「警察署の前から尾行してるのに、案外気が付かないモノっすね。」
眼の前を走る覆面パトカーを見て、運転席で柳生田が鼻で笑う。どこかイライラしながら運転している。
「柳生田すまん。仕事終わったのに呼び出して。」
「いやいや、この柳生田。先輩のためなら火の中水の中。爆風の中にでも行きまっせ。」
「なんかイライラしてたからな。予定でもあったのかと。あと、爆風の中は止めてくれよ?」
イライラは先輩が原因じゃないっすよ。と、柳生田は言ってくれて気を使ってくれてのかと思ったが、
「実はオレっち。警察嫌いなんすよ。……なんすか。その顔。」
「あんまりお前は、そんなこと言う様なヤツに見えなかったんでな。」
「まぁ、大したことじゃないっすよ。それより室長と一緒じゃなかったんすか?」
「先に帰ったよ。留守電に伝言残ってたからな。なんでも前竹原さんと…うぉ?!」
前竹原と名前を聞いた柳生田は大げさに反応して車を大きく揺れた。
「安全運転で頼むよ。まぁ、留守電ってところが、室長らしいな。」
「そっすねー。じゃないっすよ!?前竹原って大物じゃないっすか?コネを作っておけば、出世し放題っすよ?……って、そんな事には微塵も興味も無さそうっすね。」
呆れ顔で反応する柳生田。身の丈は知ってるわい。
「そんで?前の警官っすか?後ろの3人っすか?殺るの。」
「おい。オレが調べるってだけですぐに、「殺害」に繋げるなよ。いや、何だよその顔。」
さっきも同じ言葉を、返したよな。オレ。
「い、いや、先輩って、サーチアンドデストロイの塊っすよね?まさかストーカーっすか。」
「あんまりふざけてると、ぶっ飛ばすぞ?」
「すんません!余計なことは言わないっす!!」
高速をぬけ、一般道に入ると夜間もあってか。周囲には車はない。
「流石にバレるかもしれないっすよ?あ、遅くなったっすけど、これがご所望のブツっすわ。加藤も気にしてたっすけど、ケーキでごまかしたんでセーフっすよ。」
「分かってるとは思うけどな。」
「知らぬ。存ぜぬ。関わらずっすよね。」
バッグを受け取ると、路地を指差し、車を止めさせる。
「先輩。何かあったら事情無しで動くっすよ。じゃ、帰るっすわ。」
さいなら~。と、言いながら柳生田は帰っていった。頼りになる後輩を持って涙が出るわ。色んな意味で。
「オレなりのやり方で、呼び出すか。」
受け取ったバッグから住所と地図が書かれた紙と、分解はされたサブマシンガンを取り出し、バッグの底には折りたたみ式携帯が数個入っているのを確認して目的の場所に向かった。
(この手作りヤミ携帯。どうやって作ったんだろうな。)
《コナン視点》
「もぅ。お父さん?いくら解決したからって飲みすぎよ?今日は危なかったんだから、もうおしまい。」
「ええー。いいじゃないですかぁ?蘭ちゃ〜ん。無事だったし、次はひょひょいと投げちゃうよん。」
ははは。懲りねぇな。このオッチャン。明日は朝から依頼人がやって来るし、そろそろ止めとくか。
「オジサン。そろそろ飲むのをやめたら?明日の依頼人。女の人なんでしょ?」
「二日酔いなんて……なりましぇえん。」
「その女の人が美人さんだったら、二日酔いで倒れている名探偵なんて、カッコ悪いよね。」
動きが止まった。あと一発。
「噂が広まって、美人さんが来てもだらしない探偵って広まったらオジサンのファン。減っちゃうかもねー。」
「蘭!水もってこい!ありったけだ。あと予定まで10時間ないぞ?こうしちゃおれんな。さっさと寝て依頼人に失礼無いようにせねば。待ってて美人サーン。」
すげー。効果抜群だぜ。今日は飲ませても良かったんだが、蘭に迷惑かけるわけにはいかないからな。
「コナン君?誰に習ったの?そんなこと。」
(げげ。その返しは予想外。)
オレがなんて答えるか迷っていたとき、下の階。事務所のある階で、ガラスの砕ける音がした。
「もー、ガラス交換ってお金かかるのよ?お父さん。ちょっと。」
イタズラと思っているのか蘭がオッチャンを起こしに行く。しゃあない。オレも様子を見に行くか。
一時期、オッチャンが急に有名になったときに嫌がらせあったな。と、思いつつ探偵事務所の扉を開けた。
「ひでーな。粉々じゃ…」
ため息をつきながら事務所の割れた窓に近づくと、残りの窓も同じように砕けた。
(銃撃?!)
「また大きな音がしたけど、コナンく――「来るな!警察呼んで!鉄砲だよ。これ。」
扉を開けようとした蘭を警察に連絡するように追い返した。
(どこからだ?射撃音が聞こえない?サプレッサーか?)
銃弾の雨が止んだあと、そっと窓から外をうかがうと向かい側のビルに人影が見えた。
(しめた。あそこは出入り口が一つだけだ。)
2階から飛び降り、犯人が居るであろうビルを駆け上がる。屋上に広がる扉は開かれたままだ。
(誰ともあってない。つまりはまだ屋上に犯人がいる。)
時計型麻酔銃を構え、慎重に屋上を覗いて様子を伺う。動きはない。
「何者だ!」
オレが屋上に飛び出したとき、残っていたのは犯行に使われた銃と折りたたみ式の携帯、2通の手紙。そして2本の酒瓶だった。
「ウォッカとジンの酒瓶だと。」
これだけでも肝を冷やしたオレが手紙を見ると、一通はオッチャン宛。二通目の宛先を見て、背筋が凍った。
「親愛なる工藤新一くん。」
と、書かれていた。まさかヤツラがここを嗅ぎつけた?
誤字脱字修正いつもありがとうございます。
オリ主が参加する映画 第一弾は?(名作ほど改悪可能性大)
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