「おーい! 来てあげたわよっ!」
「あら雀蜂、何か用?」
隊首執務室でお仕事をしていたところ、窓から実体化した雀蜂が飛び込んできました。
なのでお仕事の手を止めて、彼女の言葉に耳を傾けます。
「ごめんなさい、今日はお菓子は作っていないんだけれど……」
「えっ、そうなのっ!? ……じゃなくて、ケンコーシンダンに来たのよ!!」
「……? ああ、健康診断ね」
「そうそれ! ちゃんと来たんだから、感謝しなさい!!」
「そ、そう……」
私の顔の前で静止すると、雀蜂は小さな胸を大きく仰け反らせます。
彼女は胸元が大きく開いた格好をしているので、そんな体勢をするとすぐにでもこぼれ落ちそうなんですよね。
……何がとは言いませんが。
「でもね雀蜂、言いにくいんだけど……その……あなたを診るのは私にはちょっと荷が重いかなぁって……」
「ええーっ! なんでよ!?」
「その、体格差が……」
やろうと思えば片手で胴体全部を掴み取れる程度の大きさしかない雀蜂を相手に、自分の技術が通用するとは思えないの。
いやまあ、あの時は勢いで言っちゃったけれどね。凍雲と交流して心が洗われたっていうか……その……
だって雀蜂って小さいんだもん!
言うなれば美少女フィギュアに興奮するみたいな……いやまあアレはアレで確かに興奮するけれども!!
だからって手は出さないでしょう!?
「えー、やだやだ!! だってみんなやってるんでしょう!? だったらあたしも診てよ!!」
「う、うーん……」
顔の前、空中で器用に駄々を捏ねています。
その様子を見ていると、診察しても良いかなって思うんだけど……
ただ、どっちかっていうと彼女の場合、昆虫採集セットとかの出番の気がするのよね……ピンセットとか、赤と青の注射液とか用意しておかないと。
それこそ涅隊長の領分なんじゃないかしら……
「……わかったわ。一応診察はしてみるから」
「えへへ、やった! そうこなくっちゃ!! さ、お願いね」
「え、ええ……」
そう告げれば雀蜂は態度を一変させ、机の上へと降り立ちました。
そのまま机の中央を陣取ると「さあ来い!」とばかりにポーズを決めて視線をこちらに投げてきます。
まさか、執務机の上で健診することになるとは思わなかったわ。
まあ確かに、この体格だとむしろお布団の上より机の上の方が都合が良いんだけど……というか雀蜂もその場所でいいの!?
座布団くらいは用意してあげるべきかしら……?
「じゃあ、いくわね」
一言告げてから、彼女の身体に指で触れます。
まずは腕から。
腕と言っても親指と人差し指で全体を摘まめそうな程に細く、下手に力加減を間違えるとぽっきりと折れてしまいそうで。
触れるこちらの方が気を遣ってしまいます。
そうは言っても隊長格の斬魄刀。
指先からは確かな力強さが感じられます。感じられますが、心情はまた別です。
「うん、平気みたい……だけど……」
「あはははは! くすぐったい!!」
続いてむき出しのお腹を指先で擽ります。
小さくへこんだおへその穴がセクシー……だと思います。
……無理だってばコレ! 絶対に無理!!
だっておへその穴を見て最初に浮かんだのが「精巧」って言葉なんだもの!
お腹をさすりながら胸元にも触れてるのよ!! でもイマイチわかんないの!
たしかになんとなく柔らかいんだけど、雀蜂ってぺったんこなの!
しかも雀蜂に触っていると、くすぐったいのか笑っちゃって。そんな気分になれないのよね。
身体を硬くしているんだけれど、それは笑いからの緊張であって……
見てる分には可愛いんだけど、手を出すには難易度が高すぎだったわ。
みんな、ごめんなさい。
私の手には余る案件だったわ……私はなんて無力なのかしら……
「……うん、大体わかったわ。霊圧も補充しておいたから、もういいわよ」
「えっ? もう終わりなの!?」
それでも一通り撫でて診察を終えて告げると、驚きの声が上がりました。
「ええ、もう終わりよ」
「ええーっ!」
続いて不満そうな声が上がります。
だって物理的に面積や体積が少ないからすぐに終わっちゃうのよ!?
私にどうしろっていうの?
「あの油はどうしたの!? あれは使ってくれないの!?」
油というのは間違いなく、射干玉印の特製マッサージオイルのことでしょう。
普通の女性死神相手だったら催促されるまでもなく自発的に使うんだけど、雀蜂が相手となると……ねえ?
