お前は天に立て、私は頂をこの手に掴む   作:にせラビア

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 ミニーニャの性格や言動について、少し独自設定多めの表現が出てきます。
 彼女の「ぶりっこ」「あざとい」感じのイメージを壊したくない方は、ご注意ください。


第379話 射干玉ちゃんと遊ぼう(本番) - バンビーズ(キャンディ・リル・ミニー) -

「やっ、やめてぇ! なにこれ!? 離れ……いい加減、離れろぉっ!!」

 

 足下からじわじわと絡みついてくる粘液に驚き、恐怖と混乱と嫌悪感から少女のような可愛らしい悲鳴を上げていたキャンディスであったが、どうやら怯えの感情が限界を突破したようだ。

 自分の下半身ごと焼き尽くさんとばかりの勢いで、強烈な電撃を放った。

 

「へへ、これなら……いいっ!?」

 

 紫電が走り抜けた部位を見下ろしながら得意げに息を吐こうとして、逆にその息を詰まらせた。

 自傷覚悟で放った電撃が、全く効果を及ぼしていなかったのだ。

 黒い粘液は表面をパチパチと小さく帯電させながら、先ほどまでと変わらぬ勢いで彼女の太ももを撫で回すように蠢いている。

 

「う、ウソだろ……! なんで効かな――ひゃぁっ!?」

 

 ヌルヌルとした粘液に無防備な素足を撫で回される感触。それまで与えられていた感触に、パチンと針の様に鋭い一撃が不意に加わった。予期せぬその刺激にキャンディスは再び、少女のような怯えた悲鳴を上げてしまう。

 

「こ、これって、あたしの電撃……! まさか、吸収したのかよ!?」

 

 その疑問に答えるかのように、粘液に包まれた太ももの奥から刺すような刺激が再び走った。足から背中へと身体の中を通り抜けた刺激に縊れた腰は震え、背筋がゾクゾクと仰け反る。

 

「ひっ! やぁ……っ……」

 

 身体の中を駆け抜けていくむず痒い刺激に、キャンディスの口から自然と甘い嬌声が溢れ出てきた。

 過去、男に愛撫された時と同じような――いや、そのときよりもずっと心地良く、まるで身体の芯から痺れていくようだ。

 粘液に太ももを這い回られる感触が、足を丹念に舐められているように感じてしまう。無数の舌に舐め回される光景を幻視したキャンディスは、さらに腰を甘くくねらせる。

 

「ふ、ふざけ……んなっ! こんな薄気味悪い粘液なんかに……っ!!」

 

 そんな身体の内側からの訴えを精神力で抑えつけながら、電撃でダメなら今度はとばかりに神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)を放とうとする。

 だが矢を放つのに必要な霊子を集めるよりも早く、射干玉の粘液が蠢いた。

 

「ふ、あ……ぁっ!?」

 

 足を伝わった粘液は、今度はお尻を這い回っていく。

 形の良いお尻を巨大な手で撫で回されるような感触と、同時に走る電撃の僅かな痛みに意識を乱され、集まりかけた霊子は一瞬にして霧散する。

 

「こ、んな……粘液なんか……」

 

 ショートパンツの中はネバネバとした粘液で溢れかえり、下着など透けてしまうくらいグチャグチャになっている。

 服を着たままぬるま湯の中に腰まで浸かったような感覚を下半身全体で覚える中、お尻を撫で回される感触と電気の痛みがなんとも心地よかった。

 

「す、ぐに……ああ……っ……だ、ダメェ……」

 

 全身に力を入れ、拳を強く握りしめながら粘液を吹き飛ばす方法をなんとか思いつこうとするものの、その抵抗は一分と続かなかった。

 下半身からの刺激に意識がじわじわと溶かされていき、強ばっていたはずの表情は次第にだらしない、快感を受け入れていくようなものへと変わっていく。

 両足は小刻みに振るえ続けており、もはや立っているのがやっとだった。はぁはぁと荒い呼吸を繰り返す口の端からは、一筋の涎が垂れていく。

 

「あたし、は……負け……たり……っ……!」

 

 今すぐ横になって、全身を粘液に浸してしまいたい。そうすれば、どんな刺激を感じられるのだろうか。

 今、お尻を撫で回されているだけでこれなのだから――

 

 そう思いかけたところで、キャンディスは力を振り絞って自分の身体に活を入れる。仕切り直しとばかりに下半身に力を込め直したところで、粘液が妖しく動いた。

 

「ま、まさか!? ば、バカやめろ! アタシにそんな趣味は……んんっぅ!?!?」

 

