お前は天に立て、私は頂をこの手に掴む   作:にせラビア

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第265話 マッサージをしよう - ティア・ハリベル -

「やはり……まだ届かないか……」

 

 互いに斬魄刀を向け合ったまま、警戒は怠らずに。けれどもハリベルだけは肩で息をしながら、悔しそうに呟きました。

 それでも最後の意地とばかりに私を一睨みすると、ゆっくりと斬魄刀を下ろし殺気を解きます。

 その段になってから、私も斬魄刀を納刀しながら彼女に倣って殺気を消します。

 

「付き合わせて、すまない。お前が尸魂界(ソウルソサエティ)に戻ってから数日、私も少しは精進したつもりだったのだが……」

「ふふ、確かに研鑽したのはわかったわ。でも私にも少しは意地があるんだから、そんなに簡単に負けてあげない」

「数日の鍛錬でお前と肩を並べた、などと思い上がった事は言わぬ。この結果はむしろ当然、自分自身の位置とお前までの距離を再確認したかっただけだ」

 

 残念そうに、けれどもどこか「この結果は当然だ」とばかりに晴れ晴れとした表情をハリベルは浮かべていました。思わず見惚れてしまうほどに綺麗ですね。

 彼女の呼び出し、その用件は"手合わせ"でした。

 以前戦った際のような敵味方としての関係性ではなく、鎬を削って切磋琢磨しあう仲間とでもいうのでしょうか。

 そういった立ち位置でもう一度戦い、確認したかった――それが目的だったようです。始解に卍解、帰刃(レスレクシオン)も特に行わない素の実力だけをぶつけ合う戦い。

 事実、ハリベルの太刀筋からも真摯な感情がありありと伝わってきましたから。

 

 ……真剣な想いに押されてしまい、胸元や太腿を見る余裕は全然ありませんでした。

 

 そして、二人の気配が霧散したことでようやく、外野の方から未練がましそうな声が聞こえてきました。

 

「あぁ……!」

「くそっ!」

「口惜しい、ですわね……」

 

 彼女たちは見届け人、というより、野次馬と呼ぶべきかしら?  ハリベルが動く以上は、同じ場所にいるのも当然のことで。私とハリベルが試合っていたのを少し離れた場所でじっと見ていました。

 「なんで勝つんだよ」みたいな視線を私に向けてきます。

 

 ……つい数秒前まで、呼吸も忘れて食い入るように真剣に観戦していたんですけどね。

 

「だが、お前にも意地があるように私にも意地がある。精々背後に気をつけることだ」

 

 うかうかしていると後ろから追い抜くぞ。という、自分が後塵を拝しているという自覚を踏まえての冗談です。

 フッ、と鼻で笑いながら冗談めかすその姿は、驚く位似合ってます。おっぱいが付いたイケメンってこういうことを言うのねきっと。

 そのままハリベルは颯爽とこの場を後に……

 

 

 

 ……あ、ちょっと待って! 好機、コレは好機!! 逃がしちゃダメ!!

 

 

 

「ちょっと待ってハリベル! もう帰るの?」

「ああ、用件は済んだからな……まだ、何かあるのか?」

 

 呼び止めながらハリベルの手首を掴んで引き留めれば、戸惑いを見せてくれました。そのまま二の腕の辺りに指をそっと這わせながら続く言葉を口にします。

 

「鍛錬の後はね、身体をしっかり休ませて解さないと意味が無いの」

「ほぐす? 意味は理解できるが、どうやるんだ……?」

「そこは勿論、私に任せて!」

 

 知識がないのか、そもそもそういった発想自体が無いのか。

 何も知らない様子できょとんと首を捻るハリベルへ、私は任せろとばかりに胸を張って答えてあげます。

 そして次に、三人の従属官(フラシオン)を見ます。

 

「それとアパッチ、ミラ・ローズ、スンスンの三人も」

「あん? 何の用だ!?」

「後学のために、あなた達も見ておきなさい」

 

 彼女たちも巻き込んでおかないとね。

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 場所を変えて、ハリベルの宮までやってきました。

 先ほどまでは戦いのために外にいたから、ギャップの激しさに目眩を起こしそう……でもね、砂だらけの景色から移動すれば誰だって混乱すると思うの。

 

「良い部屋なのね、質素だけど落ち着いて纏まってる」

 

 室内は大理石で出来た豪華な一室と言った感じの装いでした。

 華美ではなく、鼻につかない程度に。物は少ないけれども清楚な上品さが感じられる内装をしています。

 ……虚圏(ウェコムンド)でこんなインテリア、どうやって集めたのかしら……?

