お前は天に立て、私は頂をこの手に掴む   作:にせラビア

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第356話 (被害リザルトの)お時間です、陛下

「陛下、お帰りなさいま……こ、これは一体!?」

「なっ! 何が……どうしてこのようなことに……!?!?」

 

 瀞霊廷に侵攻する対象から漏れ、見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)にて待機していた滅却師(クインシー)たちは、ユーハバッハの帰還を感知し出迎えるべく銀架城(ジルバーン)の外まで出向き――

 

 そこで悲鳴を上げた。

 

 戻ってきたユーハバッハの姿。

 彼らは「死神たちの返り血に塗れてこそいるものの、威風堂々とした立ち振る舞い」などといった、覇者や英雄然とした姿を想像していた。

 だが実際には真逆の、痛々しいものだった。

 身体に二カ所、小さめではあるものの、向こう側の景色が見えそうな傷口がぽっかりと開いており、そのうえ全身は猛火に包まれたように焼けただれている。

 血を流し、火傷の痛みと高熱の苦しみからか荒い呼吸を繰り返すその姿は、英雄よりも敗残の将という言葉の方が似合うだろう。

 

「陛下! ……お前ら、すぐに医療班を呼べ!! 陛下のお怪我を最優先としろ!!」

「は、はいっ!!」

「承知しました! ハッシュヴァルト様!!」

 

 ユーハバッハから遅れること数秒ほど。

 見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)へと戻ってきたユーグラムは、膝を着くユーハバッハへと駆け寄ると近くにいた部下達に命令を下す。

 彼らは「尸魂界(ソウルソサエティ)で何があったのか?」と、問いただしたい気持ちを抑えつけながら命令に従い銀架城(ジルバーン)へと戻っていく。

 なにしろ命令を下したユーグラムですら、怪我こそないものの、数日間不眠不休だったかのようにやつれた顔をしていたのだから。

 

「陛下……」

「ままならぬ、ものだな……」

「すぐ隣で私も見てはおりました。湯川藍俚(あいり)……あの女の卍解は、一体……」

「……分からぬ」

 

 分からない、と口にしたユーハバッハの言葉に、ユーグラムは目を丸くした。

 

「それは、つまり……」

「お前も知っての通り、我が眼は未だ閉じている……だがあの程度であれば見通せる、はずだった……そう考え、その結果がこれだ……考えを、改めねば……」

 

 口惜しそうに呟く。

 ユーハバッハ達から見れば、藍俚(あいり)は斬魄刀を何本も持っていという認識になる。

 そこから導き出された考えは"卍解で卍解を複製した"というものだった。

 真実を知らず、またユーハバッハの全知全能(ジ・オールマイティ)も未だ完全に力を取り戻してないため見抜くことが出来ない。

 とても単純な子供だましのような藍俚(あいり)の一手間と、射干玉の持つ得体の知れない能力。そしてユーハバッハであっても卍解を奪えなかったという事実とが合わさり、彼らの目を狂わせていた。

 

「ユーグラム! 急に全軍撤退とはどういう……な、なんだコリャ!?」

「陛下!」

「な……なんで……!」

「そんな、馬鹿な……!?」

 

 ユーグラムの命令を受けて見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)へと戻ってきた星十字騎士団(シュテルンリッター)たちもまた、ユーハバッハの姿を目にした瞬間に驚き、やがて理解する。

 突如として撤退命令が出たのは、こういう理由だったのかと。

 

「陛下は確か、特記戦力の……山本って爺さんに……」

「つまりこれは……」

「馬鹿なことを言うな!! 陛下が……」

「陛下!!!!」

 

 ユーハバッハに何が起こったのか、それを推測する声が響く中。

 一人の悲痛な叫び声が轟いた。

 

「アキュトロン……?」

「確か、特記戦力の黒崎一護に……」

「ああ、そうだとも……だが急報を受け、戻ってきた……」

 

 怒りとも悲しみともつかない、複雑な表情を浮かべながら、アキュトロンは瞳の端から一筋の涙を零した。

 

「あのままならば私は間違いなく、黒崎一護を倒すことが出来たのだ!! それが、それを……信じられるか!? 信じられるはずがなかった! 陛下がまさか、死神などに後れを取るなど!! だが、こうして戻ってみれば……その知らせは事実……く、うううぅ……」

 

 膝をつき、肩を落としながら嘆きの悲鳴を上げる。

 

 ――ユーハバッハが大怪我を負い、ユーグラムから全軍撤退の命令が出た。すぐに戻ってこい――

 黒崎一護を倒すことが出来たか、については疑問の余地が残るところではあるが、有利であったのは間違いない。この一報を受けてアキュトロンが戻らなければ、どうなっていたことか。

