って時間ある?少し話したい事があるんだ」
彼はそう言って少女を見つめた
サイヤ人来襲まで
365+59 日