『最後かもしれないでござるよ? だから、全部悔いなく暴れておくことにするでござる!!』
……言葉の最後に(こんな風に暴れられるチャンスはもう二度と無い的な意味で)という括弧書きが見えた気がした……
ううん、ハッキリ見えたわ!!
持ち主の意思とか都合とか考えとか、そういった部分をバッサリ斬り捨てて、射干玉は勝手に卍解してくれました。
あーあー、せっかく今まで始解すらしていなかったのに……強キャラ感を演出していたのに……
でも、もうやってしまったので取り消せません。
前回で「ケツは拭いてあげる」と言ったので、射干玉に任せることにします。
『以上、前回ラストのおさらいでござる』
はーい、ありがとうね。
ということで、私の側はこんな感じのゆる~い理由だったんだけど、バンビエッタたちから見ると、ちょっと捨て置けない事態だったみたい。
卍解が発動したのを見た瞬間、四人の顔色に焦りの色が見え始めました。
「卍解……いきなり使いやがったか……」
「そりゃそーだろ? こっちが
「でも、この卍解ってやっぱり奪えないのかなぁって……」
「やめておいた方が良いわよミニー。忘れたの? この女は陛下ですら手玉に取ったんだから……奪ったところで逆に利用されかねない。確実に殺すだけよ!」
いやぁ、そんなに褒められると照れるでござるよ――とか、そんな感じの反応を見せるのかしら?
『いやぁ、そんなに貶されると興奮するでござるよ――はっ!? あ、
読めてない、読めてないから。
しかし、一回やってみたかったんだけど、全然違ったわね。私の想像の斜め上だか斜め下だかを行っていたわ。
ところでどうするの射干玉? あちらさん、もう動くわよ?
『え、え……?』
「吹き飛べええぇぇぇっ!!」
こっちがグズグズしている間に先手を取ったのはバンビエッタでした。
その一つ一つが、触れた物を爆弾へと変質させて吹き飛ばすという殺意の塊ですね。
他の三人は、放たれた霊子や爆発に巻き込まれないためにか、どうやら様子見といったところ――
あ、違うわね。
「ガルヴァノジャベリン!」
「ゴールデンクランチ」
「えーいっ!!」
キャンディスが
強烈な雷を纏った
リルトットは巨大なトラバサミを私の足下へと発生させました。
本来は噛み千切るんでしょうけど、どちらかというとこれはトラバサミの役目通り足止めを狙った攻撃でしょうね。
ミニーニャは……普通に
なんで変身したの!?
……装飾は飾りよね……
あと普通に考えれば"神の力"なんてモロに接近戦の能力でしょうし、爆撃に巻き込まれないように遠距離攻撃を選ぶのは当然よね。変身したことで単純に霊圧やら地力やらも上がってるでしょうから、悪い選択ではないわけか……
ガルヴァノジャベリンも
それで、射干玉?
相手は攻撃してきてるけど、こっちはどうする?
反撃? 回避? 防御? 様子見? 打ち消す? 弾き返す? 吸収? 無抵抗? そろそろ指示が欲しいんだけど?
それとも自力で卍解を動かすの?
『えーっと、えーっと……あ、
ここで!? 最初の暴れるチャンス云々はなんだったのよ!?
『考えてみたら戦闘とかやったことねえでござるよ!! なのでお任せします!! 美味しい場面になったら、また出てきますので!!』
うわぁ……最低の発言……
……ま、射干玉には色々とお世話になっているし、仕方ない……
続き、やりましょうか?
「ふんっ!」
今まさにこちらの足首へと食らい付こうとしていたトラバサミを、霊圧を込めた踏みつけで破壊すると同時に、
向かう先は彼女たちのすぐ近く。
爆弾霊子の雨の中心部を突っ切って、最短距離を駆け抜けてやるわよ。
「あははっ! バーカ! この爆弾の雨を避けられるわけないじゃない!!」
バンビエッタが勝ち誇った様に笑いますが、ちょっと前に霊子の通り道を作って無力化されたのを忘れたのかしら……? 同じ事をすればこんな爆弾くらい……
……いえ、そうじゃないわね。この自信の源はもっと別――ッ!!
