『明らかにヤバそうなのが出てきましたな。これはもう、ゲームで言ったら魔王との直前レベルの雰囲気がプンプンしているでござるよ……それに引き換えコチラは……薄汚れた勇者が一人……いえ、勇者では無くヒーラーでしたっけ? 前に
薄汚れたって言うなぁ!!
確かに汚れているけども! あと、前に勇者だ僧侶だって言ったこともあるけれども!!
『具体的には都殿を救出に行くときでございますな! 数字でいうと95話!!』
身なりにしても死覇装は砂埃で汚れているし、出血でドス黒い染みができてるし、そもそも襲われてボロボロになってるし……
でもあのユーハバッハと戦って、捕まってそのままだから仕方ないでしょ!! 時間があれば私だって小綺麗な格好に整えてたわよ!!
あーっ! お風呂入りたい!! 医者は清潔でナンボなのよ!!
内心で思いきり悪態を吐きつつ、相手の攻撃を躱します。
それにしてもこのジェラルドって
勝手に息を吹き返すな、って言うけど……じゃあ何!? 私は自分で気絶から覚醒したり、自分で自分の怪我を治すのもダメなの!?
陛下のお膝元で暴れるな、って言うけど……じゃあ何!? 私はここで重要施設や補給物資を破壊するのもダメなの!?
『異議あり!!』
どうしたの、ヌル歩堂くん?
『!? い、いえ……その、
ここはサバンナじゃないから問題ないわね!!
……あ、おっと危ない。
「ちょこまかと、猪口才な! 大人しく我が
「くっ……!!」
なお、外れた剣は勢い余って壁に衝突、そのまま壁を綺麗に破壊してくれました。
さっきは近くにあった柱を砕いてたし、ひょっとしてこのジェラルドって
違うんだろうけれど、そう思えるくらいの暴れっぷりで、建物を壊しています。
なので、私もそれに乗ることにしました。
元々施設の破壊も目的に入れていたからね。ジェラルドに手伝ってもらうことにしたの。
劣勢を演じ、ギリギリ当たるように見せかけながら回避に徹することで劣勢を装って。
いえ、当たったら危険なのは間違いないんだけど……そこまで苦労しないのよね。
ユーハバッハの戦いを経験したから、だと思うんだけど。
『(
他にも、居残りの一般
私とジェラルドの戦いを、遠巻きに眺めているだけです。
下手に援護すれば巻き込まれるか、はたまたジェラルドの誤射する恐れがあると思って手を出せないでいるみたい。
一応、私がチラチラとそっちに視線を送って眼で牽制しているのもあると思うけど……でも、どちらかと言えばジェラルドの邪魔をするのを恐れている様に見えるわ。
「危ないっ!!」
「またしても避けるか!! 生き汚いだけあってか逃げるのだけは上手いようだな!!」
力一杯叩き付けられた剣を避ければ、刀身が壁に半ばまで食い込んで止まりました。
半壊した壁の向こうから光が差し込んでいるのが見えます。
『最外周の外壁まで壊してきたとか、ジェラルド殿も根性がありますなぁ』
まったく、ね。
オマケにあの剣、壁やら床やら柱やら天井やらを壊しまくっているのに、全然刃毀れしないし。
「……うぅ……どうやら、もう逃げ場は無いみたいね……」
相手が私を下に見ているのなら
壊れかけた壁を背にしながら、それとなく呟きます。劣勢を演じて、冥土の土産から情報を引き出せるかもしれないから。
「こんなに強い相手が残っている、なんて……まさかユーハバッハの側近……!?」
「ほう、邪悪な死神であっても物を見る目だけはあるようだ」
あれ、まさか……ノって来たの……!? 単純ねぇ……
無視されるのを覚悟で、誰に向けるでもなく呟けば、ジェラルドが気を良くしました。
「その通り! 我は
「神赦親衛隊……!? ただでさえ、貴方みたいな強い
「フン! 他の者など無用! 貴様のような死に損ない、我一人で十分よ!! ましてや三対一などするまでもない!!」
……うわぁ……ペラペラとまあ……予想以上の収穫だわ。
三対一と口にしたってことは、あと二人くらいはこのジェラルドのお仲間がいるってことね。雰囲気からすると四天王みたいなのが。
それと
「くっ、甘く見られたものね……! 私一人でも貴方くらいはッ!!」