 

 だが、勝敗などは些細なこと。

 アキュトロンにしてみれば、ユーハバッハが敗走する羽目となったのが何よりも信じがたい言葉だった。

 それは、他の星十字騎士団(シュテルンリッター)たちも似たような物。胸中の忸怩たる想いを慮り、誰もが口を開くのを躊躇っていた。

 

「陛下! お待たせ致しました!!」

「すぐに処置を行います!」

 

 静寂の中、大荷物を抱えた医療班所属の滅却師(クインシー)達が駆け付けてきた。

 手早くユーハバッハの傷の手当てが行われる中、それとはまた別の一人がユーグラムに近寄ると、そっと耳打ちする。

 

「その、ハッシュヴァルト様……お耳に入れておきたいことが……」

「後にしろ。今は陛下が最優先だ」

「いえ、そういう訳には……」

「構わぬ……申してみよ……」

 

 そう答えたのはユーハバッハだった。

 首から下を完全に医療班にされるがままにされながら、目だけを動かし先を促す。

 

「で、では……陛下の留守中、捕らえていた死神が覚醒。その後、脱獄しました」

 

 それは知っている、湯川藍俚(あいり)のことだろう?

 つい先ほど、尸魂界(ソウルソサエティ)で顔を合わせたばかりだ。

 

 喉まで言葉が出掛かったものの、それを我慢してさらに先を促す。

 

「その死神は見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)の建造物を破壊し、そればかりか……その……」

「その……? 何があった」

「し、神赦親衛隊(シュッツシュタッフェル)のジェラルド様とリジェ様に傷を負わせ、逃亡いたしました……!!」

 

 その報告に、ユーハバッハを含めた全滅却師(クインシー)が言葉を失った。

 親衛隊の中でも、この二人の力は別格。傷を付けたり命を奪うような真似を、出来るものならやってみろと言わんばかりの能力を秘めている。

 この二人が後れを取ったと言われて、素直に信じる者など影の領域(シャッテン・ベライヒ)のどこを探してもいないと断言できるだろう。

 

「馬鹿な!! あの二人に傷を負わせただと!? そんなことが信じられるか!!」

「い、いえですが事実です! 幸いにも近くに医療班所属の者がおり、命に別状はありません……ご命令とあれば、今すぐにでも死神たちに差し向けることも可能……で、す……うぐ、ぐぐ……」

 

 ユーグラムもまた、容易に信じられぬ者の一人だった。

 彼はその報告をした滅却師(クインシー)の胸ぐらを掴み上げながら問いただすものの、報告が撤回されることはなかった。

 

「……星十字騎士団(シュテルンリッター)諸君、命令だ」

 

 そんな中、ユーハバッハは口を開いた。

 

「第二次侵攻作戦は延期とする。時を待ち、私が力を完全に取り戻すまで、死神と尸魂界(ソウルソサエティ)への手出しは厳禁。此度の侵攻にて得た事実から、各自完全なる対策を用意しておけ」

「「「ははっ!!」」」

 

 その言葉に、全ての滅却師(クインシー)達は頭を垂れながら恭順の意を示す。この場にいなかった者達にも命令は伝わり、全ての滅却師(クインシー)達は第二次侵攻の時まで雌伏の時を過ごすことに――

 

 

 

 ――ちょっとだけ、ならなかった。

 

 

 

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「ぎゃあああああああ!! な、何よこれえええぇぇぇっ!!」

 

 ドア・窓・壁・調度品etc(などなど)

 それら全てが渾然一体となってガラクタ、もしくはゴミとなって瓦礫の山に様変わりしている自室を見ながら、バンビエッタ・バスターバインは悲鳴を上げた。

 言うまでも無いが、藍俚(あいり)の破壊工作の成果である。

 

 ……厳密に言うと、破壊したのはジェラルドのような気もするが、藍俚(あいり)が悪いことにしよう。うん、そう決めた。誰も困らないし。

 

「なんで……あたしの部屋が……なんでこんなことにいいいぃぃっ!!!」

「うるっせえぇぞバンビエッタ!!」

 

 バンビエッタの悲鳴を聞きつけたのか、やたらと不機嫌な様子でキャンディス・キャットニップが怒鳴り込んできた。

 彼女は部屋の中に転がっているガラクタを一瞥すると、似たような悲鳴を上げる。

 

