切っ掛けは、些細なことでした。
「んー……っ……もうこんな時間なのね」
業務終了の鐘が瀞霊廷に鳴り響き、私は本から顔を上げて大きく伸びを一つします。
今日は非番の日だったので、いつぞやと同じく霊圧吸収部屋で修行後にこうして真央図書館で読書をしていました。
リサと友達になってからこっち、図書館の利用頻度が上がってますね。
いけないいけない、ちょっと剣術の稽古の回数を増やさないと。今度こそ卯ノ花隊長との稽古で殺されかねない。
「こうやって同じ姿勢でずーっと本読んどると、身体が固くなってかなわんな」
私の行動を真似たように、リサもまた本から目を離して自分で自分の肩を軽く揉んでいました。
……私は非番だけど、今日ってリサも非番だったかしら……?
他隊のことだからよくわからないんだけど……サボりっぱなしじゃないわよね?
「じゃあ、リサも今度ウチに来る?」
「師匠の家? なんかあるん?」
「ええ、まあ。女性隊士向けの按摩や整体をやってるの。個人が趣味でやってるから規模は小さいけれど、それなりに人気はあるのよ」
「へー……そういえば師匠の記事が載ってた瀞霊廷通信にそんなことが書いてあったって七緒が言っとったような……」
ぐぬぬ、やはり全体で見るとその程度の知名度なのね。
これは瀞霊廷通信がいまいちマイナーなのが悪い! かもしれない!!
「なら、一つお願いしてもええか?」
「勿論! 今日は特別に、これから施術してあげられるわよ。どうする?」
「ええな! 善は急げっちゅうし頼むわ」
あらら、こんな簡単に来ちゃうなんて……
危機管理がなってないわね……なーんてね。
『まあ実際には、リサ殿を無理矢理手込めにでもしようものなら、大半の男は返り討ちでござるよ。なにしろ副隊長でござるからなぁ……ですが
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「むさ苦しいところだけれど、遠慮せずに上がって」
「お邪魔しまーす……へえ、ここが師匠の家か」
「家っていっても、副隊長権限で支給された物だから。自分のお金で建てたものじゃないわよ」
「けど……」
玄関を上がったリサはキョロキョロと辺りを見回す。
「綺麗にしてるやん」
「物が少ないからね。あと、一応お手伝いさんを雇ってるの」
「お手伝いさん!?」
「暇な時にお掃除とかお片付けをお願いしてるのよ、お給金は安いけれど気楽に働けるって条件でね。今日はもう帰っているけれど、今度機会があったら紹介するわ」
ちなみにお手伝いさんは四番地区に住んでいる女性です。
既に結婚していてお子さんもいて、結構お歳を召した方よ。
ちょっと部屋の片付けや掃除、洗濯とかをお願いしているの。四番隊の仕事で忙しくて帰れないときには頼りになるし。拘束時間はゆるゆるだからお給料も安いけれど、仕事もゆるゆるだし。
暇な主婦がちょっとしたパートしてる、みたいな感覚でお願いしてるわ。
「はい、ここよ」
そんなことを話ながら、彼女をマッサージ部屋へと案内する。
「うわ……なんかこの部屋、エロいなぁ……」
「そう? それよりもほら、コレに着替えてきてね」
「コレって……ええっ!? こんなん着るん!?」
「着物が汚れても良いなら着たままでやるし、嫌なら裸でもいいけど……」
「き……着替えてくる……」
「着替えは隣の部屋を使ってね」
さて、彼女が着替えている間にこっちは準備を終えないと。誘ったのはこっちとはいえ、急な
特にこのオイル……うん、たっぷり残ってるわね。
「着た……わ……」
顔を真っ赤にしながらリサがやってきました。
身に纏っているのは紙製の下着だけという色々とギリギリの姿です。でも普段からミニスカートな格好のリサならその辺はもっと堂々としていそうなものなのに。
それに今は眼鏡も取っているわ。
素顔のリサを見たのって初めてな気がするけれど、こっちもかなり可愛いわね。
「こっちも準備できてるわ。さあ、それじゃあここに寝てちょうだい」
「ん……」
普段の物怖じしない様子と比べて、なんとも可愛らしいですね。あーもう!! 加虐心みたいなのが湧き上がって来ちゃう!!
落ち着きなさい私!!
