お前は天に立て、私は頂をこの手に掴む   作:にせラビア

389 / 406
申し訳ございません。間を開けすぎて誠に申し訳ございません。
(余力無かったんです・・・本当に・・・)



第386話 更木剣八 卍解ス

「なるほど……やるじゃねえかやちる! コイツは楽しめそうだ!!」

「えへへ、だから言ったでしょ剣ちゃん!」

 

 目の前の滅却師(クインシー)を目にした瞬間、相手の強さを看破し、強者と認定したのだろう。剣八は歓喜の表情を浮かべながら、背中の草鹿やちるに声を掛ける。

 やちるもその言葉に気を良くしたのか、剣八の背中から飛び降りると偉そうにふんぞり返り胸を張る。

 そのやり取りの最中、剣八もやちるも目の前の滅却師(クインシー)から一瞬たりとも視線を切ることは無かった。発する雰囲気こそ明るいものの、油断なく睨み続けているその視線は、彼らが目の前の相手を最大級に警戒しているということを意味している。

 

「なるほど。ユーグラムさんが苦戦したってのも納得するなぁ……確かに強そうだ……聞いた通りに……『想像通りに』ね」

「あん?」

 

 一方、滅却師(クインシー)は剣八たちの視線を乾いた笑みを浮かながら受け止め、そしてどこか小馬鹿にしたように呟いた。

 

「ユーグラムのことを知ってんのか?」

「当然でしょ? 僕だって星十字騎士団(シュテルンリッター)の一人だよ。ユーグラムさんにも散々言われたもの――"グレミィ、味方を巻き込むなよ。陛下の為に尽くせ"――ってさ」

「グレミィ……? 何だそりゃ?」

「僕の名前だよ。グレミィ・トゥミュー。この場限りの短い付き合いになると思うけれど、よろしくね更木剣八」

「……へッ! いいぜ、斬り合おうじゃねえか!!」

 

 見下したような態度と表情を見せるグレミィの様子に、剣八は歓喜の表情をますます強くする。

 久しく耳にしていない「お前なんてすぐにでも倒してやる」という物言いが溜まらなく楽しくて嬉しくて仕方ないのだろう。まるで野生の獣の威嚇のように犬歯を剥き出しながら、斬魄刀を強く握りしめる。

 

「更木副隊長!! あの……な、なんで……どうしてここに……? いえ、それよりも! ま、まさかここで戦うつもりなんですかぁ!?」

 

 だが、その殺気は横からの声に若干霧散させられた。

 若干怯えた目をしながら勇音が尋ねれば、剣八はやはりそちらに視線を向けぬまま叫ぶ。

 

「当然だろうが! こんな斬り甲斐のありそうなヤツがいるんだ! なら、今すぐ斬らなきゃ勿体ねぇだろうが!!」

「だ、だだだダメですよ! まだ怪我人もいますし、戦うならどこか別の場所でやってくださいよぉ……!!」

 

 一応この場所は、勇音らが必死で築き上げた仮の拠点である。物資やら怪我人やらが集まっている場所で戦われれば、巻き添えは必死だ。

 せめてそれだけは止めて欲しいと懇願する勇音の肩の上から、いつの間に移動したのかやちるが顔を覗かせながら叫んだ。

 

「ダメだよ剣ちゃん! そんなことしたら、あいりんに怒られるよ? そうなったらもう戦って貰えないし、回復もしてもらえないよ?」

「なにィ! ……成る程、確かにそいつはヤベェな……大問題だ……」

「あと、あたしもあいりんからお菓子貰えなくなっちゃう! 大問題どころか大大大問題(だいだいだいもんだい)だよっ!!」

 

 自分の訴えかけよりも何百倍もショックを受けた剣八の表情に、勇音はちょっとだけ泣きたくなったものの、それでも「気遣って貰えるならいいかなぁ……」と必死に自分を納得させる。

 ついでに副隊長のその様子に桃や織姫がちょっとだけ同情の視線を向けていると、剣八が叫んだ。

 

「おい、そこのお前ら!!」

「はい! なんですか!?」

「そいつら、退()けとけ。あと、お前らもどっかに隠れとけ」

 

 剣八の言葉を要約するなら「俺はこの場所で暴れるから、巻き添えを受けないようにお前らが守れ」というものだった。

 

「ねえ、勝手なこと言ってるけれど……僕がそれを見逃すと思う?」

 

 グレミィがそう口にした途端、周囲の状況が一変した。

 地面が揺れ、石畳がせり上がり形を変えていく。一瞬にして巨大なビルが足下から生え、石造りの壁がこの場にいる全員を逃がさないとばかりに取り囲む。

 だが変化はそれだけではない。

 

「こ、これって……!?」

「う、うわぁっ!?」

「……危ない!!」

 

