ファインモーションの劣等   作:あげ

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初投稿になります。あげと申します。今作は初美川みそら先生の「初ウマぴょいまで残り時間」に感銘を受けて筆を執る次第になりました。許可は得ています。

「ウマぴょいまでの1時間を描いた作品」となっています。続きを求める声がありましたら、書くかもしれません。

感想もらえると大変に嬉しいです。ドシドシ御寄せ下さいね。

ではどうぞ~


初うまぴょいまで残り1時間

 

「セミが鳴くよ」と嘘をついても隠し通せる暮春だった。

 16時47分。

 ぬるい恵風がうなじにスルリと滑り込む。

 私服のブラウスを着るにしては、うっすらと暖かい。

 カーディガンを羽織ったのは失敗だった。

 トレーナーさんもワイシャツの袖を折っていた。

 案内された待合室は殺風景の代名詞のような佇まいで。

 白い壁に守られた空間に、私とトレーナーさんだけが取り残された。

 青単色のソファがポツンと、寂しげ。

 

「日本の病院ってこんな雰囲気なんだね」

「保健室以外だと初めてか」

「うん。白衣のお医者さんとかナースさんとか、初めて見た! あとレントゲン撮ってみたいな〜。おもしろそうじゃない?」

 

 トレーナーさんはアハハと笑って頬を掻いた。

 

「引退したとはいえど骨を折って欲しくないけどな。っと、座るか」

 

 その指先が、触れた。

 私達はソファに腰を据えてから、恋人のように手を繋いだ。

 余った右手はへその上。

 ウエストはキツくない。

 お腹はまだ空っぽだ。

 ゆっくりと手を下ろす。

 カーディガンの白地がサラリと、はだける。

 2人ぼっちには丁度いい所だと思った。

 彼の左肩に頭を預けて聞いてみる。

 

 

「不妊検査さ、大丈夫だと思う?」

「多分ね。異常ないと良いけども」

「あーっ、なんでこんな家に生まれちゃったんだろ……」

「家柄的に普通よりは厳しくなるよね」

「そうだよ〜。しかも、アイルランドにいた時と合わせて2回目」

「2回目? まぁ仕方ないか。後継ぎが産まれなきゃ国が成り立たないもんな」

「うん。お父様もソワソワしてた」

 

 私はちょうど一週間前にプロポーズを受けた。

 その夜に。

 電話越しながら余計な小言を貰った記憶が蘇る。

「ハメを外し過ぎるな」と。

──余計なお世話だよ、もう。

 両手でパタパタと仰いで話題を変える。

 

「子供、何人欲しい?」

「そうだな。2人とか? 育てやすそうじゃん」

「意外と堅実だね〜。てっきり6人とか言い出すんじゃないかって思ってたよ」

「それもいいな。逆にどう?」

「私はね…………。4人かな」

「俺とあんまり変わらなくない?」

「バレちゃった。でも、“4”ってちゃんと意味があるんだ」

「縁起がいい、みたいなかんじ?」

「惜しい! 半分正解!」

「おー。もう半分はなんだろ」

「何でしょう〜? 答えて欲しいな。ほら、私と言ったら?」

 

 私は両手で口元を覆って、ニヤリと笑ってみせた。

 眉間に手を当てる彼は、哲学者のような小難しい顔をする。

 私は頭飾りのヨレを直した。

 赤三つ葉のクローバーを模した髪留めだ。

 

「……なるほど。クローバーの“4”ってことか」

「そうだよ〜。だからさ、赤ちゃんの名前に『葉』って文字をいれたいなって思っててさ。あ!ウマ娘だったら『リーフ』かな?」

「じゃあ『和葉』とか、どう?」

「良いね、良いね!ヒトだったらそうしよっか!ウマ娘だったら〜……」

「『リーフ・モーション』かな」

「うわっ、天才だね」

「『葉の動き』か、安直過ぎる?」

「いやいや! ピッタリだよー!! 」

 

 親バカとはコレだ。

 妊娠してもないくせに私達はバカをする。

 まるで付き合いたての高校生のように、キャッキャと。

 バカをして直ぐ我に帰る。

 私はゴクリと唾を呑んだ。

 

「どうしたの? やっぱ緊張してる?」

「んーん。全然!」

「あっ、ホテルまでのタクシー予約しとかなきゃな」

「え〜……そんなすぐ……?」

「妊娠報告は早い方がいいだろ? お義父さんも待ち望んでるだろうし」

「もー……確かにそうだけどさ……」

「「……」」

 

〈────ファインモーションさんは、3番の診察室へお入り下さい〉

 

 真っ白な引き戸の前に立ってドアノブを握る。

 掌がヒンヤリと霞んだ。

 

 

 

   †

 

 

 

