お前は天に立て、私は頂をこの手に掴む   作:にせラビア

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第304話 集いつつある者たち

「あ、ちょっと待って! 焦らないの! まだまだ量はたくさんあるから! だから横入りしちゃ駄目!!」

「ええー、なんでー」「僕もうひとつ欲しい」「ずるーい! まだ貰ってないのに!!」「死神のお姉さん、背が高いね」「あまーい!」「こっちの方が好きかも」「……ウマー」「GUUUUUU……」「集合集合! とにかく集合だってば!!」「なんか忘れてるような……」「ねー、もう一個ちょうだい!!」「ネルにも食べさせてあげるんだー!」

 

 ……うわぁ……

 分かっていたのよ、分かっていたんだけどさ……

 

 数多いわねこの子たち!! 百だか二百だかいるって話だったけれど、覚悟はしていたんだけど!

 まさかこんなに集まってくるとは思ってもみなかったわ……

 しかも黒腔(ガルガンタ)を開いてどこからか次々にやってくるし……

 うわ! また新しい子がやってきたわ……

 

『これで28人目! ですが藍俚(あいり)殿、恐れないで! 貰う順番が来ただけでございますぞ!!』

 

 どこのロボットゲームの死神部隊かしら!?

 

『やったじゃないか藍俚(あいり)ちゃん! 大盛況だよキハハハハ!! さすがの藍俚(あいり)ちゃんも子供には苦戦するんだね!!』

 

 一番交流が深い子供っていうと……朽木さん()鴇哉(ときや)君か、志波さん()氷翠(ひすい)ちゃん。

 どっちも凄く良い子だったからね。

 こんなワンパクな子供たちばっかりじゃ、参るわよね……

 

「死神のお姉さんおっぱいおっきいー」「さわっちゃえー!」

「きゃあああああああああぁっ!!」

 

 さ、触られた! 今、触られたわ! しかも二人掛かりで揉まれた!

 完全に油断してた!!

 

『な、なんと……子供の特権……! くっ、ならば拙者も!!』

 

『可愛らしい悲鳴だね! じゃあ私も藍俚(あいり)ちゃんのおっぱいを揉んじゃおうかね』

 

 な、ちょっと……雨露柘榴!?

 だったら私もやってやるわよ! そんなスケベな格好して谷間を見せつけているんだったら、揉まれても仕方ないわよね!!

 

『おほっ!』

 

 見た目通り、立派ね。

 ふっくらと膨らんだお山(おっぱい)は、触れると着物からこぼれ落ちそうで……

 

『おいおい、それ以上は駄目だよ藍俚(あいり)ちゃん。なにしろ私は剣の字のモノなんだからね! キハ!!』

 

『……今更ながら、どういう状況でございますかな? これどういう状況で藍俚(あいり)殿は雨露柘榴殿のおっぱいを揉みまくリングっているでございましょうか?』

 

 いい、射干玉! 気にしたら負けよ?

 っといけないいけない。ピカロの方に戻らないと。

 

「こら、そこの(キミ)! 勝手に女の人のおっぱい揉んだら駄目でしょ!」

「ちぇーっ……」

「それはそうとあなたたち、ロカちゃんって(ホロウ)のことを探してくれないかしら? 糸の能力を使うらしいんだけど。その人のこと、実はお姉さんも探してるのよ」

 

『ねえ射干玉ちゃん? 藍俚(あいり)ちゃんが自分のことを"お姉さん"って言ってるのは、ツッコミ待ちなのかね?』

 

『実年齢は痣城殿よりもずーっと上でございますからな』

 

 そこ、うるさい!!

 

「あ、糸のお姉さんのこと? それなら僕たちも探してるんだ」「あー、そうだった! お姉さんの糸……あ! 凄い近くにあるよ!!」「さっき見つかったって言ってなかったっけ?」「シエンも探してたよね」「シエンって誰だっけ?」「ザエルアポロのことだよ」「ザエルアポロじゃないって自分で言ってたじゃん」「連絡しようか?」「みんなで一緒に探そうよ」

 

 子供特有のざわざわ騒ぎ……ん? ちょっと待って!

 

「ねえ、今誰か『糸のお姉さんが見つかった』って言った?」

「うん、私。私が言ったの」

 

 おかっぱ髪の小さい女の子のピカロでした。ぴょんぴょんと小さく飛び跳ねながら手を上げてアピールしています。

 可愛い……持ち帰って良いかしら?