「
「キャンディ!」
「仕方ねえな!!」
呼びかけに応じて、キャンディスが数条の小規模な雷を放ちました。
今まで放っていた電撃と比べれば、それらは静電気のように弱々しい一撃。けれど、その静電気たちはバンビエッタの放った爆撃の霊子を正確に射貫き、爆破させました。
つまりあの静電気は、ただの起爆装置。
紙一重で避けようとすれば、あの静電気で撃ち抜いて目論見を外すという寸法ですね。
しかもこれだけ爆弾が密集していれば、幾つか爆破させるだけで連鎖的に全てが爆破していって、規模も被害も笑えないくらい大きくなるというオマケ付き。
「あっはっは!! 偉そうなこと言ってた割には、ずいぶんとあっけないわねぇ!!」
「バカビエッタ! 今の見えなかったのかよ!? ミニー!!」
「はーい!」
あらら……卍解で固い壁を作って爆破を防いだの、しっかり見られていたみたいね。
まだ爆破の余韻も冷めやらぬうちに、ミニーニャが襲いかかってきました。
その手にはダンベルをしっかりと握って――
ダンベル!? なんでダンベル持ってるの!?
……ああ、それがミニーニャの霊子兵装なのね……
そのダンベル二刀流で殴ってくるのねえ……そのマジカルなステッキで、相手の骨を折ったり相手の骨を砕いたりするのね……魔法少女とかプリキュアみたいに。
――でも、ごめんね。
「悪いんだけど、付き合ってあげるわけにはいかないの」
「あーっ!?」
爆撃を受け止めてボロボロになった玉鋼の壁から瞬時に抜け出し、身のこなしでミニーニャをやり過ごして、彼女たちへと接近します。
……うん、このくらいの距離なら問題ないわね。
「
お披露目は、これで三度目になるのかしら?
今は刀を持っていないので平手を地面に付けると、そこから大量の粘液を分泌させて周囲一体を空間ごと取り囲んでいきます。
『またそれでござるか? 芸がありませんな』
ほら、射干玉も協力して!! 完成したらバトンタッチだから!! そっちのターンがようやく回ってくるんだから気合いを入れなさい!!
『さっすがぁ!
はいはい、私も愛してる愛してる。
射干玉がやる気になった途端、真っ黒な粘液が広がる速度が目に見えて速くなりました。それこそ、彼女たちが反応する暇も無いくらいのスピードです。
さてと、そろそろバトンタッチね。
準備はいいかしら!? 次からは三人称(時々一人称)で行くわよ!!
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「なによコレ……!?」
相手の死神が地面へと手を着いたかと思えば、そこから一瞬にして黒が広がり、気がついたときには周囲一帯を取り囲まれて逃げ場が無くなっていた。
視界いっぱいに広がるのは、不気味に蠢く黒い空間。ときおり空間そのものがヌラヌラと悍ましく輝き、まるで何か恐ろしい生物の腹の中にでも飲み込まれたような光景。
記憶が間違っていなければ、周囲には彼女たちがいたはずだ。数歩動いて少し手を伸ばせば、それだけで誰かにぶつかる程度の距離に仲間がいたはず。
だが今はどうしたわけか、目を凝らしても誰の姿も見えない。
まるでたった一人だけ、別の空間の取り残されたかのような――
「……キャ、キャンディ!! リル!! ミニー!! ジジ!! 全員いるわよね!?」
そう考えたところで、彼女は心の中に浮かび上がった恐れを振り払うように仲間たちの名を叫びながら、周囲をキョロキョロと忙しなく見回す。
「バンビエッタか!? 生きてるよな!?」
「ああ、いるぞ。ここがどこだかは知らねえけどよ」
「ええっとぉ……たしか、あの隊長さんを倒そうとしてたんだよねぇ……?」
程なく返ってきた三人の声に、バンビエッタは思わず胸をなで下ろそうとして、気付く。
「……ジジは!?」
「忘れたか? あのヤローは我関せずだったろ。多分ここにゃいねえよ」
「あ、ああ、そっか。そうだったわね……」
「(……んなことも忘れるくらい、焦ってんのかよ……)」
「何、リル何か言った?」
「なんでもねえよ。それより、ここどこだ?」
小声での呟きを誤魔化すように、リルトットは強引に話題を変える。
「確かオレたち、近くにいたよな?」
「あたしはちょっとだけ、離れていたけどぉ……でも、そこまでじゃなかったって思うの……」
「だよな。オレの記憶もそうだ……ならよ、なんでお前らの姿が見えねえんだ?」
「……え?」
リルトットの言葉を、残る三人はすぐに理解することが出来なかった。