 タクシーが到着までの数分。

 私達には結果を確認する時間があった。

 A4の茶封筒を貰って自動ドアを突破する。

 液体コンクリートをヘラで引き伸ばしたような空が私達を出迎える。

 夕方にしてはドンヨリと薄暗い。

 味気ないなと思った。

 私は胸を大きく開いて、スゥと息を吸いこんだ。

 病院らしいアルコールの臭みが鼻腔にゆったりと、うずくまる。

 トレーナーさんの溜め息が霧散した。

 

「ハァ…………ッ……クソっ、どうして……」

 

 彼の右手はプルプルと震えていた。

 半紙をクシャクシャに握りしめながら。

 嫌な予感がしたけれど、背伸びをして覗き込んだ。

 記されていた事実に側頭部を、ガツン。

 

「えっ……。『異常あり』? 不妊……症……ってこと? 私が?」

「……」

 

 彼の沈黙がセミの鳴き声のように煩かった。

 

「そんなワケないじゃん。きっと見間違いだよ。そうだよね? 」

 

 何度診断表を見返しても結果は変わらなかった。

 私の両手は正直で。

 それをズタズタに破きそうになって、破いた。

 粉雪がパラパラと宙を舞う。

 

「きっと……大丈夫……。なんとかするから……」

「…………」

 

 具体的な提案のない「大丈夫」が喉元にストンと落下した。

 まるで落とし蓋の様に落ち着いて、ピッタリと咽喉を塞がれた。

 息ができない。

 まるで溺れているみたいに。

 胸いっぱいに迫る嗚咽が、腹の底から込み上がった。

 落とし蓋に堰き止められる。

 それが壊れないように、グッと堪えるけれど。

 厚みのない「大丈夫」は余りに脆くて。

 2回3回とえづくだけで、容易く決壊した。

 

「ごめんね……ッ……ごめんねッ……」

 

 私は俯いてユラユラと揺れた。

 鬱病患者の発作の様に一定のリズムを刻む。

「異常あり」の〼に跳ねられたチェックを、スニーカーの先でゴシゴシと擦る。

 消えない。

 インクが歪に滲むだけ。

 

「一緒に治療できる所、探そっか」

 

 私の揺らぎを止めたのはトレーナーさん。

 押し出された額がトスンと、彼のワイシャツに降り積もる。

 硬くて男らしい胸だった。

 やるせなく、額をグリグリと擦り付ける。

 ウマ娘だからこそ許された力で抱きしめられた。

 アバラ骨がミシミシと軋む。

 腰に回された手は弛まない。

 行き交う人々に見られていたけれど。

 まぁいいか、と思えた。

 

 

 

 運命とは合理的な判断の最終結果であるべきだ。決して不安定を好む、好奇心に満ちた変化律ではない。合理に従う者は僅かな危険性でさえも排除する。当たり前だ。リスクを好む挑戦者が何処にいるのだろうか?

 

 理に適うからこそ大抵の者は平坦な人生を送る。キミが帰り道にアイスを買おうか思い悩むような、そんな人生を。しかし何事にも例外は存在するもので。その因果から逸脱したウマ娘が、私だった。

 

 産まれながらの王族【ファインモーション】

 

 なんと数奇な運命なことか。あぁ、“普通のウマ娘”として世界の歯車になれたのなら、どんなに幸福だっただろう。タオルケットに包まれて、抱き上げられた瞬間から、私は“一族の後継者”だった。

 

 大きな歯車として生を受けた。最終結果であるべき運命を前提として押し付けられたのだ。

 

 しばしば貴族の人生を「幸福が保証されて羨ましい」と嘆く人がいる。悲しいかな。断じて舗装された公道のような、靴に優しい道ではない。むしろ、酷くぬかるんでいた。

 

 ひょんと物心を自覚してから、ワガママを禁じられた。それはウマ娘として、全力で走ることすらも同様で。「怪我をしてはいけないから」と、重い十字架を背負わされた。何をしようと、それが私を苦しめた。

 

 まるで囚人みたいだったから。嫌で嫌で仕方なくて。トレーナーさんと、人生を脱線してみた。確か、コレがはじめてのワガママだった。血のレールの上を受動的に進みたくなくて。自らの脚で、自らの意志で、将来を描く選択をしたのだ。「レースで勝つ」ウマ娘本来の選択を。

 

 恩返しをしたかった。だから、URAファイナルズの優勝トロフィーを持ち帰った。多分、アレは勢いだったけど。「結婚しよう」と言われた。当然「はい」と答えた。やっと自分らしく生きられたのかなって思ったのに──

 

 ──どうして今になって、新たな十字架を背負わなきゃいけないの? 確かに何だって許されなかった人生だ。それでも出産の自由くらいは、保証されたって良いじゃないか! 「普通でありたい」って願って何が悪い。これはワガママの代償だって言いたいの?? 人生を脱線したから、その罰として?

