お前は天に立て、私は頂をこの手に掴む   作:にせラビア

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第319話 最後尾はこちら ★★

 一番隊の隊舎まで来た理由は、至極簡単。

 山本総隊長に、直訴するためです。

 

 一護に死神の力を取り戻させるため、刀に自分たちの霊圧を込める……言うだけなら、簡単なんだけどね。

 でもさぁ……瀞霊廷に何人死神がいると思ってるのよ!

 参加者が一割で、一人が霊圧を込めるのが一分間だったとしても、約三百分(五時間)も掛かるのよ!!

 

 こんなのバレるに決まってるじゃない!

 終業時間になってからとはいえ、それだけの数の死神が一カ所に集まって何かしてたら、どう考えても怪しまれるってば!!

 せめて「緊急企画! 納涼のお祭りを開催します!」みたいな感じで、カモフラージュくらいしてよぉ!! 今四月だけど!!

 

 ……バレて怒られて計画がグダグダになるくらいなら、最初から申し出ておいた方がずっと気が楽です。

 というわけで、今からそれを上申すべく一番隊の隊舎まで来ていたのでした。

 

『再度の状況説明、お疲れ様でござるよ!』

 

 本当に疲れるのは、これからなんだけどねぇ……

 目の前にいるってことで、多分私が一番やり玉に挙げられると思うのよ。

 でもまあ……頑張るしかないわよね!!

 

 ということでもう一回、気合いを入れ直し――

 

「待たれよ、湯川隊長!」

「……? 狛村隊長!?」

 

 気合いを入れ直そうとしたところで、後ろから声を掛けられました。

 振り返れば、おそらく全速力で走ってきたのでしょう。軽く息を切らせながら寄ってくる狛村隊長の姿がありました。

 

「どうしたんですか、一体……?」

「まずは書簡で連絡をくれたこと、感謝する。それと、おそらくだが貴殿と同じ要件だ」

「私と同じ……それってまさか」

「ああ、そうだ」

 

 私たちはお互い、示し合わせたように伝令神機を取り出し、そして頷きあいます。

 

「元柳斎殿へ、伺いを立てようと思ったのだ。黒崎一護の件は、尸魂界(ソウルソサエティ)全体の恩義でもある。あの方が受けた恩を蔑ろにするとは思えぬのでな……なにより、コソコソと隠れて何かをするというのは儂の性に合わぬ!」

「ふふ、狛村隊長らしいですね」

 

 胸を張って宣言する狛村隊長の姿に、私はクスリと笑みを浮かべます。

 

「でも、正直に言って助かりました。一人で総隊長のところへ行くの、少し心細かったんですよ」

「ふむ? というと、儂がこのように出向いてくるのを見越して、電子書簡を送ってきたのではないのか?」

「いえいえ、違いますよ。狛村隊長にはお世話になっていますし。それに、茶渡君の事が気になっているかなと思ったので」

「む……! い、今は泰虎のことはどうでも良い! 行くぞ湯川隊長!」

 

 言葉で軽く突けば、頬を薄く赤く染めながらそっぽを向いてしまいました。

 この反応、多分図星……間接的に茶渡君を安心させられるって思ってそう……

 やっぱり狛村隊長は可愛いわねぇ……

 

『ケモナーの萌えポイントでございますな』

 

 本当にね……

 あ、いけないいけない。置いて行かれちゃうわ。

 早足で進む狛村隊長の後を、急いで追いかけました。

 

 

 

 

 

「元柳斎殿! 七番隊の狛村、並びに四番隊の湯川もおります。元柳斎殿に直接申し出たいことがあり、参上いたしました! どうか入室の許可を!!」

 

 二人で隊舎の中を進み、隊首執務室の前までやってきました。

 到着するなり狛村隊長は扉を叩きながら、大きな声で要件を告げます。それから待つこと数秒、扉は内側から開き雀部副隊長が顔を覗かせます。

 