「今、オレは真っ暗な中で自分の姿だけが見えてんだ。お前らはどうだ?」
「同じよ」
「こっちもだ」
「うん、あたしも
「こんだけハッキリと声が聞こえてんなら、離れてても精々が数メートルってとこだろ? なのにお前らの姿が見えねえ。けど、自分の姿は見える」
「……あ!」
「太陽でも月でも炎でも何でもいい。なんの光源もねえのに、自分の姿は見えるのにお前らの姿は見えない。これを、どう考える?」
今の彼女たちの状況を端的に表すのなら、闇の中に一人だけ浮かんでいるというところだろうか。
声はすれども仲間の姿は見えず、仲間の姿は見えないのに自分の姿だけは見える。
完全な闇の中にいれば、自分の姿だって見えるはずがない。そもそも彼女たちは
翼や、身に纏った霊子が闇を照らしてくれるはず。
「つまり、あの死神の仕業!? アイツこんなことも出来たの!? 誰か知ってる!?」
「知らねえよ」
「
「うーん……」
全員が首を傾げるが、知らないのも当然だ。
外から見れば、ただ黒い空間を生み出して閉じ込めるだけ。
内部で何が行われているかを
「とりあえず、声を頼りに合流……」
「ハッ! 何が起こってるかは知らねえが、ぶっ壊しちまえば良いんだろ!?」
バチバチと雷撃の音が鳴り響きながら、キャンディスの得意げな声が聞こえてきた。雷が放電しているはずなのに、やはりその姿は見えない。
「
特大の雷が降り注ぐ――その光景を、バンビエッタたちは幻視する。
本来ならば目に痛いほどの雷が現れるはずだが、やはり三人には見えない。
「くそっ! ダメだ、全然効かねえ! 絶縁体かよこの空間!?」
「……キャンディ、お前、見えてんのか?」
「そりゃ、見えてるに決まって……お前達は見えないのか!?」
その問いかけに、答えは無かった。
代わりに小さな息づかいが聞こえてくるだけだが、それはむしろ、下手な言葉よりも雄弁に語っている。
「……見えないけど、でも攻撃の効果はあるってことよね!?」
「オイ、バンビエッタ?」
「だったら、あたしの
途端に、大小無数の爆発音が鳴り響く。
けれども音は聞こえど、やはり爆発したという実感をリルトットたちが感じることはなかった。爆音からすれば、それこそ自分たちのすぐ隣で爆発していてもおかしくはないのだが、熱波どころかそよ風一つ吹いてこない。
「……チッ。まあ、仕方ねえか。他に手もねえしな……ミニー、お前も頼む」
「ええ~っ!! これを殴るんですかぁ……!? すっごい、触りたくないなぁって思うの……むぅ……ええーいっ!!」
ミニーニャは恐る恐る、それでも力一杯全力で、近くの空間を殴りつけた。
だが衝突した瞬間に彼女の拳はヌルリと滑り、まるで通じない。
「やっぱりダメですぅ~>< リルトットちゃん、そっちは?」
「……ッ!?!? う、うおおおぇぇぇぇぇっ…………!!」
手を振り、拳についた粘液を必死に払いのけながら尋ねれば、返ってきたのは嘔吐音だった。
胃の中の物の全てを吐き出さんばかりの苦しそうな
「ゲホッ! ゴホォッ……!! な、なんだコレ!? マジィ! クッソマジィぞコレ!? 煮詰めたクソみてえな味がしやがる!! ちょっと前に喰った
「煮詰めたクソって……え、ひょっとして、食べたことあんの……」
「あるわけねぇだろが!!」
「でもお前の能力なら……」
「"喰える"と"喰う"は違えんだよ!! 仮に陛下の命令だったとしても、誰が喰うか!!」
こんな時だけ聞いてやがって!! と怒鳴り散らしたい気持ちを必死に飲み込みながら、リルトットは黒の空間をキッと睨み付ける。
先ほど、一瞬だけだが空間が反応したように見えたのだ。
具体的に言うのなら「食らい付いた瞬間」と「煮詰めたクソのような最低の味と罵った時」の二回。
そのときだけは、空間そのものが歓喜に打ち震えたような……自分でも何を考えているのか解らないが、そんな印象を受けていた。
煮詰めたクソみたいな味ですって……
『リルトット殿に罵って頂けるとは!! しかもこれ多分、世界中探しても拙者限定の罵りでござるよ!! 他の者に言うことは絶対に不可能! つまりは拙者専用!! お金で買えない価値がありまくりんぐでござる!! クレジットカードなんて投げ捨てろ!!』
良かったわね……
『これはもう、リルトット殿には親切丁寧に、ねっちょり・ぬっちょり・もっちょりとお持てなしせねば!! ですが他のお二人も捨てがたい!! うっはぁ!! よりどりみどり!! 興w奮wしwてwきwたwwwwww』
草を生やさない!
