「どうやら、出し惜しみは無理みたいね……!!」
「むっ!?」
「……!!」
ジェラルドとリジェという二人の強敵を前に覚悟を決めなおすと、片手を顔に翳しながら
おそらく知識としては知っていても、実際に体験したことはないのでしょう。
私が面を被り霊圧が変化した瞬間、二人の顔に僅かな驚きの感情が浮かびました。
「死神が
「失礼ね!! 誰が醜悪な外見よ!!」
なんとも頭に来る言葉を遠慮無く言いながら、ジェラルドは再び襲いかかってきました。
ですが
荒々しく振り回される剣を素手で受け流しながら、意識はリジェへと向けておきます。
「貴様だ死神! すぐにでも貴様を屠り、その首を民衆の前に晒してやる!!」
なにしろ今、最も厄介なのはリジェの能力だからね。
ジェラルドの能力だけなら、最悪の場合は傷つけないことを徹底することで何とか抑えられると思うのよ。
でもリジェの能力はもう少しだけ見極めたいから、こうやって探ろうとしているんだけど……
「…………」
向こうも、私の狙いに気付いている、みたいね……
油断なく銃口をこっちに向けているものの、無言のまま少し思案顔をしているの。
まあ、向こうからしてみれば「絶対の自信を以って撃った弾丸が止められている」わけだから、慎重にもなるわけか……
……となれば、私の方から行動を起こして場を動かさないとダメよね?
「誰が、晒し首よ!!」
「ぐはあっ!?」
好き勝手に言ってくるジェラルドへのお返しの意味も込めて、攻撃を十分に引きつけたところでカウンター気味に顎を拳で打ち抜きます。
相手の力を綺麗に利用できたこともあって、そのまま放物線を描きながら綺麗に吹っ飛んでいきました。
……あ、でもこの攻撃も回道を併用してダメージそのものは消しているわよ。
「ぐ、くく……ははははっ!! 何度やっても懲りぬ愚か者め!! その程度の攻撃では我は決して倒れぬ!!」
吹き飛ばされて地面に伏したものの、ジェラルドは即座に起き上がろうとして――
「倒れ……ぬうぅぅっ!?」
「……ッ!?」
盛大にコケました。それはもう、見事なくらいに。
リジェも、倒れる姿を目にした瞬間に思わず息を呑むほどです。
『しまったあああっ!! 動画、今のは動画で取っておくべきでした!! 今のは絶対、ハプニング動画として大ウケしたはずでござるよ……』
そんな、射干玉も大絶賛の盛大なコケっぷりを見せながらも、ジェラルドは懸命に起き上がってきました。
「何をした……!?
「……意外に元気そうね。でも――」
ジェラルドの足下を指し示しながら続きを口にします。
「
「な……っ!? 死神ぃぃっ!! よくも我にこのような辱めを!! 民衆の希望を束ねた剣を!!」
『煽りますなぁ
そうね……
ホラ、私たち死神だって斬魄刀があるから、それと同じ感じで「粗末にしてるんですね」とか言ったら、怒るかな? と思ったんだけど……
想定外なくらいに効果覿面だったわ……
しかも、杖代わりにしていた剣を慌てて振り上げたから、バランスを失って再度コケてる……
「死神いいいいいいいいいいぃぃぃぃっっ!!」
コケさせられた怒りと合わさって、両目が憤怒って訴えているわね。
……いやいや、今のは私じゃないでしょ!?
『ただでさえ奇跡の連発で沸点が低くなっているところにコレでござるよ……このままだと怒りすぎて血管が切れるのではないかと、敵の事ながら拙者も心配になってくるでござる……』
血管が切れても
「鬼道――いや、縛道というやつか……」
ジェラルドがコント……もとい、手玉に取られているのを見ていたリジェが、ふと呟きました。
「何が?」
「ジェラルドの脚を払った方法だ。不可視の糸か何かを使ったのだろう?」
「残念だけど……不正解!」
得意げに推理を口にするリジェに向けて、誤答の罰代わりに
ジェラルドが転んだのは、単純に
さっきカウンターを打ったときに、狙ってみたの。
繰り返しの説明になるけれど、ダメージは回道で消しているから単純な意識障害やふらつき程度の変調しか起こせないけれどね。
期待半分、通ればラッキーな試みだったんだけど、想定外に上手く行ったわ。
『ジェラルド殿は踏まれり蹴られたりですなぁ……ドM垂涎の状況でござるよ!!』
本当ね……なんでここまで奇跡を起こしてるのかしら……?