 下半身に力を入れることでキュッと窄まった小さな穴。そこを目掛けて粘液が群がっていく。

 見えない物の肌から伝わってくる感触でそれに気付くと、侵入を阻止しようとさらに力を込める。

 

「~~~~っ!?!?」

 

 それは完全に逆効果だった。

 なまじ力を込めたことでキャンディスの意識と神経がむしろ集中してしまい、そこを蠢く粘液の感触がよりはっきりと感じられるようになる。

 

「ひゃ……っ! あ、だ、ダメェ! ダメなの、そっちは、初めてなのっ!! 初めてがこんな気持ち悪い粘液なんてヤダぁ!! お願い! お願いだから! 死神ぃ!!」

 

 未だ何者も通したことの無い通路に、ヌルヌルとした粘液を無遠慮に流し込まれていく感覚が、彼女の脳裏にイメージとしてはっきりと伝わる。

 望まぬ未知の体験をこれからさせられるという恐怖に、彼女は再び弱々しく叫ぶ。

 それは、何も知らぬ生娘が必死に懇願するような姿だった。

 聖文字(シュリフト)持ちの滅却師(クインシー)として、死神たちを嬉々として殺し回っていた彼女と同一人物とはとても思えない。

 

 だが、そんなプライドすら忘れたように、キャンディスは叫んだ。この粘液を操っているはずの死神――藍俚(あいり)へと。

 

「ひぁっ!! な、なんで……死神……ぃ……」

 

 この粘液たちは藍俚(あいり)の手を離れ、射干玉が独自に動いているのだ。どれだけ願おうとも聞き入れられることはない。

 そんな彼女の態度と悲哀の言葉を楽しむように、粘液は穴の奥へズルリと入り込み、ジワジワと奥へ進んでいく。

 ヌルヌルの粘液に穴を埋められ、擦られていく感触に彼女の表情が大きく歪んだ。

 

「あ……っ! やっ、やだ……! いやぁ!! 知りたくない! こんなの知りたくないぃっ!!」

 

 叫ぶと同時に、限界が訪れたのだろう。

 キャンディスは力無く膝から崩れ落ちると、足下の粘液溜まりに倒れ込んだ。すると「待っていました」とばかりに粘液は彼女の上半身へと群がっていく。 

 上着の裾や袖、胸元から潜り込むと、その大きな胸元へと絡みついていく。

 

「は……あは、ははは……」

 

 虚ろな表情をしながら、その感触をキャンディスは受け入れていった。 

 

 

 

 

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「取って取って取ってぇ! 出て行ってぇ! ひゃああああぁぁ!?」

 

 ミニーニャは嫌悪の悲鳴を上げながら、射干玉の粘液と必死の格闘を繰り広げていた。

 背中から腕へと絡みついてくる粘液を何とか掴み取り、引き剥がそうと試み続ける。だが形を持たない粘液が相手では、何度繰り替えそうとも大した成果は上がらない。

 

「バンビエッタちゃん! キャンディスちゃん! リルトットちゃん! 誰か助けてぇ!!」

 

 ザルで水を救うような作業を続けながら、そのついでに必死に仲間達へ救援を求める。

 だが、ミニーニャの声に応える者はいなかった。ただ彼女の声だけが響き渡るだけだ。

 

「あ、あれあれぇ? ひょっとして、誰もいないの? 聞こえてないのぉ!?」

 

 何の音も聞こえないことに若干の不安と予感を覚えながら、彼女はもう一度声を上げる。だがやはり返ってくる声は何もない。というか、少し前まで聞こえていたはずの仲間たちの声すら聞こえなくなっていることに、遅まきながらようやく気付いた。

 

「……チッ! なら、猫なんざ被ってる場合じゃねえよな」

 

 どうやら完全に分断されたらしい。となれば次に考えられるのは、このまま一人一人潰されていくといったところだろう。

 そこまで考えると、ミニーニャは表情を一変させると吐き捨てるように叫んだ。

 

「ったく、どいつもこいつも使えねえぇっ! んでこのクソ粘液! テメーもだ! いつまであたしの上に乗ってんだよ!? とっとと退きやがれ!!」

 

 怪力(ザ・パワー)の能力を最大限に発揮して両腕両足を筋肉質なそれへと変化させると、口汚く罵りながら絡みついた粘液を力任せに振り払うべく腕を振るう。

 その姿は、今まで彼女が見せていたミニーニャのイメージとはかけ離れた真逆のものであった。

 

 これまでの姿は演技。男受けを良くするための、外向けの顔でしかない。

 バンビエッタらと離されて一人だけになったと解釈した彼女は、どうやらその仮面を脱ぎ捨て、感情の赴くままに動くことを決めたようだ。

 今の姿を見ているであろう死神を確実に殺して口を封じることも決意しながら。

 