「ふん!」
「うそっ!?」
……まあ、止められるわよね。
かなり手加減した、やぶれかぶれに見せかけた拳の一撃はジェラルドの腹筋に突き刺さります。
ですがその一撃は相手を軽く揺らしただけで、ダメージは与えられません。
「か弱い女の一撃など蚊に刺されたような物! 効かぬわ!!」
「じゃあ、これならどう!?」
「無駄だと言うのが理解できぬようだな!!」
さらに一撃を入れるべくジェラルドの懐へと潜り込もうとすれば、相手も私の動きを潰すように剣を振るってきました。
「いいえ、理解しているわよ……だから、こうッ!!」
「ぬうっ!?」
その剣を身を捻って躱すと相手の腕を掴み、背負い投げの要領で一気に壁を目掛けて叩き付けます。
ただでさえ脆くなっていた壁は、ジェラルドの巨体を叩き付けられた衝撃で今にも崩れ落ちそうなくらい罅が入りました。
「ぐ……っ! 少しはやる……――」
「まだまだッ!!」
その場で飛び上がりながら、投げ飛ばしたジェラルド目掛けて両足で蹴りを放ちます。
強めに放ったドロップキックを受けたことで、相手は壁を吹き飛ばしながら完全に外へと吹き飛ばされ、そして落下していきました。
「ぐおおおおっ!?」
「まだま、だ……?」
落下したジェラルドを追って、壊れた壁から外に飛び出して――
「何……これ……!?」
私は一瞬、言葉を失いました。
外に広がっていたのは、灰色の世界。
薄暗い空模様と、周囲に広がるのは白一色の建物群。
時計塔や神殿といった建造物を見るだけでも技術力の高さは十分に窺えるものの、白だけという色彩の違和感が、凄まじい寒々しさを与えてくれます。
まるで心の底まで凍えてしまいそうな、地平線の先まで続いていく寒色……
『実際、建物やら地面やらのあちこちが凍っているでござるよ。つまりこの世界はとっても寒いというわけでござるな!!』
やだ、困る!! 冷え性になっちゃう!!
「ぬおおおおおっ!! 邪悪なる死神めがあぁッ!!」
「えッ!? きゃああああぁぁっ!!」
風景に気を取られて生じた一瞬の隙に、ジェラルドは復活して私に剣を叩き込んできました。
防御しようとするも僅かに遅く、斬撃の直撃を受けてしまいます。
それどころか相手の力が強すぎて、斬られた勢いそのままに吹き飛ばされました。
先ほどまでいた建物の中へと戻され、それでも止まらない勢いのまま別の壁に衝突し、そのまま壁を破壊して外に飛び出すと、新たな建物にぶつかってようやく止まりました。
『まるで漫画みたいな吹き飛ばされっぷりでござるな!!』
本当にね……
あと吹き飛ばされる途中、今まで戦っていた建物が半壊して崩れていくのが見えました。
多分、ジェラルドが暴れまくって脆くなって、私が吹き飛ばされて壊したのがトドメになったみたい。
『せんせー、
違います! ジェラルドくんがやったんです!!
私悪くないもん!! 壊したんじゃなくて、勝手に壊れたんだもん!!
……あ、建物が壊れたから残っていた一般
悲鳴とか怒号とか、助けを呼ぶ声とかが聞こえるわ。
「いたたたた……」
って、暢気な感想を言ってる場合じゃないんだけどね。
吹き飛ばされて別の建物にダイナミックお邪魔しますをする羽目になったわけで。
叩き込まれた部屋の中、痛む身体を起こしてジェラルドの追撃に備えようと――
「何コレ……?」
したところで、部屋の様子に気付きました。
いえね、部屋そのものは普通のお部屋、なのよ。
個室とは思えないくらい広くて、でも調度品はちょっと少なめで寂しい感じで、でも頑張って可愛らしくオシャレな雰囲気にしているお部屋なの。
これは間違いなく女性の部屋ね。
そんなお部屋に叩き込まれた時に巻き込んでしまったらしく、私の周囲には色んな道具が散乱していました。
それら道具の一つを、なんとなく拾い上げます。
「ヘアアイロンにヘアオイル、ドライヤーにヘアブラシにヘアスプレーまで……? 他にも色んな道具がいっぱい……どれも高級品ばっかり……」
『……あっ、まさか』
なに、どうしたの射干玉!? 何か知ってるの!? 心当たりがあるの!?!?
