「えぇっと……」
目の前で繰り広げられているバンビーズの漫才を見ながら、私はもう、なんていうか……なんて言ったらいいのか解りませんでした。
少し前までは、利点だったはずの地の利を奪われたとか、他の死神のみんなはどうしているのかとか、そんな心配をしていた気がします。
影を利用して好きに奇襲を仕掛けられるので、
特に朽木隊長なんて、自力と根性と精神と愛と勇気と希望で
大丈夫よね……? 千本桜に対抗するために、桜の花びらを自由自在に操る能力とか出てこないわよね……?
『さすがにそれはピンポイントな対策過ぎて、怒られるレベルでござるよ』
でもねぇ……桜を見るとクラクラしちゃう桜クラ病で対策するってネタが、過去にあったから、無いとは言い切れないんじゃないの?
『ああ、ありましたな……ってそれは別の漫画でござるよ!! トンファーを使う風紀委員しか罹患せんでござる!! せめて攻撃をねじ曲げて無力化する能力くらいでお願いします!!』
あ、やっぱりいるのね。そんな能力持ってるのが。
『……はっ!
でもまあ、今は目の前の彼女たちからね。
ほらほら、射干玉も落ち込まないで。おち――落ち込んでる暇なんて無いわよ。
『確かに……彼女たちは今、落ち込むどころかおちんこでるとか出ないとか言ってるでござるので! 今のうちに聴き溜めておかねば!!』
一瞬、言おうか言うまいか迷った言葉を平然とブチ込んでくるわねぇ……
ということで、バンビーズなんだけど。
「やってやれよ、リーダー。悔しいがあたしたちにゃ、ジジもチ○コも助けてやることは出来ねえ……」
「お前がナンバーワン、お前こそが真のリーダーだ。オレらは喜んで道を譲るぜ……チ○○ン救出の道のな」
「そうそう~、バンビエッタちゃんがやってあげたら、ジゼルもとっても喜ぶと思うの」
「いやああぁぁぁっ!!」
「バンビちゃんがボクの女神になってくれるんだね……ハァハァ……」
彼女たちは現在、チ○コだチ○ポだペニスだと言い争っている状態です。
まあ、この状況の半分くらいは私が原因なんだけどね。
ちょっとジゼルの股間に貞操帯を嵌めてイチモツに制限を掛けて、女性死神の死覇装(すごく際どいヤツ)を着せて、バンビエッタたちの前で袴を捲り上げて下半身を白日の下に曝け出しただけなのに、こんなことになるなんて思ってもみなかったわ。
よよよ……
……あのさ、コレって今から奇襲を掛けて全員倒しちゃダメ?
『えっと……良いかと思いますが……?』
うん……でもね、一応コレって最終決戦なのよね? ちょっとくらいシリアスにした方が良いと思うぞって……そう囁くのよ、私のゴーストが……
『そういうのは他の方にお任せすれば良いかと』
じゃあ、射干玉に任せてもいいの? できる?
『せ……拙者に!? や、やろうと思えば! ……ぐへへへ……キャンディス殿のあの布地面積の少ない軍服の隙間から侵入……リルトット殿のすまし顔を思い切り歪ませて……ミニーニャ殿には思いっきり下品なことを、単純な力では絶対に勝てない世界というものを……わからせの極地……』
ご、ごめんね。やっぱり自分でやるわね。
そうよね、人には向き不向きってあるもんね。せめて少しは、自分自身で格好を付けないとね。
『
それじゃあ、まずは……
――パン!