「元柳斎殿の許可は下りました、どうぞ。先客もおりますが」

「先客?」

「……あ! まさか」

 

 促されるまま入室した執務室には、総隊長ともう一人。浮竹隊長の姿がありました。

 

「おや、珍しい組み合わせだね。どうしてここに……?」

「多分ですが、浮竹隊長と同じ要件です」

「ああ、なるほど……」

 

 少し前、狛村隊長へやったのと同じように懐から伝令神機を取り出すと、浮竹隊長もそれだけで納得したような表情を見せてくれました。

 

 だってねぇ……ルキアさんから届いたこの電子書簡(メール)を、十三番隊が知らないわけがないんだから。

 本人に直接問いただせるくらい、物理的な距離が近いんだから。

 そりゃあ浮竹隊長の耳にはすぐに入るわよね。

 そして、すぐに行動するわよね。

 

 だって十三番隊には「一護に死神の力を譲渡したルキアさん」に「一護と親戚の海燕さん」っていう、すごい人材を二人も抱えているんだもの。

 その二人を守るためにも、自ら率先して動くわよね

 

 ……あ、岩鷲君のこと忘れてた。一応彼も、死神になったのよ。

 

『ちょっと出番がなさ過ぎて、忘れておりましたな! ちなみに描写しておりませんが、霊術院を卒業して十三番隊に入っておりますぞ!! 多分、出番は無いと思いますが!!』

 

 そこはまあ、仕方ないわよねぇ……海燕さん生きてたら、そうなっちゃうもの。

 四番隊(ウチ)だって、勇音と桃とイヅル君しか出てこないし……

 

「お主たちも、同じ要件か?」

「はい。察するにおそらく、既に浮竹隊長からご説明を受けたかと思います。なので詳細は省きますが――」

 

 総隊長の前まで進むと、頭を下げながら両手で献上するように伝令神機を差し出します。

 

「本来なら、尸魂界(ソウルソサエティ)の法に触れることです。ですが今回の、黒崎君の件については、どうか寛大な処置をお願いします!」

「元柳斎殿、儂も同じ気持ちです! 此度の件、どうか!」

「元柳斎先生、俺からももう一度! どうかお願いします!!」

「……頭を上げよ」

 

 三人揃って横並びで頭を下げる中、総隊長は重々しく口を開きました。

 

「湯川の言った通り、既に浮竹からその書簡については報告を受けておる。じゃが、一番話を聞かねばならぬ相手からは未だ何の報告も受けてはおらぬ」

「……っ! そ、それでは……!」

「まずは浦原喜助を此処へ呼べ。彼奴から話を聞いた後、改めて沙汰を下す……よいな?」

「「「はっ!」」」

 

 私たちは揃って声を上げました。

 

 ……さて、まずは電子書簡(メール)の再送付から、かしらね?

 あと、地獄蝶も飛ばして連絡も回さないと……

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 もう半刻(1時間)もすれば、そろそろ夕方が見えてくる頃でしょうか?

 一番隊の隊舎前には多くの死神たちが集い、長蛇の列を作っていました。

 

「これ、どうぞ。興味があったら是非どうぞご利用を。これ、どうぞー」

 

 その列のすぐ近くでは、リサが隊士たちへと静かに礼儀正しくビラを配っているのも見えます。

 内容はYDM書籍販売の広告ですね。

 人が集まるのをこれ幸いにと、宣伝活動に勤しんでいます。

 

『現世の書籍を取り寄せて販売ですからな! 一番隊……というか山本殿のお膝元で大っぴらに宣伝するのは、ちょっと気が引けたのでしょう!! そうでなければもっと大げさに宣伝しまくっていたでござるよきっと多分間違いなく!!』

 

 でしょうね……基本的にはエロ本の販売だもんね。

 

「最後尾はあちらになりまーす! 横入りはご遠慮ねがいまーす!」

「前の方に続いて順番にお進みくださーい!」

「できるだけ円滑に作業を進められるように、ご協力をお願いしまーす!」

『なのは完売!!』

「霊圧は短時間で一気に込めていただけると助かりまーす!」

 

 リサがビラ配りをしているのとは別に、行列の整理を行っている隊士もいます。

 というか、仕切っているのは四番隊の隊士です。

 これも、後方支援だからウチの業務の管轄なのよね……

 待たずに霊圧を込められたのは幸運だったけど、その後で仕切りを任される事になるとは思ってもみなかったわ……

 

 ……待って! さっきなんだか、変なのが混じってなかった!?