『い、いいえ、拙者は何も……』
ふぅん……
さっきも説明したけれど、部屋に叩き込まれたときに巻き込んでしまったみたいで、
それらの道具は壊れちゃったみたい。
どれもこれも潰れていたり、ひしゃげて使い物にならなくなってたりで……ほぼ全滅してる……
一応、持ち主には謝っておきましょう。心の中だけで。
だって会う機会がなさそうなんだもん。
『(よ、予備くらいはありますよねキャンディス殿!? 毎日何時間も早く起きて髪を整えているんですから、こういった時の為の備えだってきっと!! 多分間違いなくあるはず!!)』
あとさっき、一瞬だけしか確認できなかったから自信がないんだけど。
襲いかかってきたジェラルドの姿がおかしかった気がするのよね……なんだか大きくなっっていたような……
「そこにいたか女ぁッ!!」
どなたかのお部屋に叩き込まれた私を追いかけて、ジェラルドもまた乱入してきました。
部屋の壁を叩き壊しながらの、豪快な侵入手段ですね。
そのジェラルドの姿は予想通り、さきほど見たときよりも全体的に少しだけ大きくなっていました。
「大きく、なってる……!?」
「言ったはずだぞ! 我は
それってつまり……さっき私がドロップキックを叩き込んだ時のダメージが原因ってこと!?
ダメージを与えると、強化されて復活するってわけ!? しかも大きくなって復活!?
うわぁ……面倒な相手ね……
「あまりに腹立たしく、つい交換してしまったが……貴様の無様な姿を見られたのだ、多少なりとも価値はあったな!!」
まるで
しかも能力を使って大きくなるのがちょっと不本意、みたいなことを言われてるわ!!
『ジェラルド殿からすれば、格下で倒せると思ってた
知らないわよそんなこと!!
それよりコイツ、どうやって倒せば良いの!? 傷付けると強化されるんでしょ!?
思いつく方法としては、一撃必殺……もしくは復活するよりも早く大量の攻撃を叩き込む……? って、やることはどっちも同じよね。
もっと別の手段を……こういう場合の定石は……
「受けよ! 我が新たなる一撃を!!」
「――速い!?」
ジェラルドの剣が再び振り回されました。
その威力も速度も、先ほど相手にしていたときよりもずっと速く、強くなっています。
なるほど。
この威力なら、ちょっと油断していたとはいえ、あれだけ吹き飛ばされるのも当然ね。
「けど、まだ!!」
「無駄だ!! その程度の実力では、もはや勝負にすらならぬわ!!」
攻撃をかいくぐって様子見の拳を放ちましたが、相手は左腕で攻撃を受け止めました。
そして防御と同時に、右手の剣が再び猛威を振るって来ます。
「……っ!!」
「どうした女死神! 我が剣の前に手も足も出ないか!?」
いえ……
半端なダメージを与えても無駄だから、あなたの戦力を測っている最中なんだけど……
あと、そのね……
また大暴れして、部屋の中をめちゃめちゃにしてるんだけど、平気なの?
どう見てもお仲間の部屋、それも多分女性の部屋なんだけど? 本当に平気なの!?
「大人しく死ぬが良い!!」
『
それ、私じゃなくて相手に言って!!
「むっ!?」
「ええっ!? これってまさか……」
振りかぶり、全力で繰り出された剣を避けた時でした。
剣は空を切る……こともなく、私の後ろにあった柱を壁ごと叩き壊しました。
と同時に部屋全体が大きく揺れ、視界が傾きました。
「なんと、これは!?」
「崩れ――!!」
逃げようとするよりも早く、天井からは瓦礫が降ってきて、床は一瞬で崩落しました。あっという間に周囲を巻き込んだ大災害です。
『つまり、この部屋を中心に上下の三部屋分の吹き抜け構造になったわけですな!! なんとオシャレな!! これはもうガウディもフランク・ロイド・ライトも真っ青でござるよ!!』
そりゃそうでしょうね!!
世の中の建築家は、こんな無茶な
砂埃やら砂塵やらが舞い散る中、心の中で射干玉にツッコミを入れながら顔を出します。
降ってきた瓦礫は全部弾いて、足場をなんとか確保しながら、私は下の部屋へと降りたんだけど、ジェラルドはどうなったのかしら?