射干玉にお詫びをしながら、大きな音を立てるように柏手を一つ鳴らします。
音が鳴り響いた瞬間、バンビーズの四人はビクッと肩を跳ね上げると、言い争いを止めて全員が私の方を向きました。
「お楽しみ中のところ悪いんだけど、お喋りするなら私、もう行くわね」
「な……」
「そこのジゼルはもう返してあげるから、好きにしなさい。どうやら怪我人が大勢いるみたいだし……あら? 私が
「ッ! ま、待ちやがれ!!」
「ジジ! アンタも来なさい!!」
「え、ボクも!? いいけど戦わないよ? 隊長さん怖いし……アレ、絶対何か企んでるし……」
トンッと軽く、彼女たちが付いてこられる程度の
良かった……ちゃんと乗ってくれたわね……
一応、私を攻撃対象に選んでいたみたいだから成功する公算は高かったんだけど、それでも無視されたらどうしようかと思ったわ。
……小声でボソッと呟いたジゼルがちょっとだけ気に掛かるけど。
あと、さっきの場所だとちょっと四番隊に近すぎたのよね。
下手に戦っちゃうと、部下の子たちを巻き込む恐れもあったから、そう言う意味でも彼女たちを引き付ける必要があったの。
『ちなみに、無視をされたらどうしていたでござるか? 確かにジェラルド殿とリジェ殿の霊圧もあるようですが、そちらを優先……?』
何言ってるのよ! この四人は私を狙って来たんでしょう!?
だったらこの四人は、ぜ~んぶ私が貰うに決まってるじゃない! 見つけたお宝はいつだって早い者勝ち!! 勝者の権利をこれでもかってくらい利用させて貰うわ!!
ジェラルドとリジェはその後! 作戦の都合もあるけど何より現場の都合を優先!!
『さっすが~、
そうそう、忘れるところだったわ。
ちなみに無視された場合は離れてから身を潜めて、適当なタイミングで逆に奇襲して全員捕まえるつもりだったの。
だから、どのみち彼女たちの結果は変わらないんだけどね。
『もう勝った気でいるのですか!? それは流石に早すぎるかと……仮にも相手は
文字の一つ二つ持ってるのがどうしたっていうのよ!?
こっちは射干玉を持ってるのよ!! 持ってるモノの重みが違うのよ!!
『なるほど!!』
射干玉が手をポンと叩いて納得したところで、私は移動の足を止めて振り返ります。
ある程度距離も離したし、そろそろ遊んであげましょうか。
「あら、お喋りはもう飽きちゃった? 次は追いかけっこ、それとも鬼ごっこかしら?」
「ふざけんな!!」
キャンディスが
最小限の動きでそれを躱しながら、私は彼女に向けて手を叩きます。
「ほらほら。鬼さんこちら、手の鳴る方へ」
「~~~~っ!! バカにしやがって!!」
まるでお座敷遊びをする遊女みたいに楽しそうな雰囲気を纏いつつ、パンパンと音を鳴らしながら。私自身はゆっくりと、踊るような足さばきで動き回ります。
そんな態度が癇に障ったみたいで、キャンディスは一瞬にして私の背後へと回り込みます。その動きはまるで雷の様に速くて、気付くのがほんの一瞬だけ遅れてしまいました。
「あら?」
「死ね!!」
その一瞬の間に、キャンディスは強烈な電撃を放ってきました。
とはいえ、彼女が電撃を使ってくることは事前情報として共有済み。軽く身を翻して、天から降ってきた電撃を回避します。
「惜しい惜しい! ほら、あんよが上手♪ あんよが上手♪」
「くそっ! 当たれぇっ!!」
降り注いだ雷で出来た小さなクレーターの横で、煽るように手を叩きます。
すると彼女はギリギリと歯を食いしばりながら、今度は薙ぎ払うように電撃を放ってきました。しかも今度のは、先ほどよりも派手で強烈な一撃です。
これはちょっと、避けると影響がでそうね……向かう先に
……なら!
