「何! この衝撃は……!?」
「見て下さい、空が!! 不思議な光を……!!」
総司令部の中が大騒ぎになりました。
通信手として働いている死神の一人が窓の外を指さしたその先には、まるで放電現象のような奇妙な光を放つ"何か"が空中に存在していました。
「
そしてこの
何の備えも無しに触れると分子レベルまで分解されるわけでして、これがあるから瀞霊廷内には外敵も易々と侵入出来ないわけです。
「あそこに衝突しても消滅しないとは……どれだけの密度を持っているんだ……!?」
あ、藍染が驚いてます。
分解されると言っても、何でもかんでも一瞬で粉々にするわけじゃありませんからね。分解に耐えられるだけの高密度の"何か"で外側を覆えば、今みたいに
……そういえば空鶴が以前、そんな凄く硬い障壁を発生させる道具を作ってたわね。散々自慢されたわ。
霊珠核、とか呼んでいたわね。
確かにアレは硬かったけど……そっか、アレを使って突入したのね。
なんとも乱暴なやり方よねぇ……
「見ろ! 光が……!!」
そう思っていると、光が四つに分かれて弾け飛びました。
それも都合の良いことに東西南北の四方向に分かれて。
あの光が、一護たちってわけよね。
えっと……織姫さんの霊圧は……あ、駄目だわ。わかんない。
本人の霊圧と爆発したときの霊圧とがぐちゃぐちゃに混ざっちゃってて、どれがどれだかさっぱりだわ……
霊圧が落ち着くまでのしばらくの間は、目視による確認しか出来そうもないわ。
これじゃ、探すのに難儀するわけだ。
「……藍染隊長。四つに分かれたあの光って、多分ですけど兕丹坊を倒した旅禍たち……ですよね?」
「ええ、おそらくは」
「じゃあ昨日の隊首会の時に鳴った侵入者発見の警報……アレ、一体誰が侵入したんですか?」
「「「「……ッ!?」」」」
疑問を口にした途端、場の全員が凍り付いたような表情で私の方を見てきました。
「報告によると兕丹坊を倒した旅禍たちは五名ということでした。先ほど飛んでいったあの四つの光に旅禍たちが一人ずついるとしても、一人分足りません」
「では、その一人が隊首会の時に見つかった侵入者だと!?」
砕蜂が食いついてくれました。
「可能性はあると思います。でも、それならその一名が見つかった時点でこんな目立つ方法で突入してくるよりも、何か別の手段を取った方が良いと思う」
「外部と連絡が取れない、または取れなくなった。という可能性もあるのでは?」
「ええ、藍染隊長の仰った可能性もあります。ですがそれでも、あまりにも連携が取れていません。別の何者かがいると考えた方が自然だと思います」
まあこの推理は、私が裏事情をある程度知ってるからこそ、こんなにも自信満々に言えるんだけどね。
「裏を返せば、私たちは"最初の侵入者がどんな相手なのか"の情報があまりにも無い――全員が"あの旅禍たちがやってきた"と思い込んでいたわけです」
けれど、思い返す度に感じるわ。
あの緊急アナウンスって、本当に絶妙なタイミングだったわね。
「ならば、別の存在がいるかもしれないというわけですか?」
「ええ。あの侵入者発見の報を鳴らしたのは誰か? その誰かは何を見て侵入者だと判断したのか? そこから調査しなおしですね」
「ならばそれは、二番隊にお任せください!」
砕蜂が意気揚々と発言してきました。
「あの一報は誰が発信したのか、見事突き止めて湯川隊長にご報告させていただきます」
「えーと……その情報は私じゃなくて、全員に共有してね」
「はい!」
私、役に立ちますよ!! だから頭を撫でて!! みたいな感情が透けて見えてるのよねぇ……
「ではその件は二番隊にお任せするとして。それと併せて、各隊士に"可能な限り旅禍を捕縛する"よう周知して下さい。仲間や協力関係などを調べます。いいですよね藍染隊長?」
「ええ、それは勿論。お願いします」
「はい!」
一応、こう言っておかないと殺されかねないので。
まあこう注意しても"勝手にやっちゃう"死神がいるんでしょうね……涅隊長とか。
「最後に、私も少し四番隊に戻っても良いでしょうか?」
「ええ、それは構いませんが……どうして?」
「あれだけ派手に突入してきたとなれば、血気に逸った隊士が群がりそうですからね。今後の方針や対処方法など、少し直接指示を出してきます」
確かここからは怪我人が大勢出てきたはず。
勇音が頑張って回してくれるとは思うけれど、トップが現場にいないのも問題だからね。
「なるほど、そういうことでしたら問題ありません。では、僕も五番隊に……」
「藍染隊長はこちらで総指揮を引き続きお願いしますね。何か用がある場合は、副隊長を通して指示をお願いします」
「え……? だめ、ですか……?」
あんたはここにカンヅメ! そう決まってるの!!