 突然巨大な石壁に囲まれたのに驚く暇も無いまま、周囲を取り囲む石壁から石柱が飛び出してきた。銃弾のような凄まじい勢いで突き出てくるそれらは、剣八は勿論、油断していた勇音たちにまで無差別に襲いかかる。

 だが彼女たちとて戦闘訓練を受けている死神だ。

 石柱など物ともせずに砕き、怪我人たちを直撃や余波から見事に守りぬく。その動きを見ながら、けれどもグレミィは眉一つ動かさない。

 

「死神は皆殺しって、陛下やユーグラムさんからも言われているからね。逃がさないし、仕留めさせてもらうよ。それにきみだって、足手纏いはいないほうが――」

 

 その言葉が最後まで紡がれることはなかった。

 いつの間にか、グレミィの身体に斬魄刀が叩き付けられていた。不意の一撃に思わず口を動かすのを止めてしまう。

 だがその斬魄刀を握る死神――更木剣八は、刃から伝わってくる手応えに軽く首を傾げていた。

 

「ん? 斬れねえのか」

 

 伝わってきたのは、鉄の塊に刃を振り下ろした様な感触だった。奇妙な手応えに、剣八は斬魄刀をグレミィへ押し当てたまま動きを止める。

 

「驚いたな。でも、僕の身体は――」

「よし、こんなもんだな」

「ッ!!」

 

 剣八は押し当てたままの斬魄刀へ力と霊圧をさらに込めた。

 その瞬間、刃はグレミィの身体をあっけなく切り裂く。肩口で止められていた刃は、再び勢いを取り戻したように相手の腕一本を切断する。鮮血をまき散らしながら、グレミィは思わず膝を突いた。

 

「……で、お前の身体がなんだってんだ?」

 

 振り下ろす勢いを乗せられない、圧し斬りの一撃。

 剣術や技術ではない、単純な腕力だけでの攻撃を放ちながら、けれども剣八は当然のことのように口にする。

 

「硬くなるのか? 治るのか? それとも両方か? まあ、なんだって構やしねえよ。けどな、俺と戦おうってんだ。余所見してんじゃねえぞ! 俺にだけ集中してろ滅却師(クインシー)!! じゃねえと――」

 

 グレミィ目掛けて、剣八は再び斬魄刀を振るう。

 その鋒が狙うのは相手の頭部だ。勢いよく真横に振り抜かれた刃から深々と切り裂いた感触が手に伝わり、その衝撃はグレミィの身体を軽々と吹き飛ばす。

 

「こうされんだよ。俺はそう教わったぜ?」

 

 まるで巨大な鈍器で殴られたかのように吹き飛ばされ、倒れ伏しているその姿を見下ろしながら、剣八は一切の油断なくグレミィへと告げる。

 その言葉に、吹き飛ばされたはずのグレミィはまるで何事もなかったかのようにゆっくりとした所作で立ち上がる。

 

「え……な、なんで……」

 

 その姿に、撤退作業を進めていた勇音は作業の手を止めて思わず呟いた。立ち上がったグレミィの姿が、無傷そのものだったからだ。

 斬られた腕も頭も、まるでそんな攻撃など初めから無かったかの様に、どこにも異常がない。それどころか弾き飛ばされた際に着いたであろう埃や汚れすら見当たらない。

 唯一、床に残っている血の跡だけが、彼が攻撃を受けた証拠だ。

 

「驚いたね。せっかく僕の身体を鋼鉄よりも硬くする想像をしたのに、まさかこうも簡単に斬られるなんて……けど、その程度じゃあ僕は倒せないよ!!」

「治ってやがるな! いいぜ、その調子だ!」

 

 驚く勇音とは対照的に、剣八は立ち上がったグレミィへと再び斬りかかる。だが今度はグレミィの方が先に動いていた。

 彼は一本の巨大な火柱を剣八目掛けて放つ。この石の建物をまるごと蒸し焼きに出来そうなほど強烈な火柱を、それでも剣八は斬魄刀を鋭く一振りするだけで断ち切り散らしてみせた。

 炎の切れ間から見えたのは、剣八から距離を取ろうするグレミィの姿だった。

 

「驚かないんだね? 僕が治ってることに」

 

 続いて迫るのは、何層にも及ぶ炎の壁だ。

 山本元柳斎の流刃若火もかくやと思わせる炎を、剣八は再び剣圧だけで無力化し、くぐり抜けながらグレミィへと迫っていく。

 

「当たり前だ!! 必死こいて斬ったと思ったら、次の瞬間には完治してる強えヤツを二人も知ってるんでな!! 血まみれで倒れても油断なんざ――」

 

 そう言った瞬間、剣八の全身が氷漬けにされた。

 寒々とした冷気を放つ氷柱越しに剣八を眺めながら、グレミィはうっすらと笑う。

 