思いっきり巻き込まれていたんだけど……
「ぬうっん!! この程度で我を止められると思ったか!!」
今のは自爆でしょうに……
瓦礫の山の中から元気
「………………ぷっ!! あはははははははははっ!! だ、ダメっ!! それは反則、ダメだってばっ!!」
ジェ、ジェラルドが出てきたのを見た瞬間、我慢できずに大笑いしちゃった。
「何がおかしい!? 女死神め、我を愚弄する気か!!」
「だ、だって、だって!! 気付いていないの!? かお、顔っ!!」
ジェラルドは頭に女物のパンツを被っていて、目元のマスクは上からブラジャーを巻いているんだもの!!
笑うなって方が無理でしょコレ!!
ヘンタイ! これもうギャグ漫画の分かり易いヘンタイの図よ!!
『もしくは
射干玉も大絶賛です。
ジェラルドが気付いていなくて、大真面目な態度を取っているのがまた笑いを誘って……
あ、まさか!!
嘘でしょ!? でもこんなの狙ったって出来ないわよ!? そういう能力だったの!?!?
『なにそれ超欲しい!! 拙者も今からミラクル射干玉ちゃんとして活躍したいでござるよ!!
……ガール!? 私、ガール枠でいいの!? それは、ちょっと嬉しいかな。
コホン、気を取り直して。
近くには上から落ちてきたであろう
落下の衝撃で壊れて散らばったんでしょうね。
で、その中のいくつかが上手いことジェラルドの上に落ちて、瓦礫の中から顔を出した時に上手い具合に装着したというわけなの!
……やっぱりこれ奇跡だわ!!
『しかも見て下さい
本当にね。
誰が何の目的でこんな下着を持っていたのやら……こんな際どい下着、身体に相当の自信がないと着られないわよ……?
『(多分これも、バンビーズのどなたかのはず……キャンディス殿の部屋はもう荒らされたから除外するとして、黒の下着……黒と言えばバンビエッタ殿!? それともジゼル殿!? 判別法方は……)ですが、色っぽい下着ですし、
ええっ!? 嫌よそんなの!!
大体アレじゃ胸のサイズが合わないもの。
『(そうでした胸のサイズがありましたな!! ということはおそらくアレの持ち主はバンビ殿……!? ですがこの状況、見た瞬間にバンビ殿が超激おこになりますな……いえ、能力的には"爆おこ"とした方が……? それにミニーニャ殿の可能性もまだ残っている……!? ああっ、拙者も
「なっ! なんだこれは!? 何故我がこのような物を!!」
笑い物にされてようやく気付いたのか、ジェラルドは被ったパンツとブラジャーを乱暴に剥ぎ取ると、私に向けてもの凄い憎悪の眼を向けてきました。
「……おのれ死神ぃッ!! 勝機が無いからと、不埒な真似を!!」
「ちょっと、それは濡れ衣……」
「問答無用! 恥を知れ!!」
『なんとジェラルド殿は怒りのあまり、パンツとブラジャーを床の瓦礫に叩き付けてしまったわけでござるよ!! 叩き付けたパンツとブラジャーは一瞬にしてビリビリに破れてしまって……なんと勿体ない!!』
もうパンツの話はいいから!!
「ああ、もう! 仕方がない!!」
「待てッ!!」
口でそう言いながら、全力で建物から外へと逃げ出します。
この男、もう少し泳がせるべきよね。
だって絶対に、もっと何かをやらかしてくれそうなんだもの。
だから、新しい獲物を探してそこに引き込みましょう。
今度はどんな奇跡を起こしてくれるのかしら――って、別の霊圧!?