「なんだこりゃ、あたしの力でも吹き飛ばせねえのか? 面倒くせぇ……ペッ!」

 

 だが事はそう上手く運ばなかったらしい。

 丸太を振り回したような勢いで振るわれたものの、それでもミニーニャの腕から粘液は剥がれていなかった。まるで接着剤でくっついているかのようなその粘液に苛立ち、忌々しげに唾を吐きかけた。

 

 その瞬間、粘液がビクッと反応する。

 

「どっかに叩き付けるか? ……いや、それもダメだな。んな都合の良い場所があるとは思えねぇ……ん?」

 

 ならばと第二の手を考えようとするが、妙案を思いつくよりも前に粘液が跳ね上がった。

 まるでパン生地が膨らんだかのような光景だが、その規模は桁違いだ。明らかに体積を超えて膨張している粘液の姿に、ミニーニャは思わず身体を硬くした。

 

「な、なんだ!? ……そうかよ、いよいと本腰入れてあたしを殺しに来たってわけか!」

 

 実際には唾を掛けられた射干玉が「ありがとうございます! ありがとうございます!!」と歓喜してしまい、我慢と興奮の限界を超えて飛び掛かったのだが。

 そんな裏事情を知らない彼女は、藍俚(あいり)の仕業と思い込み闘志を滾らせる。

 

「オラァ!!」

 

 津波のように襲いかかってくる粘液の塊に、拳を叩き込む。

 強烈な風圧を伴った拳の勢いに負けた粘液は飛び散り、無数の粒となってミニーニャの身体に降り注ぐ。

 

「ヘッ! ざまあみろ!!」

 

 粉々になった粘液の様子に、幾分スカッとした気分を味わえたものの、それは所詮一時的な物でしかなかった。

 得意げになっている隙に、粒になった粘液たちは寄り集まって大きな塊になると、襟元から服の内側へと侵入していく。

 

「な……なんだと!?」

 

 鎖骨から胸元を粘液が這い回る感覚に驚いて視線を下に落としたときには、既に大量の粘液が服の下へと潜り込んでいた。

 

「やめ……やめ……ろ……っ……!」

 

 胸元を粘液が遠慮無く這い回っていく感触に、思わず力が抜けていく。

 膨れ上がった腕が一瞬にして元通りになり、それでも服の上から自分の胸元を掴んで粘液を振り払おうとする。

 

「く……うぅぅっ……なんで、だよ……力が、入らねぇ……」

 

 だがその抵抗は、とても弱々しい物だった。

 高い身長と立派な体格に負けないくらい、ミニーニャの胸は大きかった。その胸の全体を粘液が這い回っていく感触は、まるで男に身体を弄ばれているようだ。

 ヌルヌルとした液体に胸を擦り上げられる刺激を快感に感じてしまい、彼女の力はどんどん抜けていく。

 毒づく言葉の端々に甘い色香が加わっていくが、ミニーニャはそれらの気持ちを否定するように首を横に振る。

 

「まさか、あたしの力を吸い取ってるんじゃねえだろうな……!? じゃ、じゃなきゃ、あたしが……こん、な……っ……んくうぅぅぅぅっっっ!!」

 

 力尽くで物事を解決できしまう彼女にとって、粘液などに良いようにされてしまうことは。ましてやこんな形を持たない粘液の動きに感じてしまうなど、到底認められなかったのだ。

 だがそんなミニーニャの覚悟をあざ笑うかのように、粘液はまるで赤子が母乳を求めるように胸の先へと吸い付いた。

 途端に甲高い嬌声が上がり、腰砕けになりそうなのを歯を食いしばって耐える。

 

「ひいぃぃぃっ!!」

 

 だが粘液の動きは止まらない。

 服の下がぐにぐにと蠢く度にミニーニャの胸の形が変わり、口元から甘い声が響く。

 硬くなった先端をトロトロとした粘液が何度も往復していき、その刺激が彼女の心の余裕をガリガリと削り取っていく。

 

 胸に絡みつく粘液を取り除こうと手を動かすが、その手にもまた粘液が絡みついている。良質なオイルを塗しているような感触が心地よくて、そのまま快楽に身を委ねてしまいそうになる。

 

「こ、こんな、気持ち悪い、スライムごときに……この、あたしが……っ!!」

 

 口ではそういうものの、既に最初の頃の迫力は微塵もなかった。呂律は妖しく、本気で抵抗しようという意思が感じられない。

 視線はおぼつかず、はぁはぁと何度も荒い呼吸を繰り返しながら、上気した顔で棒立ちになっている。長身の彼女が必死に抗い続けているその姿は、射干玉の心をさらに擽る。

 

「ひっ!! き、きもち……!!」

 

 首筋から鎖骨、脇の下にへばり付いていた粘液が強く蠢いた。

 ゾッとする感触に声を上げようとして――

 

「……い、いぃ……」

 

 ――気持ち悪い、ではなく、気持ちいいと小さく呟いた。

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 ――バンビエッタの声が聞こえねぇ、他の二人の声も……チッ、閉じ込められたか!