それとも、やっぱり
それはそれとして。
「チッ……!」
「くっ……!!」
私が放った
銃口の位置と角度からどこを狙っているのかのアタリを付けると、両腕を十字に交差させて全力で防御の構えを取ります。
「……
「何故だ……? 右肩を……」
銃口から光が走ったかと思ったと同時に、交差させていた腕が抉られました。
予想していたとはいえ腕を撃たれる痛みに思わず声を上げちゃったけれど、でもリジェの呟きは確かに聞いたわよ。
今、右肩って言ったわよね?
相手から見れば完全に射線は通っていなかったなのに、まるで
それと今までの情報を総合して考えると……リジェの能力は……
絶対命中――といったところかしら? ちょっと違う気もするけれど。
最初の時に「貫通」って言ってたから、それも絡めて言い表すには……うーん、上手い言葉が見つからないわ……
『(まあ、さすがにこれだけ撃たれれば、なんとなくは想像もつくでござるな)』
とにかく「撃てば必ず当たる」「撃った瞬間に命中する」「銃口と標的の間に遮蔽物などあっても貫通して邪魔されない」くらいを覚えておけば大丈夫そうね。
あと、驚きっぷりから考えるに「私は例外で、何故か貫通しない」と思うの。
理由は不明!! それどころか、撃ったリジェからして想定外って感じに見えたけど。
『(本当に、何ででござるか?
……こうやっておさらいして、考え直して、改めて気付いたんだけどさぁ……
『おや、何か気付きましたか?』
この能力を絶対命中って表現したけれど、考え方としては「撃ったら絶対に当たる」っていう……こう、概念に干渉している感じ、よね……?
『まあ、そうでございますな。絶対命中ならば例えば「銃弾が自由に動き回って命中するまで延々と追い続けてきます」のようなモノでも当てはまりますので』
射干玉もさぁ……概念に、干渉できるようになったわよね……?
『……!? おおっ! そういえば!! いやぁ、すっかり忘れていたでござるよ!!』
そしてつまり、射干玉の粘液を日常的に浴びて取り扱っている私も、知らず知らずに恩恵を受けているってこと、よね……?
絶対に命中するって概念に、私の身体が良い感じに干渉して邪魔してるってことよね!?
さっきの銃撃を例に出すと「右肩を狙った。本来なら絶対に右肩に当たるはず。だけど私は腕を出していたので、肉体が干渉して腕に当たった」って感じになるのよね!?
今まで撃たれても貫通しなかったのは、肉体に当たったことで干渉して能力が消えたからってことよね!?
『そうなりますなぁ!! 根拠とか詳しい理由とか理論的な説明とかはさっぱり出来んでござるが!!』
いやいやいや、アンタの身体でしょ!? 自分のことでしょ!? 何で分からないのよ!? 何で、さも「今気付きました」って態度になってるの!?
『お、おおおおお言葉ですが
エナメル質と象牙質とセメント質、でしょ。
『!?!?!?!?!?!?!?』
歯髄とか歯肉の辺りまで答えた方が良い?
『……あ、あの……申し訳ございませんでした。拙者の不徳の致すところでございます……ですのでどうか、この辺りでご勘弁を……ヒラに……』
そうね……
とにかく、どうやらリジェにとって私――というか射干玉は
『ああああっ!! ということはまさか!!』
どうしたのよ!? まとめに入ろうと思ってたのに!!
『じぇ、じぇじぇじぇ……』
岩手の方言?
『ジェラルド殿の奇跡でござるよ!! あれもきっと、
その結果?
『あんな風に奇跡を起こしてしまったと!! 言うなれば天然の乱数調整!!
そ、そうなんだ……
……そろそろ切り上げて良いわよね?
『はい。大体言いたいことは言いましたので』
「
リジェに撃たれた腕を即座に治療しながら、再び
「破道の八十八! 飛竜撃賊震天雷炮!」
「どんなまやかしを使ったかは知らないが……僕の力は全てを貫く!!」
迫り来る二種類の破壊の光線を、リジェは今回は避けようとしませんでした。
両目で私を睨みながら銃を構え、そして引き金を引きます。
……今まで「狙撃しているから片目を瞑っている」と思っていたんだけど、両目を開いていても撃てるのね。当たり前だけど。
「これだけ撃たれていれば、慣れるわよね!!」
貫通しないと分かってしまえば、身体で受け止める方がダメージは少ないからね。むしろ全力の
とはいえ我ながら無茶なことを叫びながら、不可視の銃撃を身体で受け止めます。
対してリジェは、私が放った攻撃に飲み込まれていきました。避けようともしなかったのだから、当然だけどね。
二種類の攻撃はリジェを飲み込んでも止まらず、周辺の建物を巻き込み破壊しながら突き進んでいきます。
このまま追撃を仕掛けたいところなんだけど……それはちょっと無理そうね。
「死神いいいっ!!」
「……くっ!」
ジェラルドが私目掛けて剣を振り下ろしてきました。
さすがに復活が早いわね。軽度だから仕方ないとはいえ、もう少し時間を稼げると思ったのに。これも奇跡の影響ってことかしら?
