お前は天に立て、私は頂をこの手に掴む   作:にせラビア

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(ネタの性質上、30分後にもう1話投稿します(よって本日は2話更新です)
 ご了承ください)

今回は最初の3行だけ読めば全て片付きます。
それ以降は特に目を通す必要はございません。
(いわゆる「読むなよ? 絶対に読むなよ?」という物です)



第261話 鏡花水月が卍解?するようです

 一護が藍染を倒しました。

 めでたし、めでたし。

 

 はい、今回はこれで終了よ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……え? それだけか、ですって……?

 

 ええ、そうよ。それだけよ。

 私たち虚圏(ウェコムンド)突入組が現世に戻ってきた頃には、もう全部がすっかりサッパリきっちり終わってたの。

 私の出番なんて、一切無かったわ。

 

 出番が無いのに描写なんてするわけないでしょ。

 

 でも、まさかこんなオチがつくなんて思ってもみなかったわねぇ。

 ほら覚えてる? 私、破面篇のラストちょっと前くらいまでしかちゃんと読んでなかったから。そういう設定だから。

 だから、ある意味感動っていうか、貴重な体験っていうか……

 

 読む側じゃなくて、参加する側に立って知らされるなんてそうそうないもの! 話を聞いててワクワクしちゃった!!

 

 あっ! でもこの後で滅却師(クインシー)が襲ってくるのは知ってるの。

 ネットでちらっと見た程度だけどね。

 

 そういうわけだから、今回はもう本当にこれでおしまい。

 お疲れ様でし――

 

 

 

 ――……え? 何、どうしたの?

 ええっ!! 話せって言うの!? 何があったかを!? 私が!?

 

 なんで……?? なんでそんなコトするの????

 だって! 皆さんも知ってるでしょ!? なんだったら私よりもずっと詳しく知ってるはずでしょう!?!?

 一護がどうなったとか、藍染がどうなったとかを!!

 それを、まだちゃんとした情報を知らない私が語っても、面白くもなんともないでしょ!!

 

 あと繰り返しになるけれども、私の出番全然無いのよ!! なのに一人称視点でそれをやれっていうのは、どう考えてもおかしいでしょう!?

 

 …………

 

 ……やらなきゃ、ダメなの? どうしても……??

 

 ああっ、もうわかったわよ!! わかったから頭を上げて頂戴!!

 んもう……仕方ないんだから……

 

 は? チョロい……? って!! わ、私はチョロくないからねっ!!

 

 まったく……いい、一回しか言わないからちゃんと良く聞いててね!!

 

 聞いて後悔しても遅いわよ!!

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 現世に帰還した一護だったけれども、藍染の力は凄まじいものだったの。

 崩玉と融合した藍染の力の前には一護も、総隊長も、浦原や夜一さんたちも。誰も敵わなかったのよ。

 なす術もなく倒れていって、ついには本物の空座町への侵攻を許してしまったの。

 

 何故か藍染は、一護の友達やドン観音寺と追いかけっこを楽しんでいたみたいだけど。

 あと、乱菊さんのために市丸が奮戦したそうです。

 

 ともあれ。

 そんな絶望的な状況の最中、断界(だんがい)で修行を積んだ一護が藍染の前に立ちました。

 パワーアップした圧倒的な力で空座町から無理矢理引き離し、荒野まで場所を移動させました。

 周囲に何もない場所なら、どれだけ暴れても被害は出ませんからね。

 それはつまり、周囲に被害が出るくらい凄まじい戦いがこれから起こるということでもあるわけで……

 

 こうして、一護と藍染。

 二人だけの最終対決が始まりました。

 

 

 

「なるほど、理解したよ黒崎一護。だが、絶望するが良い。今の私には遠く及ばないという事を」

 

 一護がパワーアップしたことを認めつつも、藍染は右手の斬魄刀を構えました。

 藍染が殺気を放つ中、けれども一護は涼しい顔のままです。

 それが癪に障ったのか、それとも反対に諦めの境地に至ったのだと理解したのか。不敵な笑みを浮かべながら続く言葉を口にします。

 

「黒崎一護、君は不思議に思わなかったのかな? 私が今まで卍解を使わなかったことを」

「なに……?」

「君たちを相手にするのに、始解で十分だと侮っていた? それともまさか、卍解を使えないと思い込んでいたのかい? だとしても想定くらいはしておくべきだろう。滑稽を通り越して哀れにすら思えるよ」

 

 微かに、ほんの僅かにですが、一護の表情が曇りました。

 鏡花水月の――完全催眠の能力は始解に該当します。始解でこれほど強力ならば、果たして卍解はどれだけの物なのか。

 