「治す? ――ああ、湯川藍俚(あいり)だっけ? 特記戦力の。でも彼女も、僕の"想像力"の前では敵じゃないよ」

 

 いつの間にかグレミィの周辺に無数の槍が生み出されていた。そのどれもが細く鋭く尖っており、それら全ては氷柱の剣八へと向けられている。

 次の瞬間、それらはまるで弓矢のような勢いで飛び出し剣八へと襲いかかっていく。

 その衝撃に周囲を覆う氷柱に無数の亀裂が走り、剣八本人は矢衾(やぶすま)のように全身に槍が突き刺さっていく。

 

 氷柱の剣八がニヤリと嗤った。

 続いて、微笑みが引き金となったように氷柱は内側から粉々に砕け散り、その中から剣八が勢いよく飛び出てきた。グレミィ目掛けて襲いかかるものの、その攻撃はどこから現れたのか巨大な盾によって受け止められる。

 

「想像力だぁ……?」

「そうだよ。これが僕の能力、頭の中で思い描いた事を全て実現できるんだ。ただ想像するだけで、きみを何百回だって殺せるのさ」

 

 グレミィの持つ聖文字(シュリフト)(ブイ)――夢想家(ザ・ヴィジョナリー)

 その能力は、頭の中で想像した事柄を現実にする。

 巨大な建造物を一瞬で作り上げることや炎や氷を生み出すことは当然、自らの傷を治すことすら容易だ。

 加えて想像すれば実現可能ということは、そのパターンは無限大。斬魄刀の様に炎熱系や氷雪系といった縛りもなく、どのような手段でも好き勝手に出来るということだ。

 

「無茶苦茶だな……けど、そういう無茶苦茶は、大好物だぜ!! 満更、理屈の通じねえヤツは知らねえわけじゃねえからな!!」

 

 だが、どのような手段でも取ってくる相手との戦闘経験を、剣八は持っている。

 そして、どのような手段でも取ってくる相手と戦えることを――それも殺意を剥き出しにして襲いかかってくる、敵として戦えることに歓喜しながら、グレミィへと襲いかかる。

 

「へぇ、経験豊富なんだね……でも僕の想像力には適わないよ」

 

 剣八の足下を脆くして体勢を崩させながら、同時に周囲の床を操り押し潰そうとする。だが剣八は不安定な体勢となりながらも斬魄刀を振り回し、床ごと粉々に吹き飛ばしていく。

 その攻撃を切り抜けた瞬間、剣八の頭上から強烈な稲妻が降り注いだ。電撃に身体を焼かれながらも、剣八は大したダメージを負った様子すら見せずにグレミィへと迫ると、一撃を放った。

 

「く……っ……」

 

 鬼気迫るような斬魄刀の一撃を避けるものの、完全には躱しきれなかった。前髪と共に頬に決して浅くは無い傷が刻まれる。

 一方、剣八は自らが与えたその攻撃を見ながら、どこか詰まらなそうな気配を漂わせていた。手にした斬魄刀の峰で軽く自分の肩を叩きながら、疑問を口にする。

 

「……お前、本当に強いのか?」

「なんだって……?」

 

 その言葉は、グレミィにとっては聞き逃せないものだった。

 頬に負った傷の治療すら後回しにしながら、彼は言い放つ。

 

「決まってるでしょ? 僕は星十字騎士団(シュテルンリッター)最強だよ? ユーグラムさんだって僕には勝てないさ」

「なら、もっと本気で来てみろ! 出し惜しみしてんじゃねえぞ!! じゃねえと、戦いにならねえだろうが!!」

 

 かつて刃を交えた痣城剣八は、こんなものでは無かった。

 あの時の戦いを、あの時の高揚感を思い出しながら、けれども痣城剣八と比べればグレミィの練度は劣っていることに気付いてしまう。

 まだだ、もっと上がある! お前のその能力は、そんなものでは無いだろう?

 もっと強くなれ! そして、もっと俺を楽しませてみせろ!!

 そんな想いを込めながら、剣八はさらにグレミィへと攻撃を仕掛ける。

 

「出し惜しみ、ね……じゃあこれでどうかな?」

 

 次に生み出されたのは無数の機関銃だった。数百にも及ぶ銃口を周囲一帯余すところなく向けられながらも、剣八は動じることはなかった。

 まるで「この程度か?」と言わんばかりの表情で機関銃を睨めば、周囲の機関銃から、爆音を撒き鳴らしながら無数の弾丸が一斉に放たれた。

 空気を切り裂くような勢いで迫り来る無数の銃撃を、剣八は斬魄刀を振り回しながら弾き飛ばしていく。

 

