「むっ……! お前は……」
「一応、初めましてと言っておくわ。私はネリエル・トゥ・オーデルシュヴァンク。元だけど
「そうか……やはり私の考えは間違っていなかったということか」
元の姿に戻ったネリエルを連れて戻ったところ、さっそくハリベルが食いつきました。
彼女は元々ネルちゃんを見て「ひょっとして……」と疑っていたこともあってか、その反応は上々です。
強者を見つけた時のそれ、とでも言うんでしょうかね。
「コイツ、あのネルって
「う、嘘だ……」
「信じられません……」
アパッチたちは、信じられないといった目で見ています。
それでも彼我の霊圧の差を感じ取っているのか、手を出すこともなく遠巻きに眺めているだけでした。
そして、三人と同じように困惑しているのがもう一人。
「ネルちゃん……なんだよね?」
「ええ、そうよ」
桃です。
彼女からしてみれば、ちょっと目を離した隙に大人の姿になって戻ってきたわけで。事前に「そうなるかも」という話は聞いていたものの、俄に信じられないようです。
おっかなびっくり、疑うような眼差しでネリエルのことを見上げていました。
ネリエルはそんな桃の様子に、少しだけ悲しげな表情を浮かべながら切なそうな声で呟きました。
「――桃ちゃん」
「あ……っ! そ、その呼び方……!!」
「小さな私と一緒にいてくれて、どうもありがとう」
「覚えてる……の……?」
「ええ、勿論よ」
「ネルちゃん!!」
桃が嬉し涙を流し始めました。
短くも内容の濃い時間を一緒に過ごしていただけに、ネルちゃんに色々と思うところがあったようで。
それでも共通の経験や思い出が失われたわけではないと分かり、一安心したようです。
その後ろでは――
「ああーっ! アンタたち!!」
「お前は……まさか生きていたのか!?」
「ギクゥゥッ!! ……や、やあ久し振り! 元気だったかな!?」
「ええ……おかげさまでね。
「それで? まさか僕に復讐でもするつもりかい?」
「フン! 今のアンタは見逃してあげるわ……アンタはね」
「ハハハハハ! なーんで私の肩を掴むのかな? 申し訳ないが今日はこれからジャパニーズ・カラーテの稽古に行かなきゃならないので……」
「何が
「ぎゃあああああ!! お、お助けぇぇぇっ!
「何を気安く名前を呼んでるのよ!!」
「わーっ! わーっ! だって名前を呼んで良いっていったんだもん!! 本当なんだもん!!」
――…………うん。
『
聞こえない聞こえない。
だって……
「まさか、生きてやがったとはな……」
「それはこっちの台詞だ」
剣呑な雰囲気が漂っています。
発生源はウルキオラとグリムジョーの二人からですね。
今現在、
この二人の間にもある程度の因縁はあったはず。
元々は一護を狙っていた相手同士……なんですけれど、確か今のグリムジョーって海燕さんにご執心だったはず……だから喧嘩するような事にはならないと思っていたんですが。
この様子を見るに、どうやらそこまで単純でもないみたいですね。
とにかく、一触即発の空気です。
「……チッ! テメエに関わってる暇なんざ俺にはねえんだよ!! まずは志波の奴からだ!!」
「奇遇だな。俺もお前に殺されてやるわけにはいかなくなった」
と思ったら、そうでもなかったようですね。
にらみ合っていたはずの視線が、あっさりと外れました。
どうやらそれぞれ意中のお相手がいるから、内輪揉めしている場合じゃないみたい。
何にせよ、もう戦いはお腹いっぱい。
これ以上は本当に、ごちそうさまよね。
『あの、
そういえば、
持っていたら分けて貰えないかしらね。
『残っている戦い、決着が付いたでござるよ』
えっ! 本当に!?
うわぁ……本当だわ……
ヤミーが倒れてる。
完膚なきまでに叩き潰されてるし、なによりあの巨体……治療は、ちょっと無理……ね……
『
相手が巨大過ぎて、治療が間に合わない。
なによりほら、ヤミーを見てごらんなさい。
怪我の具合があり得ないもの。
上半身には野晒で斬られた裂傷が、嫌ってほど走ってるの。
あれ、塞ぐだけで一苦労なのよ。野晒の刀身ってある程度ギザギザしているから、普通よりも治すのに手間が掛かるの。
それに加えて全身に、千本桜の細かな裂傷が無数に走ってるし。
あの傷跡は多分、蛇尾丸でやられた傷ね。
あっちは……アレって
海燕さんも、多分何かしらしたんだと思うけれど……
と、とにかく! アレは無理!! あの巨大なサイズだからまだ生きているけれども、巨大なサイズだから治療が間に合わない!!
けど普通のサイズに戻ったら、生命力が足らなくてすぐに力尽きちゃう……!!
はぁ……無力ね、私って……
こういう場合は想定してなかったわ。なにか方法を考えておかなきゃ。二度とこんな無様な想いをしないためにも。
でも今は。
「お疲れ様でした、皆さん。お怪我はありませんか?」
「ああ、湯川。そっちこそお疲れ様。俺は大丈夫だけど、海燕たちを診てやってくれるか?」
「わかりました」
ヤミー討伐を終えた死神たちの治療です。
流石にあのサイズと霊圧は強敵だったみたいで、怪我をしていますね。
そっちの治療を――
「あん? なんだ、まだ楽しそうな相手がいるじゃねえか」
「あっ! ちょっと更木副隊長!! ダメです! そこにいる
――食指が動きかけた更木副隊長を、必死になって止めます。
ハリベル・ウルキオラ・グリムジョー・ネリエル・チルッチと、
斬り合いをしたいと思うのも当然でしょう。
「ここにいるのは全員、暫定だけど私たちに協力してくれる相手です! 一応味方です! それと全員、予約済みです! それぞれ狙っている相手がいるからダメですよ! 絶対にダメぇ!!」
「なんだ……つまんねぇな……ちょいとつまみ食いするくらいは……」
「ダメです!!」
せっかく生き延びたのに、ここでひっくり返されてなるもんですか!!
いざとなったら全力を出してでも止めてみせるわ!! 主に私の為に!!
『その決意、仮にグリムジョー殿辺りを狙われた場合は見て見ぬ振りをしそうでござるな』
「湯川、お前も大変だな」
「
浮竹隊長とハリベルの二人から、ねぎらいの言葉を戴きました。
とあれ全員の治療もして、説明もしました。
これでやることは全部やれたわよね?
現世の方も落ち着いたみたいだし、もう帰っても大丈夫……よね?
うん! 大丈夫!!
それじゃあ、ばいばい
風呂敷畳んで、いったん帰りますよ。ということ。
(全部終わったらまた
●ヤミー
(原作同様)こっちでも描写省略。
戦闘描写したり加入描写より、白いヌルヌルを優先した結果。