 

「私はあまり気にしていないが、あいつらがな……」

 

 なるほど、アパッチ達の趣味なのね。

 なんとなく趣味と言うより「ハリベルのイメージから逆算」して部屋の内装を飾ったようにも思えるんだけど……まあ、同じ立場なら私もこうしてたと思うから何にも言えない。

 

「それより、室内に戻って何をするつもりだ?」

「そうね、まずは……万歳(ばんざーい)して?」

「ば、ばんざーい!?」

 

 そんな注文をされるとは思わなかったのでしょう。

 私が軽く両腕を上げながら指示すれば驚いたように目を見開き、やがておそるおそるといった様子で彼女も両腕を上げました。

 

「こ……こうか?」

「えいっ」

「きゃああああぁぁっっ!?」

「おおっ!」

「なっ……!」

「ま……まぁ……!!」

 

 両腕を上げたところを見計らい、片手で胸元のファスナーを一気に外します。もう片方の手はハリベルの上着の裾を掴むとアッという間に捲り上げ、強引に服を脱がせました。

 締め付けから一瞬で解放されたことで、おっぱいがぷるんと飛び出てきました。目の前で堪能させてもらったんだけど……すごく素敵な光景だったわ……胸に刻まれた3の数字が、ちょっとたわんで……

 

 どのくらい素晴らしかったかというと、アパッチら三人が立場も忘れて思わず歓声を上げちゃったくらい、かしらね。

 三人とも心の中で「何してるんだ死神! それはそれとしてよくやった!!」とサムズアップしているのが見えたもの。

 

「と、突然、何をする!?」

「何をって、服を脱がせてあげようと思ったのよ」

「お、幼い子供ではないのだ! そのくらいは自分で出来る!!」

 

 突然上半身を裸にされた恥ずかしさから、顔を真っ赤に染めています。

 両腕で胸元を隠しながら背中を向けてつつ、子供のような抗議をするハリベル。その姿は、少し前に死闘を繰り広げた相手とは思えないくらい可愛いものでした。

 

 え、胸の谷間には伝令神機を挟んでいるんじゃないのか?

 そんなの、もうとっくにスンスンの手に渡っているわよ。私と手合わせする直前、落として壊したら困るから代わりに預かっててくれって。

 その時の「これをアパ……ミラ……いやスンスン、預かっててくれ」と言った時の三人の顔、見せたかったわ。

 壊しそうだと思われているんだと理解して悔しかったり、でもハリベルに文句は言えなくて、スンスンが無言でドヤ顔してて、それを察した二人がまた……

 あのやり取りだけでネタになるくらいだったわね。

 

 そうそう、忘れるところだったわ。

 服を脱がせたところ、なんと! ハリベルの首回りに仮面の名残がなかったの!! まるで帰刃(レスレクシオン)をした時みたいに、地肌がくっきり! 鎖骨周りもはっきり見えてたわ!!

 まさかアレって着脱式なの……? ともあれ、おかげで頬を真っ赤に染めて恥ずかしがるハリベルの表情を余すところなく堪能できたわ!!

 

「でもね、服を脱いでもらわないと困るのよ」

「なぜだ!?」

「言ったでしょう? 身体を解すって。それに少し汚れるから、素肌の方が都合が良いの」

「そ、そういうものなのか……?」

「そういうものなの」

「……わかった」

 

 よし! 信じてくれたわ!!