「……なんだったんだアレ……? 解んねぇが、確かめるために……は、もう一回喰わねえとダメか……」
「……ん?」
足下に転がっている吐瀉物が僅かに蠢いた。
それが何かを確認するよりも早く、吐瀉物の中の物体――黒い粘液は一瞬にして膨れ上がると、リルトットの小さな身体を目掛けて襲いかかる。
「なっ! こ、コイツは……!? くそっ! なんだこれ!? オレを喰う気かよ!?」
「リル!? どうしたのよリル!?」
バンビエッタが必死に呼びかけるものの、その声はリルトットには届かない。
黒い粘液は瞬く間にリルトットの身体へと絡みつくと、そのまま軍服の隙間から染み込むようにして素肌へと纏わり付いていく。
「いや、これは……んぶぅっ!?」
ねっとりとした感触に思わず背筋を震わせるものの、それでも何が起きたか仲間達に伝えるべく大きく口を開けたところ、待ってましたと言わんばかりに粘液たちはその中へと飛び込んでいった。
「お……ご……っ……! う……べ……っ……」
加えて先ほども味わった耐えがたい味が口中いっぱいに広がっていく。
舌先で何とか押し返そうとするも、粘液はむしろ舌全体へと広がると、そのまま喉の奥まで侵入しようと試みる。
喉奥を生暖かくヌルヌルとした液体を流し込まれる嫌悪感に苛まされながら、それでもリルトットは何とか叫び情報を伝えようとする。
「バン……ッタ……こ……れ……」
「何、リル!? 聞こえない! 聞こえないわよ!?」
「……っ…………」
最後に聞こえたのは、呼吸音のような小さな訴えだった。
それを最後に、リルトットの声は――いや、うっすらと感じていたはずの気配までも、それら一切が感じられなくなっていた。
そのことが信じられず、バンビエッタはさらに大きな声で叫ぶ。
「ウソでしょ……!? リル、リル!? アンタがやられるわけないじゃない!!」
「殺しても死にそうにないってのは同意するけどよ……」
「キャンディ……? ち、違うわよね!? リルがそう簡単に……」
「声からするとおそらく、喰われたんだろ……この空間に……」
「うそ……」
思わず言葉を失うバンビエッタだったが、だが、この程度では終わらない。
「いやあああぁぁぁっ!!」
静かになったはずの空間に、再び悲鳴が響き渡った。
「ミニー!? どうしたのよミニー!!」
「やだっ! やですぅ!! こないでぇ!!」
ぶぉんぶぉんと、巨大な何かを振り回すような風切り音が悲鳴に混じって聞こえてくる。
もしも二人がミニーニャの様子を実際に見る事が出来たのなら、彼女が黒い粘液に襲われている光景が見えただろう。
粘液は背中から服の中へズルズルと潜り込むと、そのまま広がり彼女の手足へ縄の様に絡みついていく。
得意の怪力で引き剥がそうとするも、決まった形を持たない粘液は彼女の手の中をヌルリと抜け出し、逆に手首から肩を目掛けて這い上がっていく。
「ひいっ! なんでぇ、どうしてぇ!? 力が、入らない……や、やぁ……ん……っ……♥」
「ミニー!? ちょっと、悪ふざけは止めなさいよ! ミニー!!」
バンビエッタの悲鳴が、さらに一オクターブ高くなった。
なにしろ聞こえてきたミニーニャの悲鳴に、艶っぽさが混じり始めたのだから。だが困惑しているのは、何よりもミニーニャ当人だ。
粘液が蠢き、身体の上を這い回られる感覚。
それが段々と気持ちよく感じているのだから。
最初こそ恐ろしく、今すぐにでも引き剥がしたいと思っていたそれを、心のどこかがゆっくりと受け入れていくのが理解できてしまう。