「えいっ!!」
掌に霊圧を込めて電撃を受け止めると、そのまま両手で一気に引き裂くようにして電撃を掻き消してあげました。
力尽くにプラスして、相手の攻撃に私自身の霊圧を流し込んで無力化するっていう荒業です。
とはいえ、ちょっと痛かったわ……うう、掌が焼け焦げてちょっと黒くなってる……
「な……っ!? ウソだろ、あたしの攻撃を……!!」
「電気マッサージってやつかしら? 私、まだ試したこと無いんだけど、意外にピリッて来るのね。程よい刺激がコリを解してくれそう」
「んなわけねーだろ?」
攻撃を、避けられるのならまだしも無効化――それもこんな風に力尽くで掻き消されるとは思っていなかったんでしょうね。
私が平然としているのを見て、少なからず自信を喪失しかけています。
ですがこちらには休む暇はありません。
足を止めたところへリルトットが攻撃を仕掛けてきました。
どうやらこの結果になるのは予想していたらしく、動きに躊躇いが全くありません。まだ元気な相手を一撃で倒してやるという闘志に満ちあふれている攻撃です。
そしてその攻撃方法ですが、噛み付きです。
伸縮自在の口を伸ばして、貪り食うみたいに襲いかかってきました。
デフォルメされたアニメみたいに頬から口が伸びてきて、それが別の生き物みたいに襲いかかってくるのはどこかシュールな怖さがあります。
でも同時に「こんなもんかぁ」って感じちゃうのよね……
刳屋敷隊長の始解、餓樂廻廊を知っている身としては、どうしても比べちゃう……アレもこんな風に喰らう能力だったけど、あっちの方が威力も速さも凶暴さも恐怖感も、全部上だったわ。
『まさかとは思いますが、体験したことがあるのでござるか!?』
ま、まさか! 無いわよ!!
あの頃は真面目で清純で、席次も低い
『(あ、この反応……一回くらいはありそうでござるな……何をやったでござるか
というわけで。もっと上の攻撃を知っていたおかげで、噛み付き攻撃も余裕を持って回避しながら、リルトットに尋ねます。
「一応聞くんだけど、なにが"そんなわけない"のかしら?」
「電気マッサージに決まってんだろ、んなことも解んねーのか?」
「あ、やっぱり?」
ですが回避をしても、それも想定内だったんでしょうね。律儀に返事をしながら、さらに口元を伸ばして噛み付いてきました。
中々どうして、目を見張る速度で食らい付いてきますが、やはりどこか単調なのは否めませんね。やっぱり餓樂廻廊と比べちゃうとねぇ……
けど、食欲だけは彼女の方が勝ってるみたい。私が攻撃を避けても、巨大な口はその勢いのまま避けた先にある建物や床を遠慮無く食い付くと、噛み千切って飲み込んでいきます。
「上手く避けろよ!!」
私が押されていると思ったんでしょうか?
キャンディスはそう叫ぶと、細く鋭いレーザーのような雷を放ってきました。
けれどリルトットが近くにいるからか、キャンディスの攻め手は少し鈍いですね。私もリルトットも簡単に回避します。
「ショボイのな。もっと派手にやれよ地味子」
「誰が地味子だ! むしろ誰よりも派手だろうが! あとそっちに当たらねえように気を遣ってやったんじゃねえか!!」
「ンなザコい攻撃に当たるわけねえだろ? むしろ当てろ。んで、オレに食わせろ」
あら? 食わせろ?
……え、まさかとは思うんだけど、食べたらその能力を覚えて使えるようになるってことはないわよね……?
ううん、ダメダメ! 油断は禁物!! そのくらいは当然って認識で望まないと!!
「お腹空いてるの? じゃあ、えいっ!」
だからまず、その可愛いお口は塞がせてもらうわよ!
懐から
「何を狙ってたか知らねえけどよ、オレの能力で食えばどんな毒や仕込みだろうが無意味……なんだこりゃ……?」
自分の能力に、よっぽど自信が有ったんでしょうね。
大した確認もせずに私が投げた物を口に含み、ボリボリと咀嚼を始めたところで、その動きがピタリと止まりました。
「……
それまでの冷めた表情から一転、蕩けた様な表情を見せてくれました。
パアアァッと目を輝かせながら両手を頬に当て、ゆっくりと味わうように。嚥下するのを拒むように、何度も何度も咀嚼を繰り返しています。
……嬉しい。
……あ、私が投げたのは何の変哲もないただのクッキーですよ。
『なんでそんな物を戦場に!?』
そんな物って……非常食よ非常食!!