 

 先の二人と比べれば、リルトットは比較的冷静だった。

 口の中いっぱいに広がる粘液の感触と味に苛まされ、声を出せなくなっているものの、それでも周囲を冷静に観察するとそう結論付ける。

 

 ――にしても、このまま分断して一人ずつってことかよ? あの死神、随分とイイ趣味してんな……

 

 繰り返しになるが、半分くらいは射干玉の趣味である。

 だがもう半分は藍俚(あいり)が原因なので間違ってはいない。

 

 まあ、趣味やら責任の所在は置いておくとして。

 現状リルトットの問題は、口いっぱいに広がる粘液の存在だった。

 とはいえ喉の奥に飛び込むような事はなく、ただ口の中に広がっているだけだ。

 

 だが粘液が邪魔で声はマトモに出せないし、噛み付かないように細心の注意を払うことで必死で味から意識を逸らすのがやっとだ。

 吐き出そうにも、口の中いっぱいに広がっているので上手く吐き出せない。コレを排除するには飲み込むか、もしくは小さくなるようにかみ砕くしかない。

 

 ――またあれ、味わうのか!? けど……ええいっ! 仕方ねえか!!

 

 少し前に感じた、煮詰めたクソのような味を思い出して、一瞬躊躇する。

 一応、手を突っ込めば掻き出そるかもしれないが、その手にも粘液が纏わり付いており、これ以上粘液を増やすのは生理的に嫌だった。

 そして飲み込むのにはそれ以上の抵抗を感じ、彼女は意を決すると力一杯歯を立てた。

 

「……お、おええええええぇぇっっ!!」

 

 口の中に広がる味に耐え切れず、胃の奥が反射的に逆流した。

 それでも小さくすることには成功しており、口の中の粘液を吐瀉物と一緒に吐き出していく。

 ビチャビチャと音を立てながら吐瀉物まみれの濁った粘液をようやく全て吐き出し終えると、リルトットは重々しい溜息を吐き出した。

 

「ぶはっ!! マッジィ! 本当にマジィのな……にしても……」

 

 そっと、足下に視線を落とす。

 そこでは胃液と吐瀉物に塗れた粘液が、心なしか大喜びしているように蠢いていた。

 

 ――いや、ありえねえだろ? これで喜ぶとかどんな趣味してんだよ……

 

 すぐさま自分の感想を自分で否定する。

 だがこの時、彼女が本当に注視すべきは吐き出した分ではなく、既に身体に染み込んでいった粘液のほうだった。

 

「うおっ!?」

 

 リルトットの小柄な身体に粘液が一斉に纏わり付いていく。

 手足に絡みつくそのまま動きの自由を奪っていき、服の下に潜り込んだ粘液は少女の肌を撫で回すように這い回る。 

 

「こ、この……クソ変態粘液が! クソなのは味だけじゃねぇってのか!?」

 

 体中を舐め回されていくような感触に吐き気すら感じ、それらを排除しようとして反射的に口を大きく開いたところでその動きを止める。

 どうやら何度もあの味を口にするのに、抵抗があったようだ。

 一瞬の逡巡の間に、粘液たちはさらにリルトットを蹂躙していた。

 薄い胸板の上を粘液は蠢き、その胸元を撫で回すように刺激を与えていく。

 腰回りへと忍び込んだ粘液は、小ぶりなお尻へと絡みつき這い回る。

 

「気持ち悪ぃ……っ! てかクセぇ! なんだこの匂い!?」

 

 無遠慮に身体中を舐め回される感触に、彼女は渋い顔をしていた。

 だがそれだけならば、まだ耐えられただろう。

 身体をまさぐる粘液から立ち上ってくるのは、猛烈な匂いだった。その匂いに耐え切れず、思わず顔を顰める。

 

「まさかこれ、オレが吐き出したアレか……!?」

 

 何とか確認しようとするものの、それよりも早く開いた口に粘液が再び飛び込んできた。

 

「んぶっ!? ……ん、ぅ……じゅ、る……ぅっ……」

 