「そうそう、まずは背中側から。うつ伏せになって、身体を楽にして力を抜いて……」
「あ、ああ……」
言葉に流されるまま、しおらしい態度でうつ伏せになるリサ。
リサの身体はどちらかといえば均整の取れたスレンダーな方ね。けれどもそれは曳舟隊長などの規格外と比較した場合。
一般的な観点からすれば、十二分に魅惑的な肢体を誇っているわ。
サイズがやや合わなかったみたいで、紙製の下着の奥で白い胸元が苦しそうに存在を誇示している。これはつまり、一般的・平均的な体型よりも胸が大きめってことなの。
「それじゃあまずは、オイルを垂らすわね」
「ひゃ……っ……!?」
「ちょっと冷たいかもしれないけれど、我慢我慢」
「ん……んんっ……!!」
そう言って背中にオイルをゆっくりと伸ばしていきます。
その度にリサはビクビクと肢体を震わせて、必死で我慢するように声を漏らしています。
ゆっくりとオイルを伸ばし、肌へと絡ませながら、同時に指先と霊圧照射で凝りの部分を探っていくのも忘れてはいけません。
「あー、この辺りね?」
真っ先に見つかったのは、当然というべきか肩でした。
「本を読むし、それにリサは胸が大きいからねぇ?」
ゆっくりと肌にオイルを馴染ませながら肩を揉みほぐしていきます。
読書が趣味の彼女らしく、肌はあまり日に焼けておらずに白いまま。その白い肌がオイルに染められてぬらぬらと鈍く輝いていました。
「それは師匠には言われたないなぁ……んんんっ!!」
精一杯の反撃を試みようとしましたが、私が少し強めに力を込めて揉めばその言葉はあっと言う間に快楽の声へと変わりました。
「気持ちいい?」
「きもち……ええ……そこ、もっと……」
「んー、ここね?」
「ひゃうっっ!!」
「あら? こっちも中々……」
「そこは……っ!!」
患部を揉んでいくごとにリサは身体を震わせて、甘い吐息を漏らしていきます。彼女から発する香りに汗のそれが混じり始めていました。
よほど凝っていたのでしょう、肩を揉む度に切なそうな声を上げて身をよじります。
肩から二の腕までもを念入りに、ゆっくりと丹念に揉み上げていきました。
「これは姿勢も悪いのかしら? それともずっと本を読みっぱなしの弊害かしらね? こっちも……」
「……~っ!!」
片手を肩に添えたまま、もう片方の手は腰のマッサージを始めます。
こちらも大分筋肉が張っていたようで、指先に力を込めるたびにリサの身体は反応して腰をふるふると震わせます。そして連動してお尻も揺れます。眼福眼福。
「あ……っ……ん、く……っ!! なん、らこれ……あたし、こんなん知らん……って……」
「でも、気持ちいいでしょう?」
「…………」
一旦手を止め耳元でそう囁くと、リサは顔を埋めたままコクンと小さく頷きました。
どうやら、よほど血流が良くなっているのでしょうね。耳が真っ赤に染まっています。
「だから好評なのよ」
「~~~~っ!!」
そう言うと再び動きを再開します。
肩から背中、腰までを優しく、時々強く愛撫するように按摩していく。
「はい、もう少し下に行くわよ?」
「……ふえっ!? そ、そんなとこもなん!?」
腰に回されていた手が今度はリサのお尻を撫で回します。もう肩や背中は十分なので、両手で揉みますよ。
「座ってれば自然にお尻も疲れるでしょう?」
「そ、そういうものなんか……?」
「当然よ」
「なら……お願いするわ……」
突然お尻を撫でられて困惑するリサでしたが、力強く言い切ったことで黙りました。
さてリサのお尻ですが、こっちはもうちょっとボリュームがあると嬉しく感じるのが個人的な意見ね。ただ、キュッと締まっていてそれはそれで魅力的なのよ。
お尻からフトモモへと続く脚線美のラインがかなりグッと来るわ。
しかも今は生足だから魅力五割増し! 男だったら凝視すること間違いなし! 太鼓判を押しちゃう。
「うん……っ……ふうぅ……っ……!」
左右のお尻に手を添えて、ゆっくりと解していきます。
実際に触れてもやっぱり個人的にはもう少しボリュームが欲しいところね。オイルが紙の下着の貼り付いて、ぷりんとした張りのあるお尻が震えます。
くにっと指で押し込めば、ふるんっと指先を押し返してきます。
けれどこの奥にもうちょっとだけ、凝りがあるのよね。だからもう少し力を込めて、撫で回すようにして……グッと。
「~~~~っっっ!!」
ふう、良い反応ねリサ。
枕をグッと噛んで声を押し殺しているのがこっちにも手に取るように伝わってきたわ。
他にも異常は無いか丹念に撫で回していったけれど、この辺はもう問題ないみたいね。
じゃあ、今回はちょっと趣向を変えて。
「次は仰向けになって貰える?」
「あ、あおむけ……っ!?」
息を切らせていたリサが、初耳だとばかりにこちらを向いて来ました。
「ちょ、ちょい待って! 仰向けって、そっちもやるってことなん!?」
「当然でしょう?」
「途中で……中断は……?」
「不許可」
「あ、ちょ……!?」
もう有無は言わせませんよ。
彼女の肩を掴むと、強引に体勢を変えて仰向けにします。
「見んといて……」
リサの表情は上気して興奮しているのが丸わかりでした。ただそれを私に悟られまいと必死に両手で顔を覆い隠しています。
手の隙間からは軽く開いた口見え隠れして、その唇からははぁはぁと荒い吐息が漏れていました。