 なんか完売とか言ってたような……

 き、気のせい、かしら……?

 

「いやいや湯川サン、どーもお疲れ様です。何やら今回の作業を認めさせることについて骨を折っていただいたようで」

「そっちこそ、長い間お疲れ様でした。あんな刀を作り上げた浦原さんの苦労に比べたら私がしたことなんて些細なことですよ」

 

 行列を眺めていたところ、浦原から声を掛けられました。

 なので、ご挨拶とばかりにお互いに頭を下げます。

 

「いえいえ、堂々とできるんならそれに超したことはありませんよ! 苦労もぶっ飛ぶってもんっスから!!」

 

 まさか総隊長が許可を出してくれるとは思ってなかったんでしょうね。

 扇子を片手にケラケラと笑う浦原の表情は、本当に嬉しそうでした。

 

 

 

 

 

 あの後の顛末ですが、結論から言うと総隊長の許可が下りました。

 尸魂界(ソウルソサエティ)へとやってくるなり浦原を刀ごと一番隊へと連行し、全隊長が集まった前で詳細な説明会を実施。

 説明を聞いた総隊長は、刀へ霊圧を込めるように命令を下しました。

 しかも、会場として一番隊の隊舎を提供するという太っ腹ぶり。

 さらには各隊の隊長・副隊長は当然として、全隊士は己の判断で霊圧を込めて構わない。参加したとしても一切を不問に処すという大盤振る舞いです。

 そういうわけで、命令が下されてからというもの、死神たちが集まって刀に霊圧を込める作業が延々と続けられています。

 

 ……やっぱりこれ、予想通り日が暮れるどころか深夜まで掛かりそうね……

 というか大量の死神が霊圧をガンガン込めているんだけど、刀は壊れないのかしら……?

 

 浦原のことだから、きっと全員が霊圧を込めても平気なんでしょうけど。

 

「やれやれ、やっと俺の番か……待ちくたびれたぜ……」

「剣ちゃんがんばれー!」

 

 ……平気、よね……? 平気なのよね? 本当に大丈夫よね!?

 刀も心配なんだけど、それ以上に霊圧を注ぎ込まれた一護が壊れたりしないわよね!? 力を戻した瞬間に「ぱぁん」って弾け飛んだりしないわよね!?

 さすがの私も内側から弾け飛んだ相手を治療した経験とか無いわよ! 治せる自信なんてこれっぽっちも無いんだけど!?

 

 あと、あの刀に死神以外も霊圧を込めていたけど平気なのかしらね?

 さっき朽木さん家のご家族とか、志波さん家のご家族とかが参加してたの。

 両家とも"行楽地のアトラクションに挑戦する"みたいなノリで霊圧を注いでたわ。

 間違っても家族サービスの場所なんかじゃないはずなんだけど……

 

 

 

 そうそう、心配事といえばもう一つ。

 

「浮竹隊長。まだまだ長丁場になりそうですし、一度戻ってお休みになられた方が良いのでは?」

「いや、大丈夫だ。俺の我が儘だってことは分かってるが、どうしても見届けたいんだ」

「ですけど……その、銀城のこともありますし……いくら体調が良いといっても限度が……」

「そのときには湯川が治療してくれるんだろ?」

 

 くっ! そんな信頼しきった目を向けられたら「分かりました!」って言うしかないじゃないの!! 本心では大事を取って休んでて欲しいんだけど!!