「使わなきゃ駄目?」
「駄目! 絶対に駄目ッ!!」
「……どうして?」
「えっ……!?」
なにやら意固地になってリクエストしてくるので逆に質問してみたところ、雀蜂は虚を突かれたように視線を逸らしました。
「それは……」
「理由を教えてくれないと、こっちもそう簡単には使えないの」
「うう……」
頭を抱えてしばらく唸っていたかと思えば、再び空へと舞い上がり私と視線を合わせてきます。
「だって、砕蜂が悪いのよ」
「……? 砕蜂がどうかしたの?」
「アイツ最近また夜一夜一って言い出してるんだもの……せっかく卍解だって使ってくれるようになったのに……そんなの悔しいじゃない……」
言葉にしている間に恥ずかしく、そして気持ちが消沈してきたのでしょう。
口に出すにつれて再び視線が逸れていき、せっかく飛び上がったのに高度もじわじわと低くなってきました。
「だから、美人になるって評判の湯川のマッサージで、もう一度あたしの方を見て欲しかったの……!!」
なるほどなるほど。
蓋を開けてみれば、斬魄刀らしい。とても可愛い理由でした。
「なるほど。そういうことだったら、良いわよ」
「ほ、本当!?」
「本当だってば。ちょっと待ってて、今すぐに準備するから」
「うん!」
やたらと上機嫌な視線を背中に感じながら、私はオイルの準備をしました。
「はい、お待たせ。まずはこの中に入ってね」
「何コレ? 金属の四角い……おぼん?」
「これは
机の上に置かれたバットをしげしげと興味深そうに見つめています。
あ! ボールを叩く方じゃなくて、金属製の平たい容器の意味のバットですよ。
「これからマッサージ用のオイルを使うんだけど、雀蜂の場合は大きさがちょっと、ね……だから零しても問題ないようにしたの。窮屈だとは思うんだけど、良いかしら?」
「うーん……まあ、仕方ないわね」
しぶしぶといった様子でバットの中に入ると、おもむろに寝そべりました。
続いて感触を確かめるようにツンツンと底面を突きます。
「へえ、結構フカフカじゃない。悪くないわ♪」
底には脱脂綿を敷いておきました。
そのままだと冷たいだろうし、下手に怪我をされても困るからね。
どうやら気に入って貰えたようで、ペタンと座り込んだまま上機嫌です。
「それじゃあ、オイルを掛けるわね。ちょっと冷たいかもだけど、そこは我慢我慢」
準備が出来たところで、雀蜂の身体目掛けて上からオイルを垂らします。
「わぁっ!」
「ごめんね、少し多かったかしら?」
普通の死神相手なら半分もない程度の量に留めたつもりなのですが、どうやら彼女の体格ではそれでもまだ多かったようです。
流れ落ちた粘液がべっとりと雀蜂の身体にまとわりつき、彼女の全身を濡らします。
粘ついた液体が髪に絡みつき、顔の上をでろりと流れ落ちていきます。
凹凸の少ない肉体ではあるものの、座り込んだ姿勢のおかげか胸元の僅かな膨らみや、おへその穴へと粘液がダマになったように絡みつき、そして股の付け根の辺りにじわじわと溜まっていきました。
「……ヌルヌルしてる……こんなの、本当に効果あるの……?」
ねっとりとした液体を全身に塗れさせながら、当人は顔に付いたその粘液を指先で掬い上げました。
粘性が強いため、そのまま粘液は指先と顔との間に粘液の橋が架かります。
「ん……うぇっ、変な味……」
「ふふ、まあ舐めるものじゃないからね。味の保証はできないわ」
そのまま指先を口に含んだかと思えば、即座に吐き出しました。
鈍く輝く透明の橋が今度は口元にも架かり、やがて糸を引いて流れ落ちます。
「それじゃあこれからマッサージを始めるわよ。でも、大きさに差がありすぎるから、私の手じゃあなたのマッサージは無理なの」
「じゃあどうするのよ? まさかコレで終わりじゃないわよね!?」
全身の半分近くをオイルで照り返させながら、不安そうに尋ねてきます。
「だから手じゃなくて、コレを使うわ」
「ええっ!? そ、それって……」
取り出したのは筆と綿棒です。
見た瞬間、何をされるのかわかったのでしょう。雀蜂の額に一筋の汗が流れました。
「だ、大丈夫なの……?」