「光栄に思いたまえ。この卍解は、今までこの私ですら扱いきれなかった……それほどまでに強烈なものなのだ。だが、真に崩玉の主となった今の私ならば十全に堪能することも出来よう!!」

 

 語っている内にテンションが上がったのか、藍染の言葉にも熱が入ります。

 

「味わいたまえ! 卍解! 鏡花水月(きょうかすいげつ)純米大吟醸(じゅんまいだいぎんじょう)!!」

「……は?」

 

 卍解が発動し、藍染の霊圧が一気に十倍近く膨れ上がりました。

 そして一護の口からは、間の抜けた声が漏れました。

 

「うぃ~……ひっく!!」

「うっ……!」

 

 それまでの真面目な表情はどこへやら、藍染の顔は真っ赤に染まっていました。

 目は虚ろに、足下はふらふら。オマケに吐く息は酒臭いことこの上なし――どころか、辺り一面にまで強い酒の匂いが立ちこめているようで。

 思わず一護が手で鼻を摘まむほど強烈です。

 

ろうらぁ(どうだ)……ひっく! ほれほほら(これこそが)ひょーひゃひゅいげちゅ(鏡花水月)の、らんらい(卍解)! はほり(香り)はみゃみ(甘み)ひれ(キレ)ゆーろうひら(融合した)、みごとな……実に見事な……ひぃっく!!」

「鏡花水月の卍解って、まさか酒かよ!? 持ち主が酔っ払いになるだけかよ!!」

ひょってらんかひない(酔ってなどいない)! ほれほそがろーりょく(これこそが能力)! ひゅーいひっらいほへーてーひょーらい(周囲一帯を酩酊状態)よほほほほほほほほほほほほ(にして酔い潰すのだ)っ!!」

 

 ……えっと、分かりにくいと思うからちゃんと解説入れるわね。

 

 まずこれが、鏡花水月の卍解。

 簡単に言ってしまうと、酔い潰す能力なの。

 

 その刃の光を一瞬見ただけでも。

 その刃が空を切り裂く音を刹那ほど耳にしただけでも。

 その刃の存在を肌で感じただけでも。

 

 瞬時にして酔い潰れてしまう。

 

 酩酊状態になった相手は、もはや五感にどんな刺激を受けても感じる事は無い。

 身体中を切り裂かれようとも、鼓膜が破けるほどの音を聞こうとも、スコヴィル値(辛さの単位)が1000万を超えた物を口に突っ込まれようとも。

 全て無反応。

 これこそが究極の五感支配。

 しかも酔っていた間の記憶は一切無い。

 

 ところが! この能力は無差別だったの!

 持ち主である藍染ですら一瞬で酔い潰してしまうほど強力だったのよ!

 

 崩玉と融合したことでようやく、今みたいに意識を保っていられようになった。

 スッキリとしたキレのある深い味わいを、純米大吟醸の豊かな味わいを、別次元の霊圧を手に入れたことでようやく、余すところなく堪能できるようになったのよ!

 

 ……それと、ここまで言えばもう想像が付いたでしょう?

 

 鏡花水月の始解は、実は完全催眠じゃなかったの!

 酔っ払って、見えてはいけないものが見えていただけだったのよ!!

 

 道ばたで顔を真っ赤にして寝てる人、いるでしょう?

 アレ全部、鏡花水月だから。

 

 頭にネクタイ巻いてお寿司の折詰を持っている人、いたでしょう?

 アレ全部、鏡花水月だから。

 

 たまに、電柱とか立て看板とかにぶつかって「気をつけろ!」とか「ああ、こりゃあどうもすみません」みたいに、無機物に本気で対応している人っているでしょう?

 アレ全部、鏡花水月だから。

 

 年末年始とか金曜の夜とかで道ばたに吐瀉物があったり、駅のホームとか電車の中で"おがくず"が撒かれている場所を、一回くらいは見たことあることでしょう?

 アレ全部、砕けろ鏡花水月された痕跡だから。

 

 鏡花水月が卍解したらどんな能力だったのか、時々ネタにされたりするでしょ。

 幻覚を真実にするんじゃないか? 無い物をある様に見せかけるんじゃないか? 認識すらも操ってしまうんじゃないか!?