 

 ということで、もう一つの心配事こと浮竹隊長です。

 浦原の刀の件を進めていた途中に「先代の死神代行が一護と接触した兆候アリ」という連絡が入って、軽く騒ぎになりました。

 その知らせを受けてからずっと、浮竹隊長は険しい顔を浮かべています。

 

 ……銀城(ぎんじょう)空吾(くうご)のことって、私あんまりよく知らないんですよねぇ……

 この反応からすると、因縁浅からぬとは思うんですけど……

 

『ご存じ、ないのでござるか!?』

 

 いや、知ってるわよ。一応は、知ってるわよ。

 一護の先輩というか、先代の死神代行でしょう?

 

 でも直接顔を合わせたことってないし、そもそも当時の死神代行についてはあんまり情報が下りてこなかったのよ。

 銀城が活躍していたのって、私が副隊長だった頃だし。

 隊長になってから、報告書で読んで知った程度の知識なんだもん。

 

 そもそもほら……私が隊長になったときって、アレだったから……

 射干玉も覚えてるでしょ?

 

『ああ……まるでバラエティ番組のドッキリのように、本人には知らされないままでしたな……』

 

 しかも引き継ぎとか後任人事とかの一切を丸投げされてたから、その対処でてんてこ舞いだったから、記憶に薄いのよねぇ……

 あの頃のことは、本当に思い出したくないわぁ……思い出したくないんだけど……思い出すわね。

 

 ――銀城(ぎんじょう)空吾(くうご)

 人間だけど強い霊力を持っていて、死神代行として活動することを尸魂界(ソウルソサエティ)から認められた男。

 ただ、当時の四十六室や貴族が危険視したこともあって、代行証に盗聴器を仕込んで監視する――というか、様子を見るということでひとまずは落ち着いたの。

 ところが何があったのか、銀城は乱心。

 連絡役の死神や仲間たち全員を彼は斬り殺した後、姿を消してしまった。

 

 ……私が知っているのは、大体こんなところね。

 あとは、当時の銀城を担当していたのは浮竹隊長だったことくらいかしら。

 

「大丈夫ですよ隊長! なんかあったときにゃ、俺が担いで運びますから!」

「じゃあ私は、担がれた浮竹隊長を治療すればいいのね?」

「あははは、そりゃカッコ悪いね。そんなことになった日にゃ、隊長の面目丸潰れだと思うんだけど……浮竹はどう思う?」

「海燕、湯川、京楽……ああもう! わかった、わかったよ! 一番隊の軒先でも借りて少し座らせてもらう。これでいいんだろ?」

「なら隊長、お世話は私にお任せを!」

「なっ、ずるいぞ虎徹! それは俺が!!」

 

 清音さんと仙太郎君に挟まれながら、浮竹隊長が離れていきました。

 ですがこの光景を目に焼き付けようとする意思は変わっていないらしく、休憩場所はここから見える位置にするみたいですね。

 

 ともあれ座って身体を休め始めた浮竹隊長を確認すると、京楽隊長が私たちに視線を向けて来ました。

 

「これで心配事が少しは減らせたかな?」

「京楽隊長、ありがとうございました!」

「いやいやボクは二人に乗っかっただけだから、大したことはしてないよ」

「でしたら、大したことの代わりに仕事を持ってきましょうか? 隊長はもう既に刀へ霊圧を込め終えていますよね? ここに居る必要はありませんよね?」

「いやいやちょっと待ってよ七緒ちゃん。何度も言ってるけど、浮竹ってば"この作業が全て終わって一護君が力を取り戻すまでの全てを見届ける"って言って聞かないんだってば! だったら友達として隣にいてあげるべきでしょ?」

 

 伊勢さんのツッコミに、必死で言い訳を並べ始めました。

 ……座り込んでいなけりゃ、もうちょっと説得力があったんですけどねぇ……

 

『しかも先ほどまでは横になっていましたからな! 物見遊山気分がアリアリでしたぞ!!』

 

 まあでも、浮竹隊長が離れたし丁度良いタイミングかもね。

 