 残った袴のような衣服を、ゆっくりと脱いでいきます。

 お山(おっぱい)とお尻は豊満で、見ているだけで頭がクラクラしそうなほど。それでいて腰回りは引き締まっていて、けれども決して鍛えすぎているわけじゃない。ほどよい肉付きのウェストが身体的なメリハリを強調しているかの様で、褐色の肌がとても妖艶……

 

 ……えっ! ハ、ハリベルってば……!! あなた、孔がそんなところに開いてたの!? 下腹部、というかもうそこって子宮……淫紋みたいな感じで、孔が開いてる……

 

 なにこの子……タダでさえ褐色金髪爆乳なのに、どこまで属性てんこ盛りなのかしら……

 

「脱いだぞ」

 

 それに脱ぎっぷりが、堂々としています。

 同性だから恥ずかしがる必要もないと思ってるんでしょうけれど、思わず見ているこっちがドキドキしちゃうくらいの態度。

 

 ああ、そんな彼女を今からマッサージ出来るなんて……!! 

 

「あ、ありがとう。それじゃあ次は、そこのベッドに寝てちょうだい。最初は俯せでね」

「こう、か……?」

 

 片隅にあるベッドで横になるように促せば、ハリベルは素直に従って……うん、そうじゃないの。

 そんな直立姿勢みたいな俯せは望んでいないから。

 

「そうじゃなくて、こう……両手は顎の下にして……もっと力を抜いて……」

「なるほど……」

 

 軽く腕を掴んでみれば、硬直したように力が入っています。

 これは、ちょっとだけ不安になって緊張してるのかしら? となればあの男らしい脱ぎっぷりも緊張を隠す為のポーズに思えて、なんだかハリベルのことが一層愛おしくなります。

 

「それじゃあまずは、背中から解すわね」

 

 言いながら荷物の中からマッサージオイルを取り出します。ええ当然、こうなることを見越して持ってきていますよ。

 安心させるため、子供を諭すような柔らかい口調になりながら、手の上でオイルを伸ばしていきます。

 

「少し冷たいかもしれないけれど、我慢してね」

「ああ、わかった」

 

 背中に手を置いて、ゆっくりと筋肉をほぐしていきます。

 柔らかだけど指を押し込めば反発する、戦士の筋肉ですね。背筋がゆっくりとオイルに塗れていき、褐色の肌がオイルでテカっていく。

 色合いや筋肉の質感のせいか、夜一さんを思い出します。

 

「……ん……っ……」

 

 背中にかけてマッサージをしていくと、ハリベルが小さく息を漏らし始めました。

 筋肉の緊張がほぐれてきて、気持ちよくなってきているのが指先から伝わってきます。

 

「ふふ、どう? 筋肉をほぐすのが必要だって、よく分かるでしょう?」

「あ、ああ……そうだ、な……ふっ……!!」

 

 そのまま腰回りから脇腹の辺りを丹念に揉んでいけば、先ほどよりも蕩けた声が聞こえてきて、時々ビクッビクッと身体が震えています。

 普段の凜々しい声音からは考えられない柔らかな声に我慢できなくなったのか、少し離れた場所で見ていたアパッチら三人が口を挟んできました。

 

「ハリベル様、その……」

「その死神のマッサージ……そんなに良いんですか……?」

「見ている限りでは、そう特別変わった何かがあるわけとも思えませんが」

 

 疑問を口に出しつつも、三人とも視線はハリベルに釘付けです。敬愛する主の、滅多に見られない様相に目が離せないみたいですね。 

 

「あ、ああ……これは、凄いぞ……うぅ! か、身体の内側から……作り替えられていくような感覚、だ……ふ、ぅっ! ゆ、湯川! 今は手を止め……んんっっ!!」

 

 三人の言葉に返事をしながら、私のマッサージで我慢が出来なくなって声を上げてしまいます。それが恥ずかしいのか注意をしてきましたが、私は特に気にしません。

 腰回りから今度はお尻の周りを、手のひら全体を使ってたっぷりとほぐしていくと、切なそうな嬌声が漏れ出ました。

 

「ん、あ……ああっ!!」

「あ……あ……」

「ハリベル、様……」

「……っ! ……こ、こんな表情をなさるなんて……」

 