 

 

 もしも神が「はい」と言うならば、あなたを死ぬまで恨んでやる。[[rb:幸運の証 > クローバー]]はもう要らない。四つ葉など、全て千切って地に晒そう。どうして私ばかりが、こうも惨めな思いをする?

 

――初うまぴょいまで残り1時間。

 

 

 

 

   †

 

 

 

 

「目的地はどうなさいますか?」

「……自宅まで」

 

 ホテルに向かう気にはなれなかった。

 帰路を示したスマホを渡して、タクシーが発車する。

 自宅へ向かう最中もファインは必死に感情を噛み殺しているように見えた。

 迷惑をかけん、とばかりに。

 何度も、何度も喉仏を上下に押し込んで、必死に虚無を飲み込んでいた。

 しゃくり声は聞こえない。

 それでも翡翠から溢れた涙がツーっと頬を滑る。

 その姿が酷く不自然で、俺は運転手に会釈をした。

 

「運転手さんも気を遣わなくて良いってさ」

「え? あっ。……っ……。うぇぇ……」

 

 彼女は決壊したダムのように、泣いた。

 感情を溢れさせながら、弱々しく俺の左脇腹を何度も殴っていた。

 俺は彼女にとって最後の砦でありたかった。

 だから気の済むまで殴らせる。

「止めろ」とも言わずに、ただ見守る。

 へそまで垂れた黒いネクタイがユラユラと揺れた。

 きっと環境に縛られて育ったせいだ。

 ワガママを押し殺すばっかりで、溜め込むことに専念したのだろう。

 きっと、感傷の吐き出し方を覚え忘れて成長したのだ。

 それは仕方のない暴力だと思った。

 

 手が止まったから、ふと視線を落とした。

 そこに王女の面影は無かった。

 あったのは鼻水と涙に歪んだ少女の残骸だけで。

 俺の心はそれを見るに耐えられるほど、酷く作られていなかった。

 真珠のように真っ白な拳をギュッと優しく包みこむ。

 その両手は小動物のようにプルプルと、震えていた。

 車内に入り浸る通夜のような静けさ。

 しんみりと、しゃくりあげる音だけが聞こえる。

 彼女がズズッと鼻を啜る。

 ドライバーはバツが悪そうに帽子を直した。

 

 ――初うまぴょいまで残り43分

 

 

  

  †

 

 

 

 黒塗りのセダンの横にタクシーが止まった。

 俺の家の目の前に、なぜそれが泊まっているのか。

 考えるまでもない。

 俺は玄関の前を塞ぐ黒スーツの壁を見た。

 闇に溶けんとしている集団には見覚えがあった。

 ドアを開けようとして躊躇う。

 勝手に開く。

 その男集団の中でも特に体躯の小さなウマ娘が、電信柱に寄りかかっていた。

 身体の割に大きなミミがピョコンとはねた。

 彼女が咥えているタバコはまだ赫い。

 肺を満たす度にチリチリと燃えて炭へ変わった。

 昇る細い煙がサラサラと灰色の空に溶ける。

 

 その革靴がコチラを向いた。

 

 彼女はチラリとファインに目線を配った。

 表情は崩れない。

 吸い殻をポケットにしまって、アスファルトの上で跪いた。

 

「おかえりなさいませ、殿下」

「ただいま」

「少々トレーナー様にお話があるので、お時間よろしいでしょうか?」

「えっ、うん」

「お身体が冷えてはいけませんから、中でお待ちください」

 

 彼女は「SP隊長」と呼ばれる人だ。切れ者で、聡明。

 2人きりになってからタバコの箱を開ける。

 一本だけ引き抜いて俺に差し出した。

 

「吸うか?」

「……。あぁ、ありがとう……」

 

 受け取ろうと指を伸ばす。

 伸ばしたらヒョイと、取り上げられた。

 

「バーカ。こっから父親になるかもしれないヤツが吸うワケないだろうが」

「あっ……」

「その様子だと、検査で外れクジ引かされたようだな?」

「お見通しか」

 

 勝てないなと思った。

 その黙秘が肯定と知りながら、俺は言葉を発さない。

 彼女もそれを隙と見て、煙草に火をつけた。

 ヤシの身を発酵させたような、酸味の強い独特な香りだった。

 

「それ、法的に大丈夫なのか?」

「……? あぁ、日本には売ってないんだ、コレ。アイルランドじゃ有名だよ。国王もよくお吸いになられてる」

「そうなのか……。ごめんな野暮なことを」

「構わない。だが……まぁ……吸いすぎて……殿下を縛るとはなぁ……。誰が予想できるんだろうな」

「どういう意味だ?」

「その外れクジは元から仕組まれてたんだよ」

「は?」

「察しが悪いな。あまり言葉にしたくないんだけどな」

 

 彼女は「ハァ……」と煙の混じった深いため息を溢した。

 その目はどこか虚で。

 瞳孔に反射するねずみ色の空を上塗りするようにパチリと瞼を落とす。

 