 

『おっもちかえりぃ~~~!!』

 

『剣の字が聞いたらどう思うだろうね?』

 

「それで、その糸のお姉さんは今どこに居るの?」

「えっと、すぐ近くだよ。鈍感おじさんと一緒にいるみたい!」

「ど、どんかん……?? まあ、いいわ。とにかく場所は分かってるのよね? 案内して貰えるかしら?」

「うん、いいよ! こっちこっち!!」

 

 おかっぱの子は得意げになって、ロカちゃんがいる場所へと案内してくれます。

 なので私は、それについて行くだけです。

 

「君たちも来るんでしょう? はぐれないように、並んでついて来てね?」

「「「「「はーーい!!」」」」」

 

 さらにその後ろには他のピカロたちが一緒について来ます。

 園児の散歩をしている保母さんみたいな気分ですね。

 

 しかし、こんなに破面(アランカル)が集まって来てるって事は……

 今頃は尸魂界(ソウルソサエティ)はてんてこ舞いよね……技術開発局とか、蜂の巣をつついたような騒ぎになってそう……

 

 でもこれでようやく、ロカちゃんと再会できそう。

 出会えたらネリエルのことを伝えて、痣城のことも伝えて……

 

『ありゃりゃ、どうやら剣の字よりも先に藍俚(あいり)ちゃんが接触で確定だねぇ! 残念だったねえ剣の字!! キハハハ!!』

 

 ……そういえば痣城はどうしてるの?

 

『んー? ああ、十一番隊と遊んでるよ?』

 

 そっちに行ってたのね……

 

 

 

 

 

 

 

 さて、ピカロの案内でロカちゃんのところまで来たんだけど――

 

「あれがそうだよ!」

「アレが……?」

「うん! それと隣にいるのが鈍感おじさん!」

 

 信号待ちをしている一台の車をピカロは指差します。

 その車の助手席に、妙に着飾った姿のロカちゃんが座っていました。

 帽子やらマフラーやらワンピースやらを身に纏った彼女からは、今まで会った時とはまるで違う印象を受けます。それこそ、深窓の令嬢と呼んでも差し支えないくらい。

 

 そして……運転席にいるのは……

 

「ハッハッハ、ボーイ、言葉の使い方が間違っているぞ?」

 

 ドン観音寺でした。

 信号機の上にいるピカロへ、何やら説教のようなことをしています。

 

 分かるわけないでしょうが!

 鈍感おじさんって何のことかと思ったら、まさかドン観音寺だったなんて! しかもなんで今出てきてるの!? なんでロカちゃんを隣に乗せてドライブデートみたいなことになってるの!?

 全然まったくこれっぽっちも意味が分からないんだけど!?

 

藍俚(あいり)ちゃん藍俚(あいり)ちゃん! なんだいアイツは? 妙な格好をしているけれど、芸人か何かかい!?』 

 

 いえ、あれはね……現世の……芸人とか役者の親戚みたいなものかしら?

 

藍俚(あいり)殿!? それは多分ご本人が怒りますぞ!!』

 

 知らないわよ!

 しかもよく見れば、近くに石田君までいるわね。ビルの上からドン観音寺たちの様子を窺っているみたい。

 

 と、とにかく接触しなきゃ!

 

「ごめんなさい、ちょっと良いかしら? ドン観音寺さんですよね?」

「そもそも、君はロカ嬢とどういう関係……ぬおぅ!?」

「……あ、確か湯川さん、ですよね?」

 

 私が近寄ったことで霊圧を察知したのか、ドン観音寺は驚いた目で私を見てきました。

 ロカちゃんも、なんだか申し訳なさそうに私のことを見ています。

 

 それとピカロの方ですが。

 

「あれー、死神だ? みんなもいるけどどうしたの?」「おーい、こっちこっち!」「あの死神のお姉さんがお菓子くれたんだ!」「とっても甘くておいしいんだよ」「もっと、たベ、タイ……」「まだくれるってば!」「おくれてごめんねー!」「そっちの分のお菓子だよ。これ食べたら僕たち、お姉さんの友達なんだ!」

 

 ――とまあ、こんな感じです。子供同士、今は好きにさせておきましょう。

 

「まさかユーのようなビューティフルなガールから声を掛けられるとは……これもスターである私の輝きが引き寄せてしまうのか……? おお、よく見ればそのユニフォームは一護ボーイのバトルスタイルではないか! だとすると君は……」

「ええ、まあ……」

 

 チラリと上に視線をやれば、石田君が焦った様子でビルの上から降りてくるのが見えました。

 

「黒崎君、一護の同僚? 同じ仕事をしている様な者、かしら?」

「なんと! まさか仲間に出会えるとは! やはりこの町に来て正解だったぁ!!」

 

 正解って、何か目的があったのかしら……? 特番の収録とか?

 まあ、今はいっか。

 

「それとロカちゃん、あなたの隣の幽霊を守りに来たの。ネリエル――えっと、彼女の上司みたいな相手からの依頼でね」

「なんとロカ嬢の上司とな!? 地獄の沙汰も金次第と言うが、どこの世界でも仕事は必要なのだろうか……だが、心配で人を出して探しに来させるのだから、どうやら良い上司なのだろうな……」

 

 なんだかブツブツと言っています。

 まあ、この方が静かで良いかもね。

 

「ネリエル様が、ですか……? ですが私には……」

「その辺は大丈夫よ。報告したけれど、彼女は全然気にしていないわよ。それどころか、ますます心配してたわ。ザエルアポロの偽物があなたの行動を縛っているんじゃないかって心配して、虚圏(ウェコムンド)を探し回るんだって……」