 今はマッサージに集中しているので、ハリベルの表情はわかりません。けれど、アパッチたちの表情はわかります。

 彼女たちの、まるで発情したようにうっとりとした表情を見れば、ハリベルが今どんな顔を浮かべているのか自ずと想像が付きますね。スンスンなんて生唾を飲み込んでいるもの。

 

「喜んで貰えているみたいで、私も嬉しいわ。お返しに、もっと腕を振るわないと」

「ひ、ん……っ! だ、め……!!」

 

 お尻はきゅっと引き締まっていて、指先で弾くと弾力があります。オイルに濡れたお尻はなんとも大迫力です。

 形を整えるようにお尻を揉んでいくと、耐えきれなくなったのかハリベルの腰が小刻みにくねり始めました。

 もっと欲しい、もっと刺激が欲しい……そんな風に訴えてくるような動きです。

 

「このまま腿から足の裏までを揉んでいくわね」

「あ……あぁ……」

 

 なんだかがっかりした様な声でした。

 その無意識のサインをしっかりと感じ取りながらも、あえて無視して両脚を揉みます。

 むっちりとした太もも――その内側にまで指を這わせれば、連動するように腰がひくひくと動きました。

 

 ふふ、気持ちは分かるわよ? でもまだダメ。

 まだ身体が刺激に慣れていないんだから、全身でゆっくりと気持ちよさを教えてあげるからね。

 

 それに太ももの感触もかなりのものだからね。

 むちむちだけど柔らかくって、でもその奥には芯が一本通っている。思わず顔を埋めたくなるような感触です。

 

 夢中になってマッサージをしていく内に、ハリベルの頭が下がったのが見えました。それと同時に見えたのは、アパッチらの微妙に残念そうな表情。どうやら俯き加減を強くして表情を隠しちゃったみたい。

 

「は……ぁ……ふ……ぁぁっ……!!」

 

 けれどそのおかげで吐息がくぐもって聞こえて、妙に想像力をかき立てられます。

 三人も同じ想いらしくて、先ほどの落ち込みっぷりがウソのようです。

 

「はい、これで背中側はおしまい。次はお腹側よ」

 

 そんな風に楽しみながら。

 手早く、けれどもしっかりと両脚を指の先まで揉むと、そのままハリベルの身体をひっくり返して仰向けにします。

 するとハリベルは、熱い吐息を吐き出しながら片腕で顔を隠そうとしてきました。

 

「……ぁ……は……ぁ……」

「はいはい、腕は下ろしてね。顔を隠しちゃダメよ?」

「あ……」

 

 表情を隠したかったのでしょうけれど、そうはさせじと下ろさせます。

 背中側だけで十分にほぐされ、力が抜けた今のハリベルでは抵抗も出来ずにされるがままでした。

 そして露わになった表情。

 興奮からか頬全体が真っ赤に染まり、瞳はとろんと蕩けています。呼吸を繰り返す唇はわずかに唾液に塗れて艶めかしく輝いていました。

 

「……おお」

「な、な……」

「ああ……ああっ!」

「お、お前たち……み、見るな……」

 

 最初の頃の、服を脱いだときの凜々しさはどこへやら。

 三人分の凝視に耐えきれなかったのか、ハリベルは今度は身体を丸めて視線から逃れようとします。

 

「ほらほら、隠しちゃダメだってば」

「ゆ、湯川!? 頼む、後生だ! せめてこの三人には……」

 

 うんうん、分かるわ。

 従属官(フラシオン)だもんね、あんまり恥ずかしい姿は見せたくないわよね。

 でもね――

 

「ダメ」

「そんな……」

「それにそこの三人には、私がいない間に代わりでマッサージをしてもらおうと思っているんだから」

「「「「なっ……!!」」」」

 

 初耳だ、とばかりにハリベルも含めた全員が声を上げました。

 

「私だってずっと虚圏(ウェコムンド)に来られるわけじゃないからね。(ハリベル)のお世話を従属官(さんにん)がするのは当然でしょう?」

「そ、それは……」

 

 言っていることは間違っていないためか、言葉に詰まりました。

 