前回の襲撃の時に色々あったでしょう!? だから、そういった万が一に備えて色々と準備したって説明したでしょう!? 非常用持ち出し袋を携帯しているとか、そういうこともちゃんと言ったでしょう!? その袋の中に入れておいたの!
防災対策の非常食だけど、ちゃんと味と栄養にも拘った自信作なのよ!! あとお腹の中で膨らむから、少し食べるだけで満足するっていう優れものの!!
「リル!? テメエ何やってんだ!!」
「いやこれ、本当に美味えんだって、食ってみ? いやダメだわ。やらねー、絶対にやらねー……美味いもん食うと、他のこととかどうでも良くなるよなぁ……」
「どうでも良くなっちゃダメだろオイ!?」
どうやらすっごくお気に召したみたい。
キャンディスのツッコミもどこ吹く風で、幸せそうな表情を浮かべています。
『やちる殿や
えっと……射干玉はそのうちにね……
リルトットの蕩けた表情は、もっと見ていたいんだけど……ゆっくりしていられません。
「えーいっ」
動きを止めたリルトットの代わりに、ミニーニャが殴りかかってきました。
彼女の能力は
ほら、私の始解って「ヌルヌルにして滑らせる能力」だから。どれだけ威力があっても、それだけなら怖くないのよね。
けど今はまだ始解もしてないので、その豪腕の一撃を数歩動いて避けます。
「むーぅ、ちゃんとやられてくださいよぉ~! ムカついちゃいます~><」
「ああ、ごめんなさい。
「いりませんよぉ~」
「あら、残念。自分で言うのもなんだけど、評判良いのよ?」
ぷくーっと頬を膨らませながら、今度は近くの建物をまるごと掴んで投げつけてきました。凄いわね、
流石に攻撃範囲が広いので、
「じゃあひょっとして、こっちの方が好きなのかしら?」
「ええ~っ?」
避けた先は、ミニーニャの目の前。
そこから彼女の両手を掴み、手四つで単純な力比べを試みます。
「う、く……」
「あ、う……つ、強いですぅ……」
互いに力で押し合っているんだけど……
うう……ちょ、ちょっと考えが甘かったかしら……? 解っていたこととはいえ、力、強い、わねぇ……お、押し負けそう……
『押し倒し!?』
違うからね! というか今はちょっと余計なこと言わないでくれる!?
こっちは今ね、お互いがお互いに、必死で相手を押し潰そうとしているの! あとついでに、両手に全力で力を入れて、相手の手を握り潰そうとさえしているの!!
『なぜそんな勝負を……?』
だ、だって……相手の得意なフィールドで叩き潰さないと、心なんて折れないでしょ……? だからこうやって、必死になって――
あ、行ける! 大体解ったわ! この子、意外と技術が低い!!
単純な力だけに振り切りすぎてるから、拮抗した勝負の経験値とか少ないんだわ!! パワーだけで何とかなってきた弊害ね!!
こっちはどれだけ修羅場をくぐってきたと思ってるの!? 卯ノ花隊長とか卯ノ花隊長とか更木副隊長とか更木副隊長を相手に!!
単純な力だけなら負けるけど、技術と経験なら私の方がずっと上!!
「あぐ……ううぅ~、なんでぇ……><」
「大した、こと、ない、みたい、ねぇ……? 今からでも、片手に、してあげましょう……か……?」
途切れ途切れなので、こっちの言葉が強がりだってことはバレバレでしょうね。
ですが少し前まで続いていた拮抗状態はすでに崩れて、ゆっくりとではあるものの相手の背中が逆に反り返っていきます。
けれど、苦しそうな表情を浮かべながら、ミニーニャはほんの少し、鼻で笑いました。
「で、でもでもぉ、忘れちゃったんですかぁ? 隊長さんってお馬鹿さんなんですねぇ……バンビエッタちゃーんっ!」
「あっ!?」
「吹き飛べっ!!」
そうだ、そうだったわ! 忘れてた!! ちょっとこの子に集中しすぎてたみたい!!
