公僕は無駄飯を食いたい。   作:強力イソジン

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 次話は時間がかかると言ったな。作者も想定外だったけど今日は3時間ほど早く切り上げることができたので投稿します。


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 「現場保存と野次馬の対応に感謝します。それにしても、2件目ですか。塚本さん。」

 

 最近良く会いますなぁ。と、ゲンナリしつつもどこか胡乱な視線をした目暮警部が為綱たちに目撃証言を何度か訪ねた。

 事件に関しては疚しいことはないので、スラスラ答えた為綱たちに目暮警部は缶コーヒーを渡す。

 

 「ご協力感謝します。…それにしても、怪我はもういいのですかな?」

 

 (しまったー!!!)

 

 マジボケである。病院で大怪我のフリをしてたのを先ほどの爆発で頭から吹き飛んでいたのか。今は一応言い訳程度の頭と手、首の見える範囲に包帯をしているだけ。それでは誤魔化しようも何もない。なにせ病院で目暮警部に事情聴取されたのだから。

 

 「……実はコッチも仕事でして。」

 

 と、冷や汗を浮かべつつ、なんとか耳打ちするのが精一杯だった。目暮警部も『事件の関係者なのでは?』と、疑いの目を向けたが……

 

 「連絡が必ずつくようにしてくださいよ。時限式かリモコン式かはわかりませんが、誤魔化したことで容疑者になるかもしれませんのでね。もちろん、アナタが言ったことに裏付けが取れたら話は別ですが。」

 

 (ですよねー。)

 

 今回は釘を刺しただけで終わったようだ。この話は間違いなく近藤室長の耳に入るだろう。

 

 (申し訳ない。室長。上手くごまかしてください。またお叱りだろうな。)

 

 頭に浮かぶ怒りの室長に頭を下げ手を合わせる為綱。

 

 (いや、減給かもなぁ。ホントに抜けすぎだろ。オレ。)

 

 懲戒免職や秘密裏に処理はされないだろうけど、間違いなく怒られそうだ。為綱は色々と覚悟を決めて、室長にメールを送った。……返信がないのがかなり怖い。

 

 「完全に木っ端微塵だな。被害者には悪いが、死体の残骸よりも爆破装置の破片でも残ってれば。」

 

 目暮警部が離れ、現実逃避も兼ねて周囲を見渡し気を取り直した為綱はつぶやく。建屋に掴まれ、猫のようにぶら下げられたコナンが憤りを込めた視線をぶつけてくるが、生きてるならともかく、死んだ人間。しかも、知らない人間に感情移入できるほど真っ当に生活していない。

 

 「とりあえず、場所を変えようか。建屋。何処がいいか?」

 

 「一番近いのは先輩の別宅かなー?セキュリティも万全ですしー。」

 

 手がかりも何もありゃしないが、まずは考えよう。と、感情を飲み込んで平常に戻る大人二人。

 それに対して全く手がかりも無く、犯人の掌で転がされているコナンは苛立つ。いかに沢山の知識があり、ソレを活かせる知恵があったとしても『無』から答えを出せる特殊能力は持ってない。

 

 「くそ!」

 

 ぶら下げられつつ、ぶつけようのない感情を言葉で発散しようとするコナンに為綱は背を向けて歩を進めた。

 

 「建屋。カギはいつものところだ。この小僧はコッチに来る柳生田に任せろ。」

 

 「はいはいー。」

 

 為綱に手を振りながら現場を後にする建屋。入れ違う形で、野次馬と瓦礫、交通整理で大渋滞を起こしている道路を、なんとか這い出て現場近くに車を停めた柳生田がやってきた。

 でも、すれ違い沙汰にハイタッチは必要か?

 

 「柳生田。この小僧たのむわー。ヘイ、パースー。」

 

 「キャッチッスよ。ほら、坊主。車に乗るっスよ。乗らなかったら縛り上げてでも連れてくッスよ。じゃ、行くッスよ。」

 

 「おい!勝手に話を進めんじゃねぇよ!」

 

 「ちょっとばかり皆が頭に、血が上ってるッスから現場から離れて予測するんスよ。どーも、アンタを買ってるみたいッスからね。先輩は。」

 

 柳生田に投げ渡されたコナンが尋ねるが、柳生田がなだめる。その様子を横目で見つつ、為綱は手を振って路地裏に消えた。

 

 「待てって!……って、居ねぇ!?」

 

 コナンが柳生田の手を振り払って付いてこようとするが姿は消えていた。

 

 「先輩の後をついてくなんて素人には無理っスよ。じゃ、行くッス。多分、あの人が現場で動くってことは、何かは有益なはずッスから。」

 

 ヒョイっと、コナンを掴むと助手席に投げ込み、車を発進させた。しかし、大渋滞を抜け出すには時間が掛かりそうだ。

 

 「あの渋滞を抜けるのはチョイと骨だな。えっと……」

 

 路地裏に消えた。いや、路地裏から地面を蹴って渋滞を見下ろせるビルの屋上に移動した為綱は柳生田の車の後方を確認すると一台の自動車に目を向けた。

 

 (日産スカイライン。しかもR34とはいいねぇ。)

 

 車を見据えた為綱の目と雰囲気は、爆発を察知できず、トラブルに巻き込まれ、偽装していたことを忘れて証言し、上司に誤魔化しを頼んだマヌケではなく。

 

 (あの様子だと爆発が起きる前、病院からも尾行にしてたろうな。でも、俺たちの様子に気を取られたのか。爆発に動転したのか。あからさまな視線と動きが見えるようになったな。)

 

 活動のスイッチが入った一人の男が『倉庫』から装備品を取り出し、R34の少し後方にある一台の車に視線を移した。

 

 (RX−7。全然気が付かなかったが、上から見たら分かる。自然体すぎる動きは、この騒ぎでは違和感しか無いな。)

 

 白いFD3Sを見据えつつ、ライフルを構えた。

 

 




 もう少しキレイに出したかったなぁ。公安警察たち。

コナンマニアが加入したので……

  • キリが良いところで投稿した話を修整
  • そのまま突き進め。
  • 甘えんな。修正と投稿をやるんだよ。
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