「だから三人も、ちゃんと見ておきなさい」

「い、良いのか!?」

「良いも悪いも、私はちゃんと『後学のために』って言ったわよ」

 

 そこまで告げると今度はオイルを直接、ハリベルの首回りに垂らしながらマッサージをしていきます。

 ほんの少し動かせばお山(おっぱい)の外周に指先が届くような、そんな絶妙な位置を保ちながら、まずは首筋から鎖骨周辺をほぐしていきます。

 

「ほら、何してるの? そんな離れた場所で分かるのかしら?」

「ま! 待て湯川!! お前達もだ!!」

 

 そうやって煽ってやれば、三人とも凄い勢いで近寄ってきました。

 ハリベルは文句を言い出しますが、気にしません。

 

「申し訳ありませんハリベル様!」

「だけどあたしらは従属官(フラシオン)としての役目がありますので」

「お勉強、させていただきますね」

「う、あ……」

 

 あらら、三人とも今にも食いつかんばかりの至近距離で見つめているわね。

 むしろ見られる側のハリベルが恐怖しているくらいだわ。

 

「ほら、まずは首筋からよ。こうやって体内の流れを意識しながら揉みほぐしてあげるの」

「あ……ん……っ……!」

 

 肩から首回りをゆっくりとほぐしていきながら、指先は下に降りていきます。

 そしてついに、その大きなお山(おっぱい)(ふもと)に手がかかりました。

 前にも一度手で掴みましたが、こうして見ると存在感が違います。

 ふっくらと丸みを帯びた膨らみは、形が美しく整っています。張りも素晴らしくて、指先を少し押し込んだだけで弾き飛ばされそうなほどですね。

 

「このまま胸元をマッサージしていくわよ」

「……え……? どこ、を……」

「胸元よ」

 

 言いながら、鞠のようなお山(おっぱい)を手のひらいっぱいに掴みます。両手にオイルをたっぷりと塗しながら、二つの小さなお山(おっぱい)へとそれを丹念に塗り込んでいきます。

 両手で感じる感触はゴム鞠みたいで、指を動かすたびに手の中でお山(おっぱい)のお肉は反発するように形を変えていきました。

 

「あ……んん……っ! だめ、だ……湯川、そん、なに……っ!! そこ、は! ほぐさずと、も……!」

「何を言ってるのよ? 胸元には心臓部――つまり鎖結と魄睡があるのよ? それに女性の場合は胸の形を整えることでバランスも取りやすくなって魅力的になるの」

 

 そう言いながら何度も指を這い回らせて、ハリベルのお山(おっぱい)を揉んでいきます。

 そのたびに彼女は身体をくねらせて、艶めいた色っぽい表情を見せてくれました。

 

「ごく……っ……」

「ハ、ハリベル様……」

「お綺麗ですわ……凄く……」

 

 近くでそれを見ている三人も、ハリベルの熱気にあてられたようで。うっとりとした表情で凝視を続けていました。

 ですが、やがてその均衡を打ち破るのが一人。

 

「ああっ! もう我慢できません!!」

「スンスン!?」

「てめぇ何してんだ!!」

 

 スンスンは堪らずといった様子で、ハリベルの身体に手を伸ばしました。普段は袖の下に隠している両手をこれでもかとばかりに突き出し、両足のふとももを見よう見まねで揉み始めます。

 

「ひっ……! スンスン、か!? お前、一体――」

「良いわよ。見ているだけじゃなくて、実際に手で触れてみないと分からないこともあるからね。積極的な姿勢が素晴らしいわ」

「――な……!? そ、そういう、もの……なのか? ふあぁっ!」

「ええ、勿論。あとスンスン? その辺はもう私がやったから、あまりやり過ぎないように優しくしてあげて。それと股関節の辺りはもう少し重点的にやっていいかも」

「分かりましたわ、先生!」

 

 アッという間に呼び方が"先生"に昇格していました。向ける視線も、なんだかとっても素直なものになっています。

 

「く、くそっ! 負けるか!」

「あたしだって!!」

 