ミニーニャは叫ぶと同時に力を完全に抜いて、私の体勢を崩してきました。その動きに反応して私も脱力して逃れようとしたものの、どうしてもコンマ一秒ほど遅れます。
その間にバンビエッタは爆弾の素を放ってきました。
「逃がしませんよぉ」
「きゃっ……!?」
さらに、再び力を込めたミニーニャが、私の死覇装の袖を掴んできました。どうやら動きを封じ込めて、確実に爆弾化攻撃を当てようとしているみたい。
「いいわよミニー! 貰った!!」
「……なんてね」
霊圧知覚でバンビエッタが放った霊子の位置を確認しながら、そこに向けて霊圧を放ちます。それは
回道で相手を癒やすように静かで柔らかな霊圧を放ち、霊子の爆弾をそっと導いてゆきます。
「ええ~っ!!」
「ウ、ウソでしょ!?」
二人が声を上げるんだけど、そんなに驚くようなことかしら?
バンビエッタが撃った爆弾の素は私が作り出した霊子の流れに乗って逸れ、無関係な近くの建物にぶつかると盛大に爆発しました。
そしてミニーニャが驚いて少しだけ力を抜いた瞬間に、袖を力任せに引きちぎって拘束から脱出します。
……片方だけ半袖になっちゃったわ。
「ウソじゃないわよ。目の前で一度爆発するところを――ううん、爆弾に変えるところを見れば、このくらいは出来るでしょう?」
「ッ! 気付いていたの!?」
「そっちの
私がやったのは、放たれた霊子の
川を整備したり水路を引いたりして水の流れを操るみたいに、バンビエッタの放った霊子を私の霊圧でそっと優しく、反応しない程度の力で促して、逸らしただけなの。
だから、そこまで驚くようなことじゃなくて……やろうと思えば他の隊長でも、それこそあなたたち
『(いやいや
「~~っっ!! ジジ! アンタも攻撃しなさいよ!!」
「ええーっ! やだやだっ、後が怖いんだもん!!」
ご自慢の爆弾攻撃が完全に無効化されたのが悔しいらしく、隣のジゼルにも手を貸せと強要しますが……
アンタ、それでいいの……? 確かに首輪を付けたのは私だけど、そこまで牙を折られてていいの!?
「バンビちゃん達が優勢になったら援護するから、それまではボクのことは気にしないでほしいなぁって……」
「ああもう! だったら勝手にしてなさい!! すぐにアンタが攻撃したくさせてやるんだから!!」
それは私を追い詰めるってことでいいのよね?
「リル! キャンディ! アンタ達も遊んでないで攻撃しなさい!!」
「そうだよぉ、ちゃんとお仕事して欲しいの。あとリルトットちゃん、お腹減ってるのならこの死神さんを捕まえて自分の専属にしたらどうかなって思うなぁ!」
続いて、私のお菓子に夢中になっていた二人にも怒鳴り声を上げます。
特にミニーニャはお冠みたいで、ちょっと口調が強めです。何より手の中に残った私の死覇装を強く握りしめているのが、彼女の内面を良く表しています。
……うわぁ、力一杯握っているから、もう袖がボロボロになってる……
「ッ、それだ! 伊達にあざといクソ女してるわけじゃねえんだな。感心したわ」
「む~っ! その言い方は酷いって思うの……」
「ダメだダメだ! コイツにはあたしのヘア用品の恨みがあんだよ!!」
「そういうのは後! 今はこの女を何としてでも仕留めるわよ! じゃないと、親衛隊の連中に何をされるか……」
親衛隊の連中に何をされるか――という言葉に、全員が冷静になります。
それってジェラルドとリジェのこと、よね……? 遠くの方で二人の霊圧も感じるし。ひょっとして私の相手をしろって命令でも受けたのかしら?