「ここからはSPとしてではなく、一介のウマ娘として話をする。わかったか?」

「あ……、あぁ」

「信じられないかもしれないが。あのバカはな、王妃が妊娠しても尚、コイツを吸い続けたんだよ」

 

 ソレを人差し指でトントンと叩く。

 数ミリの炭がパラパラと地面に朽ちた。

 

「バカだよな。何度やめろと打診したかわからん。まぁいいさ。さて、そんな副流煙を受け続けて子を出産したら、どうなると思う?」

「まぁ無事じゃないだろうな……」

「『無事じゃない』か。確かにな。でも幸いなことに身体はわりと健康だったんだが──」

「先天的に不妊症を患ったと……」

 

 彼女は途中の吸い殻を、右手でジュッと揉み消した。

 黒い皮手袋がギリギリ。

 

「確か9歳だったな。初潮の検査で発覚したよ。その時くらいだったかな、あの頭飾りを付け始めたのは。アレ、子供を産めない証でね」

「わざわざ2回も不妊の検査を受けさせたのは、自覚させるためってことか? 19歳になったから現実を受け入れられるだろうと踏んで」

「それは、そう。お前の生殖能力を確認するタメでもあるんだけどね。にしたってホントに可哀想だよ。こんな大層な血筋に産まれておきながら、生殖能力が欠損してるなんてね」

「国王だろ……? タバコを吸い続けるなんて、そんなことするわけが……」

「国王だから、かな。表面上は止めたって言ってたよ。でも陰で吸ってやがった。匂いでバレるってのにね。結局は権力には勝てなくて、それ以上は止めれなかった。なんとも無力だねぇ」

 

 吸い殻を排水溝に向けて弾いて、彼女は続ける。

 

「そんでまぁ、その余波が君にも響いたってワケだ。もう察したか? 殿下は暫くアイルランドで預からせてもらうよ。治療の為にな」

「は? 嘘だ。嘘だ……」

「安心してくれ。流石にアイツも反省したみたいで、発覚して以降は治療に関する情報をかき集めてたよ。留まるよりは、治る見込みがあるだろうさ」

「……いつ帰ってくるんだ?」

「さぁ? 強いて言うなら『治ってから』かな。先天的なモンってのは治すのが難しいから、なんとも。まぁ治る確率は3割ってトコか」

「もし、治らなかったら……」

「遺伝子的に相性の良い奴と結婚して、いやがおうにも子供を作らされるだろうな。もっとも、相性を確かめるために何人の男に抱かれるのか、判ったモンじゃ無いが」

「マジかよ……」

「好きでもない男とセックスはキツいよなぁ……。私だって嫌だよ。んで、こっからが本題」

 

 隣り合っていた俺に体を向き直してペコリと頭を下げた。

 

「この話を殿下に、お前から伝えてほしいんだ。もちろんツラいコトだと理解してるよ。でも適任は君しかいないんだ」

「……」

 多分それは駄々をこねるから。

 俺から言われないと納得して帰国しないハズだ。

 強制帰国。

 それを伝えたら一体どんな顔をするのだろう。

 もう泣き顔を見たくない。

 それなのに、目尻を真っ赤に染めた彼女の幻影が、ハッキリと眼前に浮かぶ。

 あぁ嫌だ。

 どうせ拒否権なんて無いだろうけど、聞いてみる。 

 

「嫌だと言ったら、どうなる?」

「どうせわかってるクセに何を。殿下が胸にしこりを残したまま旅立つだけだろ。治るかもわからない症状を、生半可な覚悟で治療したって、逆に辛いだけだ」

「だよな……」

「今回は、お前に犠牲になってもらいたい。ハッキリと伝えて帰国の決意を固めさせてほしいんだ」

 

 クソが。

 本当にズルい。

 全部わかってて言ってるんだ。

 どんな伝え方であれ、必ずどちらか以上が辛い思いをすることを。

 ならば、せめて俺が。

 

「……わかった」

「話が早くて助かるよ」

 

 渋々ながら承諾すると、彼女の目つきがシャキリと尖った。

 それはSPに戻った瞬間だった。

 彼女はモデルのように身を翻して1歩、2歩と離れ……ない。

 

「っと、そうだ。コレは餞別さ。2人の前途多難であろう旅路へ向けた、せめてものね。ほらオマエも吸いたがってただろ?」

 振り返って、その黒皮の手袋をつけた右手を俺のスラックスのポケットに突っ込んだ。

 ゴツゴツとした直方体の角がチクリと太腿を刺した。

 恐らくタバコだなと思った。

 

「どーも。ちょっと元気出たよ。ありがとう」

「まぁ……頑張れ。帰国手続きの詳細は纏めて明日の夜に送る。どーせお前達、今日は“忙しく”なるだろうから。……多分」

 

 予期するような、期待するような。

 そんな曖昧な言葉を背負って彼女は踵を返す。

 