 もう何度目かになる不味さと同時に、今度は強烈な匂いまでが口に中いっぱいに広がっていく。

 なんとか押し戻そうと舌先を動かすものの、粘液はするりと身を躱しながら彼女の口の中をうごめき、舌に纏わり付いていく。

 

「えぅっ……!! ぐっ……やめ、じゅるるる……! んんんんっっっ!!」

 

 むしろ下手に押し潰そうとしたことで、粘液はゼリーのように砕けて、口の端から零れ落ちていった。

 不快な味がさらに口の中に広がり、喉の奥まで侵食していく。

 舌の上いっぱいに伝わってくる最低な味を感じながら、彼女は導かれたようにゆっくりと、一度だけ咀嚼する。

 

 ――ッ!? ……な、なんでオレ、今自分から、この粘液喰ったんだ? いやいやいや、いらねえだろ!? 別に喰わなくても良いだろ!?

 

 自分で自分の行動を自覚した瞬間、それが信じられないというように目を大きく開いた。

 だが、少し前までは嫌悪していた粘液と味を、この短時間の間に自分の身体が徐々に受けて入れつつあると理解し始める。

 

 ――ウソだろ!? なんでこんなクソを……これもあの死神の策略か? それとも……

 

「……じゅる」

 

 自分の行動を否定しようと、必死に吐き出そうと試みる。

 だが自分の意思に反するように、リルトットは舌先に粘液を自ら絡みつかせていた。ぬちゃりとした粘着質な音が鳴り、口の端から零れ落ちようとした粘液を無意識のうちに啜り上げる。

 

「んえ……っ……れろ……ぐちゅ……っ……んくっ……」

 

 口の中に収まった粘液を何度も咀嚼すると、ゆっくりと嚥下した。

 先ほどまで広がっていた嫌悪感はいつの間にか消えており、代わりに喪失感が胸中に広がっていく。

 あの粘液を、自ら煮詰めたクソと評価した物が、欲しくて堪らない。

 

「はぁ……なんでだ!? なんでこんな、ゲロカス以下のマズイもんが、欲しいんだ……喰いてぇ……はぁはぁ……く、喰わせろ……!」

 

 ――み、認めたくねえ……けど、認めねえとダメって事か……まさか、こんな味にハマっちまうなんて……オレ、ゲテモノ好きだったのかよ……

 

 いつの間にか、身体に絡みついた拘束は緩んでいた。

 だが彼女は逃げ出すこともなく、その粘液を両手で掬い上げると――

 

「……ん……っ……く……ぅ……じゅる……っ!」

 

 躊躇うこと無く口に含み、愛おしそうに嚥下していく。

 

 粘液自らが変質して、リルトット好みの味にじわじわと変化していたことも、それと同時に少しずつ依存性と中毒性を高める性質に変化していたことにも気付かぬまま。

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 

 ――というわけで、射干玉大暴れでした。

 

 ……これ、大丈夫なの!? 本当に大丈夫なの……!?

 

 この後のフォローとか、どうせ私が全部やるんでしょ! 丸投げなんでしょ!?

 

 ……どう考えても玉砕覚悟で恨まれ続ける未来しか見えないんだけど……

 

『まあまあ、お気になさらずに。それよりもバンビエッタ殿のお山(おっぱい)藍俚(あいり)殿にお任せするでござるよ!!』

 

 あー、うん……確かにバトンを受け取ったわ……

 

 ……つまり、私はこれ以上をやらないとダメってことよね……?

 

 や、やってやるわよ!!

 




一応のテーマ的な物として「下半身」「上半身」「顔(口の中)」がありました。
(なんとなくレベルですけどね)

●ミニーの言動について
 誰も見てない一人だけの状況だと、きっとこんな感じの言動をしていると思います。
 (偏見)

(やたらファンシィな部屋の中で一人でダンベルを握り潰しながら怖い顔で「あのクソ共がうざってぇんだよ!あああぁ!ムカつくムカつく!!ブチ殺して肉片ばら撒いて(ホロウ)の餌にしてやりてぇ!!」とか言ってそう(偏見)

 でも誰か一人でも見ていると「えぇ~、あたしのことそんな風に思ってたなんて……ひどいって思うの……><」みたいな言動をするんだ(もう少し偏見)

 だって「神の力」なんて、やべー能力を持ってるんですよ?
 豪腕を振るって、腕っ節でワガママを押し通したいはずですよ(もっと偏見)

(聖文字は、元々持っていた能力(個人の資質)を陛下が引き出したもの。陛下が与えたわけではないので、こういう解釈もアリかなぁと)
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