公僕は無駄飯を食いたい。   作:強力イソジン

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 今日中にあと1、2話投稿したい。


13

 

 「…………なんだって?」

 

 「襲われてたから、つい体が動いてね?はじめは助ける気なかったのよ。」

 

 話せば話すほど将也の眉間にシワが寄っていく。ゴメンって。悪気はないんだよ。

 

 「悪気がない。そんなことはわかってるから頭が痛いんだよ。まず1つ聞いていいかい?」

      

 「なんなりと。」

 

 現在の力関係はあるし、中々頭が上がらない相手ではあるが立場的には五分と五分。つまりは同格だ。え?頭が上がらない時点で五分じゃないだろって?貸し借りで言うならコッチのほうが多いし。うん。多いはず。

 

 「マジで助けたあとの腹案なかったの?」

 

 「無いわけじゃないけど、こういうのは専門家に任せたほうがいいかなぁ。なんで、助けて。」

 

 「そういうのは腹案とは言わんぞ?」

 

 ふー。と、大げさにため息をついた将也は言葉を続けた。

 

 

 

 

 

 《将也視点》

 

 「それに謎の組織ねぇ?その女、薬やってたか?それとも妄想か?」

 

 ……っても、そんな感じではないな。このバカは子供の頃は抜けてるし、頭もキレない。そりゃ周りに腕っぷしだけのウドの大木呼ばわりされるわけよ。

 

 「そんな様子はないってわけかぁ。」

 

 でも、高校に入ったあとかねぇ。コイツが色々と噛み合い始めたのは。どこかある間抜け具合は変わらないけどな。

 

 (どっかの2個中隊殲滅したとか。部下をかばって戦車砲を防いだとか。払い下げの軍船を単騎で沈めたとか。)

 

 耳に入る話は、スプリーキラーも泣いて逃げ出す働きらしい。昔からの付き合いが無いと信じず、都市伝説扱いになるわけだ。

 俺もお前から話を聞かなきゃ信じなかったわ。 

 

 「真面目に話を続けようか。目的も構成員も規模も分からん組織。証拠になりそうな物証もない。ついでに証人らしき女は正体不明。」

 

 為綱は頭はキレないが鼻と目がいい。野性的直感が効くんだ。鉄火場に近いほど。

 せめて1割でも良いから平時に回してくれよ。マジで。

 

 「何処まで相手が入り込んでのも分からんからオレを頼ったわけか。」

 

 「それだけじゃなくて、8人殺したから警察に行くわけにも行かないし。」

 

 おい。倒したと聞いたが、殺したとは聞いてないぞ?凶器も始末したから問題ない?全部話せと言ったろうが。

 急いでテレビをつけるが、殺人事件の話はなかったが、

 

 「コインランドリーから爆発。周囲の薬品工場や製薬会社も巻き添えに。か。死者19名。このコインランドリーか?」

 

 うなずく為綱。さっきも言ったが、こいつの目はよく聞く。分析装置より精密だ。コイツが同じ場所と言えば間違いない。

 

 「為綱。明日から2日ココから絶対に動くな。誰が来ても出るなよ?その間、調べをするから。万が一のときは甲州街道のケツで合流な。」

 

 また徹夜になるか。ホントこの借りは高くつくからな。

 車に乗り込み、仕事場に向かうことにした。

 

 

 《???視点》

 

 「この品川ナンバーのSUVが現場から離れてますが、急発進や駐車場への飛び入りなどの妙な動きが見られます。」

 

 電話相手は誰かわからない。でも、自分がこの地位にいるのはこの方々の影響があるから。嘘だと思いたいが、15年ほど前に「色々な便宜」を図ってくれたおかげで格安に最新の資材と、多量の都合のいい仕事を受けることになった。

 運が良かった。そうなって納得したいところだが、同じ時期に同業者が原因不明の倒産、経営者の行方不明に事故死。

 

 (自分が死ぬのはかまわない。会社を作り、会社を育て、会社が死ぬときは私も死ぬ。しかし、娘や息子に渡された手紙と写真。それによって私の心はポッキリ折れた。)

 

 恐怖心と多量の利益。目に見える飴と鞭で私は従順な飼い犬になった。経営のカリスマなどと持ち上げられた私だが、電話一つで個人情報も秘密もペラペラ喋る犬に。

 こんなポエムの様な事を考え、現実逃避でもしなければやってられない。

 

 『ソレ以外に候補はないんだな?』

 

 「は、はい。で、ですか。」

 

 『ですが、なんだ?なにか言いたいことがあるのか?』

 

 「ヒィ!も、文句なのではありません!この車の持ち主なのですが、警官で…」

 

 『誰だ。その警官とやらは?』

 

 声に圧が増した。震えと汗が止まらない。これから伝えることは間違いなく相手の機嫌を損なう。だが、誤魔化せば……。

 ゴクリと唾を飲み込み。

 

 「青島新太巡査部長なんですが……」

 

 『ハッキリ言え!』

 

 「死んでるんです!3年前に!」

 

 視界が白む。座っているのに椅子の感覚もわからない。死んだ人間が車を運転するわけがないのに、データでは間違いがない。

 

 『間違いないな?』

 

 「はいぃ。間違いない…です。」

 

 電話が切られ、私は机に崩れ落ちた。後日半年分の利益が振り込まれていたが嬉しくも何もない。

 

 (心の平和のなんと尊いものなんだろうか。)

 

 あの電話がなければ。と、何度目かの後悔をしつつ社員にボーナスを振る舞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フィクションの無理な人事や配置は……

  • 許せる。
  • 許せない。
  • もっと派手にやるべき
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