「あの、京楽隊長……銀城空吾と浮竹隊長の関係についてお聞きしても良いですか?」

「あれ藍俚(あいり)ちゃんは知らないんだっけ? あー……そっかそっか、あの頃は藍俚(あいり)ちゃんは副隊長だったもんね。それじゃ詳しく知らなくても当然か」

 

 私が切り出すと、京楽隊長は一人納得したように頷きました。

 

「でもボクが知っていることもそこまで多くはないよ。多分、藍俚(あいり)ちゃんが知ってるのと大差ないと思うけど?」

「それでも良いんです。お聞かせ願えませんか?」

「うーん……そうだねぇ……」

 

 座り込んだまましばらく遠い目をしていたかと思えば、京楽隊長はやがて決心したように語り始めました。

 

「先代死神代行は、突然乱心した。自分の仲間と連絡役の死神を斬って、姿を消した。この辺は知っているよね?」

「ええ、まあ……報告書にもありましたから」

「その事件については、映像庁から証拠データが提出されたんだ。そこには銀城空吾が暴れる光景の一部始終が記録されていた。動かぬ証拠ってやつだね」

 

 え、そんなのがあったんですか!?

 

「けど、それでも浮竹のヤツは信じなかった。何か訳があるはずだ、そんなことをするはずが無いって言い続けてね。浮竹は最後まで、無実を信じていた。代行証に盗聴器を仕込むのだって、浮竹はずっと反対していた。最終的には折れたけど、そのときだって"結果的には疑いを晴らすことに繋がるはずだ"って言ってたっけ……」

「ああ、懐かしい話ですね。それだけに、あのときの……銀城のヤツが乱心したときの浮竹隊長は、ちょっと見てられませんでしたよ……」

 

 京楽隊長の言葉を肯定するように、海燕さんも苦々しそうに口にします。

 同じ十三番隊だから、浮竹隊長の苦悩をよく知ってるんですね。

 

 それにしても先代の死神代行が活躍していた時代かぁ……

 えーっと……私、その頃って何をしていたっけ……?

 

お山(おっぱい)をマッサージをしていましたな!!』

 

 それはそうだけど!!

 

「だから今回の、一護君に接触してきたことは、浮竹からすればむしろ千載一遇の好機でもあるんだ。なにしろ本人に直接問い質せるまたとない機会だからね……そんな友人の姿を、せめて近くで見届け続けたいんだよ」

 

 うー……京楽隊長ってば時々こんな風にシリアスでかっこ良くなるからずるいのよね!

 ホラ見て、隣の伊勢さんが顔を真っ赤にして横顔を眺めてる!!

 

藍俚(あいり)ちゃん、海燕君。ボクの代わりに浮竹のことを……今回の一部始終を。最後まで見届けてやってくれるかい?」

「ええ、任せてください!」

「わかりました」

 

 京楽隊長の言葉に、私と海燕さんは力強く返事をします。

 

 実はですね。

 一護の力を取り戻させると同時に、彼がどんな決断をするのかを見届けるように総隊長から命令されているんです。

 銀城と接触していることも分かったので、それらを含めて一護がどんな選択をするのかを確認するために。

 なので、この刀に霊圧を込め終わったら現世に行くことが決定しています。

 

 選出されたのは――

 

 まず、ルキアさん、浮竹隊長、海燕さん。

 この三人は、一護に縁が深いからね。当然の人選よね。

 

 続いて朽木隊長と阿散井君。

 一護と関わりが深いからね。

 仲の良さなら、桃やイヅル君も負けていないんだけど……

 ほら、席次が……あの二人って三席だから……

 

 最後に私。

 

 ……なんで? ルキアさんたちがいればもうそれでいいでしょ!?

 いやまあ、嬉しいわよ! 嬉しいんだけど!!

 特に三年生に進級した織姫さんとか、穴の空くほど見てやろうって腹づもりだけど!!