 だが、流石に数が多い。加えて銃弾そのものは小さめだ。

 八割以上はたたき落としてみせるものの、幾つかはどうしても撃ち漏らしてしまう。それら銃弾は確実に剣八の身体へと突き刺さり、彼の身体を小さく抉っていく。

 チクチクとした痛みを全身に襲われながらも、剣八は叫んだ。

 

「ちっ! 良いぜ、いい痛みだ!! やっと調子が出てきたか!?」

「ほざけ!!」

 

 剣八の頭の中にあるのは、痣城剣八との戦いの場面だった。あの時は、数百にも及ぶであろう鬼道を一斉に、同時に叩き込まれたのだ。

 あの時と比べれば、今の状況はよっぽど手ぬるい。

 銃弾の雨をくぐり抜けながら一気に踏み込むと、機関銃を数十丁ほど纏めて叩き切ってみせる。

 

「銃弾は斬れても、これはどうかな?」

 

 一瞬でガラクタに変わった機関銃の姿に、グレミィは今度は無数のカマイタチを放つ。実態の無い、真空の刃ならば切り裂くことは不可能と考えたのだろう。

 

「遅ぇ!!」

 

 その一撃は、かつて彼が目にしたもの――藍俚(あいり)や卯ノ花が放ったものと比べれば、(いびつ)で不格好で不器用だった。

 だがそれでも、空気を斬り裂いてみせた。

 一瞬にして切り裂かれ、カマイタチは瞬時にそよ風へと変わる。

 

「なら、やっぱりこうかな?」

 

 続いて襲いかかってきたのは、分厚い鉄柱だった。

 人一人分(ひとひとりぶん)はありそうな太さの鉄柱が蛇の様にうねりながら剣八へと群がると、幾重にも折り重なって小さな檻を作り上げてその動きを強引に止める。

 けれどもグレミィの攻撃はそれだけでは止まらない。

 外からでは見えないが、鉄柱は内部でさらに形を変えていた。その柱から細く長い針を無数に生み出して、剣八へと攻撃する。

 自由に動けないように狭い場所に閉じ込められ、細く鋭い貫通力を持った攻撃で確実に命を奪う。これだけならば氷柱に固めた時と大差はないだろう。

 だが今回の鉄柱は、硬度に加えて幾重にも折り重なることでさらに厚みを増している。脱出はより困難となる。

 

「まだまだ、念には念を入れないとね」

 

 グレミィの攻撃は止まらない。

 鉄の蛇が絡みついた塊に向けて、さらに超重力を放つ。死神が操る鬼道、黒棺のような超重力が生み出され、鉄の蛇の塊ごと剣八を押し潰していく。

 

「グチャグチャに潰れても、まだ弱いとか出し惜しみとか言えるかい?」

 

 そう問いかけるものの、超重力と鉄の塊に遮られてはグレミィの声が届くことはない。

 それはつまり――

 

 ――……の……め……

 

 剣八の声も、グレミィには聞こえないということだ。

 

 ――野晒!

 

 超重力ごと、鉄の塊が一瞬にして吹き飛ぶ。

 その中からは、巨大な(まさかり)のような斬魄刀を担いだ剣八が現れる。細かい傷こそ無数に負っているものの、動きには澱みがなかった。

 

「な……ッ!?」

 

 勝利を確信していたグレミィはその光景に思わず汗を流し、反応が一瞬遅れる。

 

「どうした!? ここからだろうが!! だから出し惜しみだって言ってんだよ!!」

「ぐぅっ……!!」

 

 その遅れの間に、剣八は目前まで迫っていた。

 再び超重力で剣八ごと攻撃を押し潰して止めようとするものの、そんな影響など微塵も感じさせないような勢いで野晒が振るわれる。

 慌てて回避しようとするが、遅かった。

 野晒の一撃に、グレミィの身体の半分ほどが軽々と吹き飛んでいく。それどころか巨大な野晒を叩き込まれた衝撃で、グレミィの肉体そのものが枯れ葉の様に舞い上がる。

 

「危ない危ない」

 

 宙に舞い上がった枯れ葉は、その言葉が聞こえた瞬間にピタリと動きを止めた。

 消失していた肉体も一瞬にして元に戻ると、グレミィはゆっくりと剣八の前に降り立つ。

 

「もう一瞬遅かったら、負けていたよ」

 

 グレミィの横に、もう一人のグレミィが並び立つ。

 

「分身……じゃねえな。どっちも本物か」

「「ご名答」」

「これでもまだ」

「出し惜しみかい?」

 

 夢想家(ザ・ヴィジョナリー)の能力は、想像を現実する能力だ。

 先ほどの光景もその能力にてもう一人の自分を産み出し、自分で自分を助けただけにすぎない。

 常人からすれば異常とも絶望的とも思える行為だが、グレミィからすれば頭の中で想像するだけで簡単に実現できてしまう。

 