引き剥がそうとする手から力が抜けていくのは、この粘液に力を吸い取られているからなのか。
それとも自分自身の心が、引き剥がすことを諦めているからなのか。
「きゃあああああああああああぁぁっ!!」
「キャンディ!?」
ミニーニャに何が起こっているのかを受け入れる暇も無いまま、今度はキャンディスの悲鳴が響いてきた。
挑発的な格好で荒々しい印象を振りまく彼女の口から出たとは思えないほど、可愛らしい悲鳴だ。
「やだっ! なんだコレ、いつの間に!? まさかコレに二人も!? やめっ! やだっ! やめてぇ!!」
彼女の場合、粘液は足下から湧き上がってきていた。
知らぬ間に地下水が湧き上がって足下が泥だらけになっていたようにゆっくりと、音も立てず、足裏に何の違和感も与えないまま溢れ出てきた粘液は、彼女のブーツを取り囲むと染み込んで行き、やがて彼女の足下から這い上がっていく。
気付いたときには、真っ黒な粘液が膝下すぐの所まで這い回っていたのだ。悲鳴の一つも上がるだろう。
だが当然、それだけでは済むはずがない。
太ももに身体を擦りつけるように粘液は蠢くと、そのまま腿の裏側を通ってショートパンツの中――お尻を包み込むように潜り込んでいく。
「ちょ、まさか!? やめ、やめろおおおおぉっ!!」
「キャンディ!? 何が起きてんのよ!! 答えて、答えなさいよっ!!」
お尻を生暖かい液体で撫で回されるような感触に襲われ、それから逃げようとキャンディスは必死に身をくねらせる。
だが粘液は一向に剥がれず、むしろ動いたことで出来た隙間へと我先に入り込む。
単純に逃げられればいいのだが、既に足下はブーツごとガッチリと粘液で固められており、それも出来ない。
雷で焼こうとするも、これだけ身体に密着していては自分もろとも感電しそうでどうしても躊躇してしまう。
バンビエッタの耳に届くのは、キャンディとミニーの戸惑ったような声。それから"にちゃにちゃ"という生々しい粘液の音だけだ。
その二つが二人にどういったこと攻撃を行っているのか、まったく理解できない。
「ちょっと二人とも!? 返事……返事してよ!? い、いないの……!? キャンディ! ミニー! リル!!」
やがてそれも聞こえなくなった。
何が起きたか解らぬまま、バンビエッタは仲間の名前を必死で叫ぶが、それに応える声は何も聞こえてこない。
「……ひっ!?」
視界の端で、黒い空間がうっすらと揺らいだ気がした。
反射的に
「え……?」
だが、少し前まで確かに爆発していたはずのそれが、今は何も起こらなかった。
放たれた霊子は空間に音も無く吸収され、後には静寂だけが残る。
『とまあ、こんな感じで』
声はすれども姿は見えず。
その声すらも、一人一人順番に消えていく、かぁ……
相手側からしたら、もの凄い恐怖ねコレ……何をされるか解ったモンじゃない……
『何が怖いかと尋ねられれば、未知は誰だって怖いでござるよ。ですが拙者は今! リルトット殿とキャンディ殿とミニーニャ殿の
ところでコレ、死んでないわよね?
『当然でござるよ! そんな勿体ないことをするとでも!?』
本当なら、三人を個別ルートでちゃんと"おもてなし"までして。
その後にバンビちゃんを単独でオモテナシする予定だったんですけど……
(この時点で1万文字近いので、区切ってしまうでござる)
●煮詰めたクソみたいな味
これを言わせる前振りとして、スタークの霊圧を喰って「不味い」と言ったリル殿が居る模様。
(ちなみにウ〇コは苦いので、口になさる場合はご注意ください)