『
ひどい! 斬魄刀の一つも持ってない、か弱い女を相手に、男が二人掛かりで襲いかかってきたっていうのに!! なんでそこまで怯えられなきゃならないの!?
……決めた! この子たちをお持ち帰りしたら、次はアンタらよ! ジェラルド!! リジェ!!
「あら、今度はごっこ遊び? 私が悪役なのね? ほらほら、仲良し四人組の連携とか友情とかで、悪い死神を倒さなきゃ」
「……どこまでも舐めた口を効いてくれるじゃない!!」
けど、今はこの四人から。
せっかくちょっと冷静になったところ悪いんだけど、挑発して冷静さを失わせるのって戦いの基本なのよ。
なのでさきほどと同じように、余裕とおふざけの態度を崩さぬまま。揶揄ってみたんだけど……
「落ち着けリーダー(仮) そうやってっと思うつぼだぞ」
「そうね……って、今なんか余計なモンがついてなかった!?」
「気のせいだ。それより、全力で行こうぜ……出し惜しみしてっと、こっちが間違いなく喰われる」
リルトット、冷静ね……
とてもさっきまで私のお菓子を幸せそうに食べていた子には思えないわ……
「ああ、そりゃ賛成だ!
「
「
「アンタら……ああ、もうっ!
『射干玉三科』
四人が一斉に変身をしました。
確か、
………………ちょっと待って。
……さっき、なんだかちょっと多くなかった?
『
え、ええ……う、うん……言った、わね……言ったけど……
『仰いましたよね!?』
はい! 言いました!! だからそのアップで迫ってくるのは止めて!!
『拙者、そろそろ我慢が出来なくて……』
粘液が、粘液がヌラヌラでトロトロになってる!! うわぁ、これすっごいヌルヌル……良いダシが取れそうね……
『なので参戦! 参戦を!! 美味しいところは残しておきますから!!』
っていうかアンタ、自分の意思で勝手に卍解しないでよ!?
こっちはまだ斬魄刀を抜いてすらいなかったのに!
『てへぺろでござる』
……まあ、やっちゃったものは仕方ないわよね。
いいわ、好きにやってみなさい。どうせ後始末は私がすることになるんだから。
『つまり、
そういう意味じゃないから!
確かにそういう意味の言葉だけど、そういう意味じゃないから!!
多分、次はバンビーズに
●バンビーズが追ってくる
ジェラルドたちは一度
そして、バンビーズが(ジジが捕まった関係で)
その結果「じゃあお前らアイツを抑えておけ。その間にこっち(親衛隊組)は暴れるから」という取り決めが(こっそりと)出来てました。
(なので、
(後々、ジェラルド辺りのシーンで「あの死神(藍俚)でなければ恐れるに足りん」的なことを言う予定ですが、忘れそうなので今書いておく)
●食いしんぼうに餌を与える
少し前から、四番隊が非常用の持ち出し袋がどうたら言っていたのはこのためだったり。非常食(美味しい)を与えて手懐けます。
(一番真面目でブレーキ役な子がボケに走る展開好き)
あと、食べた能力を使えるは一応公式(小説版にて。消化するまでは利用可とのこと)
●バンビちゃんの爆弾ビームを受け流す
あの爆弾、ぶつかった物を爆弾に変えるわけですが、ぶつかった対象にある程度の密度(濃度?強度?)が必要だと思います。
じゃないとホコリとかを爆弾に変えて爆発しちゃう。あと尸魂界なんて霊子がそこら中にあるわけで、放った瞬間に空中で爆発しかねない。
つまり無差別ではなく、ある程度の条件を満たした物がぶつかると爆弾に変わるはずと妄想。
なので、爆弾の素を無害な霊力で誘導して別の対象にぶつけることで無力化。
(サラリと言ってますが、多分(よっぽど上手にやらないと)他人の霊圧でも爆弾になると思います)