「ぐうう……っ!!」
外に出て、気配と霊圧を感じ取った瞬間。
まさに違和感に気付いたと同時に、左腕に激痛が走りました。痛みを感じたのに少し遅れて、銃声のような音も聞こえてきました。
どうやら、狙撃されたみたい。
傷口を確認してみれば二の腕を幾ばくか、丸く削り取られているのが見えます。
ただ貫通はしていないし、骨までも届いていないみたい。
これならすぐに治せるわね。
狙撃であっても結局のところ
ただ、撃たれた衝撃でバランスを崩して、思わず落下しちゃったけど。
「ぬっ、今のは……リジェか!?」
私が撃たれたのを見て、ジェラルドが別方向へと目を向けます。
その先にいたのは、狙撃用の巨大なライフル銃を抱えた浅黒い肌の青年でした。
「どういうつもりだ!? この死神を討伐するのは我一人で十分だと言っただろう!!」
「ああ、確かにそう言って出て行ったな……けど、被害が出すぎてるんだよ」
リジェと呼ばれた男は、構えていた銃から一度顔を上げると、嘆息しながら続きを口にしました。
「
「何を言うか! あの邪悪で恥知らずの死神は、もはや我が手で抹殺せねば気が済まぬ!!」
「そう言うがな、暴れすぎている。このままだと陛下が戻ってきたときにご迷惑となるぞ?」
「ぬ、ぐ……っ……!!」
痛いところを突かれた、とばかりにジェラルドが押し黙りました。
「これだけ被害をだしておいて、あの死神を逃がしたとなれば大問題だ。これ以上問題を起こさず、速やかに事態を収束させるぞ?」
「仕方あるまい」
不承不承ながら、頷いています。
あらら、向こうに
脳筋みたいなキャラだったから、見てて面白かったのに……見納めかぁ……
「……」
狙撃されて落下している――ように見せかけて、実は逃げている私に向けて、リジェは見下すような視線を向けてきました。
「貫通していない……」
一度そう呟いたものの、自分の言葉を自分で否定するように首を横に振ります。
「いや、違うな。あの女は、陛下が『未知数の蘇生』として特記戦力に挙げられていた。となれば貫かれた瞬間に治しただけ、ただの子供騙しだ」
いやいや、治していないからね!! 普通に撃たれただけだからね!!
何を勝手に、したり顔で納得してるのよ!!
貫通していないのはそっちの腕が悪いだけでしょうが!!
建物の影に身を隠しながら、先ほどのリジェの言葉に心の中で思い切り反論します。
貫くって何!?
そんなに自信があって狙撃したけど、私を殺せなかったからケチをつけたってわけ!?
まさかあの男も、
でもそれなら、頭を撃ち抜くなり、足を撃って動けなくするなり、やり方はあるはずなのに、なんで腕を撃ったのよ!!
『(ツッコミを入れたいのはこちらでござるよ……いや、リジェ殿が一番文句を言いたいでしょうな。多分、間違いなく一撃必殺で撃ち抜いたのでしょうが、何故か
貫くっていうのも能力だろうから、えっと……
貫く、つらぬく……えっとえっと……つ、
『(撃たれても貫通しない、表面を削っているということでござるな。たしかリジェ殿の
ダメだ……分からないわ……
傷は簡単に治せたけれど、能力が全然わからない……
ジェラルドを下敷きに推理してみようと思ったんだけど、そもそも
奇跡って言葉がカバーしている範囲が広すぎて……想像がつかない!! 全然参考にならない!!
「……誰ッ!?」
「す、すみません!!」
人の気配を察知して振り返ってみれば、一人の
多分、私の鎮圧に借り出されたんでしょうね。
だけど彼、私を見ても叫ぶとか居場所を知らせるとか、攻撃をするわけでもない。
交戦する意思はないとばかりに両手を挙げて、神妙な表情を見せています。
……あら? 気のせい、かしら……?
どこかでこの子、見たような……??
でも、
『おや、この方は』
ええっ! まさかの射干玉のお知り合い!?
『捕まった
ああ、この胸の傷を治してくれた子ね。
あの後で自分でも治したから、もうすっかりよくなっているけど。
……でも、その
『ひょっとして
ええっ!? や、やだ……どうしよう……困っちゃう……
「その、逃げて下さい!!」
「……?」
私たちが混乱している中、目の前の
●
パンツを被ってブラジャーをマスクにするミラクル。
●ヘアアイロンとかエッチな下着とか
本文中でも書きましたが、バンビーズの私物です。巻き込まれて部屋が荒らされました。
(
●リジェの万物貫通がイマイチ効かない
278話とプリキュアのおかげ。
●ペルニダやニャンゾルはどうした?
・ペルニダ
→ 命令されていないし、陛下の危険とかもないし、動かない。
・ニャンゾル
→ ジェラルドが行って、その後リジェも行った。「なら不要らろ」。
本来コイツらも含めて、親衛隊は待機(二次侵攻時で戦力として使うので秘匿)
被害を無視できなくなって、リジェ投入 ← イマココ
(リジェとジェラルドがいれば、過剰戦力と判断しても仕方ない)