「おい、それってどんな……」

 

 答えは帰ってこなかった。

 右手をパッパと投げるだけ。

 言及は野暮なのだと悟った。

 俺もクルリと背を向けた。

 

 人肌の温もりのように緩い風が、そよそよと灰色のアスファルトを撫でた。

 マンホールの蓋に挟まった落ち葉が、パラパラと空を舞う。

 捨てられたチラシのように力強く、うねっていた。

 

――初うまぴょいまで残り23分

 

 

 

 

   †

 

 

 

 

 

「おかえり。遅かったね」

「ごめん。思ったより話が長引いてさ」

 

 ファインは緑色のソファの上で体育座りを組んでいた。

 足の爪をイジりながら、ボーっとワイドショーを眺めている。

 戦争がなんたら、税金がなんたらと。

 大して興味のなさそうな話題だった。

 

「何か飲む?」

「……」

「ファイン?」

「あっ! うん。どうしたの?」

「考えてる最中にゴメン。飲み物いる?」

「いやいや全然、考え事なんて。折角だし、お願いしようかな」

 

 水出しの紅茶を淹れた。

 オレンジ色の液体をガラスのコップに注ぐ。

 ふわりと漂う柑橘の香り。

 彼女の実家から送られた銘柄だ。

 茶葉の名前なんて読めないけれど。

 多分彼女の好きなヤツ。

 

 前触れもなく重大な話題を切り出せるほど、器用な自分ではない。

 重たい話を飲み込ませるには、順序を守る必要がある。

 キンキンに冷えた紅茶は清流のように、サラサラと喉を通り抜ける。

 俺は茶葉の品種をキッカケにして、話を広げる決意をした。

 紅茶のサラサラとした軽やかな喉越しに、あのドラマのように重い離れ話を乗せるのだ。

 

  俺は彼女の右隣に座った。

 コップを焦茶色の古木で作られた机の上に置く。

 紅茶の透き通ったオレンジ色と調和して、アンティークな佇まいだった。

 一口飲む。

 

「コレで良かった? 水出しだから飲みやすいと思う」

「ありがとう。喉乾いてたんだ。って、あれ? この品種知ってる」

「実家から送られてきたヤツなんだよね」

「あー! やっぱり! だから飲んだことある風味だったのか」

「うん。そう……。実家のやつ……」

「…………」

「……」

 

──ほら言えよ俺。「実は君は帰国しなきゃいけないんだ」って。お膳立ては終わってる。簡単だ。

 

「ねぇファイン」

「なにかな?」

「……夕飯は何が良い?」

「う〜ん。やっぱりラーメンかな。でも、豚骨ラーメンってよりは、あっさりした塩ラーメンが良いな」

「珍しい」

「ちょっと泣き過ぎちゃったから、塩分補給」

「にしたって、いつもラーメンじゃん」

「美味しいんだもん」

「わかる」

 

──早くしろ。何のために紅茶を淹れたんだ? 先延ばしにするほど辛いだけなのに。

 

「ねぇファイン」

「なーに?」

「何もできなくて……ごめん」

「ううん、謝らないで。トレーナーさんは悪くないよ。きっと治るって信じてるから! そう考えればへっちゃら!」

 

 彼女はニカッと笑って、ピースサインを向けた。

 目尻が赤く腫れ上がっていた。

 

「嘘が下手だな」

「えぇ〜?」

「あぁ……クソッ」

 

──このヘタレが。

 

「ねぇファイン」

「んー?」

「その……」

「帰国の話でしょ?」

 

──は?

 

 コップをひっくり返しそうになった。

 

「なんで?!」

「やっぱり。なんとなくわかるよ。子供を産めなかったら、お父様が全力で治療しようとするなんて」

「…………」

「神様って理不尽だよね。何をしたって言うんだろ」

 

 彼女は手元のソレを一気に飲み干した。

 グラスを机上に打ち付ける。

 

「まぁ……仕方ないけどさ」

 

「カツン」と響いてからの一言だった。

 どう育てば「仕方ない」なんて割り切れる?

 極めて何か達観したような諦めたような。

 10代のウマ娘が立つべきではない境地に彼女は足を掛けているように思えた。

 まだ君はそこに踏み込むべきではないだろう。

 年上の俺ですら立てていないのに、どうして追い越してまで立つ意味があるのか。

 19歳の少女ならば純粋無垢に笑っていてほしい。

 でも俺はその境地に立てない未熟者だから。

 どうしても君を引き止める。

 

「嫌だ……。行かないでよ……」

 

 弱々しい、蚊の鳴くような声だった。

 理解している。

 約束を破っていることなんて、誰のタメにもならないコトなんて。

 治さなければならない。

 一国の皇女として、1人の女性として。

 でも、でも……。

 

「治る確率は3割だって。もし治らなかったら……遺伝子レベルで相性の良いパートナーを探すことになるって」

「もしかしたら、もう帰れないかもしれないってこと……?」

 