『今度はジェラルド殿がどんな奇跡を見せてくれるかと思うと、ワクワクに胸が躍ってしまうでござるな!! ドキドキラブラブでござるよ!!』
射干玉の期待むなしく、今回は奇跡は起きませんでした。ジェラルドの刃を躱しながら、私はリジェへの追撃を断念します。
なにしろこのやり取りの横で、無傷のリジェが姿を現しましたから。
「まやかしではなく、何らかの能力か……? 不明だが、どうやらお前は貫けない相手だと認識するべきのようだ」
「おおリジェ! よもやお前が目を開くとはな!」
「目を……? まさか、無傷でいられたのは……」
「そうだ。両目を開いている瞬間、僕を殺せる武器は存在しなくなる」
そういえばさっき、攻撃を受ける直前に両目を開いていたわね。
その推測を裏付けるように、リジェは左目を閉じながら肯定してきました。
「そしてもう一つ。先ほどの攻撃で、確認させてもらった。僕の銃撃はお前は貫けないが、僕の身体はお前の攻撃を貫き通り過ぎる。それが確認できれば十分だ……僕たちも陛下からこの場を任されている。逃げられると思うなよ」
要約すると、何でも貫通する攻撃と、何でもすり抜ける防御を持っている……ってことよね、コレ……?
うわぁ、厄介。
私が攻撃をなんだか無効化しているっぽいから、あえて確認して、その上で私をこの世界に縛り付けようとしているってわけか……
でも、やりようはありそうね。能力の底も見えてきたことだし……
それにどうやら、射干玉の概念干渉に気付いたわけじゃなさそう。
『おお、
……ま、
『
「この死神は我の獲物だぞ?」
「ああ、わかっている……さ!」
リジェの銃撃が放たれ、私の胸元が抉られました。
それを合図に、ジェラルドの攻撃が再び襲い掛かって来ます。
この短時間で何度となく目にした強烈な斬撃から身を躱しながら、私はタイミングを計っていきます。
「何か企んでいるな!? だが我には通じぬぞ!!」
へえ、すぐに気付くなんて……少しだけ見直したわ。
でもこの時点で看破できていない様じゃあ……甘いんじゃない……?
「ふんっ!」
「効かぬ!!」
再度、回道を併用した"ダメージのない攻撃"を放ちます。
狙うのは腹部。分厚い筋肉の鎧に覆われているその部位へ、平手の攻撃を仕掛けます。
当たりこそするもののジェラルドは歯牙にも掛けません。
「貫通しなくとも、ダメージはある。今はそれで十分だ」
「う……っ!!」
私の攻撃に合わせてリジェから射撃が飛んできます。やはり肌の表皮で攻撃は止まるものの、無傷とは行きません。
しかも今回狙ってきたのは頭部、それも額です。
今までは私を捕まえるため、狙う部位は手足が中心でした。
ですが今や私を貫通できないと相手も認識していますからね。認識が「殺すつもりで丁度良い」に変わったんでしょう。
本来ならば撃ち抜かれて一撃死となりますが、額を軽く割った程度で済みました。
しかしそれでも頭を撃たれたのには変わりません。
視界が一瞬、グラリと揺れて意識が飛びそうになるのを懸命に堪えます。
「今だジェラルド!!」
「おおおおおおぉぉっっ!!」
合図の声が聞こえると同時に、ジェラルドは私に向けて渾身の一撃を放ってきました。
なるほど、良い連携ね。絶対命中の後衛と、延々と復活してくる前衛だもんね。こういう感じになるのが最適解よね。
けどね、隙だらけよ?