『先生、今日中にあと300ページ書かないと原稿が落ちるでござる! という具合でござるな!!』
うん、そんな感じ。
「勇音、状況はどうなってるかしら?」
「あっ! 隊長!! お帰りなさい」
「はい、ただいま」
総司令部を抜けて四番隊へ顔を出してみれば、私を見た途端に勇音は顔をパッと明るくしました。
助かった。という感情がありありと見て取れたわ。
「でもがっかりさせるようで悪いんだけど、ちょっと様子を見に来たのと指示を出しに来ただけ。またすぐに戻ることになるわ」
「そ、そうですか……」
ごめんね、本当はこっちに集中してあげたいんだけど……
あの藍染が気になって気になって。
「それで、夕べどうだった? 結果的に何も異変はなかったみたいだけど」
「はい。みんな、警戒していましたが何もなかったので。今は、交代で休憩を取っているところです」
「そう、なら良いわ。休憩組はできるだけぐっすり眠れるように気を遣ってあげて」
異常があると知らせを受けたのに、何も見つからないままって時間だけが過ぎていくのって、予想以上に神経や精神がすり減るからね。
しっかり休ませて気力を充填させないと潰れかねないから。
「あと、勇音も知ってるだろうけれど
「ええっ! あれ、そうだったんですか!?」
「遠くからだったから、よく見えなかった?」
「はい……明け方だったので、みんなで"アレはなんだろう?"って言い合っていました」
その現場、ちょっとだけ楽しそうね。
私も参加したかったわ。
「どうやらあの光が本命みたいよ。これから事態は大きく動くことになると思うから、今のうちに薬や現場に派遣する人員の確保なんかをしておいて」
「わかりました!」
一護たちが乗り込んできて、結構な数の平隊士がやられるのよね。
だから…………
……あれ?
一護って吹っ飛ばされた直後に一角と戦ったんだっけ……?
頑張れ私の記憶!! ちゃんと思い出して!!
今の一護じゃ、ちょっと特訓した程度じゃ絶対に一角には勝てない……主人公補正とか斬月が協力するとかそういうレベルじゃないくらい、一角は強くなってるもの……
大丈夫! ちゃんとお願いしたから見逃してくれる……だ、大丈夫……よね……?
「大変です副隊長! あ、先生もいらしたんですね!?」
「ええ、ちょっと戻ってきたの」
血相を変えた様子で慌ただしくやってきたのは雛森さんでした。
「それで桃、何かあったの? 勇音に用事があったみたいだけど」
「あっ、そうでした! 先ほど、緊急の連絡が入って!!」
一護たちが暴れてるって連絡かしら?
もしくは……たしか茶渡君も暴れてた……ような気もするけれど、その辺かな?
「怪我人が大量に出たそうです!!」
「……え?」
怪我人が……大量に……?
「しょ、詳細は!?」
「なんでも、鬼道を受けたような怪我をしている者が多数いるらしいです! 規模や怪我人の詳しい情報は不明とのことです!」
ちょっ、ちょっと!? 何それ、どういうこと!?
あの子たちってそんなにアグレッシブだったっけ!?
「それって、件の旅禍が暴れているってことですか!?」
「ええ、副隊長。そうみたいです。瀞霊廷でも見かけない死神が暴れているとか……それ以外にも色んな援軍が大勢いるとかで、現場が混乱しているみたいで詳細な情報が……」
「わかりました! 至急、救護班を送りますから!」
「私もここに残って手伝うわ」
「ありがとうございます隊長!」
流石にこの状況、見過ごせないものね。
でも……一体何がどうなってるの!?
※ 今週の今日の一護も、特別拡大版を別枠で放送予定です
●初代護廷十三隊がアニメで公開(時事ネタ)
なにあの六番隊隊長……なんでツインテールが被ってるの!?
何なの不老不死って!? 教えて斉藤さん!!
そりゃ十一番隊の隊長(に出戻った人)も気遣うわよ!!
なんなの鹿取抜さん!!