 俺は黙って、コクリと深く頷いた。

 ごめんな。

 ヘタレな俺だから夜逃げなんて王子様みたいなマネはできない。

「幸せに結ばれたらそれでいい」なんて献身的な言葉だって、かけられない。

 長いまつ毛が、震えていた。

 

「あれ、おかしいな。最後にしようって、さっき」

 

 ブラウスにポタリと一滴の露が零れた。

 まるで降り始めた雨がコンクリートにポツリポツリと穴を開けるように。

 真っ白なブラウスに灰色の斑点が浮かぶ。

 俺はその崩れた彼女を見たくなかった。

 膝に乗せて、もう一度ギュッと包み込んだ。

 タクシーを待っていた時よりも腕に力を入れて。

 

 女性らしい柔らかな背中だった。

 

 俺もバレないようにヒッソリと涙を溢れさせた。

 隠し通すつもりだったけど、やっぱり未熟者で。

 左頬を伝った露がファインの左ミミをジワリと濡らした。

 彼女もグッと抱き寄せた。

 

――初うまぴょいまでのこり10分

 

 

 

 

 

 

 どれくらい経っただろう。

 恐る恐る背中に回した手をほどく。

 彼女の頭が肩にコロリと、もたれた。

 

「ファイン……?」

 

 その整った鼻からスゥスゥと細やかな寝息が漏れていた。

 寝落ちたのは多分、泣き疲れたから。

 俺はシワになりそうなカーディガンを脱がせて机の上に畳んだ。

 その袖はグシャグシャにシミていた。

 彼女の頬をそっと撫でて、独りごちる。

 

「そんな我慢しなくていいのに。素直に言ってほしいな。辛い時も、甘えたい時も」

「……」

 

 返事はない。

 秒針がコチコチと銀色の円縁をなぞるだけ。

 太陽ですらスッカリと地平線に沈んで、見向きもしなかった。

 ファインをお姫様抱っこで持ち上げてから、俺はソファを後にした。

 寝室までのバージンロードを2人で歩む。

 腰を落とさずとも持ち上げられる程度の、軽いバ体だった。

 

 

 

 

 オレンジ色に支配された寝室に足を踏み入れる。

 お姫様をシングルベッドに添える。

 灰色の毛布をかけて「おやすみ」を告げた。

 彼女が起きてから混乱しないよう、暗闇に変えなかった。

 僅かな豆電球の灯りを頼りにドアノブへと手をかける。

 捻ることはなかった。

 

「……トレーナーさん」

 

 呼ばれた声に振り返る。

 毛布を捲った彼女が上半身を起こしていた。

 バクバクと跳ねる心臓を抑えて、返す。

 

「起こしちゃった? ごめんね」

「寝てないもん」

「えっ」

 

 彼女は右手をヒラヒラと、こ招いた。

 僅かに伺えるその表情はどこか覚悟を決めたような剣幕で。

 俺は釣られるがままにベッドに膝をかける。

 両膝を乗せた瞬間にグイッと両手を引っ張られた。

 体制が崩れる。

 静やかな胸に顔面が、沈む。

 

「ちょっ……。ファイン……」

 

 反射的に頭を引いた。

 彼女はヘヘッとイタズラっぽく笑う。

 不覚にも可愛いな、と思った。

 いつから起きてたのか、なぜこんな突飛をしたのか。

 聞きたいことは幾つかあったけれど。

 口元でバッテン印を作られた。

 そんなことをされては聞けるハズもなく。

 次に言葉を発したのは彼女から。

 王女には似つかわしくないセリフだった。

 

「ねぇトレーナーさん、抱いてよ」

 

「なんで」なんて聞くまでもなかった。

 帰国して他の男に抱かれるくらいなら俺に、ということだろう。

 わかっているけれど。

 焦りすぎだと思った。

 行為前の艶かしい雰囲気なんて感じられない。

 その気持ちだけが勝手に先走っているように見える。

 俺は中指と親指に力を込めて彼女の額に打ち込んだ。

 

「うひゃっ」

「大丈夫。ファインの気持ちに気づかないほど、鈍感じゃないからさ」

「うぅ……」

 

 彼女は額を抑えてパッと顔を下に向けた。

 茶色のフサフサとしたミミが垂れる。

 優しく撫でると気持ちよさそうにピロピロとゆるませた。

 思わず本音が漏れた。

 

「ホント不器用」

「……ごめんね」

「全然だよ」

 

 目と目が合う。

 互いに吸い込まれる。

 額がコツンと重なった。

 後ろ髪を束ねるリボンの尾に、俺は人差し指と親指の腹をかける。

 結び目が少し固い。靴紐を解くみたいに、ピンと引っ張った。

 ブロンドブラウンの美髪がシュルリと、崩れた。

 うねったクセ毛をそのままに。

 サラリと肩下まで枝垂れる。

 リボンを解かれた姿を見たのは初めてだった。

 まるで別人で。

 呼吸をすることすらも忘れて、魅入った。

 心臓がくすぶる。

 チクチクと痒い。

 いい大人が恥ずかしいなと思った。

 