「回道!!」
「何!?」
敢えて密着するほど前に出て剣の威力を殺しながら、ジェラルドに対して明確に回道を唱えます。
ジェラルドは私の行動を認識しながらも、防御や回避といった動作はしませんでした。ほぼ無抵抗のまま、私の回道を受け入れています。
「……くくっ、ふははははっ!! 愚の骨頂とはこのことよ!!」
「きゃあっ!!」
やがて、こみ上げてくる感情を我慢できなくなったとばかりに哄笑を上げながら、私を蹴り飛ばしてきました。
「回復術を使うことで我の肉体を過剰に癒やし、ダメージを与えようという魂胆であろう? だがその程度のことが予測出来ぬと思ったのか!? 我が
「……っ」
ああ、やっぱりそうだったのね……
「このまま、我が受けた屈辱を何倍にもして返してやろう!!」
上機嫌で剣を突きつけるジェラルドの姿を見ながら、私は自分の考えが間違っていなかったことを確信しました。
「鼻血を出しながら?」
「なにッ!?」
そう指摘されて初めて気付いたのか、ジェラルドは手の甲で鼻の下を擦ります。
そこにべっとりと血が付いているのを目にした瞬間、彼は吐血しつつ膝から崩れ落ちました。
「ば、馬鹿な……ッ! 馬鹿な馬鹿な馬鹿なッ!! あり得ぬ!!」
「ジェラルド!? 奇跡の能力を――」
「すでに使っている!! だが、何故だ!! どうして発動しない!?」
「過回復でダメージを与えるのを狙っていた……ええ、あなたの言う通りよ」
『まあ、お約束の展開でございますな』
ねー、そうよね。強い相手は自滅させるのが定番だもん。
ただ、それが真っ当に効くとも思ってなかったわ。
ジェラルドが「敵は過回復でダメージを与えようとするかもしれない」と考えるのと同じように、私も「
だから、ダメージだと認識されないように、特別丁寧に回復させたのよ。
何も起きていない、ただ新陳代謝が起きている程度のように肉体を誤認させて、けれども過回復でダメージだけは確実に与える……
そんな、静かな治療をね。
とはいえ、骨が折れたわぁ……
死神も
生半可な腕前だったら、確実に失敗してたもの……
『おおっ!! なんだか
そ、そうかしら……?
『(なにしろジェラルド殿は、霊王の心臓を持っていますからな。それを含めて騙してしまう辺り、
…………でも、気のせいかしらね。卯ノ花隊長ならもっとあっさり成功させちゃいそう……
『
うん、頑張るわ。
「なのにどうしてダメージを受けるのか、自分で考えてみて!!」
「がふ……っ!! ぐ、おぉっ!?」
「な、にっ!?」
再度接近し、過回復でダメージを与えながら、弱っているジェラルドをリジェ目掛けて放り投げました。
仲間であるはずの大男が飛び掛かってくる光景と、そして次に私を見てから、リジェは僅かに声を上げます。
「勘が良いわね!」
思わず内心、舌打ちしてしまいます。
ジェラルドはこれでほぼ無力化しましたが、リジェはまだこれから。
一応、射干玉の概念干渉が突破口になるとは思うけれど、まだ推測の域を出ないから――
「チッ!!」
「っ!!」
前衛が潰れたことで不利を悟った瞬間、私へ銃撃を連射してきました。
狙撃で身体を削られる痛みを感じながら、私もまた覚悟を決めてリジェに突撃します。
「無駄だ」
そんな私の動きを予測していたのでしょう。リジェは再び両目を開きました。
ああ、やられた!
できればジェラルドがやられて動揺している間にカタを付けたかったのに……!!
「無駄だと言った。お前の攻撃は僕の身体を貫――」
「当たれええぇぇっ!!」
「ぎゃあああっ!?!?」
賭け同然の気持ちで放った拳は、見事に両目を開いた状態のリジェの顔面に突き刺さりました。
よかった……
拳で撃ち抜かれ、悲鳴を上げながらリジェは倒れていきます。
「まだ終わりじゃないわよ?」
「ぐ……っ……」
その胸ぐらを掴んで無理矢理引き起こすと、今度は両目に手を当てて回道を使います。
正確には瞼の辺りを狙った感じ、ですかね。
「ぎ、あああっ!! 目、目が……僕の目、があああ……っ!!」
「あら、ごめんなさい」
両目を開くことが、貫通させる能力の発動条件。
だから狙いは目を腫らすこと。
過回復の要領で瞼に腫れを起こさせて、ものもらいを引き起こし、開かなくすれば能力を封じられるってわけ。
なんとか上手く行って良かったわ……
『ですが、拳で直接殴れた時点で、目を閉じさせる必要は無いのでは?』
そうとも言い切れないわよ?