 二人のグレミィが並び、口を開くその光景に――剣八は嬉しそうに目を輝かせた。

 

「……イイじゃねえか! 増やせ、もっとだ! もっと増やせ! 強えヤツは大歓迎だ! お前みてぇな強ぇヤツが一人じゃ詰まらねえ! お前の想像力ってのは、そんなもんじゃねえだろう!?」

「ッ! 化け物め! だったら、これでどうだ!?」

 

 恐れの言葉を口にするのならまだしも、歓迎された上に"足らない"とまで評価されるとなると、その反応はグレミィの想像を超えていた。

 焦りすら見せながらも、グレミィは剣八のリクエスト通りに自らの数を数十人へと増やすと、複数人掛かりでの想像力にて周囲の空間をねじ曲げる。

 まるで穿界門(せんかいもん)黒腔(ガルガンタ)が開く時の様に、空間の向こうに新たな世界が広がっていく。

 その先に待っていたのは、星が煌めく真っ暗な空間――宇宙空間だった。

 

「が、ああああああああぁぁぁっっ!?」

「宇宙空間に包まれた気分はどうだい!? けど、それだけじゃないさ!!」

 

 宇宙空間という、およそ生物の住めぬ世界に叩き込まれ、さすがの剣八も絶叫する。

 だがグレミィの攻撃はこれでも終わらない。

 

「この星々全てを隕石としてお前にぶつけてやる!! 生物が絶対に生存できない場所で、天文学的な攻撃を食らえばお前だって絶対に死ぬ!!」

 

 数を増やした自分の半分以上で宇宙空間を開いて、剣八を閉じ込めた。

 そして残る半分は、巨大な隕石を呼び寄せて剣八に直接ぶつける。

 およそ、考えられる最大の攻撃と呼んで良いだろう。

 

「う、ちゅう……くうかん……だぁ……? よく知らねぇが……」

 

 だがそれでも剣八は耐えていた。

 眼球や口内、体中の傷跡から体液や血液が沸騰し、呼吸すら出来ぬ。余人ならば一瞬にも満たぬ内に絶命する状態となりながらも、グレミィの言葉を耳にしていた。

 

「これがお前の、全力か……? なら、俺も全力で行かねぇとなぁ!!」

 

 絶対の勝利を確信したグレミィの言葉に、剣八もまた全力でいくことを決める。

 

「やちる!! やるぞ!!」

「はーい、剣ちゃん!」

 

 その呼びかけに、今までどこにいたのか? 瓦礫の影から草鹿やちるが顔を出す。

 剣八が死の淵に立っているにもかかわらず、いつもの調子で挙手をしながら宇宙空間へ飛び込むと剣八の肩へとしがみ付く。

 

野散(やちる)

 

 それを認識した瞬間、更木剣八は名を呼んだ。

 

「……?」

「なんのつもりだ……?」

 

 グレミィには、その行動が理解できなかった。

 彼の目から見れば、ただ"やちる"と同じ名を呼んだに過ぎないからだ。

 けれどその名は、今回に限っては意味が違う。

 

 先ほど呼んだのは草鹿やちるを表す名前。

 

 だが今回呼んだのは、彼が持つ斬魄刀の真の名――

 

 すなわち、卍解だ。

 

 名を呼んだ瞬間、更木剣八の姿が一瞬にして変化する。卍解発動によって霊圧も上昇したが、そんなものは今の更木剣八と比べれば可愛い物だ。

 

「な……なんだよ、その姿……」

 

 それを目にした瞬間、グレミィの一人が怯えた声を上げる。

 全身を赤黒い肌となっており、額には角が生えていた。

 双眸は爛々と輝き、その表情は見ているだけで根源的な恐怖を想起させる。

 

「鬼……? ち、違う……」

 

 確かに一言で説明するならば、赤鬼のようになったと言えるだろう。

 だが、当人からすれば鬼という言葉が、生やさしく感じられる。それほどまでに恐ろしい姿へと変身していた。

 

「ま、まだだ! それでも――」

「おおおおおおおおおおっっっ!!」

 

 恐怖を押し殺すように、グレミィたちは隕石を加速させた。圧倒的な質量と破壊力で、今の剣八を押し潰して確実に殺すためだ。

 その動きを察知したかのように、剣八は吠えながら斬魄刀を振るう。

 彼が手にしていた斬魄刀もまた、卍解によって姿を変えていた。その手に握られているのは巨大な斧のようなそれだ。

 ところどころ刃が欠け、形状そのものも斧と呼ぶにはやや歪ではあるが。

 

 剣八は、その巨大な斧と化した斬魄刀を目一杯の力で振るう。それだけで迫り来る隕石が砕け散っていくが、被害はそれだけでは留まらない。

 その余波を受けて周辺にいたグレミィたちは吹き飛ばされ、宇宙空間を維持できなくなった。維持する者が消えたことで、宇宙空間もまた自然に消滅する。

 