 照れを隠さずには居られなくて。

 彼女の前髪を右手でもしゃもしゃと掻き分けた。

 視線を誤魔化すには、それが最適だった。

 艶髪が5指をスルスルと通り抜ける。

 数秒ほど堪能してから嘘が見抜かれた。

 

「照れてるの?」

「いやっホラ、ファインの前髪って中央だけ白く染まってるじゃん? それが気になっただけ」

「嘘だ〜。トレーナーさんも素直じゃないな」

「いやっ、う〜ん……。そうかもね」

「なら、お返しだ」

 

 彼女は白い華奢な指で俺の額をピンと爪弾いた。

 母親が子にするような、緩やかなお仕置きだった。

 彼女は満足そうにフンと鼻を鳴らして少し俯く。

 人差し指でミミ元をクルクルとなぞって求める。

 

「ねぇねぇ、コレも取ってよ」

「……良いのか?」

「うん。どーせ邪魔になるからさ」

 

 前髪に咲く赤いクローバーを2人でそっと摘み取る。

 俺は左を。彼女は右を。

 

(不妊の証なんて、不要だ)

 

 俺はグッと左手に力を込めた。

 パキッと音を立てて花弁が欠けた。

 彼女は一瞬だけ目を見開いてムスッと。

 

「貴様〜……。新しく買い直してもらうからな〜」

 

 怒気は混じっていなかった。

 多分、このクローバーに込められた意味を理解しているのだろう。

 

 両肩をトンと押す。

 抗わずしてベッドがギシッと軋む。

 ファインは右手の甲で少し眩しそうに両目を覆った。

 何かを探るように空中でクルクルと踊る左手。

 頭をぶつける。グイッと引き寄せられた。

 四つん這いに覆い被さって俺は答えた。

 

「もちろん。こんな呪いのクローバーじゃなくて。緑に満ちた大きな葉っぱの髪留めを買うよ。ピッタリじゃないか」

 

 彼女は嬉しそうに口角を滑らせた。

 どこか納得したように、うんうんと首を縦に振って右手を開いた。

 その赤三つ葉も、欠けていた。

 

「貰っていい?」

「うん」

 

 ポケットに押し込むと薬指を押し返す感触があった。

 タバコにしては、やけに重いなと思った。

 あぁそうだ、と取り出す。

 

「えっ……いやアイツ……、どこまで見越して……」

 

 取り出されたのは[[rb:避妊具 > コンドーム]]の箱だった。

 オモテ面に0.1ミリだとかナントカ。

 タバコだと確信していた俺を殴りたくなった。

 ピンク色のラッピングに黒のインクが滲んでいた。「最後まで恋人で居てやれ」と読める。

 アイツなりの応援の仕方なのだろうと思った。

 

「それ……つけるの?」

 

 困惑しているとファインは不思議そうに問いを投げた。

 当たり前だ。

 不妊症でも偶然ながら懐妊する例はある。

 ならば付ける必要がない。

 それでも俺は「うん」と答えた。

 性病の予防とか、初めてだからとか、理由は色々とあるけれど。

 そんな最もらしい理屈は一旦ナシにしよう。

 俺は箱からピンク色の一枚を取り出して、彼女の唇に差し込んだ。

 何かを言いたげな口を制して、俺は決意を口にした。

 

「ねぇファイン。“夫婦ごっこ”を続けようよ」

 

 彼女は不思議そうに首を傾けた。

 肩に被さる茶髪が、溢れる。

 俺はジッと目を合わせて答えた。

 

「君が帰ってくる日まで、ね。だから絶対に戻ると約束してくれ。治らない前提なんて嫌だ。日本で正式に婚約を結んだらゴムを外そう。そこで初めて“夫婦”になろっか」

 

 彼女は少し、怪訝な顔をした。

 当たり前だ。

 自分でもその決意が脅迫に聞こえるのだから。

「ゴムを外したかったら直してこい」などという理不尽を押し付けるなんて、我ながらサイアクだ。

 でも、これは矛盾を乗り越える為にあてがった俺なりの誓約だった。

「行かないでよ」を「婚約したら」に言い換えれば、きっと前向きになれる。

 現在に囚われるよりも未来に仮定する方が、よっぽど有益だと気がついたのだ。

 

「ごめんね。ダサくて」

 

 彼女はフルフルと首を横に振った。

 瞳はもう、乾いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

────俺は1本になったネクタイを枕の横に投げ捨てた。手慣れた手つきで、上からワイシャツのボタンを解く。袖から手を抜いている最中も、ファインは腹筋を触っていた。ヒートテックの上から確かめて「へー、すごいね」なんて変な感想を口にする。

 

 

 君はこれから蟻地獄のような、終わりの見えない治療生活に挑む。

 匙を投げたくなるだろう。

 泣きたくだってなるだろう。

 キミのことだ。

 どうせ文句の一つも溢さずに、飄々とした態度で治療に臨むつもりだろう?