目を開けている場合、干渉できるのは私の身体を使わないとダメ。でも目を閉じている場合は、その限りじゃない。
だから――
「破道の七十三! 双蓮蒼火墜!」
「があああああああぁぁぁっ!?」
こうやって、鬼道とかで直接攻撃もできるってコト。
しかも火を使うことで、単純火力以上のダメージも期待できるってワケ。
至近距離で放った炎を放つ術の直撃を受けて、リジェは倒れます。
『うわぁ……エグい、エグいでござるよ……
大丈夫でしょ? 近くには腕の良い治療班がいるから、すぐに助けて貰えるわよ。
『だ、大丈夫ですか!? 本当に大丈夫ですか!? 燃えながらゴロゴロ転がっていますが……悲鳴も……』
だから大丈夫だって。
あの子がこの二人を見つけて、傷を治してものもらいも治してくれるはずよ。
親衛隊――えっと
『そのために過回復だとか、ものもらいだとかを!?』
そういうこと。
だから、これは必要な措置だったの。治療という一連の仮定で不可欠な処置の一つだったの。決して医療ミスなんかじゃないわ。
それと私の矜持としてトドメを刺すのも反しているからね……だから、これが正解。
『うわあ……でござる……』
大丈夫、全治二ヶ月くらいに抑えてあるから。
「さて、と。聞こえてるかは知らないけれど、あなたたちの相手をしている暇は無いのよ。だからお遊びはこれでおしまい。じゃあね」
「ぐ、が……」
「あ、がああああっ……」
苦痛の声を聞きながら、さっさと物陰に身を隠します。
私がいると、おおっぴらに救助も出来ないでしょうからね。
身を隠すと
さて、これを通ればようやく帰れるわ……
『今更ですが、ここは
大丈夫大丈夫!
オートロックは、入るまでが大変なの! でも一度入っちゃったら、あとは割とフリーパスだから!! だから出るのは簡単!!
『最近はその理屈は通じないことも多いでござるよソレ!?』
でもほら、門の向こうはちゃんと
『むぅ……(……まあ確かに。考えてみれば、石田宗弦殿が持っていた通行証で、一心殿たちが参加してきましたな……アレがまだ使えたことを考えれば、
射干玉が、何か考えているみたいね……
おーい、射干玉……?
『(案外、セキュリティがガバガバなのでしょうか? というか、外から侵入されるはずがないと、おごり高ぶっているのでしょうか? ダメでござるよ、権限情報はしっかりしておかないと。セキュリティインシデントでめっちゃ怒られるでござる。すっげー怒られるでござる。あとあの二人を残しておいて平気なのでしょうか?
射干玉?
『……はっ! なんでござるか
えっと……そのね……なんだかちょっと言いにくいんだけど……
●ジェラルド対策
結局ベタに
ただ「過回復程度なら奇跡で交換可能だ! 残念だったな!!」とかジェラルドは平気で言いそうだったので、ちょっと条件を付けてみました。
①回道の達人レベルの実力がある
②人間・死神・滅却師・破面・完現術者・霊王(浮竹でも可)を治したことがある
(色んな人種に実際に触れることで様々なパターンの経験を積んでいる)
上記条件を満たしていると、技術と応用と経験から過回復でダメージを与えられる。
(身体や能力は「コレはセーフ! ノーダメージ!!」と騙されている。だが実際には大ダメージ。そんなイメージ)
●リジェ対策
物理的に目を閉じておけば良い。という安直な発想から。
(万物貫通で相手の攻撃をすり抜けるのは「左目を開く(両目で視認している?)」が条件なので。物理的に開いているのが制約でしょうし)
万物貫通が「必ず貫通するという概念的な能力」なので
→射干玉ちゃんが概念まで干渉できるように成長した
→その恩恵を藍俚が受けて、リジェに直接影響を与えて、目を腫らす
(ものもらい的な感じで無理矢理閉じさせる)
→しまった目が開けられないから能力の神髄を発揮できない
(目が腫れて能力が使えなくなるとはまさに盲点(言いたかっただけ))
本来は「(上記のようなことを企んでも)リジェ本人の実力で回避可能。いざとなったら左目を開けて絶対回避可能。なので心配無用」だと思われる。
(あと「曲光(縛道)で姿を見えにくくておけば、ワンチャンあるのでは?」とか。
リジェに「"その場にいない"と誤認識させることで対策になるかもしれない」という安直な考えです。チョコラテ・インテグレイスで騙されて外してますし。
陛下が鏡花水月に騙されたりもするので。認識阻害は割とキーになってもおかしくない)
●
・バンビーズの部屋を荒らす(奇跡)
・ジェラルドをおちょくる(奇跡)
・親衛隊二人に大ダメージを与える(破壊工作)
・建物を壊して拠点に被害を与える(破壊工作)
・親衛隊の存在と二人分の能力の看破(秘匿情報の入手)
・荒らすだけ荒らして帰る