「あああああぁっ!! やっぱりここかよッ!! クソッ!! クソッ!!」

「なっ、何よキャンディ!! あんたどうしてここに……」

「あたしの部屋、お前の上の階だろうが!!」

「じゃあまさか、アンタの部屋も……?」

「決まってんだろ!! んで、床が抜けてるからまさかと思ったら……!!」

 

 キャンディスは号泣しながら、ガラクタたちを大事そうに拾い上げていく。

 

「あたしのヘアアイロン! ドライヤー! スプレー!! 全部オシャカになってるじゃんかっ!! 買ったばっかりなのにどうしてくれんのさ!?」

「知らないわよそんなの!! あたしだって、部屋が壊れて寝る場所もないのよ!?」

「こっちだって! 明日からどうやって髪のセットすればイイと思ってんの!?」

「うるせーぞクソビッチども。オレはマズい物を口にして機嫌が悪ぃんだよ。ぎゃーぎゃー騒いでんじゃねえ、喰うぞ」

「お部屋が壊れちゃって可哀想だけど、あたしの部屋は無事だったから別に良いと思うの……」

 

 けたたましく騒ぎ合う二人の女性。

 そこへさらにリルトット・ランバードとミニーニャ・マカロンの二人がやってきた。

 

「ミニー! なによその言い草は!!」

「でも、本当のことだからぁ。あたしはどうでもいいかなって」

「リル! あんたも!! どうせ何喰っても一緒でしょうが!!」

「お、なんだ? ケンカ売ってんのか? 口直しに買ってやるぞ?」

 

 火に油を注がれて、怒りの炎がますます大きくなっていく。

 普通、こういう場合は「喧嘩するな」の一言くらいはあるのが普通なのだが……というか彼女たちは、バンビエッタを(自称)リーダーとする女性だけ(一名を除く)で構成されたグループ"バンビーズ"のメンバーなのだが……

 

 ……彼女たちの関係は、大体こんな感じである。

 

 鋭い目つきでメンバー同士睨み合っている途中、バンビエッタがふと我に返る。

 

「ん……? ってか、何か足らなくない?」

「あん? 何がよ?」

「こういう時、大体ロクでもないことを言うのが……」

 

 キョロキョロと、三人(・・)の顔を見回していく。

 

「……ああ、ジジがいねえんだな」

「あっ、あっ、あああっ!! そうだ! アイツがいない!!」

「きっと自分のお部屋の様子を見ているんですよぉ」

「んなわけネエだろ。あのジジが、バンビエッタがこんな面白え状態になってるのに、顔を出さないワケがねえよ」

 

 やれやれと肩を竦めるリルトットの姿に、他の三人が青ざめた顔を見せる。 

 

「ということは……まさか……」

「ああ、陛下のことやらで今まで気がつかなかったけどよ。死神にやられたってことだろうぜ」

「まさか、あのジジが!?」

 

 三人の中でも特に顔を蒼白にしながら、バンビエッタが恐る恐る口を開く。

 

「ね、ねぇ……それってつまり、その死神はジジを倒すだけの力を持ってて……あたしたちはもうジジの能力を頼れない……ってこと、よね……?」

「んなもん、そうに決まってんだろ」

「…………」

 

 その肯定の言葉に、とうとうバンビエッタは死人のように血の気の引いた顔を見せた。

 

 ジジ――ジゼル・ジュエルは、死者(ザ・ゾンビ)という能力を持つに相応しく、高い高い不死性を持っている。

 身体を切り裂かれても、腕を落とされても、首を落とされても死なないほどだ。

 また、ゾンビを生み出す能力は、他人の肉片を利用して怪我の治療を行うという応用も可能としている。

 

 だが、そのジゼルは今はいない。

 

 もしも自分たちが怪我をしても……命に関わる程の大怪我を負ったとしても、治してくれる者はもういない……

 

 不死身と呼ぶに相応しいだけの生命力を持った化け物を殺すほどの存在が、相手には確実に存在しているのに……

 

「……誰ッ!」

「は?」

「誰よジジを殺した死神は!?」

 

 死の恐怖を感じ取り、それに突き動かされたかのようにバンビエッタは叫ぶ。

 

「んー……誰か知ってるか?」

「えっとぉ、確か……四番隊がどうとかって言ってた気がするの……」

「四番隊!! つまりソイツがジジを殺したのね!!」

 

 闘志を漲らせるバンビエッタに、キャンディスが待ったを掛ける。

 