 そんな考えが一般的だと思うんだけど、違うから。

 そもそも、出発点が間違ってるから。催眠じゃなくてただの酔っ払いだから。

 

 仕方ないわよね……斬魄刀の能力って、自己申告制だから……

 藍染が本当のことを言ってるかすら疑わないとダメだからね……

 だから間違っちゃうのも仕方ないことなのよ……

 

「…………オラァ!!」

「へぶっ!!」

 

 しばし無言だった一護ですが、ジト目をしながら藍染をグーで殴りました。 

 

ひょ、ひょんなぁ(そ、そんな)!! ろーひてひさまはひょっはらってひない(どうして貴様は酔っていないのだ)!? おろろろろろろろ(まさか私の卍解を無効化している!?)ろろろろろろろ(それほどの力があるはずがない)!!」

「馬鹿かテメエは!! そんな能力が効くはずがねえだろうが!!」

「っ!? にゃん(なん)……にゃにゃん(だと)……!?」

 

 卍解の能力範囲内にいながら酔った様子は一切見られません。

 驚愕している藍染へ向けて、一護は当然のごとく言い放ちました。

 

「俺は十六歳の高校生!! 未成年で学生なのに酒で酔っ払う描写なんざ、出来るワケねえだろうが!! そんなもんお天道様が許しても集●社が許さねえんだよ!!」

「ガーーーーーーン!!」

 

 コンプライアンスに厳しいご時世、ド正論でした。

 

「わ、私が……間違っていたのか……」

「おう! みんな、お酒は二十歳になってから!! 俺との約束だぜ!!」

 

 と、落ち込む藍染を背景に。

 一護はガッツポーズを決めながら、にこやかな笑顔で決め台詞。

 

 未成年者飲酒禁止法に抵触したことで、藍染惣右介はお縄となりましたとさ。

 

 めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

 

 ……いやいや、本当に驚いたわ。

 まさかこんなオチだったなんて、夢にも思わなかったもの。

 

 ね、みんなも知っての通りの展開だったでしょ? 本誌だったり単行本だったりアニメだったり、媒体は違ってもオチまでの流れは一緒なんだから。

 だから私がわざわざ解説するまでもないって最初から言った……

 

 ……あら?

 どうしたのその顔? お腹でも痛いの?

 え? 知ってる流れと違う? またまたぁ! 冗談が上手いんだから!

 

 冗談……じゃない、の?

 

 本当なら一護が斬魄刀と一つになって無月で圧倒して、最後は藍染が封印されて終わるはずだろ……?

 本誌も単行本もアニメもそうやって終わった、ですって……??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一体いつから――自分(読む側)は鏡花水月に掛からないと錯覚していた?

 

 




だから「聞いて後悔しても遅いわよ!!」って言ったじゃないですか。
(思いついてしまったのでやりたかっただけ、ボケたかっただけです。
 なお微塵も後悔してません)

●鏡花水月
四字熟語。
鏡に映る花や水面に輝く月のように、目には見えても決して触れられないものの例え。

●純米大吟醸
アルコール添加なし。精米歩合50%以下。
米と麹と水だけで作ったその名の通りのピュアライスSAKE()

●卍解(妄想)
鏡花水月 ⇒ 鏡月 ⇒ お酒 という単純すぎる連想から。
転じて「美味いお酒なのに味わえない」という能力。

そりゃ藍染さんだって、全てを忘れて一人飲みたい日もあると思います。
(あと神話などで「強敵(八岐大蛇とか)を酔い潰して倒す」のは定番です。
 よって酒属性は、ネタでもガチでもイケるはず)

以下、もしもの展開の妄想。

・斬魄刀の中の人は、酔っ払ったオジサン。
・初回、刃禅したら中の人が赤ら顔のオジサンでがっくり肩を落とす藍染。
・酔っ払い特有の支離滅裂な会話の中から「鏡花水月」の名前を知る藍染。
・始解を「これ酔ってないから。完全催眠だから」と自己暗示する藍染。
・卍解の試練は飲み比べ(と言う名の宴会)で、色々と嫌になる藍染。
・その結果「私が天に立つ! 斬魄刀は不要!!」とキマる藍染。
・それはそれとして、便利だから始解だけは使ってしまう藍染。
・自己嫌悪で5リットル2000円の安酒で酔い潰れる藍染。

●おがくず(大鋸屑)
木材を加工するときに生じる目の細かい木くず。
(用法は色々とあるが、ここでは清掃用としての利用について)

「砕けろ鏡花水月」した場所に撒き、水分を吸収してから掃除をすると便利。
吸収・吸着・消臭・抗菌の効果を持っている。
粉状なのでデコボコの場所にも強い。安価というのも頼もしい。

(なお駅には「おかくず箱」という物がある。
 具合が悪くなる人のリバースの対応のため、おがくずは必須。
 また2017年には、おがくずに代わるアクセスクリーンという物も登場した)


●謝罪
書いてる人が感想返信とかしてる際は、ほぼ確実に鏡花水月の完全催眠に掛かった状態です
よって高確率で支離滅裂な内容になっており、毎回大変ご迷惑を掛けているかと思います。
ごめんなさい。
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