 

 多分ですけど、最初に現世で一護と接触したのって私ですし……

 あと浮竹隊長に万が一があったときの回復係としての選抜だと思います。

 

『便利に使われておりますな!!』

 

 ねぇ……本当よねぇ……総隊長ってば過保護なんだからぁっ!!

 

 あ、便利といえばさ……

 

「ところで京楽隊長。この列、いつ頃終わると思いますかね?」

「さあねぇ……夜を超えるのは間違いないと思うけど……?」

「やっぱり、そうですよねぇ……はああぁぁぁ……っ……」

 

 誰に憚ることなく、大きなため息を吐き出しました。

 

 この刀に霊圧を込める作業なんだけどね。

 一番最後はルキアさんにしてくれって、浦原の依頼なの。

 なんでも、霊圧が年輪みたいに一護の中心から順番に蓄積されていくそうなの。

 つまり、最初に一護に流れ込む霊圧をルキアさんの物にすることで、他の死神の霊圧と馴染みやすくさせるんだって。

 

 で、最後から二番目は私にしろって言われたの。

 ホラ私、現世で一護の鎖結と魄睡を壊して、それ以外は完璧に治したでしょ? アレが原因なのよ。

 二番目に一護に流れ込んだ霊圧ってことで、より万全を期すためにそうしろって……

 

 最後だったらまだ分かるのよ! 一護が一番最初に触れた霊圧ってことで、いっそ誇らしいもの!! 待ち時間すら胸を張れるわよ!!

 でも私、二番目よ!? それも「まあ、そうした方が安全でしょ」ってレベルなのよ!! ルキアさんが最後なハッキリとした理由とは違って、気休めレベルなのよ!!

 

『強者ムーブをした弊害がこんなところに出るとは……』

 

 嬉しくないブービー賞を獲得しながら、列が途切れるのをひたすら待たなきゃならないなんて……

 あのときの私の馬鹿あああぁぁっ!!

 

 

 

 ……でも強者ムーブ(アレ)強者ムーブ(アレ)で気持ちよかったんだけどね。

 




●浮竹と銀城の部分
まあ……触れておかないと、嘘ですよね。

というか原作でも浮竹さん、這ってでも現世に来ればよかったのに。
(四番隊に四方を囲まれて集中治療されつつ、血を吐きながら登場。みたいな感じで、意地でも登場してよ)

全部が終わってから氷嚢片手に「よかったぁ~~……」って……
良くない、全然良くないよ!?

●初代死神代行について
その辺の事情は「浮竹以外の隊長は詳しく知らない(京楽でもちゃんと知らされていない)」らしいので。
((小説版の檜佐木の言動から見ても)詳細を知るのは隊長クラスのはず)

シロちゃんは知ってるみたいなので、その辺から判断すると。
「銀城の事件は15年くらい前で、銀城は現在30歳前後くらい。知っているのは当時の隊長クラス」と、妄想位置づけしてます。

(隊長歴が10年ちょいの誰かさんは、ほとんど知らないということになります)

●現世に行く組
浮竹・海燕・ルキア(ルキアは絶対として、他は縁者なので)
白哉・阿散井(ルキアが行くから&それなりに一護と親しいので)
藍俚(救急箱代わり)

●支援絵のご紹介
・1枚目
挿絵表示
ノノフ様から、支援絵を頂戴しました。まさかの二枚目です。
今回は隊首羽織を纏っています。ホント、見た目だけは美人で優しそう……

(そしてコレをいただいた際に「各隊長の羽織は羽裏色も決まっている」ということを知りました……全く知らなかった……)

(追記
挿絵表示その2
羽織裏を考慮していただきました

……うれしい

・2枚目
外部リンク
白犬しゅねー様からです
(X(旧ツイッター)なので外部サイトに飛びます。加えてR18制限が掛かっているようなので、見るのにログインとか年齢認証とかが必要みたいなのでご注意を)
AI絵らしいです。
こんなのがポンと生み出せてしまうとか、世の中は便利になったわよねぇ……
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