「って、待て待てバンビエッタ! そいつ、特記戦力だろ!!」

「陛下が捕まえたってお話でしたよねぇ……? それじゃあ、無理だと思うの」

「お前ら、揃いも揃って馬鹿か? そいつは脱走して、影の領域(シャッテン・ベライヒ)で暴れ回って、尸魂界(ソウルソサエティ)に戻ったぞ」

「「…………!!」」

 

 リルトットの補足に、バンビエッタばかりかキャンディスまでもが反応した。

 

「つまり、あたしの部屋をぶち壊したのはソイツってわけか……新製品の恨み、晴らしてやる……!!」

「ええ、あたしの部屋とか服の仇もね……あんたたち! 次の出撃の時には絶対!! 絶対にその死神を殺すわよ!! リーダー命令だからね!!」

「えぇ~……」

「はー……はいはい、わかったよ」

 

 一応、改めて言わせてもらうが。

 ジゼルは死んでいない。

 ただ、ちょっと下半身に貞操帯を……

 興奮しすぎると大事な所に気絶するくらいの激痛が走る特製の貞操帯を付けられた状態で、捕まっているだけなのだが……

 

 そんな裏事情、彼女たちが知っているはずもない。

 知らなければ「戻ってこないのだから死神に殺された」としか判断できなかった。

 

 ということで、なんかこう……色々と因縁ができたので藍俚(あいり)を狙うことを決めたバンビーズたち。

 がんばれ、負けるな、でも多分、間違いなく碌な目に遭わないぞ。

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 ユーハバッハは、まるで瞑想をしているかのようだった。

 玉座に一人腰掛け、微動だにすることなく瞳を伏せているその姿からは、圧倒されるほどの粛々たる雰囲気を放っている。

 だがその周囲には、先ほどまでユーハバッハを治療していた者達の血痕が散乱していた。

 

 他者から簒奪するという力を持つユーハバッハには、傷の手当など必要ない。

 怪我や霊圧の不足など、他者から奪い取れば癒やせる。

 

 だがそれでも、手当を受ければ傷の治りは格段に早くなる。

 よって、先ほどまでは敢えて治療を受けていたが、治療が済んだ途端に「用は済んだ」とばかりに、医療班の滅却師(クインシー)達の命を奪った。

 ユーハバッハからすれば、彼らの命よりも自らが後れを取った理由を究明することこそが重要だったからだ。

 

 瞳を閉じ、心を集中させながら、尸魂界(ソウルソサエティ)での出来事を何度も反芻していく。

 あの時、どうするべきだったのか。

 本当に、自身の全知全能(ジ・オールマイティ)がなければ、死神たちの相手が出来ないのだろうか。

 それらを何度も、頭の中で繰り返していく。

 

 自らの力にて、今度こそ目的を完遂させるのだ。

 そのための障害は全て排除する。

 

 未来すら見通す自らの眼は、そのためにあるのだ。

 この眼には、見えぬものも理解出来ぬものも存在しないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 うーん……

 

藍俚(あいり)殿、お疲れですかな!?』

 

 うん、ちょっとね……

 

『では気分転換の代わりに、こんな話をご存じですかな? クトゥルフ神話のアザトースは、全能にして完全無知の存在! その意思を解明することは不可能という、計算外の存在なのでござるよ!! 何人も理解不可能! 存在自体が例外というヤベーヤベーお方なのでござる!!』

 

 うん、それで?

 

『豆知識~♪』

 

 ……それだけ!? 今のはこう、何か核心的な部分に触れるネタなんじゃないの!?

 

『最近知ったでござる。なので言いたかっただけ、とでも思って下され!!』

 




●まとめ
・陛下:割と大怪我(特にメンタル) 目が完全に開くまで引きこもることを決意
・ユーグラム:(能力で)怪我は無いけど、剣ちゃん相手に肝が冷えまくり
・見えざる帝国:全体の割合からすれば少ないが、建造物が壊されている。陛下の命令で安全策に移行
・親衛隊(二人):打ちのめされて(身体も)プライドもズタズタ
・ロバート:一護らを相手に有利に戦ってたのに、急に連絡が来て戻ったらビックリ。シンジラレナーイ。

・バンビーズ:ジジがいないので、回復が出来なくて危機感
・バンビちゃん:部屋がボロボロに
・キャンディちゃん:部屋がボロボロ&髪のお手入れが出来ない

●最後のは何?
陛下が「心機一転、がんばるぞい」したのと、射干玉ちゃんが「豆知識」を披露しただけです。
 常に不確定で無限の変化をする、計算外の存在
 限界を観測しきれず、誰にも理解出来ない異物
 全知全能の力であっても、干渉しきれない混沌
 なんかそんな斬魄刀らしきものがいるらしいです
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