「ちっ……」

 

 不自由な空間から解放され、瀞霊廷へと再び降り立ちながらも、剣八の視線は己の片腕に注がれていた。

 その腕は、見るも無惨なほどに傷ついている。それはグレミィたちごと隕石と宇宙空間を破壊した反動で受けたダメージだ。

 卍解を会得したとはいえ、まだまだ完全に制御できているとは言いがたく、力加減を間違えればこうして自ら傷を負ってしまう。

 持ち主の力を圧倒的に高める剣八の卍解であるが、その強すぎる力に剣八自身の肉体が耐え切れないのだ。

 

(もう、剣ちゃん! あんまり無理しちゃダメだよ?)

 

「わりぃわりぃ、鬱陶しかったんでな……」

 

 自分の未熟さの象徴たる傷を見ている中、草鹿やちるの声が響いた。剣八が返事をするが、その様子にグレミィたちは怪訝な表情を浮かべる。

 なぜなら彼女の声は、剣八以外の誰にも届いていないからだ。

 

 草鹿やちるの正体は、死神ではなく斬魄刀。今まで見ていたのは、具象化した斬魄刀本体が動き回っていたに過ぎないのだ。

 具象化した状態ならば誰の耳にも声は届き姿も見えるが、こうして卍解し斬魄刀へと戻ってしまえばその声も姿も持ち主たる剣八にしか届くことはない。

 

(あたしが助けなきゃ、どうなってたか分かんないんだからね!)

 

 今も剣八の目だけには、得意げな表情で胸を逸らすやちるの姿が映っていた。その姿を視界の端に追いやりながら、剣八は斬魄刀を構える。

 

「さて、待たせたな! これで俺も出し惜しみは無しだ! 楽しもうぜ滅却師(クインシー)!!」

「な、舐めるなよ……そのくらい、僕だって……!」

 

 文字通り鬼の様な形相で迫り来る剣八へ、グレミィもまた必死に想像力を働かせる。

 

「僕は僕を無限に増やせる!」

「きみを倒す手段なんて、幾らだって想像できるんだ!」

「消し炭になれええぇぇっ!!」

「燃え尽きろおおおぉぉっ!!」

 

 残っていたグレミィたちは必死に攻撃を放ち、一人のグレミィは想像にて自分の数をさらに増やしていく。だが彼らが放つ攻撃は霊圧差と力業で強引に跳ね返され、増やしたグレミィたちはすぐにその数を減らしていく。

 

 ――くそっ! どうすれば、どうすればいい……! 何を想像すれば……!!

 

 一瞬にしてジリ貧となったグレミィは、頭の中で次の想像を必死に考える。

 

「どうした最強の滅却師(クインシー)!? ユーグラムの野郎ともこれで戦ったぜ!! テメエが最強だってんなら、この俺を倒す姿を想像してみせろや!!」

「ユーグラムが!?」

 

 ――いや、いる!! いるじゃないか! もっともっと強いヤツが! 僕の想像よりも、もっともっともっともっと強いヤツが!!

 

 剣八の言葉を受けて、次なる想像の対象が決まった。

 残っていたグレミィたちは一瞬だけ目配せしあうと、全員で協力して同じ()を想像し、生み出してみせた。

 

「「「「お前だ! 更木剣八!!」」」」

 

 彼らが生み出したのは、卍解をした更木剣八本人だった。

 鬼の様な姿も、巨大な斧のような斬魄刀も、纏う霊圧も、その全てが本人と全く同じ。藍俚(あいり)や卯ノ花であっても、おそらくは騙されるほどの完成度だ。

 

「俺……俺かぁ!!」

 

 生み出された自らの姿に、剣八は今までで一番の笑顔を浮かべてみせた。

 

「いいじゃねえかグレミィ!! 確かに、俺はまだ俺を斬ったことはねえ!! しっかり想像しとけよ!!」

 

(勝てそう?)

 

「勝つに決まってんだろ!! 何しろコイツが想像したのは、さっきまでの俺だ!!」

 

 自分を相手にする、という事態にやちるが少しだけ心配そうに尋ねる。

 だがその不安を、剣八は鼻で笑い飛ばしてみせた。

 

「それにまだユーグラムの野郎が残ってんだ! あとユーハバッハとも斬り合ってみてぇ!! 楽しみが一杯で頭がおかしくなりそうだ!! こんなところで立ち止まってられねえ!!」

 

(えへへ、そうだね! 剣ちゃんさっすがぁ!! よーし、やっちゃえ! あたしも全力で応援しちゃうから!!)

