イヌ子さんのホラ吹き。《あの時の嘘、ほんまやで〜》   作:あきと。

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第四十三話 「秘密会議」

 

バイトを頑張る反面、部活で集まる事が少なくなった野クルは来たる伊豆キャンに向けての資金集めに奮闘していた。

その最中、期末テストが迫っている事に焦りを感じる大垣さんの為に勉強会を行う事に。そして、今日がその図書室でやる勉強会だったのだが……。

 

「ここのnはこの式を表してるから。その三乗なら、これをかっこで括って……」

 

「こくん、こくん……」

 

「すぴー……」

 

図書委員の仕事でカウンターに腰掛けるリンを除いた五人が一つのテーブルを囲むようにして勉強に励む。

テーブルのふち側に座っていたあらたは、千明となでしこに聞かれ数学の問題を教えていた。

 

「あのー、二人とも?」

 

「すー、すー…」

 

「むにゃむにゃ、もう食べられないよぅ」

 

暖房の効いた暖かい図書室で小一時間程勉強もしていれば眠くなるのも当然か。でも、ここは心を鬼にして。

 

「ほら起きて、大垣さん」

 

「ん、んー…?」

 

「各務原さんも、頑張って」

 

「すぅー……」

 

肩を軽く揺らすと、眠そうな声を上げながらもゆっくりと目を開ける。

 

「…ん? 私寝ちゃってたのか?」

 

「あきー? ちゃんとやらんとキャンプ行けなくなるでー」

 

「あはは。でも眠くなる気持ちは分かるかも」

 

一連の流れを見ていたあおいが手を止めて、頬杖をついたまま呆れた顔で言った。隣の恵那もその様子を見て笑う。

 

「わ、悪りぃ悪りぃ。つい眠くなっちまってさぁ」

 

やばいやばいと頭に手を置いて謝罪をする千明。

 

「小牧もスマン。もう一度教えてもらってもいいか?」

 

「もちろん。教えるのも勉強になるから」

 

「えへへ、こんなところにも身延まんじゅうが……」

 

「各務原さーん。戻ってきてー」

 

「大丈夫だよぅ。身延まんじゅうをかっこで囲うんでしょ……むにゃむにや」

 

「あかん。まだ夢の中や」

 

「じゃあさ、ニンジンをぶら下げるのはどうかな?」

 

「おいおい、そんな馬みたいな…」

 

「馬しこやな」

 

「でも斉藤さん、ニンジンって具体的にどうするの?」

 

「あと一時間頑張れば、お菓子が食べれるとか」

 

「お菓子! お菓子の時間なの!?」

 

「あ、それで起きるんだね」

 

「なでしこー、お前もちゃんと勉強しなきゃ駄目だぞ」

 

「あきもやで」

 

(何やってるんだあいつら)

 

そんなリンも気になる勉強会も経て、無事期末テストは終了。

皆、勉強した甲斐があり満足の結果となった。

不安を感じていた大垣さんも平均点以上の点を獲って、あとはキャンプ当日を待つのみと本格的な準備の期間に突入した。

 

 

△ △ △ △

 

 

「さてと、明日はバイト休みだから。放課後は甲府の方に買い物でも行くか」

 

あらたはキャンプまでに用意しておきたい物を探しにスマホ片手に予定を立てていた。

 

「あおい、喜んでくれると良いな」

 

ブーッ、ブーッ。

 

その時、チャットの通知が鳴った。

 

「誰だろう。遅い時間に珍しいな……。あ、斉藤さんからだ」

 

そういえば、少し前にあおいと各務原さんを除いたメンバーで招待を受けたのだった。どうやらそのお知らせらしい。

あらたは送り主を確認すると、チャットのページに飛んだ。

 

《臨時グループチャット》

 

【恵那】「リン、あきちゃん、小牧くんも起きてるー?」

 

【あらた】「起きてるよー」

 

【リン】「ねてる。」

 

【千明】「(_ _).。o○スヤァ…」

 