  でもその時くらいは素直になってほしい。

 ツラいならツラいって、言って。

 

 俺はヒーローになれない。

 

 アイルランドに飛んでお義父さんを「何やってんだオマエ」って殴り飛ばせない。

 ツラい時に頭を撫でられない。

 これじゃあ「遅れて参上」どころの始末じゃないな。

 テレビの外側から眺めてる視聴者と、まるで変わらないじゃないか。

 でも傍観者は嫌だ。俺はエゴイストだから、キミの[[rb:最後の砦 > ヒーロー]]でありたい。

 無理だと理解っていても、そう願ってしまうのさ。

 

 だから。

 

 迷わずに電話を掛けてね。

 治る兆しが見えなくて、胸を押し潰されそうになったら。

 3コール以内に出ることを約束する。

「一緒に頑張ろう」って励ますことなら俺にだってできる。

 ヒロインにアドバイスを与える脇役程度には、なれるハズだ。

 大丈夫。

 いつだって隣にいるから。

 帰ってくるのに何年かかろうと構わない。

 回復を祈りながら、ただ、待ち続ける。

 大葉の髪留めは買っておくよ。

 君が全ての壁を乗り越えて、空港のセントラルゲートをくぐったのなら。

 その場で君の前髪を留めると誓う。

 1時間前とは全く異なる、喜びに満ちた涙と共に。

 

 その時にでも理不尽なカミサマに言ってやる「試練を与えてくれありがとう。もっと好きになれました」って。

 

 いってらっしゃい。

 

 

 

 

────私はまだ包装されたゴムを咥えていた。胸元のボタンに指をかける。最後のボタンを外し終える前に、トレーナーさんが天井から垂れる紐を手繰った。パッと暗闇に襲われる。多分、シルエットがハッキリと見えないように消したのだろう。袖から落ちたブラウスがパサリと地面を這う。

 

 

 トレーナーさんは「素直になれ」とか「我慢しなくていい」とかを言う。

 それでも結局は、彼自身が1番の意地っ張りなのだ。

 何が「正式に婚約を結べたらゴムを外す」だよ頑固者!

 本当はゴムなんて付けたくないクセに。

 怒ってないよ。感謝してる。

 あの脅迫めいた約束のおかけで、しっかりと帰る決意ができた。

 それにご褒美とか、そんな下卑た意図はない。

 もっと明快な意味がある。

 それは単純に「決意に応える」という覚悟の意義だ。約束の内容は何だって良くて。

 彼が振り絞って出した回答を、私は無下にできなかったのだ。

 神を恨む前にやるべき事があるのだと気づかされた。

 

 外で話している時。

 私は未亡人のように泣いた。

 コレを最後に。迷惑をかけないように。

 でも、いざ引き止められたら嬉しくて……。

 当然ながら離れることは悲しい。

 でも、抱きしめた彼の背中は私以上に震えていた。

 大人だから引き留める矛盾を理解して、辛かったのだと思う。

 理性的に感情を優先できないからこそ、余計に。

 それでも葛藤を乗り越えて、何とか送り出す決心を固めたんだよね。

 

 ありがとう。私も頑張る。

 

 でも、ちょっと不安だな。

 たまに電話を掛けてもいい?

  辛くて嘆いたり、嫌になって逃避したりをするかもしれないけど。

 その時は、暖かい言葉で頭を撫でてほしいな。

 

 次のタクシーは私が予約しとくよ。

 

 トレーナーさんが全てを耐え忍んで。

 空港のターミナルに着いたのなら、その場であなたの手を引くと誓う。

 1時間前とは全く異なった初夜を迎えるカップルのような雰囲気と共に。

 その時にでも愛するキサマに言おうかな「待っててくれてありがとう。これでやっと夫婦だね」って。

 

 いってきます。

 

 

 

 

────リップサービスを求めたのは、ファインモーションからだった。瞼を落として、トレーナを待ち侘びる。

 

 恥じらうキミと澄ましたキサマ。

 2人は融けて夜闇に溶ける。

 想いの丈を寄せる。

 静かに唇を重ね合う。

 

 

 

 

 

 

 

――初うまぴょいまで残り0分。

 

 

 

 

 

 

 




楽しんでくれましたか?

実は不妊症の証を壊すシチュがこの先の展開の伏線になってます。

タクシーの窓に張り付いた葉は「リーフ・モーション」なんですかね?

何はともあれ幸せに結ばれて欲しいですね。

感想、誤字、等等を書いてくださると嬉しいです。
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