 

 自分と同じ姿、同じ霊圧をした想像の更木剣八を前に、臆することなく剣八は襲いかかる。想像の剣八もまた、相手の闘気を感じ取ったのか嬉々として迎え撃ってきた。

 巨大な戦斧同士が激突し、その度に立っていられないほどの衝撃が辺りに吹き荒れる。

 

「楽しい、楽しいぜ!! いい、イイ(ちから)だ!! 腹の底からワクワクしてきてやがる!!」

 

 自分と同じ力の相手と斬り合える。

 歓喜に打ち震えながら、剣八は想像の剣八と戦い続ける。想像の剣八もまた、本人よりも感情表現が薄いものの、喜んでいるらしく戦っていた。

 

 その戦いの裏で、グレミィたちは全員で一丸となって必死に想像を続けていた。

 なにしろ更木剣八は霊圧も肉体も、そのどれもが超規格外だ。一人や二人のグレミィでは、想像力で補いきれずあっという間に想像しきれなくなっていただろう。

 だが、複数のグレミィでお互いがお互いを補完してもなお、更木剣八の想像には少し足らなかった様だ。

 

「オラァ!!」

「ガアアアッッ!!」

 

 最初こそ互角の戦いを繰り広げてたものの、何度も打ち合っていく内に想像の剣八がジワジワと圧されていく。

 反応が鈍くなり、続いて力で負け初め、体勢が崩されて動きが一手ずつ遅れていく。言って遅れる度に想像の剣八は切り裂かれ、その傷を治そうとすることでグレミィたちの想像がまた一手遅れていくという悪循環。

 

「そうだな! そうでねえとなぁ!!」

 

 とはいえ、想像とはいえ更木剣八だ。

 後れを取りつつも野生の獣の様な反応を見せ、斬られながらも構うことなく剣八を斬っていく。自らの傷を顧みずに斬りつけていくその姿は、想像の産物だからだろうか。

 

「アアアアァァァッッ!!」

 

 さらに斬り合いは続く中、剣八が斧を勢いよく振り下ろした。

 振り下ろされた斧を、想像の剣八は片腕を犠牲にすることで受け止めると、本物の剣八目掛けて手に持った斧を思い切り叩き付ける。

 自分の存在が消えることすら厭わない、捨て身の反撃だ。

 

「浅ぇ!! ……けど、よくやった! 楽しかったぜ俺!!」

 

 だがそれも、本物の剣八には通用しなかった。

 本物の剣八は想像の剣八と戦いながら、さらに自らの霊圧を高めている。もう少し早ければ効果的であった必死の反撃も、霊圧に対応してしまった今の剣八を相手には肌に浅く食い込ませる程度が精一杯だ。

 動きの止まった想像の剣八へと、剣八はさらに力を込めて食い込んだ腕ごと相手の身体を一刀両断してみせた。

 

 それがダメージの、そして想像の限界だったのだろう。想像の剣八の姿は霞のように消え失せてしまった。

 そして、想像していた剣八が消える姿に、グレミィたちは目を丸くして驚く。最強の相手として想像していた相手が敗れた事実に、それ以上何を考えれば良いのか……グレミィには想像することができなかった。

 

「おら、どうしたグレミィ! 次だ、次を持ってこい! 今ので俺の想像を修正できんだろうが! もっと強え俺を出してみろ!!」

 

 だがその程度では今の剣八は止まらない。

 卍解という手段を使い、自分という最高の相手と斬り合えたのだ。

 加えて想像するだけで何でもできるのならば、それ以上に強い相手だって何度でも生み出せるはず。

 そう考え、さらなる相手を求めて叫ぶ。

 グレミィ本人は、とっくに想像力の限界に達しているというのにも関わらず。

 

 ――ば、化け物……! 本物の……化け物!! 僕じゃ、絶対に、勝てっこ……ッ!!

 

「し、しま……ッ!!」

 

 弱った心は、更木剣八には絶対に勝てないと。

 どうやっても負けると想像した。想像してしまった。

 

 悔やんでも、もはやその想像が止まることはない。 

 その想像を、グレミィの夢想家(ザ・ヴィジョナリー)の能力は忠実に再現していた。

 己の崩壊という形で。

 

「あーあ……きみがどれだけ強くても、僕の想像力の方が上だって……僕が勝つのは絶対だって、思っていたのになぁ……」

「おい! 巫山戯んな! まだだ! こんなもんで終われるかよ!!」

 

 何人もいたグレミィたちの姿が、ボロボロと崩れていく。

 その様子は、剣八にグレミィの敗北を――彼に明確な死が訪れたことを、はっきりと伝えていた。

 剣八は無意識に卍解を解除しながら、グレミィへと駆け寄る。

 この楽しい斬り合いを、もっと続けたい。そして決着を付けるのならば、こんな中途半端な結末ではなく、もっとハッキリとした結果でなければならない。そう思いながら。

 けれども近寄る剣八に目をくれることも無く、グレミィはさらに一人呟く。

 