【あらた】「あ、やっぱり俺も寝てます」

 

【恵那】「はいはい、全員起きてるね」

 

【あらた】「それより、どうしたの斉藤さん」

 

【恵那】「なでしこちゃんとあおいちゃんのプレゼントそろそろ決めない?」

 

【リン】「お、そうだな」

 

 

そうだ。みんなで何か贈ろうって話してたんだった。

 

 

【あらた】「何にしようか」

 

【千明】「やべー忘れてた」

 

【リン】「おい言い出しっぺ」

 

【リン】「でもさ、小牧くんはもうあおいには準備してたんじゃないの? 付き合ってるんだし」

 

うぐ。志摩さん鋭いな。

 

【あらた】「…まぁね」

 

【恵那】「そっか。さすがは彼氏さんだね」

 

【あらた】「大丈夫だよ。個人的に準備はしてたけど、皆んなで贈るプレゼントにもお金は出すから」

 

【恵那】「そう? それならいいけど」

 

【千明】「このリッチマンめ!」

 

【あらた】「みんなより早くバイト始めてたからねd( ̄  ̄)」

 

【千明】「くっ、これが大人の余裕というやつなのか」

 

【リン】「へぇ、何用意したの?」

 

【恵那】「リン、それは野暮という物だよ」

 

【リン】「??」

 

【千明】「まさか、指輪か!指輪なのか!!」

 

【リン】「えぇっ!?!(◎_◎;)」

 

【あらた】「違う違う、気が早いよ。それより、各務原さんの分もプレゼント買うんだし。本当に気にしなくていいよ」

 

【恵那】「わかった、ありがとう。何か案がある人っている?」

 

【リン】「そうだなー」

 

【リン】「椅子とかテーブルは高いし」

 

【リン】「二人とも一通りの道具は持ってるよな」

 

【あらた】「うん、椅子もこの前買ったから。気軽に使えそうな物とかの方が良いかも」

 

【リン】「なら、食器類とかどう?」

 

【恵那】「いいかも。いつも家で使ってるお椀とか紙皿使ってるもんね」

 

【千明】「あれいいんじゃないか? 富士吉田カリブーで見たやつ!!」

 

【恵那】「あ! プラスチック製だけど木皿っぽいあれね!!」

 

【あらた】「これだよね。今ネットで調べてみた」

 

【千明】「早っ! 有能だなお前…」

 

『樹脂製木皿』

木繊維と樹脂を合わせた素材で、耐熱・耐久性に優れお手入れも簡単です。

¥3000(税込)

 

【リン】「お、これいいな。値段も高すぎないし」

 

【千明】「だろー?」

 

【リン】「2個で6000円だから。1人1500円ずつだな」

 

【恵那】「じゃあこれにしない?」

 

【あらた】「そうだね。いいと思う」

 

【千明】「よーし決定!!」

 

【恵那】「どこで買う? ネット?」

 

【千明】「確か身延のカリブーにもあったはずだぞ」

 

【千明】「あたし明日バイト休みだし。早速学校帰りにカリブーで買ってくるわ」

 

【リン】「分かった、明日お金渡すよ」

 

【あらた】「俺も朝に渡すね」

 

【恵那】「よろしくねー」

 

【千明】「お前らに預かった金は明後日3倍にして返してやっからなー!!(΄◉◞౪◟◉`)」

 

【あらた】「大垣さん、それダメなやつ」

 

【リン】「おい、絶対やめろよ。」

 

【恵那】「やめてーw」

 

 

「……よし、みんなで渡すプレゼントもオッケー」

 

あらたは一通りのやり取りを終えて、スマホを置いた。

伊豆キャンまでもう一週間もない。次の休みはいよいよ伊豆でのキャンプだ。

 





いつも読んでいただいている皆さん。ここまで読んで頂きありがとうございます。あきとです。
以前よりアンケートを取らせて頂いておりました。2期以降の方針ですが、3期に入る前に劇場版を書く事を決定致しましたので報告します。
回答頂きありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。\ヨロシク/
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