25
「つーわけで、早速、借りを返してもらえましょうか。一仕事お願いしますね。」
交渉が終わった当日夜。正座させられた為綱にニヤニヤしている将也。その手にはA4サイズの紙が一枚。
本日は将也の別宅からお送りしております。うん。現実逃避はここでやめとこう。
「えっと?将也さん?私、一応公務員なので副業はできませんのでございます?それにお足は十分貰ってますのでおます。」
「どこの人よ。その話し方。」
「いいのかなぁ?今回の一件でどんだけ尻拭いをしたのかなぁ?」
ツンツンと丸めた紙で頬をつつく将也。それ、突いても大丈夫なの?
「良いじゃない。借りは返せるなら早めに返したほうがいいわよ?」
簡単なことじゃない。と、返す灰原。そんな事は分かってるんだよ。でもな、
「また殺し?」
「はい?」
「コイツが持ってくるのは8割殺し。」
「どこの組織も悪いヤツはいるのね。斬り捨てられないだけ元の組織よりマシなのかしら?」
体制側の人間なだけマシだし、非合法じゃないからね。……バリバリな違法だけど。言い方の違いだって?
「おいおい。俺が殺るのは法律じゃ裁けないヤツだけだぞ?」
最近の間諜は殺しの仲介をするのかぁ。驚くなぁ。くそぉ。毎度だけど、アイツへの貸し。覚えてないのが痛いなぁ。覚えるのが面倒なんだよな。……口八丁でなんともならんからなぁ。貸した貸したって俺も口合わせてるけど、ほんと覚えてないんだよな。
何度目だろ。こうやって考えるの。
「でも、それに今回は別。ボディガードを頼みたいんだよ。」
「もう一度頼むわ。ちょっと耳にゴミが。」
「ボディガードだよ。要人警護。頼んだことあるだろ?」
……真っ当な要人警護と護衛はやったこと無いぞ?真っ当じゃないのは有ったけど。
「護衛対象は呑口重彦。衆議院議員で現在は収賄容疑がかかってる。逮捕は秒読み。」
断れない流れだ。これ。やりたくないなぁ。
「逮捕すんだったら警察に頼めばいいのでは?」
「そんなんだったら、わざわざ頼まんわ。捕まる前に処理してほしいんだよ。」
だと思ったよ。何が要人警護だよ。暗殺だろ。それ。
「俺。外敵処理の仕事はするけど、内憂の排除はマーダーライセンスないんだけど?」
「おいおい。人助けで数人ぶっ殺しただろ?まぁ、世間では爆発事故と火災で処理されてるから事件自体がなかった事になってるけどな。」
それを言われたら何も言えんけど、人助けじゃないだろ?それ。多分、呑口議員が逮捕されると巻き添えを食らう「国家に有益な人間」か「影響を受けるとマズイ人間」でも居るんだろうな。……なんどもやると流石に理解するよ。
「嫌って言ったらどうする。」
「じゃ、次は……これなんかどうだ?」
懐からさらに数枚の書類を取り出す。殺し。拉致。殺し。殺し。殺伐過ぎる。間諜は地獄だわ。
「軍隊なんて殺し合いだけで気が楽だよなぁ。」
「十分殺伐してるわよ。あなた達、感覚がズレすぎよ。ボロが出たらどうするのよ。」
灰原が突っ込む。元とは言え、悪の組織の人間に言われる体制側の人間ってどうなのよ。……あれ?少し前にもこんなこと考えたな。
「殺伐としたモノ以外ないの?」
「えー?適材適所ってやつだろ?じゃあ、まともな依頼でも。」
「あるなら最初からそれにしてくれよ。」
「政治的なモノと、経済的なモノと、両方合わせたモノがあるけど。どれがいい?」
ま、まとも?どれを選んでも危ない気がする。でも、ココは親友を信じよう。……仕事に関しては容赦が有った記憶もないけど。
「いや、どれを選んでもヤバい気がする。」
戸惑う為綱に、将也は取り出した仕事の書類を折りたたみ、後ろ手でシャッフルすると、テーブルの上に並べた。
「一発勝負だ。選べ。」
置かれた中味の見えない書類。何か瘴気が漏れてる気がするんだけど。特に真ん中の3つ。とんでもなくマズイ気がする。
そして両端。真ん中よりマシだけど。ヤベェ。そうなると残りは4枚。
「お願いします!」
マシに見えた1枚を選んで開いた。
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