胸元に視線をやれば、紙の下着を軽く持ち上げるように突起が二つ。汗ばんだ身体と今までうつ伏せだったおかげで肌にピタッと貼り付いていて、うっすらとした桜色が透けて見えます。
「はいはい、そんなに気にしないの。それじゃあ続きをするわよ?」
心の中で愉悦の笑みを浮かべながら再びオイルを垂らし、今度はお腹から胸元を中心に揉んでいきます。腰周りをラインに沿って指を当てて、流れを活発にするようにゆっくりと筋肉を柔らかくしていきます。
正面からのリサの身体について感想を言うなら、括れていて男の情欲を誘うような肢体ですね。
「ああ……これはええなぁ……」
お腹もおへそ周りからリンパの流れに沿うようにして、ゆっくりとゆっくりと。
ゆっくりと上へ。
「んきゅぅっ!」
じわじわと上へと手を伸ばし、最後におっぱいを掴むと、変な声が漏れました。
「し、師匠!? そこは……!!」
「何? 大きさや形を整えるのに必要なのよ?」
「…………」
何か文句有るか? とばかりに尋ねれば再び黙りながら頷いてくれました。
なので遠慮無くおっぱいを揉みます。
リンパの流れに沿うようにして、指を食い込ませます。ぷるぷるとマシュマロのように震えて、じんわりと形が変わっていきました。
「ひゃ……んんん……っ!!」
我慢しきれずに漏れ出てしまった声を、リサは両手で口を覆って必死で我慢しています。
ぷるぷると可愛らしく揺れて、手の平に吸い付いてくるようですね。
指先に全神経を集中させて、余すところなく揉んでいきます。
「……っ! ……っっぅ!!」
むにむにと何度も指を食い込ませると、そのたびにリサの口元から熱い吐息が漏れて、身体を震わせます。
それどころか――彼女は気付いているのかしらね? 何度か揉んでいくうちに、リサの方から自然と背中を反らせていることに。
自分から存在を誇示することで、もっと揉んで欲しい。もっと刺激を与えて欲しい。そんな風に無言のアピールをしているみたい。
「はい、終了」
「ふえ……ぇ……っ……?」
「こっちはもう十分に解れたから、あとは下半身ね?」
リサからの強烈なアピールを理解しているけれど、私は手を離しました。
名残惜しそうな目で私を見てきますが、気にしません。
だってこれはマッサージだもの。
必要以上の施術は身体に悪影響を与えかねない、当然でしょう?
「最後は足よ」
「あ、あう……」
物欲しげかつ何かを訴えているような声が聞こえますが、気にしません。
たっぷりとオイルを手に馴染ませ、まずは足裏から。
ツボをグッと指で押して行きます。
「お、おおおっっ!? なんやこれ……!! 痛い、けど、気持ちええ……っ!!」
蕩けたリサの声が聞こえてきます。
「足の裏は内臓と関係している場所が多いからねぇ……ほら、こことか」
「んひいっっ!!」
「あと、ここは精力に関係しているからちょっと多めに刺激しておいてあげるわね」
「ちょちょちょちょ! そんなサービスいらんか……らあぁっ!!」
切なそうに身悶えてますね。
今の状態でそんなツボを押されたら、我慢できないかしら? なら、もうちょっとサービスしてあげないと。
「あううううっっ!! し、師匠のいけず……っ!!」
そのまま足首から上へ、太腿へと指を這わせます。
こっちはもちもちしていて、ずっと触っていたくなるような感触です。ゆっくりと撫で回し付け根辺りをなぞれば、ビクッとしたように彼女の腰が跳ね上がりました。
「リサは袴が短いからね。足は重点的にやってあげるわよ」
「お、おおきに……~っっ!!」
指でこねくり回すように太腿を揉むと、リサが面白いように腰を浮かせます。
「ほら、危ないからじっとしてて」
「む、無理や無理無理! こんなん、こんなん無理やって……っ!!」
片手で腰を掴んで無理矢理固定してからの、フトモモの根元をじっくりとマッサージしていきます。
「~~~~~~~っっぅ!!!!」
何があったのかは、彼女の名誉のために伏せておきますね。
ただ、早急にお風呂を沸かす必要があるとだけ言っておきます。
「師匠、エッチすぎひん!?」
「そう?」
施術が終わり、全身の力を失ったようにぐったりしていたリサでしたが、やがてむっくりと起き上がると開口一番そんなことを言われました。
心外ですね。
「なんか知らない世界を覗いてしまった気分や……」
「嫌だった?」
「…………」
返事はありませんでした。ただ、俯いただけです。
「そうそう、お風呂湧いているけれど一緒に入る?」
「か、堪忍したって……! これ以上されたらあたし、もう……」
恨みがましい目を向けられましたが、そう尋ねるとリサは顔を真っ赤にしてそっぽを向きました。
それが凄く可愛かったです。
さて、射干玉先生……総評を。
『生足が魅惑的すぎるでござるよ!! いったいどこの人魚姫でござるか!! ああ、パンストに転生してあの足に密着したいでござる……!! いや、パンツの方が良いかもしれませんな!!』
ということで、今回は大興奮こそすれど、力尽きるほどではなかったようです。
やはりおっぱいは偉大ということです。
ではまた次回。
『また来週……って、これなんの番組でござるか!?』
とても珍しい射干玉のツッコミでした。
これで
……あ!
(戻ってきてからでいいか)