 そして一人が抜け駆けすれば、残る二人も負けじと続きます。

 アパッチがお腹周りを、ミラ・ローズは腕から肩と脇に掛けてをそれぞれ担当し始めました。

 

「あっ、ダメよアパッチ。お腹の周りにも内臓があるからもっと優しく、こう……」

「なに!? む、難しいもんだな……」

 

 アパッチの手の上に自分の手を重ね合わせて、導く様にマッサージをしていきます。

 指と指が絡んで、そこにオイルのヌルヌル感との一体感を感じながら、おへその中に指を入れます。

 

「くあ……ぅっ……!」

「お、おい!?」

「おへそは敏感だから、軽く撫でるくらいにね」

 

 そのまま両手を上へと移動させ、お山(おっぱい)を下から掬い上げるように掴んで揉み上げます。

 オイルに塗れたお山(おっぱい)はテラテラと輝いていて、その山を四つの手が余すところなく這い回っていきます。

 

「なっ!」

「お、おいっ!! これは……」

「う、羨ましい……」

「ほら分かる? ハリベルの心臓が動いているでしょう? この鼓動を、全身に行き渡らせるように意識してあげてね」

「ふっ……んっ! ……うっ!」

 

 大きく手を動かしてお山(おっぱい)を揉み上げられる感触に、ハリベルは背中を仰け反らせながら甘い吐息を吐き出しています。

 

「こ、鼓動……ハリベル様の……」

「ひ……っ! ああああっ!! な、なんだコレ、は……っ!?」

 

 あら……よく見れば、オイルがほんの少しだけ蠢いてるわね。

 どうやら射干玉も我慢しきれなくなったみたい。根元からきゅっと絞り上げるようにして、お山(おっぱい)のマッサージを手伝ってくれています。

 

 誰も触れていない部分を、触れていないように刺激される感触に驚いて、ハリベルは少女の様な声を上げました。

 その刺激が集まる中心――頂点の部分には、自己主張するように薄いピンク色が顔を覗かせています。

 ジンジンと、怖いもの知らずのように主張を続ける先端部分に、私たちの視線は自然と集まっていました。

 

「た、頼む……っ! 見るな! 見ないでくれ……っ! たの、む……っ!!」

 

 恥も外聞も無く、泣き出しそうな様子で従属官(フラシオン)相手にそう懇願するものの、彼女たちの視線は一瞬たりとも動くことはありません。

 その間に私は少し強めに絞り上げて、刺激と神経をさらに中心部分へと集中させます。

 

 そして、油断したところで先端を二つ同時に指先で摘まみ上げました。

 

「~~~~~ッッ!!」

 

 途端、ハリベルの口から声にならない絶叫が響き渡りました。

 

 

 

 

 

 

 

「さて、これで一通りの施術は終了よ」

「……ぁ……は、ぁ……っ……」

 

 私の言葉に、精根尽き果てた様子のハリベルは虚ろな瞳で頷きました。

 衣服代わりにベッドシーツを身体に巻き付けたまま、ぐったりとしているものの意識はハッキリしているようです。

 別に特別なマッサージはしていません。強いてあげれば三人の後学の為にも一通り、ちょっと長めの施術をしただけなんですけどね。

 案外体力無いのかしら?

 

「本当ならこれで終わりで、後はお風呂やシャワーで汗や老廃物を流すんだけど……今日はちょっと、私は付き合えないの」

 

 そう言いながら、アパッチら三人の首根っこを掴みます。

 

「な……っ!?」

「何すんだてめえ!!」

「……ま、まさか……!!」

 

 本当にスンスンは良い勘してるわ。

 

「次はあなたたちの番よ?」

 

 怯えた子猫のような目を浮かべる三人へ、私はにっこりと屈託のない笑顔を浮かべながら教えてあげました。

 




●ハリベルの仮面の名残り部分
戦闘時はある。
こういう時は無い。

そういうことで良いと思うの。

(あと孔が子宮の部分なのは公式設定)

●アパッチたちの番
流れ的には「続きは次話で」なのですが、ちょっと別の話を入れます。
(連続してマッサージだとテンポが悪い気がして)
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