「任せて。これでも四番隊の隊長なのよ。筆では文字をたくさん書いているし、綿棒だって使ったことはあるからね」
「そ……それって安心出来な……っ!! んんっ……!!」
筆にたっぷりとオイルを染みこませてから、毛先でお腹を擽ります。
すると雀蜂は、先ほどまでの指での反応が嘘のように艶っぽい声を漏らしました。
「はい、次は綿棒よ」
「やっ……だ、だめ……ぇっ! だめな……の……っ!!」
身体の上に纏わり付いた粘液を絡め取らせると、綿棒をおへその穴に"ちょん"と押しつけ、何回か回転させます。
すると我慢出来なくなったのか気持ちよさそうな声を上げながら倒れ込み、背中を着けました。
「やんっ……そこは……そっちも……ぉっ!」
筆はそのままお腹から上に移動し、胸元を毛先で撫で回します。
粘液に包まれているとはいえ毛先のチクチクとした感触がむず痒いらしく、雀蜂は筆から逃げるように身悶えています。
筆と同時に綿棒も動かしています。
こちらはお腹から下へ、身体の流れに沿ってなぞるように動かし、股の間まで来たところで腿の付け根をなぞるように刺激を与えていけば、まるで腰が砕けたようにくねらせ始めました。
「ちょ、ちょっと……まって……てば……っ!」
刺激に耐えきれなくなったのか、胸元を覆う筆をなんとか押しのけようと。綿棒から逃れるように両脚を閉じようと。
目の前の危機から逃れようと身体を丸めようとします。
「ちょっと力を入れすぎた? ごめんなさい、もう少し弱くするからね」
「そ、そうじゃ……ひゃああっ!!」
逃れようとする動きから巧みに逃れ、筆の先が胸元に押しつけられました。
オイルという粘液によって整った穂先がおっぱいの頂点を撫で回すように小刻みに動かされて、切羽詰まった声が上がります。
筆から指に伝わってくるのは、微かな柔らかさの感触。
撫で回すように動く毛先に、まるで「負けてなるものか」と奮起しているかのように頂が屹立しており、まるでピンク色の可愛らしい蕾が膨らんでいるかのようです。
「ん……っ! んん……っ!! あああっ!」
綿棒も、閉じた両脚の付け根へと強引に押し込み、お尻から股の間を擦りつけるようにして動かします。
こちらは筆よりも硬いため、感触がより強くわかりますね。
痩身ではあるものの太腿から付け根辺りのぷにぷにとした感触が指先に伝わり、これ以上動かすまいと両腿でぎゅうっと綿棒が締め付けられました。
なので再び回してやると、切なそうな声が上がります。
「や、やめ……わぷっ……!」
その刺激から逃れるように身をよじったところで、雀蜂はバランスを崩し顔から脱脂綿に突っ込みました。
とはいえ脱脂綿は柔らかく、十分に厚みを持たせているので怪我はありません。
ですがマッサージオイルをたっぷりと吸ったそこへ顔を突っ込んだわけですから――
「うぷ……うぇ……うえぇぇ……っ……」
当然、前髪から顔までべっとりと粘液で塗れることとなりました。
とろりとした粘り気のある液体が顔を汚し、さらには倒れた際に口に含んでしまったようです。
今にも泣き出しそうな表情になりながらも、舌を突き出してどろどろの液体を懸命に吐き出していました。
「……もう、止めておく?」
「そうするわ……うえぇぇ……べとべと……どうしよう……」
「すぐに清潔な布と、身体を洗う物を持ってくるから。ちょっとだけ待ってて」
「早くしてよね!」
「勿論」
ぷりぷりと今にも怒り出しそうな雀蜂から逃げるようにその場から離れ――ようとして、ふと立ち止まります。
「……あ、それと雀蜂」
「何?」
「気のせいか、さっきよりもぐっと色っぽく見えるわよ」
「え……え……っ!?」
そう告げると相手からの返事も待たずに部屋を離れました。
主のいなくなった部屋の中からは「え、えへへ……」という声が、微かに聞こえたような気がしました。
500ミリのペットボトルを雀蜂に見立てて頑張りました。
(美少女フィギュアとかなら、もう少し妄想しやすかったのかな?)
アニオリの雀蜂さん割と言うタイプ(ド正論)なんですよね。
(こっちの世界はそれほどでもない設定)