「え、ええっ! そうなんですか!?」

「ザエルアポロだと!?」

「あら、石田君いらっしゃい。久しぶりね、一年半ぶりくらい?」

 

 話の途中で割り込んでこないでくれないかなぁ……

 名前を聞いて驚くのは無理も無いことだけどさぁ……

 

 ……あ、そういえばさっきピカロが「シエンだ」とか言ってたわよね? ということはあのザエルアポロの偽物はシエンって名前なのかしら。

 

「あ、どうも。お久しぶりです……じゃない! ザエルアポロは死んだはずだ、それがどうして……いや、そもそもどうして湯川さんが現世に来ているんだ!? 尸魂界(ソウルソサエティ)で何かあったのか!?」

「こっちも色々とあるのよ。それよりも石田君、一つ聞いて良い?」

「な、なんでしょうか……?」

 

 真剣な表情で尋ねる私に気圧されたのか、石田君は半歩ほど下がりました。

 

「織姫さんはいないの?」

「……は?」

「大事なことなの、答えて頂戴!」

 

 半歩下がり、緊迫した表情のまま、石田君は目を点にしました。

 ……なんでかしら?

 

 だって、久しぶりに会った石田君ってば随分大人っぽくなってるのよ! 子供の成長って本当に早いわよね!

 だったら織姫さんだって成長しているはず! 

 あのおっきなお山(おっぱい)が、もっともっと大きなお山(おっぱい)に成長しているに違いないわ!

 高校一年生であの凶器だったってことは、高校三年生になった今なら一体どれだけ……

 

 いざとなったら仕事を忘れてもう一回くらい揉んでも……!!

 

『流石藍俚(あいり)殿……ブレねえでござるよ……!! そこに痺れる憧れるぅ!! でござる!!』

 

『織姫ってあの、ちょっと前に現世から来た子だろう? 藍俚(あいり)ちゃんが官能的なマッサージをしていたあの。藍俚(あいり)ちゃんも好きだねぇ、キヒッ!』

 

「え、えっと、井上さんなら有沢さんの春大会の応援に行ってます」

「そう……」

 

 なんですってぇ!! くっ、直接あのお山(おっぱい)を見られないなんて……

 

「もしかして、井上さんの力が必要な案件なんですか!? だったらなんとか彼女を呼び戻して――」

「いえ、大丈夫よ。いないなら、いない場合の方針で行くだけだから」

 

 真剣な表情のまま、半分ほど石田君へ向けて。半分は独白するようにして、緊張感を演出します。

 

『まさかおっぱいのためだとは、石田殿も絶対に思わないでござるよ!』

 

『キハハハハ!! キハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 

 雨露柘榴が腹を抱えて笑い転げているわね。

 

「それじゃあロカちゃん、それとドン観音寺さん」

「はい……」

「何かなガール?」

「大事な話があるの」

 

 真剣な雰囲気を感じ取ったのか、二人とも真面目に私のことを見てきます。

 そんな私を後押しするかのように、空に亀裂が走って膨大な霊子が溢れてきました。

 

 ……は? え、ちょっと待って、何が? どういうこと!?

 

「おや、ガール。ユーの携帯電話が鳴っているようだが……?」

「え、あ、本当でした。すみません、ちょっと失礼します」

 

 鳴り響く伝令神機を手に取りながら、会釈をするように頭を下げつつその場を少しだけ離れます。

 通知画面に映っていた名前は……チルッチ? どうしたのかしら……

 

「もしもしチルッチ、どうかしたの?」

『えっと、あのね藍俚(あいり)……申し訳ないんだけど……』

 

 緊張しているチルッチの声。

 続いて「すぅーっ……」と、通信機の向こうで大きく息を吸う音が聞こえてきました。

 何か、言いにくいことでもあったのかしら?

 

『ザエルアポロ……シエンって名前らしいんだけど、虚圏(こっち)にいたの』

「ええ……」

『それで、ネリエルがとっちめようとして、返り討ちにあっちゃって……私もだけど……』

「それ本当!! 怪我は!? 治しに行った方がいい!?」

『それは平気よ、平気なんだけど……シエンがロカを見つけて現世に向かったの。どうもアイツ、ロカを殺すつもりみたい』

「ええっ!!」

 

 ……そっか。ピカロの一人が見つけたなら、向こうに知られる可能性もあるのよね。

 

『そのシエンを追って、ネリエルまで現世に行っちゃって……』

「ええええええええええぇぇっ!?!?」

 

 まさかの連絡内容に、今日一番に大声を上げてしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば湯川さん、ドン観音寺の事を知ってるんですね」

「石田君ったら、私だってテレビくらいは見るわよ?」

「いや、そういうことではなくて……」

 

『現世のテレビタレントを、尸魂界(ソウルソサエティ)藍俚(あいり)殿が知ってるわけがねえでござるよ!!』

 

 





●お前で28人目
アーマードコアネタ

●揉まれる
雨露柘榴を真っ当に揉むのは、多分不可能なので。
(せめてもの抵抗)

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