「初めて本気で、勝ちたいって思って……けど、負けちゃうなんてね……」

「んなモン、俺にだって経験がある! 誰だってそんなもんだ! だから斬り合いは楽しいんじゃねぇか!!」

 

 崩壊を止めようと掴み掛かった途端、グレミィの身体がさらにボロッと崩れ落ちた。

 自分の行動が崩壊を早めていると気付き、剣八は慌てて周囲を見回す。

 

「くそっ! 藍俚(あいり)だ! 藍俚(あいり)はどこだ!?」

「剣ちゃん……あいりん、呼んでどうするの……?」

 

 卍解が解除され再び具象化された草鹿やちるが、剣八に尋ねる。

 

「決まってるだろ! アイツなら、グレミィを治せるはずだ! すぐに呼んで……いや、アイツのところまで連れて行く! おい、もうちょっとだけ待ってろ! お前を治して、それから続きだ!!」

「剣ちゃん……」

 

 それが不可能であることは、やちるの目には明らかだった。おそらく、剣八だって半ば諦めているのだろう。

 だがそれでも一縷の望みとばかりに、藍俚(あいり)を頼ろうとする。

 

「あはは……ごめんね……もう無理だよ……ぼくはもう、たすからない……」

 

 その剣八の想いを否定したのは、グレミィ本人だった。

 彼は消えゆく身体を必死に操りながら、最期の言葉を口にする。

 

「それに、君の相手は二度とゴメンだな……想像力がもう、追いつかないや……」

 

 想像力が追いつかない。

 その言葉を証明するかのように、消失していくグレミィの身体からゴロリと何かが零れ落ちる。剣八には理解できなかったが、それは水槽に入れられた脳だった。

 それこそが、グレミィの本体。

 彼は脳だけの存在でありながら能力で身体を想像して肉体を補い、滅却師(クインシー)達の頂点に至っていたのだ。

 

「想像できないものなんて……ないって……ぼくに勝てるヤツなんて、いないって……おもってた、んだけどなぁ……」

 

 零れ落ちた脳の容器を眺めて、そしてグレミィはもう一度だけ剣八を見つめる。

 

「ざらき、けん、ぱち……ぼくが、もっと……つよ、かった、ら……このていどが、げんかい、なんて……そうぞう、できない、なんて……いやだ、なぁ……」

 

 その言葉を最後に、グレミィの肉体は完全に消えて無くなった。

 

 

 

 

 

「剣ちゃん……」

「チッ、仕方ねえな! おい、やちる! ユーグラムとユーハバッハはどこにいるか解るか!?」

「うーん……あっち!」

「根拠は?」

「勘!」

 

 

「……生まれ変わったら、またやろうぜ。何千年掛かろうと待っててやるからよ」

 

 この場を後にしながら、剣八は空に向けてそう囁いた。

 




書いておいてなんですが……書く意味あったかなって不安がいっぱいです。
(多分この戦いって色んな人が妄想したり二次創作してる気がするので)

……ま、いっか。

●剣ちゃんの卍解(妄想)
名前:野散(やちる)

名前の意味(狙いとか願いとか)的なものとしては
・始解は「野晒(のざらし)(剣ちゃんが通った後には、強者たちが野に屍を晒す)」
・卍解で「野散(やちる)(最終的に剣ちゃんも、強い相手と戦って満足して野に散りたい)」

 加えて

・「子供の頃の初恋(まけた)のお姉さんの名前」と卍解が同じという、拗らせ感。
・ずっと卍解の名前を呼んでいたというヒント感(正確には恋次のような「少しだけ卍解の名前」を呼んでいた(「やちる」と「野散(やちる)」))
・「幸せの青い鳥は隣にいた」的な感じ。

 といった妄想から「こんな名前が卍解だったら」をずっと妄想してました。

(なお「卍解するとやちるちゃんが消える」というアレは「藍俚(あいり)殿のお菓子食べたさに戻ってくる(好き勝手に具象化する)」ということで解決済み)

その他として。
・卍解時の野晒の描写、原作よりもマトモな(折れてない感)を出しています。
 (これは、その辺の制御なども練習して(ある程度は)上手く行っているためです)

・卍解時の能力として、単純に強くなる以外に「どんな環境でも生きて戦える肉体になる」的な要素を入れています。
 (やちるの「あたしが助けなきゃ~」という発言の部分がそれに該当)
 これは「水深1万メートルの海底や、太陽の表面など。どんな場所にも、自分との斬り合いを待っている相手がいるかもしれない。そんな場所にいる相手とも真っ当な条件で斬り合う」ため。
 (得意地形にはならないが、卍解していれば場所を選ばず戦える)

 (宇宙空間で生存していたのも、卍解の余波でこんな感じの影響を受けてたのかなと妄想)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。